サウンドハウス

lenheyvan’s music

ギター、エフェクター製作、オーディオなど、大好きな音楽の話をしていきます。

Marshall Class5 モディファイ ~第二部(回路解説)~

どうも、lenheyvanです。

Marshall Class5モディファイの第二部の回路解説になります。

※前編、後編の二部構成にする予定が、回路説明が結構長くなったので三部構成にしました。

第一部の「作業工程」はコチラ
↓↓↓

lenheyvan.hateblo.jp

 

最初に、回路全体を見てみましょう。

1.回路全体像


一番左がINPUTジャックです。
Class5はプリ管2本(12AX7)、パワー管1本(EL84)です。

V1A/V1Bが1本目のプリ管、V2A/V2Bが2本目のプリ管、V3Aがパワー管です。
真空管は基本的に増幅回路が2つ入っていて、たとえば1本目のプリ管だとV1AとV1Bの2回路になります。Marshall1959/1987なんかは1本目はV1A or V1Bのどちらかしか使ってません(チャンネルⅠ、Ⅱで使い分けている)。

V1AとV1Bを直列で接続して、GAINを稼いだのがRandyRhoadsがやっていたカスケード接続というものです。現行でも1959RRという製品名で販売されています。(もう製造中止したのかな?)

アンプの仕組みをもっと知りたい方は、解説本書いてますのでどうぞ。

kindle unlimitedに入っている方は「読み放題」に入ってますので無料で読めます。

 

真空管ギターアンプの仕組み(前編)
~回路図の解説~


真空管ギターアンプの仕組み(後編)
~モディファイの実践方法~

 

 

Class5はムッチリした音色というか、ローがガッツリ出ていてモコモコしています。
ハイはMarshallらしい、グラッシーな感じですが、ローが出すぎていて、ハイをスポイルしているような感じです。

回路図を見ると、狙っているやっているように見受けられます。

 

2.入力部~V1A

まずココ。

INPUT直後の部分です。

R20が470KΩになっていて、並列にC10が47pFで入っています。

通常、INPUT直後のR20は1MΩです。
※抵抗値が高いほうがハイ落ちせずにストレートに信号を後段へ送れます。

470KΩという少し小さめの値にすることでハイを少し落としています。

加えて、並列にC10というコンデンサを入れることで、更にハイを落としています。
47pFという小さい値なので超高域ではありますが、それでも効果は結構あります。

よく言えば太い音、悪く言えばモコモコしたスッキリしない音になります。



次にV1Aのカソードバイアス(※)を見てみます。

真空管のK(カソード)からGNDへ延びている部分のことで、どの周波数帯域を増幅するかに大きな影響を及ぼす大事な部分です。

R18の1.5KΩは割と小さ目なので増幅率は高めです。
ただ、C8が10uFと大きい値なので、低音域をかなり通す(=増幅する)ので、ローからハイまでガッツリ増幅しています。

V1AからC9を通ってVOLUMEに繋がってますが、これがVOLUMEノブです。

ココね↓

 

 

3.V1B~トーン回路

次に、VOLUMEからV1Bへ繋がるところです。
R9やR8,R10は1959や1987では見かけない部分ですね。

V1BのG(グリッド)に入る前にR9-R10-GNDとなってますが、これも少しハイ落ちさせていると思います。


次にトーン回路(EQ部分)です。
ここは定数を変えると、EQでいじれる帯域を調整することができます。

以下サイトで「Tone Stack Calculator」というソフトウェアをダウンロードできます。

https://www.duncanamps.com/tsc/index.html

簡単にトーン回路の動き方や、各定数を変えた場合に周波数帯域がどう変わるかを計算することができます。今のトーン回路に不満を持っている方にはかなり役立つと思います。



そこからV2Aへと繋がりますが、R22,23で分圧してますね。
ここは出力を半分にしています。

1959なんかだとVOLUMEになっていたりする部分ですが、固定で半分にしてますね。
分圧せずにV2Aに突っ込むと出力大き過ぎて発振してしまうからだと思います。

V1AとV1Bの音色が異なるようにしておいて、ここをVOLUMEノブを増設することで、VOLUMEⅠとVOLUMEⅡの調整で音色変えるなんて使い方も面白そうですね。


そしてR21はV2Aのカソードバイアスです。

抵抗だけ(特に高めの値)だとサウンドを引き締める効果があります。
6.8KΩなので引き締めるには十分ですね。

JCM800なんかは10KΩです。

ここまでの回路でモコモコサウンドにしてきたので、ここでバランスを取っていると思います。コンデンサを入れないことで、GAINを上げ過ぎずに、かつ、これ以上モコモコして使えないサウンドにならないようにしていると思います。

4.V2B~パワー管(V3A)

トーン回路を通った後、R14、R11でまた分圧して出力を半分に落としています。
そのあと、R12を通ってV2BのG(グリッド)に繋がりますが、R12の470KΩは一般的な数値です。

通常、増幅して来た信号を次の真空管に入力するときは保護回路として470KΩ程度の抵抗を挟みます。

カソードバイアスのR15はV2Aと同じく抵抗だけですね。
1.5KΩなので、増幅率は高めです。全帯域を増幅しています。


最後に、R24,26でまた分圧して出力調整して、V3A(パワー管のEL84)でスピーカー駆動レベルに信号増幅します。



 

では次回はいよいよ、回路図上、どの辺を改造したかを解説していきます。

Marshall Class5 モディファイ ~第一部(作業工程)~

どうも、lenheyvanです。

最近、小型アンプのモディファイを初めまして、作業工程を記事にしようかなと。

今回のモディファイ対象は、、



ジャン!!コレです
↓↓↓


マーシャル好きなら皆知っているであろう、小型アンプの草分け的存在のMarshall Class5です。

5Wと言えども、侮るなかれ。
フルアップしたらとても家で弾ける音量ではないです。

というわけで、以下のモディファイを施したいと思います。
・マスタボリューム増設
・Ice-Crashサウンド

今回の第一部では作業工程を紹介します。
第二部では回路解説、第三部では実際の主なモディファイ内容を紹介します。
※Ice-Crashサウンドの企業秘密部分は割愛させて頂きますが。

1.基板を引っ張り出す

まずはカバーを外すと、こんな感じになっています。

右上に見える2つの真空管がプリ管、右から3つの少し背の高いやつがパワー管ですね。プリ管は1959SLPや1987と同じくECC83、パワー管は小型アンプによく使用されるEL84です。(50W以上になるとMarshall系だとEL34ですね)


裏も見てみましょう。
さすがに小型アンプなので基板はこじんまりとしてますね。


せっかくなので、記念撮影しておきます。


さくっと外そうかなと思ったら、各ノブがシャーシにガッチリはまっているので、指で押してもビクともしません。


こういう時はハンマーの登場です。

アホみたいな力でぶっ叩くとかしなければ、ギターのナット交換の時ほどは神経使わなくても大丈夫です。

かる~く、トントンと叩くと、簡単に外れてくれます。



さて、基板を引っ張りだそうかと思ったら、ピン端子が沢山ついていて、これを全部外さないと出せそうにありません。

仕方ないので、どれがどれだか後で戻せなくならないよう、マスキングテープ巻いて、目印書いてから外していきます。






グルーガンで固定されているところもありますが、丁寧に取っていきます。
と言うか、割とゆるゆるで、グルーガンの意味あるんだろうかというところもありました。経年劣化でしょうかね。




おっしゃー取り出せた。
意外と一苦労でした。。。



表側はこんな感じ。
これで表、裏の両方にアクセスできるようになったので、改造し放題です!

 

マスターボリューム増設

R26の抵抗を外して、ボリュームポッド(1MΩ Aカーブ)に変更して、ここにマスタボリュームを接続します。

プリ段の後に入れているので、マスターボリュームを上げなくてもプリ段の歪みはしっかり効きます。小型アンプなのでマスターボリュームをある程度上げないとパワー感が出てこないですが、小音量でもゲインを最大限引き出しています。


背面のSelect部(アンプ出力⇔Headphones出力)を潰して取り付けしました。

 

抵抗・コンデンサの定数を調整

各回路の定数値を色々変えながら、イメージしたサウンドに近づけていきます。
この作業が一番試行錯誤して時間がかかる作業ですが、楽しい時間でもあります。

カソード部、信号回路のコンデンサ辺りが一番サウンドに影響があります。

 

仕上げ

Headphone端子部は埃が入らないようボルトを取り付けます。

 


元の姿に通り組み上げ直して完成です。

 

最後に

サウンドはこんな感じに仕上がりました。オールドロック好きな方にはモダン過ぎるかも知れませんが、冷たくIcyなIce-Crashサウンドになってます。


www.youtube.com

 

ざっと書くと簡単そうですが、最初だったので定数を試行錯誤したので時間にすると3日間(ちょっとずつやったので期間的には2週間くらい)かかりました。

改造内容は確立できたので、次やるときは5時間くらいあればできそうです。

 


次回は回路の解説をしていきます。

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【耳で比較してみよう】最近のシールドケーブルはどのくらい進化しているのか?

どうも、lenheyvanです。

 

「耳で比較してみよう」シリーズも第6回目になりました。

今回も百聞は一聴にしかず、でいってみたいと思います。

他の「耳で比較してみよう」シリーズ記事はこちら↓↓↓

 

 

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はじめに

 

最近、巷で音が良いと言われている、SommerとオヤイデのEcstacyCableが非常に気になるので、今まで私が愛用してきたプロビデンスと比較して試してみようではないかと思います。

私の好みとしては、高域がキレイに出てハイミッド辺りの倍音が強調されるものです。
モンスターケーブルのように中低音がガッツリ出るものはちょっと苦手な分野です。

プロビデンスは昔はSharkシリーズというのが高音をしっかり出すタイプのもので、今はZ102というシリーズがそれを引き継いでそう(と勝手に思っている)。

なので、プロビデンスのSharkとZ102を使ってました。
また、いつ買ったか分からない定番中の定番であるCANAREも手元にあったので、これらを比較してみようと思います。

ちなみに、シールドケーブルによって、xx帯域が良く出るというのは、いわゆるブーストとは違いまして、ケーブルは引き算なので、「良く出る=減衰しにくい」ということになります。

逆に言うと、「ハイ寄り=高音が減衰せず、ローが減衰している」と言うことができます。この辺はどのような引き算になっていれば自分の求めるサウンドになるか、ということになりますね。

 

出場選手紹介

以下5つのケーブルを比較していきます。

 

①:CANARE
 (比較前の勝手なイメージ)
   長年愛されている定番製品なので、万人受けするフラットな音色

 


②:Providence SHARK ※既に廃盤になっています

 (比較前の勝手なイメージ)
   ハイが抜けてくるサウンド

 

③:Providence Z102
 (比較前の勝手なイメージ)
   ②と同様にハイが抜けてくるサウンド
   進化しているはずなので、②より更に明瞭で高級感あり?


④:Sommer The Spirit XXL
 (比較前の勝手なイメージ)
   「スピード感のあるレスポンスの良さ&ワイドレンジなサウンド」とのことなので、パワー感とレンジ感が強くレスポールみたいな感じ?


⑤:Oyaide Ecstacy Cable
 (比較前の勝手なイメージ)
   現代の音楽シーンに合わせた高解像度な特性に加え、楽器特有の豊潤な倍音成分を損なわず、演奏時の弾きやすさを助長する“オーガニックなトーン”が得られるようチューニングを施しています。」とあるので、倍音が良く出て、ストラトみたいな感じ?

 

サウンド比較

では弾き比べてみましょう。
3種類のフレーズ×5ケーブルで弾き比べてみました。

フレーズ1は単純に低音弦の刻みリフ、
フレーズ2はコード的なリフ、
フレーズ3は2~4弦のミュートリフ
です。


www.youtube.com

 

実際弾いてみてのインプレッション

みなさんはどう感じましたでしょうか?

 

私は「比較前の勝手なイメージ」から結構違うものが多かったです。

個人的な感想はこんな感じです。

①:CANARE
 (比較前の勝手なイメージ)
   長年愛されている定番製品なので、万人受けするフラットな音色

 (比較後のイメージ)
   比較前のイメージ通りでした。
   繊細さは無いですが、ギターの美味しい部分を良く分かっている味付けで、ミドル中心にローもハイもバランス良く鳴りますね。
   低価格でこの音質なら文句ないでしょう。


②:Providence SHARK
 (比較前の勝手なイメージ)
   ハイが抜けてくるサウンド


 (比較後のイメージ)
   これもイメージ概ね通りですね。
   ハイの中の密度感というか情報量みたいのはそこまで無いですが、
   バランスが良く、ハイがしっかり抜けてくるので気持ち良いです。
   ミッドやローが出過ぎないことでバランス良く聴こえるように思います。

③:Providence Z102
 (比較前の勝手なイメージ)
   ②と同様にハイが抜けてくるサウンド
   進化しているはずなので、②より更に明瞭で高級感あり?



 (比較後のイメージ)
   これはイメージと結構違いました。
   ハイはしっかり出ているのですが、イメージと違ったのはローも結構出ている点。ローが結構出るので、その分ハイが影に隠れる感があり、良くも悪くも、少し重たさのあるサウンドです。
   個人的にはローがもっとタイトならハイが際立つのになー、と思ってしまいました。

④:Sommer The Spirit XXL
 (比較前の勝手なイメージ)
   「スピード感のあるレスポンスの良さ&ワイドレンジなサウンド」とのことなので、パワー感とレンジ感が強くレスポールみたいな感じ?


 (比較後のイメージ)
   これはイメージと全然違いました。
   まず第一印象は「サウンド全体が纏まる」という点です。
   なんて言うか、敢えてレンジを広くし過ぎないことで、サウンド全体に纏まり感を出している感じがしました。
   でも、レンジが狭いという感じではなく、超低音、超高域を落とすことで、邪魔になる成分がなくなって、音抜けが良くなっている印象です。
   そして、高域の倍音成分をめっちゃ繊細に表現しています。
   倍音が良く聴こえることで、歪みのノリも良く感じます。

⑤:Oyaide Ecstacy Cable
 (比較前の勝手なイメージ)
   「現代の音楽シーンに合わせた高解像度な特性に加え、楽器特有の豊潤な倍音成分を損なわず、演奏時の弾きやすさを助長する“オーガニックなトーン”が得られるようチューニングを施しています。」とあるので、倍音が良く出て、ストラトみたいな感じ?


 (比較後のイメージ)
   これも結構イメージと違いました。
   高域に思いっきり振ったサウンドなんだろうと思っていたら、意外にローも出ていて、ワイドレンジです。
   高域の抜けは今回の5ケーブルの中で一番出ています。
   ただ、他の帯域も結構出るので、全帯域の情報量が多い感じですね。

   個人的には、意外にもローがちょっと耳につくかなーという感じがしました。

最後に

私は今回5ケーブルだとSommerが圧倒的に一位でした。
時点がProvidence SHARKかオヤイデか。

Sommerは本当に美味しいところを良く分かっているように感じて、
邪魔になる帯域を除去したうえで、強調すると気持ちの良い、ハイミッドが良く出ます。そして、倍音の密度も高いので、ハイが気持ちよく出て、かつ、リフを弾いたときに重くなり過ぎないけど太さのある帯域(200Hz辺りのミッドロー)のドッシリ感があるので、ズンといったときの箱鳴り感が出るんですよね。

これは上手いなーと思いました。

Oyaide Ecstacy Cableは、ローがもうちょいスッキリしているとワイドレンジでも、タイトでキレの良いサウンドになるのになーと思いました。

タイトモデルみたいの出ないかなー♪

みなさんも色々試してみてくださいね。

ではまた!



センドリターン無しアンプと空間系エフェクター

どうも、lenheyvanです。

 

久々の記事アップです。

仕事が忙しくて、気づけば10ヶ月ぶり。

時が流れるのは早いですなー

 

今回は、センドリターンがついていないアンプにどうやって、キレイに空間系エフェクターをかけるか、です。

仮にセンドリターンがついていても、エフェクターによっては通しただけで原音が変わってしまう場合があります。

 

私の場合、アンプにセンドリターンはついていないのですが、パワードアッテネーターにセンドリターンがついているので、そこで空間系をかけます。

 

ただ、最近入手した「MXR Carbon Copy」をかけると、サウンドが籠るんですよね。

ギター→「MXR Carbon Copy」→アンプの場合は全然問題ないです。

センドリターンだと何故かダメなんですよね。

 

 

 

 

 

うーん、、もしかしてこれはインピーダンスの問題かなと思い、バッファ(Bonafide Buffer)を通してみたんですが、これもダメでした。

Bonafide Bufferは出力インピーダンスを100Ωなら十分に低インピーダンスです。

以下2パターンを試したのですが問題解消せず。。。


・センド端子→「Bonafide Buffer」→「MXR Carbon Copy」→リターン端子

・センド端子→「MXR Carbon Copy」→「Bonafide Buffer」→リターン端子

 

「MXR Carbon Copy」のMIXはもちろん、他のつまみをゼロにしてもダメ。

ただ、Strymon、Eventideの空間系は問題なしです。

 

やっぱりセンドリターンの信号レベルに合ってないのかーと思いつつ、何か良い方法が無いかなと考えていました。

 

そして、閃きました。

 

宅録する場合と同じように、マイクで集音したサウンドに空間系をかければ良いのではと。

 

ただ、ヘッドフォンで聴きたいわけではなく、あくまでもライブのようにダイレクトにサウンドを聴く前提です。

 

マイクで集音したサウンドを、ジャズコのリターンに接続するとステレオで音が出せそう。でも、集音したサウンドはレベルが低すぎるし、2台のアンプのサウンドバランスも取れる必要があります。

 

じゃあ、オーディオインタフェースのマイクプリアンプで増幅して、LEVELつまみで音量調整しちゃえばいいんじゃないだろうか。

 

ただ、1つ困ったことが。

 

私が持っているオーディオインタフェースの出力はRCA端子。

ジャズコのリターン端子はもちろん普通の1/4フォンジャック。

 

変換が必要だ。。。

 

でも、探したらありましたよ。

さすが、サウンドハウスさん。

 

RCA端子から1/4フォンジャックへの変換端子です。

CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / APR221 変換アダプター フォン RCA

CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / APR221 変換アダプター フォン RCA

 

さあ、これで準備完了!

 

接続の流れとしてはこんな感じです。

 

 

まず、ギターからはそのままアンプへ。

マイクを立てて、Dry音を集音します。

 

マイキングで宅録するときと同じように、オーディオインタフェースへ接続。

次に出力端子(RCA)をさきほどの変換端子で1/4フォンジャックに変換します。

 

ここで、空間系エフェクターを通します。

 

そして、ジャズコ(じゃなくてもリターン端子があれば何でも良いのですが)のリターン端子へ接続します。

 

そうすると、あら、不思議(でも何でもないですが)

 

いつものアンプからはDry音が。

ジャズコからはディレイのかかったサウンドが出てきます。

 

オーディオインタフェースのLEVELノブで、ジャズコ側の音量も調整可能です。

 

これ、別にディレイを通さなくても、ステレオでサウンド出力するだけでも広がりのあるサウンドになって、楽しいです。

 

また、ディレイの代わりに、例えばEventideのMicroPitch Delayを通すと90年代のエディがやっていたデチューンサウンドがいい感じに出力できました。

 

これは中々面白いです。

 

センドリターンに悩まされている方は是非お試しあれ!

 

では、また!

【耳で比較してみよう】Seymore Duncan JBは製造時期・タイプによってサウンドが違う!?

どうも、lenheyvanです。

連続で「耳で比較してみよう」企画シリーズです。
今回で5回目になりました。

百聞は一見にしかず、ならず、百聞は一聴にしかず、です。

他の「耳で比較してみよう」シリーズ記事はこちら↓↓↓

lenheyvan.hateblo.jp

 

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はじめに

 

数あるピックアップの中で、リプレイスメントピックアップとして最も有名なものの1つしてSeymoreDuncanのJB(SH-4)が挙げられると思います。

私はギター初めてすぐに、OzzyOsbourneバンドにいたジェイク.E.リーのプレイもサウンドも大好きだったのですが、彼が当時JBを使用していたんですよね。(今も使ってるのかな?)

それで私もJBを購入して、そこからずっと使ってました。

最近は海外ブティック系のWCR(Jim Wargner Pickups)にいってますが。
↓↓↓

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JBってどんな音って言うと、やっぱりこれですよね!

ハーモニクス豊富で、ピッキングしたときのアタック音が「キュッ」と鳴り、かつ、超高域が大胆にカットされているので、若干鼻詰まり感のある、独特なサウンドが特徴です。

JBってDuncanのカスタムショップから特別仕様のものがいくつか出ているのですが、私はJBが好き過ぎて、見つけるたびにGETしてました。

また、JBの通常販売品についても、旧型と新型では味付けが変わっているというのも面白いです。旧型のものは、上述した独特なアクが強くオリジナル感が強い反面、好き嫌いが分かれると思います。

一方、新型のものは、もうちょっとアクを弱めて使いやすくして、JBらしさは保ちつつオールラウンダーに近づいた感があります。

旧型は80年代くらい、新型は90年代以降というのがもっぱらの噂です。
(90年代は微妙なラインだと思いますが2000年以降は確実に今の新型と同じでしょうね)

私のメインギターの座はWCRのDarkBurst、VanzandtのTruBuckerに譲ったものの、TeleGibにはやっぱりJBでしょう、ということで、私が持っているJBの中でどれを採用するかを決めることにしました。

 

出場選手紹介

では、私の手持ちのJBを紹介していきます。

 

エントリーNo.1:旧型JB(JBJ)

 

 
 
エントリーNo.2:旧型JB(JBL

 



【耳で比較してみよう】バッファを通すと原音にサウンド変化を与えてしまうのか?

どうも、lenheyvanです。

またまた、「耳で比較してみよう」企画シリーズの第4回目です。

他の「耳で比較してみよう」シリーズ記事はこちら↓↓↓

 

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はじめに

 

今回は最近よく話題にあがるバッファについてです。

「バッファとは何か?」については色々サイトで既に解説されているので、詳細は割愛しますが、一言で言うと、

ピックアップから出力される信号は弱くて劣化しやすくノイズも混入しやすいので(=ハイインピーダンス)、バッファで信号を強くする(=ローインピーダンスことで対策しましょう

というものです。

 

そのため、バッファはピックアップから出力された信号から一番近いところに置くのが定石です。プロビデンスのVITALIZERなんかはギターに内蔵してしまうタイプも販売してますね。

これならピックアップから信号出力後に最短距離でバッファをかけれます。

「劣化しやすい」「ノイズ乗りやすい」と言っても、耳で聞いて分かるの?と思う方もいるかも知れませんが、結構顕著にサウンドに出ます。

例えば、スタジオやスライブで弾く場合、ギターから5mのシールドケーブルでエフェクターボードへ、そこからまた5mのシールドケーブルでアンプへ、なんて感じですよね。

つまり、10mのシールドケーブルの中を弱い信号が通っていくので、信号が劣化していって、サウンド的には高音域が落ちてモコモコしてきます。(そのサウンドが好きという方はバッファ不要ですが)

また、話をややこしくするのが、トゥルーバイパスではないエフェクターのバッファです。BOSSのエフェクターなんかはOFF時でもバッファ回路を通るようになっているので、多少の味付けがされます。

これが好きな人はそのままで良いですが、好きではない場合はちょっと困っちゃいます。かと言って全部トゥルーバイパス仕様のエフェクターだけで構成すると、信号が弱いままという課題は残ります。

そこでバッファの出番です。


「いやいや、最初にバッファ通しても、後段のエフェクターでバッファ通ったら意味ないでしょ」と思うかも知れませんが、性質上、バッファは最初にかけたものの効果が支配的になるので、好きなバッファを初段でかけておけば、後段はそこまで気にしなくても大丈夫です。


「じゃあバッファをボードに組みこもう!」となった時に気になるのは、元のサウンドを好きじゃない方向に変化させてしまわないか?です。

 

単純に信号を強くするだけ、とは言っても、電子パーツを通してインピーダンス変換するので、サウンド的に全くの無変化とはいきません。

というわけで、前置きが長くなりましたが、手持ちのバッファペダルでサウンド変化の検証をしてみようという企画です。


出場選手紹介

では、出場選手紹介です。

 

手持ちのバッファ(バッファ専用ではないものもありますが)は3つあったので、それで検証を行います。

エントリーNo.1:PROVIDENCE / VZW-1 VITALIZER WV

 

バッファとして有名な、プロビデンスのバイタライザーです。
冒頭で出てきたもののペダル版です。

スイッチはありませんので、(ダジャレではないですが)常時ONで使用する仕様です。

デジマート実験室でも効果の程を検証していたので、知っている方は多いかも知れません。

 

エントリーNo.2:Ex-pro / 32volt CLEAN BOOSTER

 

高品質なクリーンブースターとして有名なEx-proの32voltです。名前の通り、内部で32voltに昇圧しているためヘッドルームが広く、歪み無しでクリーンにブーストしてくれます。今回はバッファとして使用するので、ON/OFFでゲイン量が変化が無い状態(9時方向くらい)で、BASSとTREBLEはフラットにして検証します。

エントリーNo.3:TC ELECTRONIC / Polytune3 

 

高精度かつ使いやすいインターフェースで、最近、チューナーと言えばコレを使っている方が多いと思いますが、実は高品質なバッファが内蔵されています。ただ、工場出荷時はOFFになっています。
ONにするには裏蓋空けて、内部のdipスイッチをONにする必要があります。

内蔵のバッファはBONAFIDEというもので、実はこれ単品でペダルとして販売されています。チューナー機能もバッファ機能も気にいっているという方はPolyTuneで、チューナーは他の製品を使っているという方はペダルがいいかもです。

 

 
これで、出場選手は出揃ったので、いよいよ検証していきます。
 

サウンド比較

さあ、では早速いきましょう。

ギター
 →(5mのシールドケーブル)
 →バッファ
 →(5mのシールドケーブル)
アンプ

という環境で録音してます。

動画を作ってみましたので、まずは観て聴いてみてください。

どうでしょう?

微小な差異なので音源だと分かりにくいかも知れませんが、実際弾き比べてみると、私はこんな印象を受けました。

■原音(direct)
 いつも聴いている馴染みのサウンドなので、特にコメントはありません。
 これが基準です。

 自分でアンプを改造して作りあげたサウンド(Ice-Crashサウンド)だけあって、私的にすごく弾いて楽しいサウンドです。

 ※真空管ギターアンプの仕組みについて書籍出してますので、興味がある方は是非

lenheyvan.hateblo.jp

 




■エントリーNo.1:PROVIDENCE / VZW-1 VITALIZER WV
 若干、高音~超高音が落ちて、落ち着きがあるサウンド
 メーカー説明で

 「敢えてHi-Fiになりすぎないようにしたプロビデンス独自の工夫が施されているActive Impedance Converterです。いわゆる"アクティブ臭さ"を極小に抑えた自然で、楽器ならではの原音にできるだけ忠実な信号を出力」

 とある通りですね。

 バッファって一般的にHi-Fiになる傾向があって高音が不自然にキラキラし過ぎる場合があるんですよね。それをうまく抑えて、自然なサウンドに仕上げている印象です。


■エントリーNo.2:Ex-pro / 32volt CLEAN BOOSTER
 これはほとんど変わらないですね。
 敢えて言うならば、ほんのちょっとだけミドルにパワー感があるというか、味付け程度に筋肉がついたように感じます。ただ、ほんの僅かな差異です。
 
■エントリーNo.3:TC ELECTRONIC / Polytune3 
 これは全く変化なしです。
 32voltが3mmくらい変わったとすると、これは0.5mmも変わってないんじゃないかというくらい変わらないですね。
 動画では録ってないですが、クリーントーンでON/OFFもやってみましたが、全然違いが分かりませんでした。

 ということはバッファの効果が弱いのか?と一瞬思いましたが、そんなことも全然無く、ノイズがしっかり落ちています。

 私的にはこれが一番好きですね。
 「何も足さない、何も引かない」という某ウィスキーのようです。


音源フルバージョン

YouTube動画では、4パターン録ったものを切り貼りして、切り替えしながら聴かせるようにしましたが、フルバージョンもココに載せておきますので、ご参考になさってください。

ノイズについて先程述べましたが、バッファ通すと、ノイズが減りますので、それも録ってみました。録音したときの環境(家族が電子レンジ使ってたりするとノイズ乗ったりしますし・・・)もあるのでノイズについてはこの音源だけを頼りにしないほうが良いと思いますが、実際にやってみた結果から言うと、総じてバッファを通すとノイズが減ります。

そのため、アンプ側のゲインを上げていくとどこかの位置でタイミングでピーっとハウリングしますが、その位置が後ろになります。つまり、より強力に歪ませられるという利点もあります。

■ノイズ
 ①原音(direct)

 

  ※再生できない場合はこちらから。


 ②PROVIDENCE / VZW-1 VITALIZER WV

 

  ※再生できない場合はこちらから。


 ③Ex-pro / 32volt CLEAN BOOSTER

 

  ※再生できない場合はこちらから。


 ④TC ELECTRONIC / Polytune3

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

■デモ演奏
 ①原音(direct)

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

 ②PROVIDENCE / VZW-1 VITALIZER WV

 

  ※再生できない場合はこちらから。


 ③Ex-pro / 32volt CLEAN BOOSTER

 

  ※再生できない場合はこちらから。


 ④TC ELECTRONIC / Polytune3

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

最後に

バッファって、サウンドを変えないためにサウンドを変える、という逆説的で、ある意味面白い役割のペダルですよね。

地味ですが、自分のギターが出ている素のサウンドを変えたくない(ロングケーブル使ている状況下でも、3mのシールドケーブルで繋いだときと同じサウンドを出したい)という方には必須のアイテムと思います。

私は、PolyTune3を最初段に入れることで、高精度なチューナーとして使いつつ、素のサウンドを変えないバッファとして使用しています。

これ以外にも各メーカーから多数のバッファが出てますので、みなさん色々試してみてください。

ではまた!

ギターの配線材に同軸ケーブルを使ったらノイズが激減するのか!?

どうも、lenheyvanです。

前回から引き続きOrvilleレスポールのグレードアップです。

前々から気になっていたことがありまして、私のOrville君の配線材のHOT線がすごく細い(撚り線の数が少ない)ので、ポテンシャルを発揮できてないのでは?です。

どれくらい細いかと言うと、こんな感じです。


気になるとすぐ試してみたくなる性分でして、早速、配線材は何が良いのか調べてみました。

色々見た結果、候補として挙がったのはこれらです。

1.Belden 8503 22AWG Wire 
2.22AWG クロスレプリカ <撚り線/はんだめっき>
3.Cloth Replica <シ-ルド>
4.Cloth Replica <Solid>
5.SONIC/ HW-02 HOOKUP WIRE
6.4N純銀単線
7.4N純銀撚り線

どっかで見たラインナップだなと思ったアナタ。
鋭いです!

そうです。
デジマート実験室のコラムを読んで・聴いて、かなり参考にさせて頂きました。
毎回面白い企画でギタリスト必見ですよね。

www.digimart.net



候補の内、デジマートの音源聴いたりYouTubeで色々な動画を見ると、単線は派手にギャリンギャリンするようなので、もうちょっとギターの美味しいミドル帯域が強めがいいかなーと思い撚り線にすることにしました。

あと、SONICのHW-02(デジマートの記事ではHW-01でしたが、今はHW-02しかヒットしなかったので後継の線材かと思います)も良さそうだったのですが、ちょっとお高めなので、候補から外しました。

というわけで、取り寄せたのは以下3つです。

「3.Cloth Replica <シ-ルド>」は、ピックアップの一芯タイプの網網のやつとほぼ同じです。Garrettaudioさんで全て揃いました。

1.Belden 8503 22AWG Wire 


2.22AWG クロスレプリカ <撚り線/はんだめっき>


3.Cloth Replica <シ-ルド>


あと、もう1つ。
やってみたかったのが、私のアンプに採用した同軸ケーブルの「RG188A/U」を使ったらどうなるかです。

アンプの話については解説本を出版してますので、興味のある方はどうぞ。
KIndle Unlimitedに入っている方は無料で読めます。

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真空管ギターアンプの仕組み(前編)
~回路図の解説~
https://www.amazon.co.jp/dp/B09TX9N7HX

真空管ギターアンプの仕組み(後編)
~モディファイの実践方法~
https://www.amazon.co.jp/dp/B09TXB4NFZ
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前は「RG-174/U」を使っていたのですが、オヤイデ電気さんのサイトにある特性表見ると、「RG188A/U」のほうが良さそうだったのと、ネットフリマで安く手に入ったので、これを使ってます。

shop.oyaide.com



というわけで、まずやってみるのは、Orville君の配線を全て「RG188A/U」に交換です。

交換前の状態を見ていきます。

トグルスイッチ部

キャビティ内


ピックアップ下の配線



では、既存配線を全部外していきます。



全部外しました。
う~ん、やはり細いなー


では、「RG188A/U」を用意して、これで配線していきます。


緑の線が見えますが、これはグラウンド用の太い線です。
グラウンド線は一般的に太いほうが良いと言われるので使ってみました。


配線完了です。


では、試してで音出ししてみます。


ん!?

太い!
そして歪みづらい!

ローミッドがガッツリ出る分、ハイが弱めになり、いつものゲイン量でも歪みが少ないというか大人しいというか、歪み過ぎない感じです。

シールド線て、中央にHOT線があって、それをシールド線が囲むことでHOT線へのノイズの飛び込みを防ぐのですが、シールド線があることでハイが若干落ちるんですよね。一番ハイ落ち影響の少ないものを選んではいますが、全部はやり過ぎだったようです。

いや、このサウンドが好きな人もいると思うので、悪いというわけではなく、私の好みには合わなかったというだけなんですが。

例えば、duncanのANTIQUITYを乗せて、クラシックな70'sロックサウンドツェッペリンやるぜー的な方には、ピッタリかも知れません。

私はEVHサウンドが好きなので、ちょっとやり過ぎたかなと思い、1本だけ汎用の線に変えてみました。

P.U.→(①)→キャビティ(Volume等)→(②)→トグルスイッチ→(③)→OUTPUTジャック
※①はP.U.にデフォルトでついているシールド線

という配線になってますが、最後の③の線をいつもエフェクターの配線に使っているものに暫定で変えてみました。


オレンジの線がそれです。



もう一度音出し。


う~ん、、、あまり変わらない・・・
何でだろう?「RG188A/U」が合わないのか??

※後でこのオレンジの線が合ってなかっただけということが判明しますが。。。

元々ついていたシールド線は敢えてシールド効果を弱くすることで、ギターに適したサウンドに調整していたのだろうか、と思い、それであればシールド線やめて、全部以下の線材にしたらどうだろう?

1.Belden 8503 22AWG Wire 
2.22AWG クロスレプリカ <撚り線/はんだめっき>

ということで、今度は全て「Belden 8503」に配線し直してみました。

※もはやこの辺から疲れ過ぎて写真撮るの忘れてました。というか撮ってません。


再び音出し。


ざーーーー


ノイズめっちゃ入るー。。。
やっぱシールド線の効果は大きかった。


よし、ちょっと冷静になろう。
落ち着けオレ。


P.U.→(①)→キャビティ(Volume等)→(②)→トグルスイッチ→(③)→OUTPUTジャック

②の線は、フロントピックアップとリアピックアップの信号がキャビティ側からトグルスイッチへ流れている(2本)。③はその逆向きで、トグルスイッチからOUTPUTジャックへ信号が流れている(1本)。

この3本が同じルートを通すように配線されているので、少なくとも、前述の2本と後述の1本のどちらかはシールド線にしたほうが良いだろう。

じゃあどっちが優先かと言うと、上流でノイズが入らないようにするほうが良いだろうから、前述の2本をシールド線にして、後述の1本を通常のワイヤーにするのはどうだろう?

ということで、再び「RG188A/U」登場。
②部分は「RG188A/U」で配線し、③は「Belden 8503」にしました。

③は「22AWG クロスレプリカ」と迷ったのですが、Beldenは中高域が強め、クロスレプリカは中音域が強めの印象だったので、HM専用機にしているこのレスポールにはBeldenがBESTチョイスという考えです。

P.U.がゲイン高いものを採用しているので、高音域が引っ込みがちというのも一因です。

これで改めて配線し直して、もう一度音出し。


おーーー、、いい音!
ノイズも乗らないし、低音が変に削れるわけでもなく、中高域がスパンと抜けてくる感じ、好印象です。


というわけで配線材はこれで決まりました。

このあと、他にギターも同じ手法で、③の部分だけ「Belden 8503」と「22AWG クロスレプリカ」を使い分けながら配線し直して、なんかグレードアップした気分です。

音源録って比較すれば違い分かるんでしょうけど、そんな気力は無いのでやってません。ブラインドテストしても違い分かるか分かりませんが、少なくともサウンド面・ノイズ面ともに悪い方向にはいってないので大満足です。

自分が気持ち良いと思えばいいんですよねー、こういうのは。

というわけで、今回はだいぶ疲れましたが、最後は気分よく終わりました。
ギター君たちが喜んでくれているような気がします!

ではまた!

 

Orvilleレスポールのナット交換

どうも、lenheyvanです。

 

今やJAPANヴィンテージとなっている私のOrville君ですが、1997年くらい(約25年前)に新品購入してからナットは一度も変えてないので、そろそろ交換してあげようかと思います。



現状のナットはこんな感じです。
牛骨のオイルナットなんでしょうかね?



これを、以前TeleGibにも使ったTUSQに交換しようと思います。

真っ白なのでオイルナットのVintage感はなくなりますが、このレスポールはHM専用機として使っているので、私的には逆にOKです。

 

ピックアップは、
 フロント:duncan SH-11(Custom Custom)
 リア  :WolfeTone Timbre
とパワーのあるものを搭載してます。

え?WolfeToneというメーカーは聞いたこと無い?

ですよね。日本ではマイナーなメーカーですが、中々良いです。
Jim Wargner(WCR)なんかは最高だし、海外のピックアップメーカーの層は厚いですね。

過去記事でレビューしてますので気になる方はコチラをご参照ください
↓↓↓

lenheyvan.hateblo.jp

 


TeleGibでやったときは初めてでドキドキでしたが、今回は2回目なので少し自信がついてきました。

※TeleGibの交換作業はコチラ↓↓↓

lenheyvan.hateblo.jp

 

 

1.ナットを外す

当て木をして、軽くコンコンと叩いて接着剤と分離してあげます。
※ナット部の木材が剥がれてしまうのでくれぐれも強く叩かないように。


ポロっと簡単に取れました。


だいぶ前にやったのですっかり忘れてましたが、薄い金属をシム代わりに入れてました。

lenheyvan.hateblo.jp

 



さあここから新しいナットを整形していきます。


並べてみると、横幅はそのままでいけそうですが、高さは結構削る必要ありますね。


紙やすりで削っていきます。
↓の画像は400番のものです。



20-30分くらい、削っては元のナットとサイズ比較を繰り返して、いい感じになりました。元々入れていたシムの上に旧ナットを乗せても新ナットのほうが高いですが、これからやる溝切りで弦高が低くなり過ぎるリスクがあるので、それを考慮してこの辺で削る作業は一旦やめます。



ここで溝切り工具の登場です。

エクストラライトゲージを張るので、それと同じくちょっと広めの溝サイズでやります。



仮で挟んでみると、なんだか下部の角度が合ってないですね。


作業に夢中になり写真取れてませんでしたが、下部をいい角度になるように削って整形した後、溝切りしていきます・・・

写真撮れてなかったので、イメージだけ↓↓↓


削っては当ててみて、


また、削っては当ててみて、


おしっ、いい感じ!ナット加工完了です。


旧ナットつけていたときの接着剤が残っているので、軽くヤスリで除去します。


瞬間接着剤をほんの少しだけ、三か所くらいつけます。


弦を張って少し弾いてみて。うん、OK!


自分でやれば費用は最小限で済むし、自分好みに微調整もできちゃうのでオススメです。

ではまた!

フランジャーのモーメンタリースイッチ化

どうも、lenheyvanです。

 

前に「18v仕様のエフェクターを9v電源化する方法」ということで、MXRのフランジャーM117Rを18v化しました。

※M117Rは18vアダプターが付属していてそれを使ってね、ということになっています。が、それだとボードが組みにくい(M117Rだけ別電源になってしまう)ので、内部で18v昇圧するという荒技をやりました。

 

 

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これがそのM117R。現行品です。

 

エディシグネチャーモデルはコチラ。

 

 

これでボードがいい感じになったので「心置きなくUnchainedを弾ける♪」と思っていたのですが、しかーし、困ったことに、この曲、ON/OFF操作をこまめにやらないといけなくて、足がせわしないんです。

練習と慣れなのでしょうが、ちょっと私の技術には足でカチャカチャしていると演奏に集中できません・・・

これは困ったということで、モーメンタリースイッチ化することにしました。
※踏んでいるときだけONになるスイッチのことです。

 

というわけで、M117R改造プロジェクト第二弾です。

 

1.開封の儀

M117Rの蓋を開けて、スイッチ部の配線を確認します。


他のMXRペダルで採用されている普通の機械式スイッチですね。

基板上で配線されてますが、同じ6ピンのDPDTスイッチ同士であればそのままポン付けできそうです。

2.スイッチ取り外し

それではスイッチを取り外していきます。

いつものように、キレイに半田取りするために、先に追加で半田を盛ってから、吸い取り線で除去していきます。

 



取れました。

 

あ、そうそう。話は逸れますが、先日半田こてのこて先を買い替えました。
調べると色々な形状があるんですね。

ずっと鉛筆型を使ってましたが、熱を効率良く伝えるには少し斜めに当てる必要があって、ちょっと使いにくいなーと思っていたので、新調してみました。



私が使用しているのはHAKKOの半田こてです。
半田こて業界(?)の中では有名なメーカーだと思います。

見てみてビックリしたのですが、こて先については色々な種類があって、面白いです。
以下ページを見てBC型とD型で迷った挙句、一般的っぽいBC型にしました。

今度はD型に挑戦してみるかもです。

中々面白いので見てみてください。www.hakko.com

 

 

3.スイッチ交換

では、スイッチ交換していきます。

今回用意したフットスイッチがコチラ。
左がオリジナルのスイッチ、右が今回用意したモーメンタリースイッチです。


桜屋電機さんで購入しました。
「alpha 【Momentary】 Foot Switch DPDT Silver Contact 2回路フットスイッチプロ用銀接点モメンタリー」というやつです。

少し長さが短めですが、大きさは同じなので干渉の問題は無さそうです。
万が一長さが足りなくて基板に届かなくても、配線すればいいだけなので大丈夫そうです。


まずは元のスイッチと同じ向きで、↓の突起部分に合わせてモーメンタリースイッチを仮付けして動作を確認してみます。


そうすると、、、


ありゃりゃ・・・

常時ONになってしまいました。(フットスイッチを踏むとOFFになる)

向きを反対にしないとダメですね。
テスターで確認してからやれば良かった。横着してしまいました。

急がば回れですな。

というわけで、左右反対につけないといけないので、突起部分を削り取ります。


リーマーを軽く回してやると、キレイに取れました。


では、これで本付けしていきます。
半田つけた後の写真を撮るのを忘れてましたが、6ピン部分を半田付けして終了です。



試しに弾いてみました。




これは使いやすい♪

これでVANHALENのUnchainedを弾くのが楽になる。

 

 

最後に

モーメンタリースイッチは、たまに踏みにくい(カチッとまではいかないけど、段差を感じる)ものがありますが、これは比較的ソフトで踏み心地は良いです。

VANHALENのAin't talkin' 'bout loveも瞬間的にフェイザーをかけるところがあるので、MXR Phase90もモーメンタリースイッチ化を検討しましたが、どちらかと言うとかけっぱなしにする場面の方が多いし、かと言って、モーメンタリースイッチを増設するにはスペースが無い(あったとしても踏みづらい)ので、そちらは断念しました。

何はともあれ、フランジャーを踏んだ時だけかけたい、という方にはこのスイッチ交換は簡単に改造できるので、お試しあれ!

 

ではまた!

 

 

 

ペダルでドリル奏法!?

どうも、lenheyvanです。

 

昨年、TC楽器の第一回改造エフェクターコンテストに参加しました。

おかげさまでBARKS賞という賞をいただき、インタビュー、BARKSの記事にしていただきました。大変ありがたいことでございます。

問い合わせしたところオリジナルでも良いとのことだったので、ちょっと飛び道具的な面白いやつを出してみようと考えました。

その結果、思いついたのが、ドリル奏法のサウンドを出すエフェクターです。

あれって、ピックアップの近くで電動ドリル(ポールギルバートはマキタを愛用していたはず)をウィーンってやると、その音を拾って、アンプでも歪が加わって、ギュワーンという音になるという仕掛けです。

エフェクターでやるので、エフェクターにピックアップを乗っけて、その近くでドリル音近い音を出せばいけるのでは、ということで小さいモーターでやることにしました。

これがあれば、ドリル無くてもMR.BIGのダディブラや、VANHALENのパウンドケーキが再現できるという代物です。(本当か?笑)

 

 

設計

 

至って単純な仕掛けです。

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見かけのインパクト重視にしたかったので、TrueBypassではなく、モーター音の音量調整やトーン調整も無しです。

INPUTの信号はOUTPUTにそのまま直結しており、ピックアップからの出力も常に合流しています。モーメンタリースイッチを踏むと、モーター・LEDがONになります。

モーターもLEDもプラス側は常にショートしており、モーメンタリースイッチを踏むとマイナス側もショートされて動作します。

本当は電源はACアダプターで完結したかったのですが、モーターの規格に必要な電流が作り出せず、モーターは電池、ACアダプターはLED用という仕様になってます。

 

製作過程

まずはアルミダイキャストケースの鏡面加工、穴あけからです。

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一番下の大きい穴がモーメンタリースイッチ用、上部の大きい4つの穴が、ピックアップ保護用にバーを取り付ける穴です。(保護の意味もありますが、どちらかと言うとデザイン的にカッコイイからという理由でつけています)

小さい穴はピックアップの出力導線やモーターの導線用、あとはLED2個分の穴です。
華やかにしたかったので、ONのときに緑と青のLEDがピックアップ下で光るようにしました。

またLEDは直進性が強いので光の漏れが弱くなる懸念がありました。

そこで、光を散らすためにブラスト加工といって、LEDの表面を細かめのやすりで軽くスリスリして、光が分散するようにしました。表面が軽く白くなったらOKです。


これに部品を取り付けていって、下部だけGoldに塗装したのがコチラです。
(あまり途中経過の写真が無くてスミマセン・・・)

ピックアップ保護用のバーはホームセンターでちょうど良いサイズのを見つけてGETしてきました。

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このエフェクターの名前をどうしようか考えたのですが、ちょっとWahっぽいなぁと思い、サウンド的にはBabyではなくてBearだから、ということで「Cry Bear」と命名しました。


で、毎回悩むのですが名前をどうやって入れようかと。

レタリングシートは何か安っぽい気がするし、かといって、キレイに入れられる機材を持っているわけでもないし。

というわけで、Goldの表面を削って文字入れすることにしました。


百均で入手したミニルーターを使います。

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いきなり手書きは絶対ミスるので、「Cry Bear」の文字を印刷して、それを当てて削ることにします。

何種類かの大きさの文字を印刷して、実物に当ててみてバランスを見ます。

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バランス的にはこんな感じで。

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ただ、いきなりはコワイので、裏蓋で練習です。

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う~ん、、、下手くそ。。
何か嫌な予感しかしません・・・

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コワイけどやるしかない!
いってみます!

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そして、嫌な予感的中。
下手過ぎる・・・

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でも私は思いました。
この下手くそ感が、手作り感があって逆にいいのでは、と。


そう自分に言い聞かせて、これでヨシとします。


最終的にモーターはピックアップの上ではなくて、横のほうが好みのサウンドになったので位置調整して、家にあったキーホールダーのよく分からない輪っこを見つけ出してきて、固定用に使います。

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完成

エフェクトONするとLEDがキレイに光ります。

ピックアップの左下が緑、右上が青です。

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やっぱり、暗闇のほうが華やかですね。
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実はこれ、モーターの角度を変えるとサウンドが変わります。

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というわけで、キワモノエフェクター「Cry Bear」の製作過程のご紹介でした。

 


BARKS賞受賞時のインタビュー記事はコチラです。

 

 

 

こういう変なエフェクター考えるのって楽しいですね。

 

少し実践向きに、ドリル音のボリュームとTrueBypassスイッチ増設をしようかなーと思っています。


また、変なの作りたいなー♪



ではまた!

【耳で比較してみよう】導電塗料は有りか?無しか?

どうも、lenheyvanです。

 

恒例になってきました「耳で比較してみよう」企画シリーズ、第3回目です。

 

今回は導電塗料+Full-Upボリュームです。

導電塗料のメリットは「ノイズを減らす」、デメリットは「ハイ落ち」と言われてますが、実際のところどうなのか試してみました。(音源あり)


あと、単に導電塗料を塗ってサウンド比較するだけではなく、私にはやりたいことがありました。

それは、ハイ落ちした部分を、SONICのFull-Upボリュームでカバーできないか?です。
Full-Upボリュームをそのまま使うと、ギターによってはちょっと音が固いんですよね。

導電塗料でハイ落ちしたギターに使えば、「ノイズが少ない」「ハイ落ち」しない、が実現できるのでは、という淡い期待です。


他の「耳で比較してみよう」シリーズ記事はこちら↓↓↓

lenheyvan.hateblo.jp

 

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導電塗料とは


その名の通り、電気を通す塗料です。

エレキギターはコイル(ピックアップ)の上を弦が振動することでコイルに電流を発生させ、それをエレキギター内の回路を通ってアウトプットジャックから出力します。

コイルで発生した電流がアウトプットジャックに辿り着くまで、外来ノイズにさらされていますので、ここでノイズが混入され、それが「サー」「ジー」というノイズになります。

ギター信号に外来ノイズが飛び込んできても、入り込む前にグラウンド(アース)へ落ちてくれれば、ノイズ成分は捨てられるのでノイズが小さくなります。

これを導電塗料をピックアップや内部回路部分のキャビティ内に塗ることで、外来ノイズをキャッチして、グラウンド(アース)へ捨ててしまおうというのが、導電塗料の狙いです。

当然、ノイズを捨てるには、導電塗料で塗った部分がグラウンド(アース)へ接地されている必要があります。(弦アースと同じ仕組みです)

ここまでが導電塗料のメリットです。

しかしデメリットもあって、導電塗料は極小さなコンデンサ容量を持ちますので、僅かなローパスフィルター(意味的にはハイカットフィルターのほうが分かりやすいかも知れません)を生成するので、ハイ落ちします。

これをデメリットと捉えるか、メリットと捉えるかは人によって違いますが。


ノイズはどのくらい減るもんなんだろう?

ハイ落ちはどのくらいするんだろう?

が気になったので、実際に試してみました。

 

アイテム準備


今回実験台に使うのは、わたくしお手製の、元YAMAHA MG-MⅢのEVH Frankensteinギターです。


製作過程はコチラ

↓↓↓

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何故これにしたかと言うと、単純に、私が持っているギターの中でノイズが少し大きめだったからです。


今回必要なアイテムは3つです。


1.導電塗料


今回、使用したのはサウンドハウスさんで評判が良く、かつ、お手頃価格のSONICの「SP-01」です。

SONICさんて、Full-Upボリュームと言い、良い製品作ってますよね。


2.頭大きめのネジとワッシャー

ホームセンターで15個入りで150-200円くらいで売っています。
これは、導電塗料をグラウンドに落とすために必要です。

 

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こんな感じにして使います。

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3.小さめのハケ

これは、百均で十分です。

 

導電塗料を塗る

 

さて、では、早速塗っていきましょう。

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横着して弦張ったままやってますが、弦を外して行うことをお勧めします。
弦に塗料がつくと、取るが面倒だからです。

また、ボディの際部分はマスキングテープで保護したほうが良いです。
そうすれば、ギリギリまで攻めてボディ部に塗料がつく心配がありません。


↓ではシールドケーブルにも塗料がついてしまいました・・・
こういうのもマスキングテープで保護してからやりましょう。

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2度塗りするよう書いてあるので、全体的に塗ったら乾かします。
2-3時間くらいで乾くと思います。



これくらいになると二度塗りしてOKです。

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もう一回塗って乾いたら塗布作業は完了です。

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グラウンドに落とす

準備していたネジ・ワッシャーを使って、導電塗料がキャッチしたノイズをグラウンドに落とします。

ネジの頭とワッシャーの間に導線を巻いて、これをグラウンドに落とします。

なんてことはなく、ピックアップのマイナス側(以下のような二芯タイプだと導線を覆っているシールド線)やアウトプットジャックのマイナス側がグラウンドに落としてあると思いますので、そこに、今回追加した導線もハンダつけしてあげれば良いです。

 

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テスターを持っている方は、ここまでやったら、ちゃんと導通するかを確認しましょう。


サウンド比較

さて、いよいよサウンド比較です。


3パターンで音源を録りました。
もちろん、どれもギター・アンプのセッティングは全く同じです。

音源1(Gain高め)

①導電塗料なし+通常の500kΩポット

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

②導電塗料あり+通常の500kΩポット

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

③導電塗料あり+Full-Upボリューム(FV-12)

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

音源2(Gain低め)

①導電塗料なし+通常の500kΩポット

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

②導電塗料あり+通常の500kΩポット

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

③導電塗料あり+Full-Upボリューム(FV-12)

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

 

 

比較結果

 

Gain高めの冒頭部分を聴いてもらえば分かるとおり、導電塗料を塗布することで、ノイズは結構減りましたね。大きめの「ジー」から、小さめの「スー」に変わりました。

ノイズ削減効果は大きいです。

気になるハイ落ちですが、やはりハイは少し落ちますね。
少し柔らかめの印象です。超高域部分が丸くなったように感じます。


そして、Full-Upボリュームにすると、超高域が復活します。
ただ、予想はしてましたが、導電塗料を塗布する前と同じではないですね。

Gain低めのほうが分かりやすいですが、何というか、超高域の出ている量は同じなのですが、倍音の色気がほんの少し減った気がします。

①超高域が多めの信号 → 通常のボリュームポットでハイ落ち(※1)
②超高域が少なめの信号 → Full-Upボリュームでハイ落ちさせない

 

では、サウンドが異なるようです。

 


※1 「ボリュームポットでハイ落ち?」という方はコチラの記事をご参照ください。
↓↓↓

lenheyvan.hateblo.jp

 

つまり、一度落とした高域成分・倍音成分は元には戻せないということですね。

ただ、これ微妙な差です。
ノイズを減らしたいけど、高域が元気なサウンドが好きという方には良いと思います。

導電塗料でハイ落ちした後に、ボリュームポットをFull-Upボリュームに変えると、明らかにサウンドが元気になりました。(良い悪いではなく、サウンド傾向として)


私の結論としては、こんな使い分けかなと思いました。

①導電塗料なし+通常の500kΩポット
  ⇒ノイズはあまり気にならない。高域の出方にも不満は無い。

②導電塗料あり+通常の500kΩポット
  ⇒ノイズが気になるので落としたい。
   高域を少し抑えた落ち着いて太いサウンドが好み。

③導電塗料あり+Full-Upボリューム(FV-12)
  ⇒ノイズが気になるので落としたい。
   でも高域が元気で派手なサウンドが好み。


私のEVH Frankensteinギターは、当然VANHALEN用なので、Gain高めのセッティングで弾くのでノイズが気になる(落としたい)、かつ、高域が元気で派手に歪むサウンドがピッタリなので、③で落ち着きました。

 

これのあと、TeleGibもノイズが大きめだったので、導電塗料でノイズ対策しました。
TeleGibはもちろんJeffBeck用なので、太めで落ち着いたサウンドを狙って、②の状態(通常のボリュームポットのまま)にしました。

 

 

みなさんも、導電塗料とボリュームポットで、サウンド調整いかがでしょうか。

 

 

ではまた!

Ice-Crash Sound(inspired by ブラウンサウンド)

どうも、lenheyvanです。

 

このブログを見ていただいてるみなさんはご存知のとおり、私は大のエディファンであり、ブランドサウンドが大好きです。

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今まで、フランケンギター製作をしたり、ブランドサウンドに近づくためのピックアップの紹介をしたり、エディ的なアンプセッティングの紹介をしてきました。

 

[フランケンギター製作]

lenheyvan.hateblo.jp

 

 

[ブランドサウンドにピッタリなピックアップ紹介]

lenheyvan.hateblo.jp

 

 

[実際にエディと一緒にスタジオでサウンド調整していた人の話]

lenheyvan.hateblo.jp

 

 

VANHALENの1stのギターサウンドはRock史上、最高峰だと思っています。

 

私の頭の中で鳴っている最高のギターサウンドは、ブランドサウンドをベースとしてもう少しだけ味付けの違う方向性なのですが、アンプを改造し続けることで、ようやく辿り着けました。

 

そのため、今では歪みサウンドはアンプだけで作っているので、アンプ直結です。

私はそのサウンド「Ice-Crash Sound」と名付けました。

みなさんの好みに合うか分かりませんが、私の中では最高のサウンドです。
是非、ヘッドホンもしくはイヤホンで聴いてみてください。

High-Gainバージョンは1stのレコーディングを再現して、ギターサウンドは左にパンして、PlateReverbをかけていますので、それも楽しんでいただければ。


[High-Gainバージョン]
VANHALEN 1stのリフを中心に構成しています。

youtu.be

 


[MId-Gainバージョン]
Originalのリフ、マイケルシェンカーのDoctorDoctor、Looking for love、Guns 'N RosesのYou Could Be Mine等で構成しています。

youtu.be

 


[Low-Gainバージョン]
Originalのリフ、VANHALENのPanama、AC/DCのBack In Black等で構成しています。

youtu.be

 

「Ice-Crash Sound」の特徴

 

どんなサウンドにしたかったと言うと、雪国の方でないと分かりにくいかも知れませんが、初冬に凍った水溜りの氷を踏んだ時に、バリバリっと乾いて迫力のあるクランチ―なサウンドです。

Brown-Soundって破裂音が特徴だと思うのですが、WetではなくDryな破裂音が好きで、それが氷が割れるときのサウンドそのものなんですよね。

そのサウンドギターアンプで表現しています。

Brown-Soundと同様に破裂音を特徴としていますが、中音域を少し抑えることで、Dryな味付けにしています。

Hi-midにピークを持ってくることでザクッと気持ち良い歪みにしつつ、金属的な周波数は排除しています。

 

 

 

「Ice-Crash Sound」確立までの経緯

 

「You Really Got Me」のイントロのRiffのぶ厚い壁のような迫力と、めちゃめちゃ歪んでいる(ように聴こえるのに)、コードの分離感がクリアで実はそんなに歪んでないんじゃないかと思えるような、あのサウンド

世界中の人が憧れて、追い求めるわけが良く分かります。

ずっとそのサウンドが頭の中では鳴っていて、そのサウンドを出すべく色々なアンプ、エフェクターを試してきましたが、全然たどり着けませんでした。

 


ブランドサウンド系とか、Plexi系と呼ばれるものはYouTubeですぐにチェックして、良さげなものは中古で手に入れて、やっぱり満足できず売って、を繰り返すこと20年くらいです。

「You Really Got Me」のイントロのRiffを弾いて、「あ~やっぱり違うなー」の繰り返しです。

 

最終的にMarshall + MXR distortion+が一番近かったのですが、やはり求めるサウンドには遠く、市販品ではどうしても痒いところに手が届きません。

 

というわけで、「じゃあ自分で改造して理想のサウンドに近づけよう」がエフェクター改造・自作を始めたキッカケなわけです。

 

見よう見真似でオリジナルエフェクターを作りながら、3,4年経って、オリジナルエフェクター+アンプでようやく自分の中で80点というレベルまでいきました。

 

ただ、同時にそれ以上にはいかないことも分かりました。

 

やはり本物のブラウンサウンドを得るためには最終的にアンプなんですよね。

 

そこで今度は真空管アンプの動作原理を学習しはじめて、アンプ内部の回路もモディファイするようになりました。

 

全然知識無かったので(エフェクター自作していた知識は役立ちましたが)、ネットで情報を集めて、どんな原理でアンプが動作しているのかを把握し、そこからどこを改造したらどんな効果が得られるかを学んでいきました。


書籍では、林正樹さんの以下の本が素人にも分かりやすく、非常に役立ちました。
すごくお勧めです。

林さんのブログで不明点を何度か質問さえていただきましたが、丁寧に回答してくださって、すごく勉強になりました。

 

 

英語できないですが翻訳サイトという文明の力を借りて、海外のMarshallForumにもスレッドを立てて、海外の方達の意見なんかも聞いて、色々試すこと半年、形になったのが「Ice-Crash Sound」です。

海外では、アンプをいじることって割とよくやられていて、YouTube見ても、「さあ、ここの回路をちょっとこんな感じにしてみよう」とか言いながら、Before/Afterのサウンド比較したりする動画がバンバンあがっています。

日本もそんな感じでエフェクターやアンプをD.I.Yしちゃう文化ができると楽しいでしょうね。

 

 

私が学んだ情報(価値)を発信することで、みなさんにももっと楽しいギターライフを送って欲しいと思い、書籍化してますので、良かったら読んでみてください。

kindle unlimitedに入っている方は「読み放題」に入ってますので無料で読めます。

 

真空管ギターアンプの仕組み(前編)
~回路図の解説~


真空管ギターアンプの仕組み(後編)
~モディファイの実践方法~

 

ではまた!


(2024/2/12追記)
ブラウンサウンド研究の成果を活かして、Marshall Class5を改造してみました。

lenheyvan.hateblo.jp

 

 

ギターボリュームをMAXにしてもハイ落ちする!?

どうも、lenheyvanです。

 

今回はギターのボリュームポットの話をしたいと思います。

 

ボリュームポットを選ぶ際にはメーカー(CTSが有名)、抵抗値(250k/500k/1M等)、カーブ(A/B/C)がありますが、抵抗値についてのお話です。

 

はじめに

 

よく、ストラトは250kΩ、レスポールは500kΩ、テレキャスは1MΩとか言われますが、何故でしょうか?(ビンテージのレスポールなんかでは300kΩが使われたりします)

 

結論から言うと、これは程よくハイ落ちさせることで、耳に痛い金属的な響きを除去してサウンドに柔らかさをもたらしたり、ギターサウンドの美味しいミドル帯域を強調したりしています。

 

何が良いサウンドかは百人十色なので、ハイ落ちを全くさせない音が好きという方もいると思うので、ハイ落ちさせるのが正解という意味ではないです。

 

この辺はギター自体やピックアップの特性を踏まえて、選択するのが良いと思います。
また、ボリュームポットを積極的に音作りに利用するという手もあります。

 

例えば、レスポール+ハムバッカー、ボリュームポットは500kΩの組み合わせなんかは定番だと思いますが、もっと高音域を抑えて、ぶっとい音にしたいとう場合があるとします。

 

その場合は抵抗値を下げて、250kΩや300kΩにするという選択肢が生まれます。
抵抗値を下げる分、ハイが落ちて少しモコモコするのでザクザクした歪みサウンドは出しにくくなります。

私の感覚からするとリズムギターというよりリードギターですね。

HR/HM向きではなくて、Jazzやフュージョン、もしくは70年台のオールドRock向きな気がします。

 

では、何故ハイ落ちするかのメカニズムについて解説していきます。

 

何故ハイ落ちするのか!?

 

以下の絵を見てください。

こんな信号の流れになっています。

 

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ピックアップから出力された信号は、ボリュームポットを通って、OUTPUTジャックから外に出ていきます。


ボリュームポットを小さくしていくと(反時計回り)、こんな信号の流れになります。

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回していくとグラウンドへ捨てられる信号が多くなっていき、ボリュームが小さくなっていきます。
最後はグラウンド(一番下の部分)に接地することで、ボリュームが全部捨てられて音が出なくなります。これがボリュームゼロの状態です。






逆にボリュームポットを大きくしていくと(時計回り)、こんな信号の流れになります。

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回していくとグラウンドへ捨てられる信号が少なくなっていき、ボリュームが大きくなっていきます。(正確に言うと「信号が捨てられなくなる」=ボリュームが大きくなる)



そして、ボリュームをMAXにしたときはこうなっています。

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ピックアップからOUTPUTジャックへ一直線に信号が流れています。
ただ、よく見てください、グラウンドに向かって微量の信号が流れています。


これがハイ落ちの原因です。


ギター信号とグラウンドの間に500kΩの抵抗が入っていても、「抵抗-グラウンド」の部分が接続されている限り、捨てられる信号はゼロにはならないです。

ただ、ピックアップからの信号ってそのままOUTPUTするとキンキンしがちなので、敢えてハイ落ちさせて、それを音作りに使っているということです。

上の絵ではボリュームポットの抵抗値が500kΩになってますが、これを下げるとハイ落ちの度合いが大きくなります。上げると逆にハイ落ちがしづらくなります。

シングルピックアップの場合は高音域が強い特性がありますよね。
だから250kΩを採用することによって、多めにハイを落とすことでサウンドのバランスを取ってます。

ハムバッカーはその逆の特性があるので、ハイはそこまで落とさないように500kΩがよく使われます。

テレキャスはジャキジャキしたキレを重視したギターなので、1MΩにすることでハイ落ちを微量にしています。



ここは、ギター自体の特性も合わせて選択すると良いと思います。

例えばメイプル材は高音がよく出ますし、逆にマホガニー材やコリアン材なんかは中低音が強めですよね。

今の自分のギターサウンドの高音域が強い/弱いを基準に調整してみると良いと思います。

 

ハイ落ちさせないという選択


高音がめちゃめちゃ強いサウンドが好きだ、という人にはハイ落ちさせないという選択肢もあります。

でも先程お話ししたように、

「抵抗-グラウンド」の部分が接続されている限り、捨てられる信号はゼロにはならない

です。

ではどうするかと言うと、方法は2つあります。

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①ボリュームMAXで「抵抗-グラウンドの部分が接続されない」ボリュームポットを使用する

②スイッチを増設して、スイッチONでボリュームポットを通さないようにする
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①はこんな製品があります。

SONICのフルアップボリュームというものです。


ボリューム下げたときは通常のボリュームポットと同じように使えるので、「ボリュームMAX時にハイ落ちさせたくない」という人にはピッタリです。

気に入らなかったら、元のボリュームポットに戻せばいいだけ、というのも利点ですよね。

トーン回路があるギターを使っている人は、トーンもセットで交換してください。そういうギターの場合、ボリュームだけ変えても効果が薄くなります。(と言うかあまり意味がありません・・・)

 


②は「ハイが強調されたサウンドと、通常のサウンドを切り替えながら使いたい」という人にピッタリです。

スイッチを1つ増設して、OFF時は通常とおりボリュームポットを通すようにして、ON時はボリュームポットを通過させずに、ピックアップからの信号を直接OUTPUTジャックに接続されるようにします。

使ってないトーンポットがあれば、その部分をスイッチ化するのもありますですし、そういうのが無ければ小さな穴あけ加工して、取り付けることになります。

手間はかかりますが、自分のオリジナリティ溢れるギターにしたい人には楽しい作業と思います。


私はレスポールだけ、SONICのFV-22を使っています。

以前はハイがガッツリ出るサウンドにすることで歪み方が派手になるのが気に入って、全ギターに採用していましたが、やっぱりちょっと音が固いな(細いな)と思うようになり、最終的にレスポールだけに絞りました。

500kΩだとちょっと私には柔らかすぎたので、F-22を使うことでちょうど良いバランスになりました。(歪ませたときの倍音感、歪みの深みが好きです)

以前紹介したWolfetoneのピックアップは高音が強く過ぎて手放してしまいましたが、今にして思えば、当時、SONICのFV-22を採用していたので、通常の500kΩポットだったら、もしかしたら好みのサウンドだったかも。

うーん、時すでに遅し・・・

lenheyvan.hateblo.jp

 

終わりに

 

ボリュームポットって地味ですが、サウンド影響はかなり大きいです。

試しに、自分のボリュームポットを250kΩ⇔500kΩを交換してみてください。
かなり高音域の感じ方が変わります。

私も実際、ハムバッカーに250kΩに交換してみたことがありますが、ぶっとくモコモコしたサウンドに変わりました。

私のやりたい音楽だともっとザクっとした歪みが欲しかったので元に戻しましたが、好きな人は好きなサウンドだと思います。


今の自分のギターサウンドに満足できてない人は是非試してみてください。

 


ではまた!

TeleGibのナット交換

どうも、lenheyvanです。

 

以前、ご紹介しましたが、TeleGibの塗装をリフィニッシュして廃材っぽくしまして、

デザインは私的に最高の仕上りになりました。

↓↓↓

lenheyvan.hateblo.jp

 

ただですね、サウンド的には不満がありました。

 

元がそんなに高いギターではなかったといのもあるかも知れませんが、どうも弦を弾いたときの響きが明瞭じゃないというか曇っているというか、どうもピンとこなかったんですよね。

 

でも、ボディの鳴りはすごくいいんです。

それだけにそこが残念で・・・

 

そして私の仮説は、ナットが弦の響きをスポイルしているのではないかと。

何故なら、ペグとブリッジはそこそこいいやつに交換済だったからです。

 

ブリッジサドルはコレです。

↓↓↓

 

そしてペグも同じくGotoh社製です。

 

 

 

 

1.ナットを外す

まずナットを外しますので弦を外します。

 

今回使うナットはTUSQという人工象牙です。f:id:lenheyvan:20220306185943j:plain



(TUSQのメーカー説明)

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TUSQ/タスクは、最も効果的にサウンドを向上させることが出きることで、世界中のトップ・ルシアーやギターメーカーが挙って採用しています。

TUSQのナットやサドルは骨や合成素材では得られない、さらに象牙にも勝るとも劣らないクリアーでリッチなサウンドとサスティーンが得られます。

TUSQのナットとサドルは、絃振動を最も効率的にボディーに伝達するようにデザインされています。

結果的に、弾けるような高音から豊かな低音まで、アコースティックな鳴りをロスなく引き出します。

倍音成分も骨に比べて遥かに優れ、部品によって失われていた素晴らしいサウンドを取り戻すことが出来ます。

アコースティックギターの場合は、ナット、サドル、ブリッジピン、この3つの部品を取りそろえることで最大の効果が得られます。
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そんな魅力的な説明をされちゃうと買わずにいられないですね。

「絃振動を最も効率的にボディーに伝達」「倍音成分が遥かに優れ」は殺し文句です。

しかもお手頃価格。

 

ストラト用(カーブボトム/以外)、レスポール用、溝有り/無し(有ると言ってもガイド用ですが)など種類があるので、しっかり自分のギターの仕様を確認してから購入しましょう。


ではナットを外していきます。

 

通常、微量の瞬間接着剤でつけてありますので、カッターやデザインナイフとかで、軽く切れ目を入れて取れやすくします。無理にやると木が剥がれちゃいますからね。

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そして、当て木をして、ハンマーで軽くトントンしてやります。

本当に軽くです。力はほとんど要りません。

 

 

横からトントンf:id:lenheyvan:20220306191042j:plain

 

 


下からトントンf:id:lenheyvan:20220306190853j:plain

 

上からトントンf:id:lenheyvan:20220306190934j:plain


 

撮り忘れましたが、逆の横からもトントン。

 

ポロっと取れました。 f:id:lenheyvan:20220306190747j:plain

 

 

 

 溝部分には少し接着剤が残っていますので、軽く紙やすりでキレイにしておきます。

(溝を削らないよう、やり過ぎ厳禁!!)f:id:lenheyvan:20220306191315j:plain

 

 

2.ナット加工

さて、TUSQ君の出番です。


当たり前ですが、加工前の状態では溝に入りません。f:id:lenheyvan:20220306191630j:plain

 

800番の紙やすりで削っていきます。
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コンマ数ミリくらいの作業なので、慎重に削っていきます。削り過ぎると元に戻せないので・・・


ゴシゴシやっては、当ててみて、またゴシゴシやるの繰り返しです。溝にギリギリ入るくらいで、縦幅はいったんOKとします。


横幅は結構削られないとダメですね。f:id:lenheyvan:20220306192216j:plain

 

 

高さも結構削らないと、弦高が高すぎます。


ちなみに、ナットは少しスラント(傾斜)していて、高いほうをボディ側に向けます。高いところで点で弦を支えるような感じです。
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溝幅はそれほど削らなくても入りそうだったので800番でやりましたが、ここからは結構削らないといけないので400番で目指すサイズの120%くらいまで削ります。


そこから、800番に戻して、細かな調整をしていきます。


元からついていたナットをガイド代わりに使うとやりやすいと思います。左が新、右が旧です。
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まだ、幅、高さともに削らないといけないですね。
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さらに800番で頑張って削っていった結果がコチラです。
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うーん、いい感じになりました。


難しかったのは底面です。


平面に削る必要があり固いもののうえで上から均等な力をかけているつもりだったのですが、端の部分が多めに削れてしまい、真ん中が甘めになり、軽くカーブ上になってしまいました。


最後に、やすりに斜めに当てることで真ん中部分だけやすりにかかるように削って補正しました。この辺は経験値勝負ですね・・・


初めての作業なので致し方なしです。ただ、何とか補正はできました。(いや、若干、まだ中央が丸いかな・・・)

 

 

3.溝切り

 

さあここが一番の難関である溝切りです。

 

HOSCOというメーカーで溝切り工具を出していて、失敗したくないので一番高いやつ(最安のサウンドハウスさんで1万くらい)にしました。


まあでも楽器店に出してやってもらうと、普通に1万くらいはいくので回収可能な投資です。

 

何より、ナット自体は安いので好きなときにお手軽にナット交換を自分でできちゃうメリットはでかいですね。ブラスナットも興味あります。

 


私が購入した溝切り工具はコチラ。

↓↓↓

 

Vinetoneパワードアッテネーターは最強!!

どうも、lenheyvanです。

 

最近すごく良いものを購入しましたので紹介したいと思います。

 

Vinetoneパワードアッテネーターです。

 

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1.パワードアッテネーターって何?

通常のアッテネーターが電源不要で使えるパッシブタイプだとすると、パワードアッテネーターは電源要のアクティブタイプです。

 

通常のアッテネーターよりできることが増えてます。

・センドリターンが使える

・LINE出力が可能

・出力を下げるだけではなく上げることもできる

 

私はパワードアッテネーターが欲しかった要件はズバリ、センドリターンです。

 

私が今使っているアンプはセンドリターンが無く空間系エフェクターをアンプに入る前にかけるしかない状態でした。私としてはサウンド的には許容できないです・・・

 

レコーディングではDAW側でかけるからいいのですが、スタジオやライブではやっぱりセンドリターンでかけたい。

 

ある程度の爆音にしてパワー管も歪みも加えたサウンド、かつ、アンプで歪ませたあとに空間系をかけたい、となるとパワードアッテネーターです。

 

有名どころではBadCatのUnleashという製品ですね。

 

ただ、私は元々、音質の良さで巷で有名なVinetoneアッテネータを愛用していたので、これのパワード版が欲しくなって、探したところ、SNSでお世話になっているジナパパさんが紹介されていましたので早速ご相談。


その後、Vinetoneさんに発注させていただきました。

 

ただし、パワードアッテネーターは通常販売している製品ではなく、個人依頼によって製作いただいた製品です。

 

 

紹介記事はコチラです。

(この場を借りまして、ジナパパさんありがとうございました!)

↓↓↓

 

zinapapa.work

 

2.製品レビュー

さて、届いたので僭越ながら使用してみてのレビューです。

 

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一言でいうと、最高です。

 

通常のVinetoneアッテネータのサウンドが気に入っていた私にはこれ以上ないパワードアッテネーターですね。

 

サウンドは通常のVinetoneアッテネーターそのままです。
背面にEQトリムがついていて、高音域を調整できます。MAXで通常のVinetoneアッテネーターと同等のようです。

 

INPUT TRIMが入力信号を調整するつまみになっていて、ピッキングしたときにINPUT TRIMのランプがピカッ光る状態になっていればGood。

 

早速、私が愛用しているStrymonのElcapistan、Blue Skyをセンドリターンでかけてみました。

 

これだよ、これ!

これが欲しかったんだよー

 

 

 

歪み後にかけているので、空間系が気持ち良いくらい澄みきった状態でかかります

 

ノイズゲートの「ISP TECHNOLOGIES / DECIMATOR II」もかけてみましたが、さすがにこれはギターとアンプの間でかけたほうが良いですね。

 

ノイズ無音になる状態でかけると、かなり不自然です。

まあそもそもセンドリターンでかける人はいないかも知れませんが・・・

 

また、LINE出力はお手軽に使いたい場合は重宝しそうです。
(特に夜のように音が出せない環境で)

 

私はこんな使い方をしてみました。

 

ギター → アンプ → Vinetoneパワードアッテネーター →(LINE出力)IK Multimedia iRig 2 → iPhoneのAmplitube

 

当然、マイク録りのサウンドまでにはいきませんが、Amplitubeのスピーカーシミュレーターを使うと、中々良いサウンドです。

 

デモギターのレコーディングや、同条件でギターサウンドを比較したい場合などで使えそうです。これまた嬉しい機能ですね。

 

3.少し調整

次にやってみたのは、パワードアッテネーターを通さない場合との比較です。

 

①ギター → アンプ → スピーカー

②ギター → アンプ → Vinetoneパワードアッテネーター → スピーカー

 

①と②を何度も付け替えて、サウンド比較してみました。

条件を同じにするため、アンプのVolume位置は変えずに多分20-30回はやったと思います。

 

私のアンプ・機材では、②のほうが若干だけ高域が落ちる感じがしたので、EQ部分のコンデンサの容量を何度も調整して、(へっぽこな)私の耳で全く同じと感じられるポイントで確定しました。

 

あと、たぶん、私はクラシックなMarshall1959や1987のハイが思いっきり抜けるサウンドが好きなので、EQは微調整程度でしか使わなそうと思い、Potの抵抗値を小さめに変更しました。

 

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4.最後に

 

いやー、もう最強ですね。

 

音質変化なくアッテネーターとして使えて、かつ、センドリターンが使えるんだから。(もちろんゼロじゃないでしょうけど少なくとも私の耳では同じ。自分が良いと思うならそれでOKです)

 

以前、Marshall1987x(2016年製の復刻版)を持っていた時期があり、センドリターンを使ったことがありましたが、どうもイマイチだったんですよね。

 

弾いて20分くらい経つと急に出力が下がって、おかしなサウンドになり、センドリターンから外して電源OFF→ONすると治るとという謎の事象に見舞われました。(故障していたのかな・・・)

 

そしてサウンドもどうも私にはしっくり来ず、空間系のかかり方なのか、原音なのか、劣化感を感じました。私の個体の問題だったかも知れませんが。

 

しかーし、Vinetoneパワードアッテネーターはそんなものとは無縁です。


センドリターンて多分、信号が劣化しないようにカソードフォロワーとかしっかりやらなきゃいけないんでしょうけど市販品だとそこにあまり力を入れてない(コスト的に入れれないが正しいのかな)と聞いたことがあります。

 

パワードアッテネーターはその部分をしっかり作りこんでいるからなんでしょうね。

 

というわけで、Vinetoneさん、ジナパパさんに感謝でございます。

 

ではまた!