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ギター、エフェクター製作、オーディオ、ポタアンなど、大好きな音楽の話をしていきます。

ディストーションDIYへの道 〜【電子回路編】distortion+の回路図解説「②増幅部」〜

どうも、lenheyvanです。

前回は「①入力部」の解説をしました。
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今回は「②増幅部」にいきたいと思います。
いつのように、これを別タブで開いてください。この図を見ながら読んでもらえると理解しやすいと思います。

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増幅部は非反転増幅回路になっていて、負帰還部で入力信号を増幅しています。

以前に説明した記事はこちらです。忘れてしまった方は、こちらから復習しましょう。
↓↓↓

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「②増幅部」の解説

オペアンプの7番端子に抵抗(R5)から繋がっている線がありますが、これは「③電源部」で解説します。

信号を増幅(R2、R3+R4)

以前の記事に書いたとおり、抵抗の比率で増幅率が決まります

この回路ですと、R4という1個多く抵抗がついてますね。

R4には矢印が書いてありますが、これは可変抵抗を表していてDISTORTIONノブになります。
0~470kΩの間で調整可能です。

R4は左に絞り切ると470k(抵抗MAX)、右に絞り切ると0(抵抗MIN)となるように配線されていますので、MIN→MAXは470kΩ→0Ωということになります。

増幅率は(1+R2/(R3+R4))倍ですので、
R4がMIN(470k)の場合は(1+1M/(4.7k+470k))≒3.1倍、
R4がMAX(0)の場合は(1+1M/(4.7k+0))≒213.8倍です。


MAXで213.8倍という増幅率は、一般的なディストーションエフェクターとしては、あまり大きいな数字ではありません。

ただ、distortion+の場合はこれくらいの増幅率で十分なんです。
何故かは「④クリッピング部」で解説します。

周波数特性を決める(R3+R4、C3)

ここはdistortion+の肝となる重要な部分です。

またここでR3,R4が出てきます。
そうなんです。R3,R4は2つの役割を持っています。

増幅率を決める役割と周波数特性を決める役割です。


では、周波数特性とは何でしょうか。

純化のため、R4は一旦、ここから少しの間、無いものと考えてください。
 つまり、0Ω(DISTORTIONノブを右に絞り切った状態)です。


「周波数特性」を学問的に説明してもわかりにくいので、簡単に説明します。

誤解を恐れずに言うと「増幅する周波数帯域」と思ってください。
そして先に言ってしまうと、この回路では周波数特性は720Hzです。

つまりこういうことです。

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増幅率は周波数帯域が720Hzまではゆっくりあがっていきます。この帯域では増幅率は高くありません。
そして720Hz以上の帯域では増幅率が高い状態になっています。

簡潔に言うと、720Hz以上を増幅する、と言えます。


ちなみに、BOSS SD-1も同じ周波数特性になっており、割と定番の定数です。



ではこれの仕組みの解説にいきます。

まず、C3、R3+R4でハイパスフィルターを形成しています。

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AndroidアプリのElectricdocで計算させてみましょう。

R4はここでは無視するのでC3とR3の定数を突っ込んでみます。
※抵抗を直接に接続した場合の合成抵抗値は、単純に加算するだけです。

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オペアンプの解説をしたときに、3番端子(非反転入力)と2番端子(反転入力)の電位差はゼロになるように動作するとお話しました。

つまり、ハイパスフィルターで信号がGNDへ逃げていくので、その分、オペアンプは電位差をゼロにするために増幅します。

言葉だけだとわかりにくいので絵を描いてみました。

周波数 a < b < c とすると、

周波数 a は少しだけ増幅(小)、
周波数 b はまあまあ増幅(中)、
周波数 c はめっちゃホリデー増幅(大)、

となります。

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というわけで、DISTORTIONノブを上げていくと、派手でバリバリした歪みが出てくるのは、高音域がブーストされているからなんですね。


では、ここでR4も加えて話をしましょう。

R4は0~470kΩまでの可変抵抗です。
R4が大きくなればなるほど、周波数特性は下がっていきます。

例のごとく、Electricdocで計算させてみましょう。

R4がMIN(470k)の場合は7.1Hz、
R4がMAX(0)の場合は720Hzです。

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そして、先程お話したように、R4は増幅率にも影響を与えます

R3,R4,C3の関係性をまとめると次のようになります。
R4によって増幅度と周波数特性が変わります。

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R4がMAX(0)の場合が一番上の線、
R4がMIN(470k)の場合が一番下の線、
真ん中の線はその中間点です。

MAX :増幅率 213.8倍 周波数特性 720Hz
真ん中:増幅率 70.9倍 周波数特性 360Hz
MIN :増幅率 3.1倍 周波数特性 7.1Hz

となります。


いかがでしょうか?
非反転回路を使った増幅回路の仕組みは理解できましたでしょうか。

  • 増幅率はR2とR3+R4の比率で決まる。
  • 周波数特性はC3とR3+R4で決まる。

これだけです。
最初は一見難しそうに見える回路図も、理解すると意外に単純な構造だと思いませんか?

モディファイのネタ帳

ここまで来ると、メラメラと改造したい衝動が出てきませんか?

もっとゲインを上げたい、
もっと図太い歪みサウンドにしたい、
オペアンプを交換して自分好みのサウンドを探したい

なんて思うようになったら、あなたは既にエフェクターDIYの沼に片足はまっています。
いや、腰まで浸かっていると言って良いでしょう。

この沼にハマると楽しいですよ。
自分のアイデアを自分の手で具現化できるんですからね。

オペアンプ交換(各オペアンプの音色)については長くなるのでまた別途やるとして、
ゲインUpと図太いサウンドについてはここで紹介します。

ゲインUp(R2,R3,C3)

R2を大きく、R3を小さくすると、ゲインUpすることができます。
そりゃそうですよね。だって、R3とR2の比率がそのまま増幅率になるわけですから。

ただ、「そうすると周波数特性が変わってしまうんじゃないの?」と思われたあなたは賢いです。
そのとおり、周波数特性が崩れてしまいます。

なので、増幅率には関係しませんがC3も書いてあるのです。

周波数特性を変えずにゲインUpするためにはR2,R3と合わせて、C3も調整する必要があります。

例えば、よくモディファイするときに使われる定数として、R3を4.7k→1.0kにします。
そうすると増幅率は(1+1M/1k)=1000倍になります。

「213.8倍という増幅率は大きくないがdistortion+ではこれで十分」とお話ししましたが、
これはあくまでもオリジナルの場合の話であって、ダイオードをLEDに変えた場合なんかはこれくらいのゲインが欲しくなります。

周波数特性の話に戻りますが、このままだとR3が1.0k、C3が0.047uFなので、周波数特性は3.4kHzになります。
※例によってElectricdocで計算しました。

これだと、かなり高い周波数を高い増幅率でゲインUpするので、
線の細いキンキンした音になって、ゲインをちょっと上げると発振してピーピー鳴っちゃうと思います。

周波数特性を720Hzのままにするためには、C3を0.22uFにします。

R3が1.0k、C3が0.22uFだとちょうど周波数特性は720Hzになります。

これで、周波数特性は変えないまま、ゲインは213.8倍→1000倍へ上げることができました。

また、よくやるのが、R2を可変抵抗にしてしまうモディファイです。(GAINノブ)

DISTORTIONノブを上げたトレブリーなサウンドは好きなんだけど発振してしまって、そこまで上げられないというときに、GAINノブを下げることで、トレブリーなクランチサウンドを作ることができます。

ちなみにゲインは上げればあげるほど良いというものではなく、あまり上げ過ぎると、潰れて解像度の悪いモゴモゴしたサウンドになります。

ただ、音楽にルールなんてありませんので、そのサウンドをカッコイイと思えるなら、それは完全にアリです。

歪みの太さ(C3,R3)

オリジナルは主に720Hzから上を増幅しますが、この周波数特性を下げる方向に変えてやると太さがでてきます
ただ、その代わりに高音域の煌びやかさは減少します。

例えば、C3の定数を2倍にすると、周波数特性は720Hzの半分の360Hzになります。
C3の定数を2倍ということは0.44uFですので、0.22uFを並列にもう1つ付けます。

並列につけることで、スイッチで周波数を瞬時に切り替えするなんてこともできます。

コンデンサ並列に接続した場合の合成容量は、単純に加算するだけです。
 抵抗とは反対ですね。抵抗は直列の場合に加算するので。
 コンデンサの直列接続、抵抗の並列接続の合成値は数式がちょっと違って減少する方向にいきますが、ここでは必要ないので割愛します。

周波数特性が720→360Hzに下がるということは、歪ませる帯域が下がるということなので、
トレブリーなサウンドから、ファットなサウンドへ変化します。

最後に

負帰還回り(オペアンプ、ゲイン、周波数特性)と、
次々回に解説する出力部のクリッピングの2か所は、出力されるサウンドに大きな影響を与えます。

モディファイするなら、まずはこの2か所から攻めるのが良いと思います。
(出力部はまだ書けてませんが・・・)

では今回はここまでです。

次回は、地味ではありますがかなり重要なパートである電源部にいきたいと思います。


ディストーションDIYへの道 〜【電子回路編】distortion+の回路図解説「①入力部」〜

どうも、lenheyvanです。

これまで、抵抗・コンデンサ、フィルター回路、オペアンプの解説をしてきました。
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一応これでdistortion+のような、原始的な回路図は読める準備ができました。


さあ、いってみましょう。

まず、全体の回路図はこのようになっています。
これを別タブで開いてください。この図を見ながら読んでもらえると理解しやすいと思います。

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おおまかには、赤枠の各パートに分かれていて、最終的に信号を増幅&クリッピングすることでディストーションをかけています。

今回から何回かに分けて、各パートを解説していきますね。

「①入力部」の解説

超高音域をカット(C1)

一番最初に小容量のコンデンサC1がGNDに繋がっていて、ローパスフィルターになっています。
ここで超高音域をGNDに落として捨てることで、ノイズを軽減してします。

※ノイズを軽減する代わりに、煌びやかさは失うわけで、そこはトレードオフになります。



でも、「あれ?おかしい」と思いませんでしたか?


そうなんです。フィルター回路ぽいけど抵抗が無いんです。実はこうなっている回路はよくあります。

カットオフ周波数はちゃんと計算できますが、インピーダンスという初心者にはちょっと取っ付きにくい話が出てきます。
私の記事は素人の方がディストーションを自作できることを目標にしているので、ここでは話しません。
(というか、私自身もプロの方に最近教えて頂いたくらいなので、適切に解説できるか自信が無いです。。)



【興味が無い方は読み飛ばしてください】
-------------------
少しだけ説明すると、一言で言うと、直流回路における抵抗が「抵抗」、交流回路における抵抗が「インピーダンス」です。


抵抗はRで表現し、V=IRと説明しましたが、
インピーダンスはZで表現し、V=IZです。


コンデンサの説明の時に交流を通し直流を通さないとお話ししましたよね。
これを言い換えると、高周波(より交流に近い)はインピーダンスが低く、低周波(より直流に近い)はインピーダンスが高い、ということになります。


まあ、この辺の小難しい話は知らなくてもディストーションは作れますので、気にしなくて大丈夫です。

-------------------

低音域をカット(C2)

次にC2が、中音域~高音域だけ通すハイパスフィルターになっています。
これも先程と同じく、抵抗の無いハイパスフィルターです。

ここまでで、超高域と低音域をカットして、オペアンプに入る前段でサウンドを整えてます。

オペアンプ保護(R1)

10kの抵抗になってますが、これはオペアンプ保護用です。
大きな電流がオペアンプに入力されるとオペアンプが壊れるので、通常1~10k程度の抵抗をここに入れます。

※R1からオペアンプへ入力する途中、R6から線が繋がっていますが、これは「③電源部」で説明します。

モディファイのネタ帳

歪ませる帯域調整-高音域(C1)

容量でカットする周波数を変えることができます。
小さくすると煌びやかだけどノイジー(煌びやかさMAXにしたいなら外してください)、
大きくするとノイズをより抑えられるけど煌びやかさが失われていきます。


歪ませる帯域調整-低音域、コンプレッションの調整(C2)

容量を小さくするとキレがよくなるけど薄くなる、
大きくすると太くなるけど低音域がモタつきます。

また、良くも悪くも、低音域が多めだとコンプレッション感も上がります。

歪みの質感の調整(R1)

実はここはサウンドへの影響は大きくないです。
抵抗が大きい方が若干Dirty(良い意味で泥臭い)、小さい方がClear(スッキリ)かなという印象です。

Keeleyモディファイではここの抵抗や、R8を4.7kにしていたはずです。

最後に

私はそれぞれのパーツの役割を耳でも確認したかったので、ボロボロのdistortion+を中古で入手し全パーツを外してソケットをつけました
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出展:Garrettaudio

↑これを各パーツの足の部分に半田付けして、抵抗やコンデンサを差し替えるだけでサウンドチェックできるようにしたのです。

こんな感じです。

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ソケットつけるのは中々大変ですが、一回やってしまえば後はめちゃくちゃ楽ですよ。

やっぱり理屈より最後は自分の耳ですからね。


ここで作業について、ひとつアドバイス

モノによりますが、市販品の半田はガンガン温めても、半田吸い取り線が吸ってくれない場合があります。
(特にオペアンプは難儀します。。)

そういうときは、取り外したい足の半田に上からさらに半田を盛ってから、吸い取ってみてください。

そうすると、自分がつけた半田を吸い取るときに元々の半田も一緒に吸ってくれるのでキレイに取れます

オペアンプダイオードのような熱に弱い部品は熱を与えすぎると壊れてしまうので、かなり有効な手段です。

このやり方を知らずに、何台の基板を壊したことか。。



では、今回はここまでです。

次回はこのエフェクターの心臓部である、「②増幅部」にいきたいと思います。



ディストーションDIYへの道 〜オペアンプ〜

どうも、lenheyvanです。

 

前回までで抵抗・コンデンサの役割、フィルター回路の説明までしてきました。

今日はオペアンプの話をしようと思います。

 

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オペアンプとは

こんな虫のような形のICです。エフェクターの基板を見たことがある方は、見覚えがあると思います。

 

 でも、オペアンプって何するもの?「心臓部」って言われてる分からんし、って感じですよね。

 

一言で言うと、信号を増幅(ゲインアップ)するものです。

まずはそのくらいの理解で大丈夫です。

 

オペアンプの種類

実はオペアンプには種類があります。

エフェクターで使われるものとしては、

があります。

 

なんてことはなく、シングルオペアンプは1回路入り、デュアルオペアンプは2回路入り、というだけです。

 

OD-1なんかは、クアッドオペアンプと言って4回路入りですが、1つのオペアンプに回路がいっぱい入っている、というだけのことです。

 

私がエフェクターをいじりはじめて、一番最初にやろうとしたのが、MXR Distortion+のオペアンプ交換です。

 

ド素人だったので、オペアンプを交換し、ウキウキして、さあサウンドチェック。

 

あれ!?音が出ない。

 

そりゃそうです。だって、シングルオペアンプ用の回路にデュアルオペアンプを載せちゃったんですから。

 

Distortion+は原始的な741系のオペアンプを採用しています。

μA741とかLM741というシングルオペアンプです。

(頭のμAとかLMとかは製造しているメーカーによって違うだけです)

 

そこに、デュアルオペアンプの定番であるRC4558Dをつけてしまったのです。

 

シングルオペアンプじゃダメということは理解できたのですが、どうしてもRC4558Dをつけたかったので、掲示板に投稿して、どうすればいいのかを聞いてみました。

 

知識が無くて言葉足らずだったんでしょう、意図がうまく伝わらず、

「やりたいことが分かりません」

「シングルオペアンプ用の回路ならデュアルは使えません」

「デュアルからシングルに変換したい意図が分かりません。わざわざそんなことする必要ないと思います」

と言われてしまい、途方に暮れました。

 

今では良い思い出です。

 

オペアンプの構造

これを見てください。(例のごとく手書きですみません)

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各端子の意味は次のとおりです。デュアルオペアンプのほうは1、2がついてますが、回路が2つなので、2個分使えるというだけです。

  • IN+:非反転入力
  • IN-:反転入力
  • OUT:出力
  • V+:正電源
  • V-:負電源

 

反転?非反転?

なんじゃそりゃだと思いますが、ここでは入力が2つあるという思ってもられば良いです。

出力は読んで字のごとく、オペアンプで増幅した信号を出力します。

正電源は、いわゆる電源のことです。エフェクターの場合ここに9v電源をつなぎます。

負電源はGNDにつなぎます。電位がゼロということですね。

 

どうやって増幅されるの?

ではどういう仕組みで増幅されるのでしょう?

 

非反転増幅回路

エフェクターでよく使われる非反転増幅回路で説明します。

Distortion+も非反転増幅回路を採用しています。

 

「非反転増幅回路」という難しい名前はひとまず置いておいて、まずはこの回路図を見てください。

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順を追って説明します。三角形のやつがオペアンプです。

①INから入力信号が入ってきます。(ギターの信号です)

オペアンプ非反転入力に入ります。(+のほう)

オペアンプの出力から二股に分かれていて、上のほうへいくと反転入力(-のほう)へ戻しています。これを負帰還と呼びます。

④負帰還があることによって、図にあるとおり、ゲインが(1+R1/R2)倍されて、出力されます。

 ※非反転入力(+)と反転入力(-)は電位差がゼロ(つまり同じ電位)になります。なります、というより、しようとします。そうなるようにするためにオペアンプは信号を大きくするように動作します。それが結果的に増幅となるわけです。

 

難しいように思えますが、上のような回路図になっていたらゲインが増幅される、増幅率は2つの抵抗値から算出できる、ということだけ理解できていればOKです!

 

ちなみに、非反転増幅回路というだけあって、この回路を通っても信号は「反転しない」です。位相という言葉を聞いたことがある方もいると思いますが、信号の波(プラスとマイナス)をそのまま増幅します。

 

一方、反転増幅回路というものもありますが、そちらは位相が逆になります

つまり、信号のプラスとマイナスが逆になるということです。

 

通常はあまり気にする必要はないですが、以下のような2つの信号をMIXするブレンダ―のようなエフェクターでは、それぞれの位相を打ち消してしまうので気にする必要があります。

もちろん、このようなエフェクターでは位相を変えるスイッチがついているので切り替えるだけですが。

 

 

 

 

蛇足ですが、ギターのピックアップも向きがあります

フロントピックアップとリアピックアップを正しい向きにつければ、セレクターでMIXポジションにすると、2つの信号が合わさったものになりますが、片方を逆につけると打ち消しあっちゃうんです。

 

ただ、論理的には上記のとおり、それぞれ打ち消しあってしまい信号はなくなってしまうのですが(例えば+1.0v と -1.0vを足すとゼロですよね)、現実世界では微妙にズレるので、中途半端に打ち消された信号になります。

これをフェイズサウンドと言いますが、独特の面白いサウンドなので、敢えて使う場合もあります。ブライアンメイなんかはフェイズアウトしたサウンドが出るスイッチがギターに付いていますよね。

 

話を元に戻しますが、増幅は先程の計算式のとおりなので、例えばR1が1MΩ、R2が4.7kΩの場合、1000/4.7=212.7倍の増幅ということになります。

(これはDistortion+の定数です)

 

シングルオペアンプの回路にデュアルアぺアンプをつけれるのか?

冒頭の話に戻りますが、Distortion+のようなシングルオペアンプの回路にデュアルオペアンプをつけられるのか?ですが、オペアンプの構造」に記載した仕組みを知っていれば割と簡単につけることができます

 

もちろん回路を改造しても良いのですが、現代のエフェクターはプリント基板です。(緑色の板に、銅色の線が各パーツ間を道路のようにつないでいるアレです)

 

それを改造するのはちょっとハードル高いので、私は変換キットを作りました。

 

正直に白状すると、最初、プリント基板でやろうとして、ぐちゃぐちゃになって、最後はジャンパー線(今度説明します)で継ぎ接ぎフランケン状態にしてやっと音が出るようになったのですが、そんな苦労しなくていいです。

 

これが私が作ったキットです。2つのICソケットを使って作成しました。

 

上段にデュアルオペアンプを載せます。

画像がちょっと斜めになってますが、端子の番号は

 4 3 2 1

 5 6 7 8

です。

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シングルオペアンプ2つをデュアルオペアンプに変換する回路キットはよく市販されているのですが、これはいくら探しても無かったんです。

 

これがあると、すっと、シングルの回路にデュアルを載せてサウンドを試してみることができるのですごく便利です。そして作るのは超簡単です。

 

 デュアルオペアンプをD(画像の上段)、シングルオペアンプをS(画像の下段)とすると、こうすればよいです。

Dの1番→Sの6番

Dの2番→Sの2番

Dの3番→Sの3番

Dの4番→Sの4番

Dの5番→Sの5番

Dの6番→接続しない

Dの7番→接続しない

Dの8番→Sの7番

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これにデュアルオペアンプを載せて、シングルオペアンプ回路につけると、デュアルオペアンプの1回路だけ使用することになります。

RC4558Dなんかはシングル版は無いので、この回路で使いたい場合はこういうのがあると便利です。あくまでもサウンドチェック用なので、デュアルを採用するとなったら、回路設計はデュアル用にして作ってしまえば良いです。

 

最後に

オペアンプについてざっと解説してみました。

オペアンプという虫のようなパーツにちょっと親しみを感じてもらえたら幸いです。

 

よく電子回路の世界ではと呼ばれたりします。

 

ポタアンでもオペアンプは使われていて、製品によっては交換可能なものもあります。

ただ、オーディオとしては高性能なんだけどもエフェクターではイマイチ、

逆にオーディオ的にはローファイ過ぎてイマイチなものがエフェクターではいい味を出す、なんかはよくあることであり、そこがエフェクターの面白いところです。

 

もちろん、オーディオ用のハイファイなものがエフェクターにマッチすることだって当然あります。

 

一番は、色々試してみて、最後は自分の耳で判断することだと思います。

 

次回はいよいよ、Distortion+の回路図の徹底解説にいきたいと思います。

 

 

*1: 6 Pieces

ディストーションDIYへの道 〜フィルター回路〜

どうも、lenheyvan です。

 

今日は抵抗とコンデンサを使ったCRフィルター回路のお話をしようと思います。

Cはコンデンサ、Rは抵抗です。 

 

前回お話しましたが、仕組みさえ覚えれば、計算はツールでやればいいのでめっちゃ簡単です。 

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ローパスフィルター

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ロー(低音)をパス(通過)するフィルターです。

つまり、低音域だけ通します

 

”だけ”はちょっと語弊がありますね。

正しくは、「ある一定の周波数以下を通す」です。

 

 仕組み

信号は左から右へ流れるものとみてください。

抵抗を通って、二股に分かれた下のほうにはコンデンサがついていて、その先にGND(※)があります。

※GNDは直訳すると「地面」です。調べると「基準電位との差がゼロ」とか出てきますが、電流のゴミ捨て場と覚えてください。そんなイメージで大丈夫です。

 

前回説明したように、コンデンサは高音域だけ通します。それを捨てるということは、つまり、二股の右には低音域だけ流れていくことになります。

 

はい、これでローパスフィルタの出来上がりです。

 

ハイパスフィルター

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こちらはハイ(高音)をパス(通過)するフィルターです。

つまり、高音域だけ通します

 

 仕組み

見ての通り、ローパスフィルタの逆です。

 

コンデンサを通って、二股に分かれた下のほうには抵抗がついていて、その先にGNDがあります。

 

コンデンサは高音域だけ通し、二股に下の抵抗を通って低音域は捨てられます。つまり、二股の右には高音域だけ流れていくことになります。

 

はい、これでハイパスフィルタの出来上がりです。

 

なんかモヤモヤしませんか?

大抵こんな感じの説明がされていますが、「ちょっと待て待てい!」と思ったあなた。鋭いです。

 

結局、GNDに繋がっているコンデンサがあればローパスフィルターだし、

抵抗があればハイパスフィルターじゃん。初段の抵抗とコンデンサいらなくね?

 

はい、おっしゃるとおり。

あなたは正しい!!

 

最初の抵抗・コンデンサは別に無くてもいいんです。

 

じゃあ何でついてるのって話ですが、実はこの抵抗・コンデンサが無いと、どの周波数から下を捨てる/上を捨てるを調整できないんです。

 

カットオフ周波数

前回もちらっと出てきましたが、どこから捨てるかの周波数を「カットオフ周波数」と呼びます。

 

この絵をご覧ください。(手書きの汚い絵ですみません・・・)

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縦軸はゲインになっていて、0dbは素の信号です。

横軸は周波数になっていて、右に行くほど周波数が高くなります。

 

カットオフ周波数と赤字で書いている地点の周波数が、この周波数を境にカットしますよ(=カットオフ周波数)です。

 

厳密には記載のとおり、カットオフ周波数が-3dbの地点になります。

 

 

例えば、「いやー、ミッドローが多すぎてキレがないんだよなー。200Hzから下を削りたいんだけどなー」って時、ありますよね。

 

そんなときは、カットオフ周波数を200Hzにすればいいんです。

 

ローパスフィルタの抵抗を10kΩ、コンデンサを79.577nFにすれば200Hz以下をカットできます。

 

え?その数字どこから出てきたかって?

それはツールに計算してもらいました。

 

 

下の画像は私のAndroid携帯に入れている Electrodoc というアプリです。

(画面の液晶割れあり。。見にくくてすみません・・・)

 

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このアプリでR(抵抗)、C(コンデンサ)、周波数を入れると勝手に計算してくれるんです。

今狙ったカットオフ周波数は200Hzだったので、200Hzを入力して、Rは仮に10Kとしてみました。そうするとCが自動算出されます。このフィルタ回路の抵抗が仮に4.7kΩだと、Cの数値はまた変わります。

 

つまり、抵抗とコンデンサの定数で、カットオフ周波数をコントロールすることができるんです。

 

よくエフェクターの入力部の回路でもたつきになる低音域をローパスフィルターでカットしたり、ノイズの原因になる超高域をハイパスフィルターでカットしたりします。

 

次の例はかの有名なRangeMasterの入力部です。

 

ロリー・ギャラガーやブライアンメイが使用していたことで有名過ぎるペダルですが、YouTubeなんかで観てもらえれば分かるとおり、トレブルブースターというだけあって、トレブルがかなりゲインアップされたサウンドです。

 

例によって村田さんが、いつもの分かりやすい語り口で説明してくれています。

2:02あたりからです。


Treble Booster〜ロック・ギター・サウンドの礎を知る【デジマート DEEPER'S VIEW Vol.02】

 

回路的には、入力部で低音域をガッツリ削ってからトランジスタ(OC44というゲルマニウムトランジスタ)で信号を増幅しています。

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赤丸の部分がハイパスフィルターになっています。

コンデンサが0.005uF、抵抗が68KΩなので、ツールで計算すると、カットオフ周波数は468Hzより下をカットしています。

 

イコライザーを使う方ならわかると思いますが、ギターで468Hzというと、低音域ではなく、完全に中音域ですよね。

 

敢えて中音域から下をバッサリとカットすることであの独特のサウンドを生み出しているわけですね。まさにトレブルブースター。

 

私も結構好きで、何台か自作しました。

今は、一番状態の良いOC44のものを1つだけ保有しています。

ゲルマニウムトランジスタは個体差が結構あるんですよ)

 

最後に

 

どうですか。

割と簡単じゃないですか?

 

これが分かると、カットしたい音域を自分でコントロールすることができるので、イチから作らなくても、手持ちのエフェクターサウンド特性をチューニングするくらいは十分可能です。


例えば、今日ご紹介したRangeMasterの入力部にローパスフィルターも足して、高音域もカットすると、ハイミッドだけ残りますよね。

そうすると、ミドルブースターの出来上がりです。(バイパスとローパスのカットオフ周波数をうまく調整してバランスを取る必要はありますが)

 

そうすれば、マイケルシェンカーのようなワウ半止めサウンドだって作られちゃいます。

(抵抗とコンデンサの二つを足すだけで激変ですよ。面白くないですか?)

 

ここまでで、抵抗・コンデンサの役割、CRフィルターについて説明してきました。

 

次回はオペアンプにいきたいと思います。

ディストーションDIYへの道 〜抵抗・コンデンサ〜

どうも、lenheyvan です。

 

前回、これからエフェクターDIYの話をしていきますねーと言いました。

 

lenheyvan.hateblo.jp

 

 

今回は連載1回目。

抵抗、コンデンサの話をしたいと思います。

 

と言っても、調べれば沢山出てくるので、難しい話はしません。必要最小限で。なぜならば、あくまでもMXR Distortion+のような原始的な回路を作れるようになるのが目標だからです。

 

抵抗

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出展:Garrettaudio

役割

一言で言うと、電流を通しにくくするものです。

 

どう使うかと言うと、分かりやすいのが、LEDです。

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出展:Garrettaudio
 

 

エフェクターにはON/OFFが識別できるようにほとんどの場合ついてますが、電源のプラスとマイナスにそのまま繋ぐと、電流が流れすぎて、LEDが壊れてしまいます。

 

なので、通常、1.0k〜3kΩ程度の抵抗を挟むことでLEDに流れる電流量をコントロールします。

 

私はいつも高輝度LEDに2.2kΩ、暗い場合は1.0kΩの抵抗をつけます。

 

じゃあなんで抵抗をつけると電流をコントロールできるかと言うと、高校で習ったオームの法則です。

 

V(電圧)= I(電流)×R(抵抗)

 

大体のエフェクターは9v電源だと思いますが、そこに2.2kΩの抵抗をつけると、

9 = I × 2.2k  →  I = 9/2.2k  →  I ≒ 0.0041(A)

 

となるので、4.1mAということになります。

 

抵抗が1kΩの場合は、(計算は省略)9.0mAです。

 

当然、通る電流が多い方が明るく光るわけですが、流しすぎるとLEDが壊れるので、抵抗でコントロールするんです。

 

じゃあ、回路上ではどう使うのか、が気になると思いますが、コンデンサと組み合わせてローパスフィルター、バイパスフィルターとして使うことくらい覚えておけば大丈夫です。

 

フィルター回路については次回ご説明しますが、

ローパスはその名の通り、ローをパス(通す)、

ハイパスはハイをパス(通す)します。

 

それによって、音の鈍さの原因になる低音域をカットしたり、ノイズの原因になる高音域をカットするわけです。

 

カットする周波数は、抵抗の値とコンデンサの容量(どちらも定数と言ったりします)で決まりますが、難しい公式を覚える必要はありません。

 

実際私も覚えてないです(というか調べたこともないです)

 

Webサイトやアプリで、抵抗とコンデンサの定数を入れると、周波数を瞬時に出してくれる便利なツールがあるからです。

 

この周波数を、カットオフ周波数と呼びます。

 

私はAndroidの Electrodoc というアプリを使っています。

有料にすれば全機能使えますが、私の場合はフィルター回路のカットオフ周波数を計算するくらいでしか利用していないので、無料版で十分です。

 

iPhoneにはどうやら無いようですが、探せば似たものがあると思いますし、Webサイトでもいいと思います。

 

種類

カーボンフィルム抵抗 と 金属皮膜抵抗(俗称:キンピ) があります。

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出展:Garrettaudio
 

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出展:Garrettaudio

 

カーボンフィルム抵抗よりキンピのほうが若干高価です。

違いは、キンピのほうが誤差が少ないところです。

 

コンデンサにも言えますが、例えば1.0kΩと言っても、実際にテスターで計ると、0.98kΩだったりします。

 

カーボンは±5%、キンピは±1%程度と言われています。

なので、フィルター回路でカットオフ周波数を厳密に決めたい場合なんかはキンピが良いと思います。

 

よくエフェクターの世界では、信号ラインにはカーボンが良い、キンピは高音がきつくなる、ということも言われたりしますが、実際のところ、ブラインドテストして聴き分けられる人なんていないんじゃないかとも思います。

 

そこは気分で良いと思います。

私は信号ラインは何となくカーボンのほうが気持ち的に好きです。

電源ラインはキンピを使っています。

 

サウンドを聴き比べてそうしているわけではなく、あくまで個人の気分なだけです笑

 

コンデンサ

一言で言うと、(誤解を恐れずに言うならば)

高音域を通してくれるものです。

 

ネットでしらべると、

・直流を通さず、交流のみ通す

電荷を蓄えたり(充電)、放出(放電)したりする

etc...

と出てくると思いますが、「高音域を通します」でいいです。

 

少しだけ補足すると、周波数が低くなるほど直流(プラス〜マイナスの波が無い)になっていき、周波数が高くなるほど交流(プラス〜マイナスの波が有る)になっていきます。

 

言い換えると、低音域は直流成分が多く、高音域は交流成分が多いと言えます。

 

コンデンサは交流のみ通す性質があるので、周波数が高くなるほど通しやすくなる、ということで、高音を通す、と意訳させてもらいました。

 

次に、コンデンサには種類があります。

それぞれの特徴とエフェクターではどう使われるのかを簡単にご説明します。

 

種類①:セラミックコンデンサ

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出展:Garrettaudio

 

【特徴】

 ・安価(市販のエフェクターでは良く使われている)

 ・基本的に小容量(5pF〜0.3uF程度)

  ※単位についてはググるとすぐ出てきます。

 ・高音域がキンキンしやすい(必ずしも悪いというわけではないです)

 

エフェクターでの使い所】

 ・小容量なので、フィルター回路で超高域をカットするところで使われることが多いです。

 ・信号ライン(ギターの信号が通る部分)で使うと高域が荒れるなんて言われることもありますが、それを個性にすることも出来ます。

  ※Distortion+なんかはセラミックコンデンサが信号ラインに結構使われているので、敢えてセラミックコンデンサを多用することであのファズっぽい高音が毛羽立つようなサウンドになっている気がします。

 

種類②:フィルムコンデンサ

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出展:Garrettaudio

 

【特徴】

 ・音質的には安定している

 ・セラミックよりはちょっと高価

 ・小容量から中容量までいける(300pF〜4.7uF程度)

 ・メーカーによって音質の違いが大きい(と、思ってます)

 

エフェクターでの使い所】

 ・電源回路以外なら、信号ラインからフィルター回路(ローパスでもハイパスでも)まで何でもいける

 ・使うメーカーを選定することで、狙った音質にチューニングしていく

 

種類③:電解コンデンサ

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出展:Garrettaudio

【特徴】

 ・音質特性はあまり良くないとされている

 ・中容量から大容量までいける(0.3uF〜数千uF程度まで)

 ・極性があるので、間違えないこと(無極性のものもあり)

 

エフェクターでの使い所】

 ・電源ラインで使われることが多い

 ・音質特性はあまり良くないので、信号ラインで使われることはあまり無い

 

他にもマイカコンデンサタンタルコンデンサなど色々ありますが、基礎知識としてはこの3つを抑えておけば大丈夫です。

 

最後に

 

どうでしょう。

 

抵抗とコンデンサの基礎知識ということで説明させていただきましたが、イメージつきましたでしょうか?

 

小難しい説明が出てくると敬遠しちゃってもういいやって気持ちになってしまうと思いますが、エフェクター作るだけなら、まずはこれくらいの知識で十分なんです。

 

もっと上を目指すならそのときに深く勉強すればいいので。

 

次回はフィルター回路の話をします。

 

初のエフェクターDIY ~何もできなくて夏~

どうも、lenheyvanです。

頭の中にある究極の歪みサウンドを求めて

私が初めてエフェクターを自作しようと思ったのが2017年のことです。

ギター弾く人は分かると思いますが、自分の頭の中にある歪みサウンドを求めて、オーバードライブ・ディストーションペダルを取っ替え引っ替え試しては、「ここはいいんだけど、ここが~」っていうのを繰り返してました。

私の目指すサウンドはエディの1stで、あのYou Really Got Meのブリッジミュートの迫力あるリフのサウンドです。

それが一番近かったのが、マーシャルにBOSS SD-1 or MXR Distortion+ の組み合わせです。

SD-1は倍音の出方はキラキラして大好きなんですが、レンジが狭くなってしまうのと、ハイミッドはもう少し鼻詰まりな感じが欲しい。
Distortion+は鼻詰まり感があって大好きなんですが、ミッドロウがぼやけてしまうのと、OUTPUTが小さくてプッシュ感が弱い。

どちらかと言うとDistortion+が好みに近いんですが、これじゃ求める音にはならない。。
どんなエフェクターを買っても、満足できなかったんです。


エフェクターDIYの世界へ

市販品じゃどうしてもダメなら自分で作ってみる?というのがエフェクター製作の世界に入ったキッカケでした。
そんな方、結構多いんじゃないでしょうか。

作るというより、最初は模倣+改造からです。

全然わかんじゃないか!!

ただですね、いざやろうとしても、
 R28を4.7kΩ→1.0kΩに変えるとゲインが~
 C3を大きくするとコンプ感が~
とか言われても、
 R28ってどこ?
 どんな役目?
 そもそも抵抗って何?
 コンデンサって何?
ですよ。

もー全く分からない。

そりゃそうですよね、だって基板も回路図なんて初めて見るんですもん。

電子工学なんてやったことないし、中学生のときにマニュアルに沿ってラジオを作ったことあるなーくらいですよ、経験なんて。


でも諦められない!!

でも、欲しい歪サウンドのためには、ここでは諦めません。
ネットを徘徊して諸先輩方のブログを読むこと数ヶ月、ほんのちょっとだけ分かってきました。

それから、こんなステップを踏んで自作エフェクターを作っていきました。
回路的にはほぼDistortion+なので超単純ですが、色々工夫することで上述の不満ポイントを解消したものです。


①ネットを徘徊して基礎知識を得る
②部品を調達
③現行のDistortion+のパーツを全部外して、抵抗・コンデンサをソケット化
④ネットの情報を元に抵抗・コンデンサの種類・定数を変えて、サウンドの変化を確認
⑤自分好みのパーツが整ったところで、回路図を書き出す
⑥自作エフェクターのデザインをイラスト化
⑦アルミダイキャストケース、アクリル板、レタリングシール等を用意
⑧穴あけ、アクリル板の加工、組み上げ

出会い

気づけば季節はもう冬です。半年くらい経ちました。

そんなとき、ちょうどネットを徘徊していたら、

東京エフェクターさんの「第5回 エフェクタービルダーズコンテスト」が2018年3月に
開催されることを知り、これは応募しなさいという神からのお告げだろうか、と思い、初心者ながら出品。

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見事、散々な結果に終わり(遠方なので開催場所には行けませんでしたが)、郵送でも戻ってきました。
唯一、デザインだけ2位でした。肝心のサウンドは下から何番目かくらいでした・・・

まあ当たり前の結果です。

ただ、この時審査してくださったのが、藤岡幹大さんだったんですよね。
こんなショボイ初心者が作ったエフェクターを藤岡さんが弾いてくれたなんて、ただただ感謝です。

その直後に訃報を聞いて、ショックで言葉がありませんでした。
なので余計これには愛着があるんです。

これから少しずつ連載していきます

というわけで、こんな初心者の私が、今は自分が満足できるディストーションを作れるまでにはなったので
これからエフェクターDIYやりたいなぁと思っている方へ向けて、わかる範囲でノウハウをお伝えしていきたいなぁと思います。

ちなみに、私はディストーションしか作れませんし、モジュレーション系とか他のエフェクターは分かりません。
理論的なことも良く分かってないです。
オペアンプなら分かりますが、トランジスタは何となくしか分かりません。

でも、こんな知識レベルでも自分が満足できるものは作れました。

今はディストーション回路を2段直列で繋いで、前段はプリアンプ的に、後段はパワーアンプ的にしたり、
プリアンプ部→パワーアンプ部への信号レベルを調節するつまみをつけたり、クリッパーを変えてBright/Fatのキャラクターを切り替えたり、LOWやHIGHをスイッチでコントロールすることもできるようになりました。

RandgeMasterクローンも作りましたし、モーメンタリースイッチを踏んでいるときだけSEND-RETURNに繋いだ任意のエフェクターを電源ONにするペダルをオリジナルで作ったりもしました。(踏んでるときだけFlangerをONにしたかったんです。)

どれも大したものではないですが、自分にとっては大きな意味を持っています。
(RandgeMasterなんて買ったらえらい高いですし、オリジナルペダルも市場にないから作ったので)

おれはビルダーになる!というような高いレベルを狙っている方向けではないと思いますが、私が初心者だからこそ逆に「そうそう、そこを丁寧に解説してくれる情報が欲しかったんだよね」というようなところは、分かっているつもりなので、噛み砕いて解説していければいいかなと思ってます。(ただ、分からないことは分からないと言いますので、悪しからず・・・)

知識のある方には、私がちゃんと説明できていないところ、間違っているところをご指摘いただけると勉強になるので嬉しい限りです。

では、これからよろしくお願いします。

Washburn N2のサンディング&オイルフィニッシュ&レリック加工

どうもlenheyvanです。

 

以前、フランケンギター作成についてお話ししましたが、次にやってみたのでオイルフィニッシュです。こっちのほうが楽にできましたので、木の質感を活かした仕上げがすき方にはお勧めです。

 

lenheyvan.hateblo.jp

 

では、工程を説明していきますね。

 

メルカリでWashburn N2を3万くらいで購入して、こいつをNunoのようなレリック加工してやろう企画です。オイルフィニッシュは初挑戦です。

初挑戦にはつきものの、ハプニングも途中ありましたが、何とか乗り切りました。

 

では、どうぞ。

 

1.サンディング

フランケンギターのときは、塗装剥がしをしてからサンディングしたのですが、このギターはオイルフィニッシュなので、いきなりサンディングして、表面のオイルフィニッシュを取り除いていきます。

作業前の状態はこんな感じ。前のオーナーさんが多少のレリック加工をしていたようですが、かなり薄く、黄色っぽい塗装がどうも好みに合いませんでした。

 

 

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では躊躇なくサンディングしていきます。

サンディングには、BOSCHのGSS23AEというオービルサンダーをフリマで入手して使っています。吸塵機能があるので、使いやすいし、中々パワーもあるので重宝しています。

 

 Before

After

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 元が塗装していないので分かりづらいかも知れませんが、サンディングしたことで表面が白っぽくなっています。

 

2.レリック

色々ネットで情報を集めると、革靴に塗る靴墨がレリック加工に向いているという情報が複数あり、用意してました。これは百均で十分です。

 

失敗したら、また削ればいいやと思い、心を無にして、エイッ・エイッ・エイッっとやってみました。

 

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すごい雑ですが、最後に手で細かくサンディングで整えていけばいい感じになる予感がします。

 

3.オイルフィニッシュ

オイルフィニッシュは定番っぽい、ワトコオイルをチョイスです。

色は、ちょい濃いめの廃材的な感じを狙って、エボニーを選択しました。

 

量は200mlあれば十分です。

あと、ハケを用意します。こちらは使い捨てするので百均で用意しました。

 

 レリック加工に(と言っても靴墨塗っただけですが・・・)このオイルを塗ると、靴墨部分が濃く浮き上がって、他の部分は廃材的な風合いが出るはずです。

 

 

 

 

 

 

 

 

オゥ!

 

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マイッ!

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ガーーー!!!

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真っ黒じゃんこれー

 

靴墨なんて完全に隠れてるしーーー

 

完全に色のチョイスを間違えました・・・

 

 

でもやっちゃったもんはショーガないです。

最後にサンディングで調整するとして、気を取り直して、このまま続行します。

 

ワトコオイルさんのHPにも書いてありますが、要約するとこんな工程で進めていきます。

作戦としては、7番目の工程で、厚めに表面に塗られたオイルを薄めに削っていっていきます。

 

1.サンディングして木地調整(240番くらい)
2.全体的にオイルを塗布(多過ぎると拭き取りが大変なので適度に)
3.15~30分程乾かす
4.ウエス(布)で表面に残っている浸透しきれない塗料を拭き取り
5.1時間程乾かす
6.再度全体に塗布(塗布量は一回目の1/3~1/4程度で薄く)
7.必要に応じ、240~400番の耐水ペーパーで表面が塗れた状態で研磨 ←ここで挽回
8.表面の塗料を完全に拭き取り
9.乾燥するまで24時間以上放置

 

で、7番目までやった結果はこれです。

 

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だいぶ薄くなりました。

オービルサンダーで全体をサンディングしながら、濃いところを残すように縦に手でやすりがかけていきました。たぶん、1時間はやっていたと思います。疲れました・・・

 

もはや靴墨なんて跡形も無いです。

その後30分くらいやって仕上げました。

 

何とか形になりました。

 

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4.ワックス掛け

木材に湿気が入らないようにするのと、表面保護のために、最後はワックスで仕上げをします。

 

これまた定番と思われるワトコワックスでいきます。

色はナチュラルを用意しました。

 

エス(布)で塗布し20分程放置し余分なワトコワックスを拭き取り、を2回繰り返します。

 

 

5.組み上げ

 最後に電装系を組み上げて完成です。

 

 

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何とかいい感じになりました。

すったもんだありましたが、結果良ければ全て良しです。

 

みなさん、色選びは慎重に。私の場合は、予想以上に濃くでちゃいました。

 

ただ、濃い部分はレリック加工の汚れっぽい感じで使ったので、結果この色で正解だったのかも知れません。

 

今度は、冬が明けたら、春に、TeleGib仕様の安物テレキャスをオイルフィニッシュしようと思っているので、そのときにまたアップしようと思います。

 

今度は全体を廃材っぽくしようと思っているので、もう少し薄い色をチョイスします。。