(2022/9/4追記)
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kindleでエフェクター自作本を出版しました。
丁寧に分かりやすい構成を意識して書いていますので、素人の方でも体系的に一から理解できる入門書になっています。
これからエフェクター自作を始めたい方は是非どうぞ。
クローンやオリジナルエフェクター製作ができるところまでをカバーした内容となっています。
世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(前編) ~電子回路の解説~
世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(後編) ~配線レイアウトの解説~
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どうもlenheyvanです。
今日はシングルオペアンプを今まで色々試してきたので、音質評価を整理したいと思います。
MXR Distortion+に載せての評価です。
感じ方は人に寄りけりなので、あくまで個人的な主観としてお読みください。
LM741CN
[総評]
ロウファイ。質感は良いが、パワー感は弱め。ハイミッドのきらびやかさは無い。
[項目別評価]
・歪みの深さ :若干弱め
・歪みの粒感 :粗い
・音質傾向 :高音弱め
・倍音 :普通
・ノイズ :普通
UA741CN
[総評]
ロウファイ。ドライで粗めの質感。もうちょいパワー感は欲しいところ。
きらびやかさは良いがUA741CPには一歩譲る。
[項目別評価]
・歪みの深さ :普通
・歪みの粒感 :粗い
・音質 :ミドルのおいしい部分がキレイ出る
・倍音 :ハイミッドが良く出る
・ノイズ :普通
UA741CP
[総評]
ロウファイ。ドライで粗めの質感に、パワー感もあって、高音のきらびやかさも良い。
[項目別評価]
・歪みの深さ :少し深い
・歪みの粒感 :粗い
・音質 :おいしい部分キレイ出る
・倍音 :ハイミッドが良く出る
・ノイズ :普通
UA741CP MALAYSIA
[総評]
UA741CPをさらにパワー感を加えた感じ。それ以外の特性は同じ。
741系の中では一番好きな感じ。
[項目別評価]
・歪みの深さ :少し深い
・歪みの粒感 :粗い
・音質 :おいしい部分キレイ出る
・倍音 :ハイミッドが良く出る
・ノイズ :普通
LM308AN
[総評]
RATで有名過ぎるオペアンプ。低音が強めで高音が弱め。そのため、色気は無い。
一方、パワー感はすごい。RATに搭載されてるだけあって、メタル系なオペアンプ。
きらびやかさはシングルタイプでは一番無い。
[項目別評価]
・歪みの深さ :深い
・歪みの粒感 :普通
・音質 :低音強め、高音弱め
・倍音 :普通
・ノイズ :普通
OPA604AP
[総評]
高級オーディオに使われるだけあってハイファイ。ノイズは少ない。ドライブ感は強い。
中域に盛り上がりがあり、ハイファイながらも温かみがある。上品な印象。
[項目別評価]
・歪みの深さ :少し深い
・歪みの粒感 :普通
・音質 :レンジ広め。中域に盛り上がりがある。
・倍音 :普通
・ノイズ :少ない
OPA134PA
[総評]
OPA604APの兄弟機。同じくハイファイでノイズ少な目でドライブ感は強い。
歪みは細かめで全帯域に渡ってレンジが広い。高音域が強く金属的な響きがある。HR/HM向き。ダグアルドリッヂのような音。
[項目別評価]
・歪みの深さ :深い
・歪みの粒感 :細かい
・音質 :レンジ広く、ドンシャリ系。
・倍音 :普通
・ノイズ :少ない
2021/4/11追記
NE5334P
[総評]
良くも悪くも個性やクセはあまり無く、ハイファイと言われつつも、ハイファイ過ぎない。
面白みがあると言われると面白みは無いが、クセの強いオペアンプをもっと素直なサウンドにしたいならあり。オペアンプで積極的に音作りしていく人には向かない気がする。
[項目別評価]
・歪みの深さ :普通
・歪みの粒感 :普通
・音質 :フラット
・倍音 :普通
・ノイズ :普通
OPA627AP
[総評]
ポタアンなどのオーディオ界隈ではかなり高評価の2,500円ほどする高級オペアンプ。
Burr-Brown社に共通するハイファイさは素晴らしい。
ただ、エフェクターではどうかと言うと、全帯域強すぎて、ローはドンドン、ミドルはモコモコ、ハイはキンキン。オーディオなら、迫力と明瞭さが良い方向に行くと思うが、こと、エフェクターとなると合わないのが面白いところ。エレキギターはミドルが大事な楽器なので、そこがフィットしないと思われる。
[項目別評価]
・歪みの深さ :普通
・歪みの粒感 :普通
・音質 :ドンドン、モコモコ、キンキン
・倍音 :普通
・ノイズ :少ない
UA741HC メタルカン
[総評]
希少なメタルカンのUA741。良くメタルカンは安定していると聞くので、クリアでハイファイな音を予想していたが、通常版と同じくローファイ。
メタルカンのほうが古いせいか若干、泥臭い感じ。
このダーティさはハマる人はハマると思う。
ハイファイで分離感を求める人には向かない。
[項目別評価]
・歪みの深さ :普通
・歪みの粒感 :粗い
・音質 :ローミッドが強めでダーティ
・倍音 :少し少ない
・ノイズ :少し多い
最後に
いかがでしたでしょうか?
オペアンプで音質はかなり変わります。
741系は総じてローファイですが、これにしか出せない、良い意味で古臭いサウンドがあります。
立ち上がりが遅いので、その分粘りを感じるように思えます。
レンジは狭めでローとハイは強くなく、ミッドが強調されます。
一方、OPA系はBurr-Brown社製ですが、ハイファイでキレイな歪み方をします。
OPA604APが暖系だとすると、OPA134PAは寒系です。
これ以外にも沢山ありますので、オペアンプはソケット式にして、色々載せ替えてサウンドの違いを楽しむと良いと思います。
次回はデュアル編にいきます。
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また、クリッピングダイオードの所感についてはこちらになります。
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