サウンドハウス

lenheyvan’s music

ギター、エフェクター製作、オーディオなど、大好きな音楽の話をしていきます。

18v仕様のエフェクターを9v電源化する方法

どうも、lenheyvanです。

 

最近、MXRのフランジャーM117Rを手に入れました。

VANHALEN好きの私としてはPhase90と並び、必須アイテムです。

 

エディシグネチャーのEVH117も良かったのですが、デザインがもろエディストライプなので、うまくもないのにエディシグネチャー使ってるよと思われるのも恥ずかしく、こちらにしました。

 

 

 

これで、unchainedが弾ける♪
早速、こいつをかけて弾いてみましたが、いやー楽しい。気分だけはエディです。

 

ただですね、このエフェクター18v仕様なんです。

 

18v用のACアダプターはちゃんとついてくるのですが、私のボードで活躍しているパワーサプライは9v電源のみで、コンセントを挿せる口はありません。

   

これだとボードで完結できなくなり、別途、Flangerだけコンセントに挿すか、パワーサプライをコンセント対応のものに購入し直さないといけません。

 

今のパワーサプライを売って、コンセント対応しているものを購入し直すと、売却額を鑑みても追加投資1万は必要そうです。

 

かと言って、このエフェクターだけ別コンセントで対応するのも、なんかエフェクタボードが中途半端な感じがします。

 

いやー、正直どっちも厳しいですねー。。

 

考えたあげく、私は思いつきました。

 

エフェクター内部で9vから18v昇圧すれば、いいんじゃないの?

 

昇圧回路を作って、エフェクター内部に組み込むというハードルはあるものの、やってみる価値は大いにあります。

 

というわけで、18v仕様エフェクターの9v電源化プロジェクトです。

 

作業工程は以下のとおりです。

  1. 昇圧回路の作製
  2. ケース分解&基板取り出し
  3. DCジャック取り外し(ついでにLED交換)
  4. 昇圧回路の取り付け

1.昇圧回路の作製

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実は以前、歪みエフェクターの9v/18vの比較実験をしたのですが、そのときに作製していた回路が余っていたので、それを活用します。

 

回路の作り方は以下の過去記事で詳しく書いてますのでここでは割愛します。

 

ちなみに左側のコンデンサニチコンのFineGoldですが、低ESRのOS-CONなどのほうが良いのでは、とツイッターでお世話になっているフォロワーさんからアドバイス頂きました。

 

お仕事柄、この辺は知識豊富な方で、私のような素人にはありがたい情報です。試される方はOS-CONをお勧めします。

 ↓↓↓

lenheyvan.hateblo.jp

 

2.ケース分解&基板取り出し

まずは裏蓋を外します。

真ん中に電池を置くようのケースのようなものがあります。

電池用ホックが2つあり、ここからも18v仕様であることが分かります。

 

このスペースがあれば、昇圧回路を組み込むのはスペース的には全然問題なさそうです。

 

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そして、電源部がここです。

これを外して、いい感じに配線して、戻すことになります。

 

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まずは、この基板を取り外します。

 

普通にポットを押して外そうとしたのですが、基板が動きません。

よく見ると、ポットの切れ込み部分がケースに刺さっているので、こいつをマイナスドライバーで押してみます。

 

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う~ん、ダメっす。。

これでも基板は動きません。

 

ケースを見回してみると、どうもDCジャックがケースに引っかかるようになっているのでこれが原因のようです。

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またもやマイナスドライバーで押してみました。

結構固かったですが、グイグイ押してみました。

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ようやく基板から外れてくれました。

基板を取り出すだけで一苦労です・・・

 

試される方は強引にやり過ぎて壊さないようお気を付けください。

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3.DCジャック取り外し(ついでにLED交換)

せっかくなので、LEDを交換してモディファイ感を出していきたいと思います。

 

このエフェクターには何色が合うかなー?

 

こういうのを考えるのも楽しい時間です。ブラックな筐体なのでPOPな感じではなくシックな感じでいきたいと思います。

 

LEDの在庫を見ると、いい感じの色がありました。

パープルです。これに決めます。

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例によって、ハンダを盛ってからハンダ吸い取り線でハンダを除去します。

(このやり方は先程の過去記事にも記載しています)

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キレイにハンダが取れました。

ここにさっきのパープルLEDを取り付けます。

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取り付け完了!!

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次にDCジャックです。

こちらもキレイに取り外しできました。

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4.昇圧回路の取り付け

さて、メインの配線処理です。

 

(モディファイ前)

  DCジャックのプラス→基板電源

  DCジャックのマイナス→基板GND

(モディファイ後)

  DCジャックのプラス→昇圧回路のIN(9v)→昇圧回路のOUT(18v)→基板電源

  DCジャックのマイナス→基板GND

  昇圧回路のGND→基板GND

 

とすればOKのはずです。

 

絵で描くとこんな感じです。

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ポイントは

・DCジャックのプラスは、昇圧回路を経由させてから、基板の同じ場所(電源)へ配線

・DCジャックのマイナスは、昇圧回路のGNDと一緒に基板の同じ場所(GND)へ配線

・DCジャックの電池スナップは元の通り配線

です。

 

 作業の前に一応、付属の純正ACアダプタの電圧を測ってみます。

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ちゃんと18v出てますね。

 

では、DCジャックと昇圧回路を配線します。

※画像ではDCジャックと昇圧基板を完全に結線してしまってますが、この状態だと物理的に基板に取り付けできなかったので、後で一回外してから再度結線しました。

 

先程の絵に記載したとおり、DCジャックのプラスと基板の電源はショートさせないよう注意する必要があります。

DCジャックのプラスは下の画像の矢印部ですが、そのまま基板に戻すと、基板とショットしちゃいます。

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そのため、絶縁テープでショートしないようにしておきます。

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取り付け前に、昇圧回路を通した状態での電圧を測っておきます。

ダイオードの電圧降下があるので、若干下がりますが、17v弱は出てるのでOKとします。

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あとは、さっきの絵のように基板に取り付けていきます。

 

昇圧回路は基板の背面に置くので(裏蓋を開けて上面から見ると基板の背面になってます)、それを踏まえて基板側の穴をうまく使って配線していきます。

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これで配線は完了です。

音出し確認OKです。

 

内部トリマーが4つありますが、内、2つはいじっても違いが分かりませんでした。

 

メモし忘れたので記憶ベースですが、確かどれか1つのトリマー(右上のだったかな?)がかかり具合をエグくできるやつで、エグくしたほうがunchainedのあのサウンドに近かったのでMAXしたと思います。

 

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では、またケースに戻していきます。

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ケースに戻して終わったら、念のため内部でショートしてないかのチェック。

はい。問題ありません。完成です!

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最後に

多少の電子回路の知識は必要になりますが、パワーサプライがACアダプターを直接挿せるタイプではない場合は、この昇圧回路組み込み作戦は有効です。

 

ただし、裏蓋を開けて、昇圧回路が入るスペースがあるかは要確認ですね。

 

XOTIC系とかだとちょっと厳しいかも知れません。

(昇圧可能の製品なので、この作戦のコンセプトにはピッタリなんですけどね・・・)

 

MXRサイズ以上あれば大丈夫そうな気がします。

 

昇圧回路自体は部品数少ないので簡単に作れますし(部品代も数百円くらいじゃないでしょうか)、あとはエフェクターの配線を今回やったように接続してやれば割と簡単にできちゃいます。

 

いやー、最近昇圧にハマってきました。

レンジが広い音って弾いてて楽しいんですよね♪

 

みなさん良きエフェクターライフを。

 

ではまた!