どうも、lenheyvanです。
頭の中にある究極の歪みサウンドを求めて
私が初めてエフェクターを自作しようと思ったのが2017年のことです。
ギター弾く人は分かると思いますが、自分の頭の中にある歪みサウンドを求めて、オーバードライブ・ディストーションペダルを取っ替え引っ替え試しては、「ここはいいんだけど、ここが~」っていうのを繰り返してました。
私の目指すサウンドはエディの1stで、あのYou Really Got Meのブリッジミュートの迫力あるリフのサウンドです。
それが一番近かったのが、マーシャルにBOSS SD-1 or MXR Distortion+ の組み合わせです。
SD-1は倍音の出方はキラキラして大好きなんですが、レンジが狭くなってしまうのと、ハイミッドはもう少し鼻詰まりな感じが欲しい。
Distortion+は鼻詰まり感があって大好きなんですが、ミッドロウがぼやけてしまうのと、OUTPUTが小さくてプッシュ感が弱い。
どちらかと言うとDistortion+が好みに近いんですが、これじゃ求める音にはならない。。
どんなエフェクターを買っても、満足できなかったんです。
自作エフェクターの世界へ
市販品じゃどうしてもダメなら自分で作ってみる?というのがエフェクター製作の世界に入ったキッカケでした。
そんな方、結構多いんじゃないでしょうか。
作るというより、最初は模倣+改造からです。
全然わかんじゃないか!!
ただですね、いざやろうとしても、
R28を4.7kΩ→1.0kΩに変えるとゲインが~
C3を大きくするとコンプ感が~
とか言われても、
R28ってどこ?
どんな役目?
そもそも抵抗って何?
コンデンサって何?
ですよ。
もー全く分からない。
そりゃそうですよね、だって基板も回路図なんて初めて見るんですもん。
電子工学なんてやったことないし、中学生のときにマニュアルに沿ってラジオを作ったことあるなーくらいですよ、経験なんて。
でも諦められない!!
でも、欲しい歪サウンドのためには、ここでは諦めません。
ネットを徘徊して諸先輩方のブログを読むこと数ヶ月、ほんのちょっとだけ分かってきました。
それから、こんなステップを踏んで自作エフェクターを作っていきました。
回路的にはほぼDistortion+なので超単純ですが、色々工夫することで上述の不満ポイントを解消したものです。
①ネットを徘徊して基礎知識を得る
②部品を調達
③現行のDistortion+のパーツを全部外して、抵抗・コンデンサをソケット化
④ネットの情報を元に抵抗・コンデンサの種類・定数を変えて、サウンドの変化を確認
⑤自分好みのパーツが整ったところで、回路図を書き出す
⑥自作エフェクターのデザインをイラスト化
⑦アルミダイキャストケース、アクリル板、レタリングシール等を用意
⑧穴あけ、アクリル板の加工、組み上げ
出会い
気づけば季節はもう冬です。半年くらい経ちました。
そんなとき、ちょうどネットを徘徊していたら、
東京エフェクターさんの「第5回 エフェクタービルダーズコンテスト」が2018年3月に
開催されることを知り、これは応募しなさいという神からのお告げだろうか、と思い、初心者ながら出品。
見事、散々な結果に終わり(遠方なので開催場所には行けませんでしたが)、郵送でも戻ってきました。
唯一、デザインだけ2位でした。肝心のサウンドは下から何番目かくらいでした・・・
まあ当たり前の結果です。
ただ、この時審査してくださったのが、藤岡幹大さんだったんですよね。
こんなショボイ初心者が作ったエフェクターを藤岡さんが弾いてくれたなんて、ただただ感謝です。
その直後に訃報を聞いて、ショックで言葉がありませんでした。
なので余計これには愛着があるんです。
これから少しずつ連載していきます
というわけで、こんな初心者の私が、今は自分が満足できるディストーションを作れるまでにはなったので
これからエフェクターの自作をやりたいなぁと思っている方へ向けて、わかる範囲でノウハウをお伝えしていきたいなぁと思います。
ちなみに、私はディストーションしか作れませんし、モジュレーション系とか他のエフェクターは分かりません。
理論的なことも良く分かってないです。
オペアンプなら分かりますが、トランジスタは何となくしか分かりません。
でも、こんな知識レベルでも自分が満足できるものは作れました。
今はディストーション回路を2段直列で繋いで、前段はプリアンプ的に、後段はパワーアンプ的にしたり、
プリアンプ部→パワーアンプ部への信号レベルを調節するつまみをつけたり、クリッパーを変えてBright/Fatのキャラクターを切り替えたり、LOWやHIGHをスイッチでコントロールすることもできるようになりました。
RandgeMasterクローンも作りましたし、モーメンタリースイッチを踏んでいるときだけSEND-RETURNに繋いだ任意のエフェクターを電源ONにするペダルをオリジナルで作ったりもしました。(踏んでるときだけFlangerをONにしたかったんです。)
どれも大したものではないですが、自分にとっては大きな意味を持っています。
(RandgeMasterなんて買ったらえらい高いですし、オリジナルペダルも市場にないから作ったので)
おれはビルダーになる!というような高いレベルを狙っている方向けではないと思いますが、私が初心者だからこそ逆に「そうそう、そこを丁寧に解説してくれる情報が欲しかったんだよね」というようなところは、分かっているつもりなので、噛み砕いて解説していければいいかなと思ってます。(ただ、分からないことは分からないと言いますので、悪しからず・・・)
知識のある方には、私がちゃんと説明できていないところ、間違っているところをご指摘いただけると勉強になるので嬉しい限りです。
では、これからよろしくお願いします。
(2022/9/4追記)
丁寧に分かりやすい構成を意識して書いていますので、素人の方でも体系的に一から理解できる入門書になっています。
これからエフェクター自作を始めたい方は是非どうぞ。
クローンやオリジナルエフェクター製作ができるところまでをカバーした内容となっています。
世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(前編)
~電子回路の解説~
世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(後編)
~配線レイアウトの解説~