イヤーピースで音作りは完成する
どうも、lenheyvanです。
前回、完全ワイヤレスイヤホン選定までを記事にしましたが、今回はイヤーピースの話です。
前回記事
↓↓↓
私の持論としては、イヤホンはイヤーピースまで含めて音作りは完成すると思っていますので、今回選定したテクニクスのEAH-AZ100のサウンドを自分好みにブラッシュアップできるイヤーピース探しの旅に出ました。
純正イヤーピースのサウンド特徴は?

出展:Technics公式HP
他のイヤーピースに色々交換してみて分かったのですが、これがレベル高い!
純正はあくまでも付属品だろうと思ってましたが、全然違っていて、EAH-AZ100の良いところを引き出すハイレベルなイヤーピースです。
どこが良いかと言うと、ずばりココです
・低音域の迫力がスゴイ
・AZ100が持っている音場の広さのポテンシャルを最大限引き出している
・解像度高く保ちつつもライブ感がある
まず迫力・音圧は他のイヤーピースを圧倒するものがあります。
バスドラやベースが圧をすごく感じます。
迫力がすごくあるのでダイナミックで聴いてみてすごく気持ちが良いです。
また、AZ100は音場の広さが特徴ですが、他のイヤーピースにすると、これが少し薄れるんですよね。音が近くなる感じです。
純正はそれが無く、広い音場を上手に表現してくれます。
あと、すごいのがライブ感です。
他のイヤーピースに変えると解像度は更に良くなるものもあるのですが、そのときに音が近くなるんですよね。たとえばハイハットが耳のすぐ近くで鳴っているような感覚になります。
この純正はそれが無く、高解像であるながらステージの演奏を聴いているような丁度良い混ざり感・一体感があって、聴いていて楽しいです。
このバランス感というか絶秒な調整は素晴らしいです。
AZ100の強みをスポイルせずに、ストレートにアウトプットしてくれるイヤーピースという印象です。
AZ100は純正イヤーピースが一番良いという声を結構見ましたが、なるほど、と納得しました。
他社の交換用イヤーピースを試してみる
純正装着のサウンドから、こういう方向性に変えたいと思って色々探してみました。
・中高音域が少し柔らかいので(Warm)、もう少し固め(Cool)な方向性に変えたい
・解像度をもう少し上げたい
・AZ100の気に入っている点である、低音域の迫力・音場の広さは変えない
試したのは以下4製品
①Pentaconn COREIR mini -ペンタコン コレイル ミニ- STAINLESS STEEL
②Pentaconn COREIR -ペンタコン コレイル- AL ALLOY
③SednaEarfit Crystal 2 Standard
④SednaEarfit mithryl Standard
いずれも高評価、かつ、私が持っていきたい方向性に合ってそうな製品です。
比較
①Pentaconn COREIR mini -ペンタコン コレイル ミニ- STAINLESS STEEL
コレイルは軸部に金属を使うことで煌びやかなサウンドに仕上げることで有名ですが、それのTWS用(完全ワイヤレスイヤホン用)です。
TWSはケース(充電器)に収納するため、長さがあると収まりきらない場合がありますが、短めにすることで対策しているものです。
また、コレイルで採用している金属は種類によって異なっていて、無印がブラス(黄銅)、ALLOYがアルミ合金、miniがステンレスです。
ブラスが最も煌びやかで中高音が派手、
アルミ合金は鮮明で余韻があり細かいニュアンスが聴き取りやすい、
ステンレスは硬度が一番高くソリッドかつタイトと言われています。
純正と比較すると、低域の量感は減りタイトに、中高域はクッキリしました。
低域の量感が減るので迫力は少し減り、高音域がよく聴こえるようになります。
ハイハットがキレイに聴こえますが、音は近く感じます。
ライブ感は結構弱まりますね。
②Pentaconn COREIR -ペンタコン コレイル- AL ALLOY
こちらはアルミ合金ですが、miniと傾向は同じです。
低域はこっちのほうが量感は少し上かなという感じ。
高域はminiほど高すぎることはなく、繊細なサウンドがキレイに聴こえます。
③SednaEarfit Crystal 2 Standard
④SednaEarfit mithryl Standard
結論
純正と迷ったのですが、僅差でSednaEarfit mithryl Standard にしました。
低域の音圧・ライブ感を重視するなら純正、高音域のクリアさを重視するならミスリルです。
せっかくお金出して買ったし、というとのと、ルックスがカッコよくて気分が上がるというのもあります。
気分によって使い分けするかも知れません。
しばらく聴いてると違うサウンドがききたくなりそうなので、ミスリルと純正をいったりきたりするかも。
これからイヤーピースを替えようと思っている方のご参考になれば。
それでは、良いイヤホンライフを!
完全ワイヤレスイヤホンいいじゃん ♪
どうも、lenheyvanです。
今回は珍しくオーディオ関連ネタです。
5年振りとなりました。
移動中に音楽を聴く方は多いと思いますが、オーディオには結構こだわるほうで、高価なポタアンを導入していた時期もありましたが、結構持ち歩くのは大変でした。
音質と利便性はトレードオフになりますが、毎日のことなので、
・荷物が増えない
・すぐ取り出せてすぐ聴ける・止められる
・そこそこ音質が良い
とバランス感が大事です。
5年前に、スマホ+WI-1000X(SONYのネックバンド式ワイヤレスイヤホン)で落ち着き、ずっとそのスタイルで来たのですが、WI-1000Xは2017年発売でもう10年近く前なので、そろそろ新しいものが欲しいな、と思いはじめました。
ちょっと不満としては、解像度の問題なのか塊感があるのでもう少し分離感が欲しい、超低域(50Hzあたり)の響きが足りない、です。
5年前の記事はコチラ
この5年でネックバンド式はどこまで性能Upしてるんだろうかと調べたところ、どうやら時代は完全ワイヤレスイヤホン。どのメーカーも完全ワイヤレスイヤホンに全振りしていて、ネックバンド式の新製品はほぼ皆無でした。
5年前も調べて検討はしたのですが、当時はまだネックバンド式のほうが音質が良かったのと、完全ワイヤレスイヤホンは万が一外して落とすリスクが怖くいのもあり、ネックバンド式にしました。
が、その選択肢は現状ないとのこと、、、
というわけで、完全ワイヤレスイヤホンを探し始めました。
そうすると、つい最近の2026年2月にSONYから最新のWF-1000MX6という製品が発売されてました。
口コミ見ると、かなり高評価。
今までWI-1000Xを使っていたので、音質も同傾向だろうし、そこから更に音質は向上されているはずなので、期待はかなり高まりました。
最有力候補のSONY WF-1000XM6
公式サイトや口コミ、レビュー記事を見ると、このとおり。
・グラミー賞受賞のサウンドエンジニアとの共同制作
・音質がグレードアップ。
前モデルのxm5では低音が物足りないという声があったが、今回は低音域が深く、かつ、解像度もアップ
・世界最高クラスのノイズキャンセル機能
-片側4個(左右で計8個)のマイクでノイズを検知してキャンセル
(これだけのマイク数は他に無い)
-スリム化され約6.5g
-通気構造とすることで体内ノイズを低減
・接続安定性が向上(前モデルのxm5では人混みだと接続がすぐ切れるという声あり)
・通話音質も向上
・バッテリー時間向上(ノイキャンONで最大24時間、OFFで最大36時間)
・5分充電で60分再生可能
これで悪いわけがないだろうというくらいの情報です。
ただ、なんでも比較検討したうえで納得してから買い物をしたいタイプなので、ライバル機種も調べました。chatGPTやGeminiに色々質問して候補を絞っていきました。
私が求めるサウンドは
・全体的な解像度が高く、クリアな音質
・低音域はタイトでありながら迫力を両立
です。
ノイキャンはある程度効けばOK。
あと、できればイコライザーで自分好みにサウンド調整できること、です。
ライバル機種
①Technics EAH-AZ100
これは2025年1月発売でこれも割と新しいです。
口コミ見ると、WF-1000シリーズと何かと比較されるというテクニクスのEAH-AZシリーズ。ということはライバル関係にあるハイレベルな製品ということでしょうか。
ピュアオーディオ的な音の作り方、解像度が高く、HI-Fi寄りなサウンド、音場が広い、低音域は量より質、という意見が目立ちました。
あと、前モデルのほうが中高域寄り、低音域は控えめで、少し方向性が異なるため、好みによって選べるよう併売しているとか(真偽は不明)
②Sennheiser MOMENTUM True Wireless 4
MOMENTUM True Wireless 4 - 4th generationjp.sennheiser-hearing.com

こちらはゼンハイザー。
音響機器の評判が良いメーカーですね。
これも解像度は高く、厚みのあるサウンドのようです。
熱量が高いのでRock向きだとか。
ただ、BluetoothのコーデックがLDAC非対応なんですよね。
コーデックでかなり音質変わるので、これは結構残念なポイントです。
③Victor HA-FW5000T
ビクターは最近WOODシリーズを展開していて、柔らかいサウンドを基調とした音作りをしてますよね。
高解像度なHi-Fiなサウンドとは対極的なアナログ的で湿度のあるサウンドが特徴とのことで、「木の響き」「生々しい」「聴き疲れしない」というワードが出てきます。
Rock好きな私としては、逆方向かな?
④B&W Bowers&Wilkins PI8
高級オーディオを再現したような、広い空間、分離感、細かい音が良く聴こえる、上品、オーディオ感が強い、というような特徴があるようです。
このワードだけ聞くと、すごく良さそうですね。
⑤DENON Perl Pro
超低域(50Hz辺り?)が深い、空間広い、解像度高い、パーソナライズ機能が良い、という声がありました。
家のオーディオのプリメインアンプはDENONを使っていて、「PMA-2000IV」というかなり古い(2002年発売)機種ですが音質は気に入っているので、これも期待ありです。
家電量販店へGO!
他人の口コミは参考情報として、やはり最後は自分の耳で。
解像度高い/低い、音場が狭い/広いなど、迫力ある/ない、など、人によって感じ方が異なるので、最終ジャッジは自分で。
ここで書いている内容も私個人の感じ方なので、みなさんも是非最後はご自分の耳で聴いてみてください。
さあ、試聴した感想です!(個人の感想です)
⓪SONY WF-1000XM6
WI-1000X と交互に聴いてみましたが、「あれ!?あまり変わらない?」が第一印象でした。サウンドの方向性は同じです。
・解像度ありつつも、音のかたまり感がある
・パワー感がある(中低域の量感がある)
・音場は少し狭め
・音が近い
あれー、と思いながら別日に別店舗でもう一度聴いてみたら、あぁ、解像度は上がってるな、と思いました。ただ、WI-1000Xと比較すると劇的(一聴して全然違う)ではなく、よく聴くと分離良いな、という感じです。
あと、低域の深いところ(50Hz辺り)がよく出ていて、唸るようなベース、音圧感のあるバスドラが聴こえます。
ただし、HR/HM系でテンポ早めの曲を聴くと、ちょっとモタつく感じもあり、ここは量感とのトレードオフかなと。
おそらく、200Hz辺りもよく出ているため、少し鈍さを感じるのかなと思いました。
これが量感あって心地よいと感じる人と、その帯域はもうちょっとタイトはほうが良いという人と好みが分かれると思います。
音場は狭めです。
なんというか、すぐ近くで演奏しているような感じですね。
これは好みですが、ステージの演奏を聴いているのではなく、モニタースピーカーから出ている音を近くで聴いているような感じです。
この熱量が好きな人も多いと思います。
私は低域がタイトはほうが好きなのと、WI-1000Xでちょっと不満に思っていた塊感がやっぱりあって、これはこれで熱量があるサウンドで良いのですが、ちょっと暑苦し過ぎるなー、もう少しクリアで音場が広いサウンドが欲しいんだよねーという点から候補から外れちゃいました。
最有力候補だったので、やっぱりもう少し技術の進歩を待って、当面はWI-1000Xを使い続ける方向性かな、と思ってました。
①Technics EAH-AZ100
第一印象、「あ、これ好き」でした。
聴いた瞬間に感じたのは、
・クリア(全体的に澄んでいる)
・音場が広い
・低音もガッツリ出るけど分離感を保ったまま音圧が出る感じ
です。
これは口コミで見ていたとおりのサウンドでした。
一目惚れ ならぬ 一聴惚れ でした。
というわけで、これを聴いた時点で「これだな」という感じがあったのですが、他も全部聴いてから決めます。
②Sennheiser MOMENTUM True Wireless 4
これも口コミからAZ100系だろうと思って聴きましたが、うーん、なんか全体的に籠ってる(AZ100の後に聴いたからそう感じた?)ような感じがして、よく言えば柔らかいと言えると思いますが、ちょっとイメージと違いました。
解像度も特別な感じは受けませんでした。
アプリで調整したら全然違う印象になるのかも知れないですが、試聴時はアプリまでは入れてませんでした。
③Victor HA-FW5000T
これはかなり特徴ある方向性ですね。
まず最初に思ったのは「柔らかい」です。
WOODシリーズというだけあって、バイオリンとか、そういう木を感じる楽器の艶感を出すのは得意なんだと思います。
解像度は低めで(敢えてそういう設計なんだと思いますが)、「アナログぽいサウンド」というのはそのとおり、という感じです。
ダンスミュージックのような低音がゴンゴン鳴るようなものを聴くタイプではないですね。クラシックなんかをしっとり聴くタイプの製品だと思います。
私が求める方向性と対極側でした。
④B&W Bowers&Wilkins PI8
これは通常の店舗では扱ってないんでしょうね。
どこに行っても見つけられませんでした。
気にはなりましたが、試聴せずに買うことはできないので選外としました。
⑤DENON Perl Pro
これは割と「Sennheiser MOMENTUM True Wireless 4」に近い感じを受けました。
強い個性を主張するタイプではないかなと。
解像度・クリア・低音の迫力 に振った製品を求めていたのでこれも選外で。
最終的ジャッジ
一聴惚れした「Technics EAH-AZ100」を購入しました。
フジヤエービックさんで、アウトレット品(外箱イタミあり、本体新品)が相場より1万円ほど安く販売していたので購入しましたが、外箱は全然イタミは無く新品と同じじゃん、という良品でした。(個人的には外箱にイタミあってもあまり気にしませんが)
サウンドはやっぱり最高。
購入するまで知りませんでしたが、イヤホンだけではなくケース自体も充電機能を持っていて、外出先でイヤホンを収納すると、ケース→イヤホンに充電してくれるんですね。だから、「ケース&イヤホンで最大xx時間再生可能」と言っているんですね。
最近のはこうなっているんだーと感動しました。
また、AZシリーズは耳の窪みにフィットするように設計されているようで、心配していたイヤホン落ちの心配は無用です。
かなりの安定感です。
イコライザーはもうちょっと調整バンド数が多かったらよかったですが、これでも十分良いです。
私はこんな感じの設定を作って聴いています。
一番左のBASSは上げていくとバスドラのキックが強調されていきます。
250Hzは上げるとベースラインがよく聴こえるようになります。
欲を言うと、ここが150Hzくらいだったら更に良かったのになと思っています。
8Kはサウンドに変な味付けはされず、クリア感が増します。
12Kはハイハットの帯域が強調されるので上げ過ぎると耳に痛いので、程よく上げる程度にしています。
中音域は少し下げたほうが見通しが良いサウンドになります。
もうしばらくは、
スマホ(Galaxy)→(LDAC)→EAH-AZ100
で使っていくと思います。
移動中の音楽ライフを充実させたい方のご参考になれば。
イヤホンはイヤーピースまで選定して音作りが完了すると思っているので、イヤーピースもいくつか試しました。
それは次回は書きたいと思います。
ではまた!
トレンスペアレント系ファズ なんてどうですか?
どうも、lenheyvanです。
お久しぶりです。
久々の更新になりました。。。
はじめに
昔から大好きなランディローズ。
音選びのセンスはズバ抜けてスゴイのは言うまでもないのですが、ライブ盤のRandy Rhoads Trubuteでのサウンドには衝撃を受けました。
当時、J-Popのキレイなオーバードライブ~ディストーションしか聴いたことがなかったので、最初聴いたときは「なんだこのぶっ太くてバリバリしたギターサウンドは!?」と好きになれなかったのですが、聴きこんでいくうちにハマっていきました。
ランディはdistortion+でファズっぽいディストーションと、グライコで中音域をグッと上げてMarshallに突っ込むことで、このサウンドを出してます。
distortion+も良いのですが、なんせ設計が古いのでノイズが結構盛大に出るのと、若干低音域がブーミーなところがあり、もう少し解像度の高い現代的なエフェクターが無いものかなと探していたのですが、中々見つからない、、、
というわけで、じゃあ自分で作っちゃえと、ブレッドボード上で色々試行錯誤した結果、満足いくサウンドに持って行けたので作ってみました。

製品説明
Crashノブはゲイン調整です。
これを上げていくと、バリバリという歪みが増えていきます。
製品名のとおり、氷を足で踏みつけて砕いたときのようなガリッガリッ、バリバリッというサウンドです。
それをイメージするWordとして、Frozen(凍結)、Fracture(破砕)を使って、「Frozen Fracture」という製品名にしました。(擬音語だと伝わりづらいので、後述する動画で聴いていただければ)
ただ、あくまでも低域はタイトに保つことで、ハイゲインにしてもブーミーにならないように設計してあります。
Clarityノブはクリーン信号とのミックスです。
クリーン信号は心地よい範囲で低域を落とすことで、ミックスしたときにブーミーにならないようにしています。
このノブは効き方が通常と逆で、時計周りに回していくとクリーン信号のミックス度合が少なくなっていきます。
MINだとクリーン>>歪み、MAXだとクリーン<<歪み です。
クリーンが強すぎるとバランスが良くないので、歪み信号を大きめにとってます。
そのため、Clarityを半時計周りにしていくと音量は小さくなり、時計回りだとその逆になります。
MAX時にバイパスと同じ音量になるようにしてありますので、Clarityを下げるときはLevelを少し上げてやるとちょうどよくなります。
このエフェクターはプリアンプ的に作用しますので、Jazz Chorusとは非常に相性が良いです。
現代的なエフェクターを目指しつつも、肝となるファズ回路部は荒々しく迫力のあるBC109Cを採用しています。
バッファ部はBC109Cだと少しブーミーになるので2N3904を採用しています。
FuzzFace系回路なので、ハイゲイン時は電源アダプタの耐ノイズ性能は少し気を遣う必要があります。
格安品とか使うとゲインMAX、かつ、レベルを上げていくと発振する可能性もありますので、ちゃんとノイズ対策されている国内製のACアダプタや良質なパワーサプライを利用する必要があります。
デモ動画
デモ演奏を動画にしてYouTubeにアップしています。
接続経路は以下のとおりです。
Washburn N2 → Frozen Fracture → Jazz Chorus JC22
(動画の時間が短いと勝手にショート動画になるんですね、、、知りませんでした)
自分がこういうサウンドを欲しくて作ったのですが、こういうの好きな方もいるかなと思い、せっかく作るならと、3台ほど一緒に作りました。
手間がかかるので追加生産予定は無いです。
エフェクターって手組みだと音質は良いですけど生産性悪いので、プリント基板化して生産も工場化しないと事業として成立しづらいんですよね・・・
提携いただける楽器店さん等いらっしゃいましたら、ご連絡くださいませ。
メルカリSHOP で販売中ですので、気になる方は見ていってください。
https://jp.mercari.com/shops/product/2JRaWLs2vxF22Lo5gkGgZE?source=shared_link&utm_source=shared_link
ではまた!
Marshall 1987X 回路解説 -Part3-
どうも、lenheyvanです。
Marshall 1987Xの回路解説Part3(最終回)です。
ではいきましょう。
Part2はコチラ
↓↓↓
回路解説
下図はPI(フェーズインバーター)からパワー段へいく部分の回路です。

ここにPPIMVがインストールしてあったのでそのまま活かしています。
下図のように220kのDualポット(二連ポット)が入っていてこれがマスターボリュームになります。かつ、Push-Pullスイッチになっていて、マスターボリュームのON/OFFができます。
回路図に書くと↓こんな感じです。

すごく分かりにくと思いますので1つずつ解説していきます。
まず、PUSH時(マスターボリューム有効時)はスイッチ端子の下側、PULL時(マスターボリューム非有効時)は上側が導通するようになっています。
PUSH時(マスターボリューム有効時)から見ていきますので、左側の図の状態になっていると考えてください。

PUSH時(マスターボリューム有効時)
マスターボリューム部の全体感からです。

赤色で塗った部分はパワー管のV5、青色で塗った部分はパワー管のV4を制御しています。フェーズインバーターでは正相と逆走に2つの信号を作って、これをパワー管へ送りますが、Lar/MarタイプのPPIMVではこの2つの信号を連動して捨てることでボリューム回路として機能させます。そのため2連ポットを使っています。
では全体像へ戻りましょう。

PIからの入力はそれぞれ2連ポットの右端端子に入ります。
ポット内部を通って中央端子から出力された信号はスイッチの上から3番目の端子へ接続されています。PUSH時は上から2番目と3番目の端子は短絡されているので、同端子に接続されている1M抵抗は無視できます。
そして上から2番目の端子からV4/V5へ(厳密にはV4/V5のグリッドストッパー抵抗へ)信号が流れていきます。
ポット部に戻ると、左端の端子は2つともバイアス側(GNDと考えてください)に接続されています。そのため、ポットのボリューム操作によって、バイアスへ捨てる信号量が変化します。全部捨てると音量ゼロ、逆だと音量MAXです。
簡易的に書くとこんな感じですね。
緑線がV4側、黄色線がV5側です。どちらも同じ機能なので片方を理解すればOKです。

整理すると、以下の回路を実現しています。

V4,V5それぞれに配置されている1M抵抗ですが、220kポットが万が一故障してしまったとしても、バイアスを失わないようにしているのではないかと思われます。
下図のように、ポットにバイアス電圧をかけない方式もあるようで、Lar/Marと一言で言っても回路にはいくつかパターンがあるようです。

PULL時(マスターボリューム無効時)
スイッチをPULLしてマスターボリュームを無効化した際は、スイッチ部は以下のようになります。

PIから入力された信号はポットの右端端子に入り、スイッチの1番上の端子→2番目の端子→V4/V5と流れます。
つまり、ボリュームポットの回路に入る前にV4/V5へ出力されるのでボリュームは効かないという仕組みです。

最後に
やってみて思いましたが、プリント基板はやりにくいですね。
真空管と、反対側のポット類が基盤と結線されているので、ある程度外さないと基板の裏側にアクセスできません。
でも、何度も半田をつけたり外したりしてダメージを与えたくないのと、すぐにサウンド確認したいというのもあり最低限の箇所(V1)だけ外して作業しました。
何とか裏側にアクセスできましたが、隙間があまりなくて非常に作業がやりにくい・・・
モディファイしやすさと作業効率のせめぎあいですね。
ハンダごてが届かないけど定数を変えないといけないところは、抵抗の足をできるだけ残して抵抗本体だけ切り取って、残った足を利用して取り付けするという方法をとりました。
やっぱりモディファイはハンドワイヤー仕様のものが一番ですね。
それにしてモディファイしながら理想のサウンドに近づけていくのは楽しいです。
各種モディファイアンプはメルカリショップで販売していまふ。
また、Marshallアンプを題材として真空管アンプの解説本を出版してますので
、もっと詳しく理解したいという方は読んでみてください。
※kindle unlimitedに入っている方は「読み放題」に入ってますので無料で読めます。
真空管ギターアンプの仕組み(後編)
~モディファイの実践方法~
ではまた!
Marshall 1987X 回路解説 -Part2-
どうも、lenheyvanです。
Marshall 1987Xの回路解説Part2です。
では続きを解説していきましょう。
Part1はコチラ
↓↓↓
回路解説
Part1では入力部~V1まで解説したので、その続きからです。
V1~V2
Part1で解説したチャンネルリンクした場合の信号の流れは下図のようになります。

赤線がNORMALチャンネル、青線がTREBLEチャンネルです。
NORMALチャンネルはV1の左側、TREBLEチャンネルはV1の右側で増幅されます。
NORMALチャンネルの信号は、カップリングコンデンサのC3を通ってLOUDNESS2ノブ(ボリューム回路)へいきます。ボリューム回路を取った後、R10を通ってV2へ辿り着きます。
TREBLEチャンネルの信号は、カップリングコンデンサのC4を通ってLOUDNESS1ノブ(ボリューム回路)へいきます。ここで、NORMALチャンネルには無かったC5のコンデンサがありますが、これはハイパスコンデンサです。
コンデンサは高音域だけ通す特性があるので、ボリューム回路で信号を減衰した場合でも高音域だけは迂回させることで、モコモコしないシャキッとしたサウンドにしています。
そのあとはR9を通ってV2へ辿り着きますが、R9と並列にC6のコンデンサがあります。これはR9(グリッドストッパー抵抗と言います)とV1でローパスフィルター(ハイカットフィルター)が形成されることで高音域が落ちてしまうため、それを緩和するためのハイパスコンデンサです。
真空管には内部容量と言って、10-100pFくらいのコンデンサ成分があるので、R9やR10の抵抗と内部容量でフィルターを形成してしまいます。
これも計算のうえでサウンド設計しましょう。
R9,R10を小さくすると高音域が立ってきますし、大きくすると柔らかい感じになります。また、同じようにC6を大きくすると明るいサウンド、小さくするor取り外すと落ち着いたサウンドにできます。
NORMALチャンネルはボリューム回路のハイパスコンデンサ、グリッドストッパー抵抗のハイパスコンデンサを敢えて設けないことで、柔らかいサウンド設計にしています。
カスケード接続モディファイ
オリジナルの回路ではV1は各チャンネルで1つずつ利用しています。
プリ管3段目のフェーズインバーターを除くと、増幅はV1→V2a→V2bの3段になります。(V2bはカソードフォロワーなので、ほぼ2段です)
1959/1987の後年に発売されたJCM800ではV1aとV1bをカスケード接続(直列接続)することでゲインUpしていますが、これと同じ仕様にすることでハイゲイン化Modすることができます。Part1で動画公開した1987XにもこのModを適用してあります。
下図は私がカスケード接続した際の回路図です。

まず、ギターをNORMALチャンネル(HI)に挿しこみます。
V1aで増幅された信号はC3を通ってLOUDNESS2ノブ(ボリューム回路)を通った後、ノーマルの回路ではV2へ向かうところを、V1bに戻すように改造します。
グリッドストッパー抵抗は真空管のグリッドにできるだけ近いところに入れたほうが良いので、V1の7番端子に直接接続します。そのため、R10は取り外してしまいます。
また、R10の右上に×印をつけていますが、ここは接続しないようにします。
下は実際の作業時の画像ですが、改造前はLOUDNESS2ノブから赤枠で囲った部分のBN2と書かれている赤い配線に繋がっています。そこからR10を通って、V2へいくようになっています。

LOUDNESS2ノブからBN2配線を取り外します。

そして、BN2配線、R10を基板から取り外します。R10は取り外さなくても良いのですが余計な信号ラインを伸ばしておきたくないので気持ち的に取り外しちゃいます。

次に、R10の回路図上の左側、つまりLOUDNESSノブの中央端子からV1の7番端子に接続します。厳密に言うと、V1の7番端子に470k抵抗を直接取り付け、そこに接続するということになります。
以下赤枠部分はLOUDNESSノブの中央端子です。
このとき、信号が入力側とクロストークしてしまうとノイズや発振の原因になったりするので同軸ケーブルを使用しました。RG174という線材です。
オヤイデさんで扱っていたのでそれを使用しています。

下図は赤枠部分がLOUDNESS2→470k抵抗→7番端子の部分です。
線材と抵抗をハンダ付けして熱圧縮チューブで保護しています。

このモディファイを行うときに重要なのが下図のPoint3です。
初段のV1a増幅後に通るカップリングコンデンサC3ですが、増幅段を多くする場合は前段のほうは低音域を抑えてタイトにすることで、低音域の濁りを除去してあげるのが良いので、C3は2.2nF~10nFくらいにします。私は2.2nFか4.7nF辺りを選択することが多いです。

カソード部(初段:R2/C2、二段目:R1/C1)も自分好みの定数に変えましょう。
V2~V3
次にV2です。

Point4はV2aのカソード部ですが、抵抗のみなので、全帯域を増幅してます。
並列に1uF以下のコンデンサを追加するのが良いでしょうね。
右側のV2bはEQにかける前にインピーダンスを下げるためのカソードフォロワーになっています。カソード部のPoint5の100kはMarshallの伝統的な定数です。
超高音域の耳に痛いアイスピックがある場合は、ここに並列に小容量のコンデンサ(1000pF以下)を追加することで除去することができます。
V2bを通った後はEQ回路です。

これも伝統的なMarshallの定数ですね。
Point6のMIDDLEノブはオリジナルでは25kポットですが、これを50kにするとMIDDLEがグッと持ち上がります。初期のEVHのMarshallは50kになっていたようです。
私のメインアンプはFATスイッチにして、切り替え可能にしてあります。
50kポットでも、抵抗1本を接続する/しないでポット全体の抵抗値を変更できます。
仕組みの詳細はコチラの記事で紹介しています。
↓↓↓
EQ回路の後はフェーズインバーターへ続きますが、ここにプレゼンス回路があります。

R21がNFB抵抗と呼ばれるもので、これを大きくするとブースト量が大きくなります。
下にあるVR8(5kポット)はプレゼンスノブでノブを左に回すと抵抗値が大きくなりブースト量が小さくなり、右に回すと逆の動きになります。
C12はブーストする帯域を決めるコンデンサで、オリジナルは100nF(0.1uF)です。
このコンデンサを通過する帯域をブーストするので、容量を小さくすると高い音域だけを、容量を大きくしていくともう少し低い帯域からブーストされるようになります。
切れの良いサウンドを求めるならオリジナルくらいの定数で、もう少しミッドからブーストしたいなら0.68uF辺りが良いです。
ちなみにもう少し仕組みの解説をすると、ここはNFB(ネガティブフィードバック)回路というものになっていて、後段の信号を前段に戻しています。
それによって、ゲインが下がるとともに、トゲトゲしい歪みを除去して滑らかにしています。つまり、サウンド的には大人しいサウンドになります。
プレゼンスノブは、NFBをかけないように働くことで、ゲインを上げてトゲトゲしいサウンドにします。ちょっと分かりにくいですが、NFB量が増える→大人しいサウンドへ、NFB量が減る→攻撃的なサウンドへ、ということになります。
NFB抵抗のR21を大きくするとブースト量が大きくなると言いましたが、これはNFB量を減少させているからです。
オリジナルでは100kですが、220kくらいにあげるとだいぶ攻撃的になります。
C12のコンデンサは、交流(高域)を通して直流(低域)は通さないというコンデンサの特性をうまく利用してブースト帯域をコントロールしています。
・周波数が低くなればなるほど抵抗値が大きくなる→NFB量が増える(ゲイン小)
・周波数が高くなればなるほど抵抗値が小さくなる→NFB量が減る(ゲイン大)
となるので、ある周波数以上をブースト&攻撃的にする、というわけです。
また、以前、Origin50hの記事でPPIMVを話題に挙げたときに、フェーズインバーターでも意外と歪むという話をしましたが、R20の10k抵抗を7kくらいに下げると、フェーズインバーターの歪みを強くすることができます。
実際やってみたことがありますが、V1,V2とはまたちょっと違った質感の歪みで、LAメタルっぽい圧縮感のある密度の濃い歪みに感じました。
次回は最後に、
Lar/MarタイプのPPIMV(Post Phase Inverter Master Volume)について解説します。
Marshall 1987X 回路解説 -Part1-
どうも、lenheyvanです。
今回はMarshall 1987Xの回路解説とモディファイポイントです。
他アンプのモディファイ記事リンクも載せておきます。
↓↓↓
Marshall Class5
Marshall Haze15
Marshall Origin50
はじめに
Marshall 1987Xは、プレキシマーシャルとして有名な1987のリイシュー(復刻版)です。

Marshallの歴史の中で1959SLP/1987は何度か復刻されてきたようですが、ロゴなど細かな部分で昔のものと異なるのがファンの評判が悪かったそうですが、それを払拭したのがこの最新のリイシュー版です(と、昔、何かで読みました。間違っていたらゴメンナサイ)
最新と言っても、発売されたのは2000年代なので古いっちゃ古いですね。
1959SLPのほうは残念ながら2020年に販売終了してしまいました。1987Xのほうは現在(2024/10時点)ではまだ販売しています。
小型アンプのトレンドが強くなってきたのでその影響でしょうか。残念です。
ちなみにリイシュー版は1987と1987Xがあって、XがついているほうがFX Loop付きとなります。
また、1959のほうはカスケード接続が施され外観もホワイトレザーに換装されたRandy Rhoadsモデルの1959RRや、同じくカスケード接続が施され外観は通常版と同じ1959SE(日本限定)、ハンドワイヤー仕様の1959HWなどバリエーションがいくつかあります。
ハンドワイヤー版の1959HWなんかは、すぐ改造してしまう私にとっては是非とも入手したいアンプですが、お高くて中々手が出ません・・・
今回、1987Xをモディファイしてみたので、回路解説&モディファイポイントの説明をしていこうと思います。
私がモディファイした際の改造前後の動画はコチラです
↓↓↓
回路解説
入力部からです。
四つ穴マーシャル独特の回路になっていてちょっと分かりづらいですが、仕組みが分かるとチャンネルリンクですると何故、NORMALチャンネルとTREBLEチャンネルをMIXできるのかが分かります。
入力部 -①HI/LOの仕組み-

青字で書きましたが、INPUT1がTREBLEチャンネル、INPUT2がNORMALチャンネルです。
TREBLEチャンネル(正式にはHIGH TREBLEチャンネル)は名前の通り高音が強調された、これぞオールドMarshallというサウンドです。
NORMALチャンネルは少しハイエンドが丸くて低音が多く、ちょっと重ためのサウンドです。
そして、各チャンネルにHIとLOの2つの入力ジャックがあって、計4つのジャックがあります。HIは通常ゲイン、LOはゲインが少し落ちます。
これで色んなジャンルの音楽に合わせられるでしょ、っていう意図の仕様なんだと思います。
では、HI/LOのゲインの仕掛けと、各チャンネルのサウンドデザインの仕組みを見ていきます。
下図はNORMALチャンネルのHIジャックに挿した場合です。
※TREBLEチャンネルでも仕掛けは同じです。

赤線が信号の流れ、緑線がGNDへ接続されている部分です。
赤線を見ると、68k抵抗2つが並列接続されることになり、結果的に半分の34kになっています。
緑線を見ると1M抵抗を介してGNDへ接続されているので、入力の信号を減衰することなくV1へ送り出しています。
次に、下図はNORMALチャンネルのLOジャックに挿した場合です。

赤線も信号ラインは68k抵抗を通ってV1へ行きます。抵抗値の差はあれここはHIジャックとあまり変わりありません。
肝は緑線です。R3の68kを介してGNDへ繋がっています。
つまり、R3の68kとR4の68kで分圧されるので、信号が1/2に減衰されています。
これによって、LOジャックはゲインを落としているというわけです。
入力部 -②TREBLE/NORMALチャンネルの仕組み-
次は、TREBLEチャンネル/NORMALチャンネルのサウンド特性の仕掛けです。
ここは割と単純でV1のカソード部に鍵があります。

Point1がNORMALチャンネル、Point2がTREBLEチャンネルのカソード部です。
カソードバイパスのcaluculatorで計算するとこんな感じになります。
https://www.ampbooks.com/mobile/amplifier-calculators/cathode-capacitor/calculator/
[NORMALチャンネル]
低音域から高音域まで平坦に増幅しているのでブーミーなサウンドになります。

[TREBLEチャンネル]
1Khz辺りをグッと持ち上げているので、ハイミッドが強調されたサウンドになっています。

入力部 -③チャンネルリンクの仕組み-
下図は、NORMAL(HI)ジャックにシールドを挿して、
NORMAL(LO)ジャックとTREBLE(HI)をチャンネルリンクした場合です。
Guitar >> NORMAL(HI)
NORMAL(LO)→TREBLE(HI)

まず、NORMALチャンネル(HI)にギター信号が入力されます。
先に解説したとおり、並列抵抗(R3,R4)を通ってV1へいきます。
ポイントは、このとき、青丸部分のとおり、LO側にもギター信号が流れていることです。そのため、LO側にシールドを挿すとギター信号を取り出すことができます。
これをTREBLEチャンネル(HI)に挿すと(LOでも良いのですが)、ギター信号が入力されるため、まるでここにもギターを接続したかのような状態になります。
つまり、ギターの入力ジャックを2つのジャックに同時に接続しているのと同じ効果が得られます。
これによって、NORMALチャンネルとTREBLEチャンネルの両方が機能するため、それぞれのVolumeノブで歪みをブレンドすることができる、という仕組みです。
四つ穴マーシャルは入力部が独特なので、ここだけでちょっと解説が長くなりました。
次回はV1以降を見ていきます。
Marshall Origin50 回路解説 -Part2-
どうも、lenheyvanです。
Marshall Origin50の回路解説Part2です。
では続きを解説していきましょう。
Part1はコチラ
↓↓↓
回路解説
Part1ではV2Aに来るところまで解説したので、その続きからです。
V2A~V3B
V2Aで再度増幅しますが、Point11のプレート抵抗(R55)は通常100kのところを220kになっています。Part1で解説したとおりココの前段でバッファ回路部分で1/10に信号を減衰させているので、ここの増幅は強めに設計しているようです。
ここは300kくらいまで上げても良いと思います。
また、Part1で触れましたが、初段であるV1B、もしくは、二段目のV1Aのどちらかのプレート抵抗も同じくらいまで上げでも良いと思います。
V1B,V1Aの両方をやってしまうとFX Loopに送る信号の歪みが強くなり過ぎるので程々にしておいて、センドリターン後のV2Aで歪ませるのが良いかと思います。
Point10のカソード部は2.2k/22uFになっていて、コンデンサの定数が大きいですね。
ここはもう少し小さめに定数にして高音域をブーストしたほうが良いと思います。
Point12のカップリングコンデンサは22nFくらいが良いかなと思います。
カップリングコンデンサを通ったあとはマスターボリューム回路に繋がっています。
VR106がマスターボリュームノブになっていて、青線の通り信号が流れて次段へ続きます。

また、マスターボリュームの右側にVR107があり、これはプレゼンスノブです。
C106があることである周波数から上の帯域を持ち上げる効果がありますが、100nFという伝統的な定数になっています。これはかなり高い帯域を持ち上げていますが、もう少し大きい定数にするとミドルから持ち上げるようにすることが可能です。
私のお気に入りの定数は0.68uFです。

V2Aで増幅された信号は、最後にPoint14のカップリングコンデンサを通ってV3Bにいきますが、100nFちょっと大きいですね。
ちょっとブーミーな感じになるので22-47nFくらいがオススメです。

V3~V4,V5
Point16のV3A/V3Bはフェーズインバーター(位相反転器)というもので、スピーカー駆動させるために正相と逆相の2つの信号を作り出すところです。
これが最後のプリ管(3本目)です。
正相と逆相を2つの信号を作り出して、Point17のパワー管でスピーカー駆動できるレベルまで信号を大きくして本アンプの最終出力となります。

本アンプのようにV3(フェーズインバーター)の前にマスターボリュームを配置するのが割と多いです。プリ管2段目までで歪みを作るためです。
ただ、実はフェーズインバーターでも歪みがそこそこ付加されます。
なので、この方式だとマスターボリュームをそこそこ上げないとフェーズインバーターの歪みが乗らないんですよね。
なので、フェーズインバーターの後にマスターボリュームを配置することでプリ管の歪みはフルに乗せるというやり方もあります。
これをPPIMV(Post Phase Inverter Master Volume)と言います。
フェーズインバーター前だとPostではなくPreになるので、これも略したらPPIMVじゃないか、ということになるのですが、一般的にはPPIMVはPostのほうのことを指します。
モディファイ
私のモディファイでは全体の定数変更と合わせて、PPIMV化と2ゲインノブ方式(TILTノブをゲイン2へ)も行ったのでそれについても解説しておきます。
PPIMV
全体像としては下図のような感じです。

PPIMVの設計方式は3,4パターンくらいあるのですが、一番インストールしやすいのがここで採用しているType3というものです。
サウンド的にはType2のLar/Mar方式というのが一番良いらしいですが、デュアル可変抵抗器(PECのような高価でハイスペックなものを入手して2つの可変抵抗器がかなり精度高くないといけない)が必要だったりパワー管へ入るところのグリッドリーク抵抗部を回路変更したりと結構面倒です。また、海外のForumでは、サウンド的にそこまで変わらないという意見もあったりしてType3を採用しました。
これは、V4,V5(パワー管)に入る直前のR38,R39から信号を取って、可変抵抗器に入れてブレンド具合を可変させるだけです。
何故これでマスターボリュームとなるのか?ですが、V3のフェーズインバーターで正相と逆相の信号を作り出すと説明しました。
よって、パワー管へ入る直前のR38,R39の信号は逆になっています。
正相と逆相を混ぜると打ち消しあうので信号が消えます。
これはギターのフェーズアウトと同じ原理で(ギターの場合は微妙にズレるので完全には消えませんが)、すごくペラペラなサウンドになりますよね。
マスターボリュームを最小にする(左に回し切る)と正相と逆相を100%ブレンドされるので音量がゼロになります。
最大にする(右に回し切る)と正相と逆相がブレンドされないので音量がMAXになります。
VR106の可変抵抗を流用しますので、オリジナルの位置からマスターボリュームを剝がします。回路図で言うと以下の×の部分です。

次のように基板からマスターボリュームを外します。

そして裏面を以下のように接続します。これで、ここに来た信号はそのまま折り返されて戻っていきます。

取り外した可変抵抗は本体に直付けしちゃいます。

そして、こんな感じにシールド線を取り付けます。念のためホットボンドで外れないよう保護してあります。
※信号線は発振やノイズ混入を防ぐためシールド線を使ったほうが良いです。
ギターアンプではRG174が定番として使用されます。

R38,R39と接続すれば出来上がりです。

この方式のPPIMVはノブ回し始めが急激にボリューム変化するので、滑らかなボリューム変化とはいきませんが、フェーズインバーター前のときと比べて、小音量時の歪みのの乗り方は格段に変わりました。
2ゲインノブ化
次はTILTノブをゲイン1(初段V1Bのゲイン調整ノブ)の回路から切り離して、二段目(V1A)のゲイン調整ノブとして利用する改造です。
これを行うと、2つのゲイン調整ノブでサウンドコントロールできるようになり、サウンドメイクの幅が格段に広がります。
初段のゲイン1(V1B)で全体のゲインコントロールをしつつ、キャラクター(増幅周波数)の違う2つの増幅段の信号割合を変えることができるので、ミドル厚めのサウンドにしたり、ハイ上がりのキレの良いサウンドにしたりをコントロールできるようになります。
全体像はこんな感じです。

まず、TILTノブの機能を除去しちゃいますので、初段のゲインノブの回路から切り離します。

TILTノブは、C102とワイパー部分(R101の上部)の2箇所でゲインノブの回路と接点を持っていますのでこれを切り離します。
C102は取り外してしまうだけで導通しなくなるのでOKです。
R101の上部は基板上、信号が流れないようにする必要があります。
一番楽なのはドリルで穴開けしてしまう方法です。
下図の赤丸部分がR101からTILTノブへ信号を送っている基板部分で、ここに穴あけします。穴あけしたらテスターで導通しないことを確認しましょう。
ボリューム回路として使うのでC101のコンデンサは取り外してJUMP(ジャンパー線)で導通させてしまいます。
これで、TILTノブは分離できたので、あとは、二段目(V1A)の増幅後の信号をTILTノブの入力に入るように変更し、出力をワイパー(ポットの真ん中の端子)から取り出して、また元に戻してあげます。
二段目(V1A)の増幅後の信号はR64→CN22を通ってトーン回路へ流れるようになっているので、一旦R64の後ろで流れを切って信号を取り出します。

ここも基板に穴あけが必要なのでドリルを使います。
表面はこうなっていて赤丸部分が穴あけしたところです。

裏面を見ると導線が分かりますが、赤線の通り信号が流れるようになっていますのでこれを断ち切ります。R64→CN22の一番左の端子への流れの部分です。

これで準備は整ったので、R64から取り出した信号をVR102の上部(C102との接点)部分に繋いであげて、VR102の出力から取り出した信号をCN102の一番左の端子に戻してあげます。

下図の赤線がR64から取り出した信号をVR102の上部(C102との接点)部分に繋いでいる部分です。

VR102の出力から取り出した信号をCN102の一番左の端子に戻す部分は以下赤線部分です。

最後に
色々改造を加えたのでそこそこな手術でしたが、満足いくサウンドにできました。
一点注意点として、エフェクターなんかでもよくあるのですが、本アンプは鉛フリーにハンダが使用されているようで、既存のハンダを溶かして吸い取るのが中々大変です。
そういうときは、鉛が含有されているハンダ(普通にKester44でも電子工作用の安いやつでも鉛入っていると思います)を最初に溶かし混ぜてあげてから吸い取るとうまくいきます。(それでも場所によっては結構苦戦しました)
Marshallアンプを題材として真空管アンプの解説本を出版してますので
、もっと詳しく理解したいという方は読んでみてください。
※kindle unlimitedに入っている方は「読み放題」に入ってますので無料で読めます。
真空管ギターアンプの仕組み(後編)
~モディファイの実践方法~
また、各種モディファイアンプはメルカリショップで販売しています。
ではまた!
Marshall Origin50 回路解説 -Part1-
どうも、lenheyvanです。
今回はMarshall Origin50の回路解説とモディファイポイントです。

他アンプのモディファイ記事リンクも載せておきます。
↓↓↓
Marshall Class5
Marshall Haze15
Marshall 1987X
はじめに
Marshall Originは5W、20W、50Wと、小型からライブ可能なサイズまでラインナップは幅広いですよね。
中古の球数も結構多いので割と人気あるのかなと思います。
弾いてみた感触としては、歪みは少な目でサウンド的には柔らかめの甘めのトーンの印象です。また、TILTコントロールという他には無い独自のノブがあって、メーカー説明を読むと、プレキシのNORMALチャンネルとTREBLEチャンネルのブレンドを1ノブで実現できるような機能のようにも受け取れますが、ここについてもどのような仕組みになっているかを確認したので解説していきたいと思います。
尚、私がモディファイしたのはOrigin50ですが、Origin20と基本的に回路図は同じようなので部品番号(R1とか)は同じと見て良さそうです。
(GainノブやTILTノブの抵抗値が異なるとか、若干の差異はあるようですが)
[メーカー説明抜粋]
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伝統的なオールバルブ回路に現代的な機能を備えたOriginは、真空管アンプならではの倍音豊かなリッチなトーンで、プレイヤーの表現を忠実に再現し、新たな可能性を発掘します。
2種類の異なるボイシングを自在にブレンドできるTILTコントロールを搭載し、繊細なクリーントーンから切れ味鋭いサウンドまで、シングルチャンネルのアンプながらも多彩な音色を提供します。
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私がモディファイした際の改造前後の動画はコチラです
↓↓↓
回路解説
では、入力部から順に回路を追っていきましょう。
※回路図上、真空管の回路はA→BではなくB→A(V1の場合、V1B→V1A)という順番で表現されていますが、順番にあまり意味は無いので気にしないでください。
入力~V1B

左下のCN28と書いている部分が入力になっていて、初段の増幅回路としてV1Bに入ります。R71のグリッドへの入力抵抗は33kと一般的な定数です。
Point1のカソード部ですが、820Ω/1uFとなっていて、全帯域を持ち上げて、周波数的にはローミッド強めの味付けになっています。
1959SLPや1987のプレキシ的な感じにするのであれば2.7k/0.68uFくらいが良いでしょうね。
次にPoint2のプレート抵抗の100kはごく一般的な定数です。
ただ、後で解説しますが、本アンプはFX Loop(センドリターン)に送る部分で信号を1/10に減衰させるところがあるので、全体のゲインが下がってしまいます。
そのため、ある程度歪むアンプにしたい場合は、ここを200k-300kくらいに上げてゲインを稼ぐというのがオススメです。詳しくはPart2で解説します。
Point3のカップリングコンデンサは10nFで割とタイト目な定数なのでこのままでも良いですし、もう少しタイトにしたいのであれば2.2nFくらいに下げても良いかと思います。
V1B~V1A
ここからがちょっとややこしいです。
この部分ではV1Bで増幅された信号をV1Aへ流す部分ですが、複雑になっているのは、
・TILTノブ
・Boostスイッチの制御(フットスイッチ部含む)
があるからです。
複雑なものは単純化してみていくのが定石なので、分けて見ていきましょう。
TILTノブ

V1Bで増幅された信号が赤線を通って、上から下にやってきます。(CN27→CN101)
VR101(1MΩ)となっている部分がゲインノブで、ボリューム回路になっています。
ゲイン0にすれば信号は全てグラウンドに捨てられて音量ゼロになりますし、ゲインMAXにすれば信号をほぼ全て次段へ送るのでゲインの高いサウンドになります。
この赤線のR101の上部辺りから右に緑線が伸びてますが、VR102がTILTノブです。
ここもボリューム回路になっていて、ノブを最小にすると、下図のように信号はVR102の可変抵抗の一番下へ流れるので、抵抗の無いC101側を通ってグラウンドへ信号が捨てられます。このとき、C101のコンデンサが高音域だけ通すのでグラウンドへ捨てられるので高音域のみということになります。

一方、TILTノブをMAXにすると逆にVR102の一番上へ信号が流れるのでC101との間に1MΩの抵抗があることになり、ほとんどC101側には流れません。
また、C102のコンデンサはブライトキャップになっています。VR102から上に伸びている緑線が赤線に合流することで高音域を迂回させているのですが、C101側とは逆の働きをしていて、TILT最小ではこっちにあまり流れず、TILTがMAXのときに一番信号が流れる(迂回する)ことになります。
このような仕組みで、高音域を捨てる/通す量をTILTノブでコントロールしているんですね。回路図見るまでは、プレキシのNORMAL/TREBLEチャンネルのブレンドをするような仕組みなのかなと思ってましたが、単純に高音域のコントロールをしている仕組みになっていました。
R101の100Ωは正直あってもなくてもあまり大きなサウンド変化は無いと思いますが、ゲインノブを下げていったときにTILTノブの効きを弱くしないようにしているように思えます。
Boostスイッチ
紫の枠で囲った部分はリレースイッチによるBoostスイッチON/OFF制御部分です。サウンドに影響あるところではないので無視します。また、左下の赤丸部分はゲインノブのPush/PullによるBoostスイッチON/OFF制御部分です。(ONの場合は下図のように短絡され、グラウンドに落ちることでCN27の右のTR7のトランジスタをコントロールしています。これも無視しましょう。

そうなると注目すべきところはココです。
BoostスイッチOFFの場合は以下のようになります。

リレースイッチRL1は2-3端子、8-9端子が短絡するので、赤の×印のところはどこにも接続されていないことになります。
この場合、左からV1Aに入力される部分は、R66が2.2MΩとかなり大きい抵抗値が入っているので電流が小さくなってゲインが下がります。
また、V1Aのカソード部分はC37(2.2uF)をR63(47kΩ)がある程度堰き止めることになるので、高音域のブースト効果という点ではC65(220nF)が支配的になります。
つまり、カソード部は820Ω/220nFと考えることができます。
次にBoostスイッチONの場合は以下のようになります。

リレースイッチRL1は3-4端子、7-8端子が短絡するので、R66、C38、R63は無いものと見做せます(という意味で×にしています)。
この場合、左からV1Aに入力される部分は、抵抗はR67の220kのみとなりOFFのときのように極端に電流が小さくなることは無いのでゲインがガクッと下がることはありません。
また、V1Aのカソード部分はR63が無いものと見做せるので、C37は活きてきます。
コンデンサは並列の場合、加算されますのでC65+C37=2.22uF(2220nF)となります。
よって、カソード部は820Ω/2220nFと考えることができます。
OFFの場合は820Ω/220nF、ONの場合は820Ω/2.22uF(2220nF)なので、
V1Aまでの入力部も合わせて整理すると、
ブーストOFF:ゲイン低め、高音域から上を増幅
ブーストON:ゲイン高め、中低音域から上を増幅
ということになります。
V1A~V2B
V1Aで増幅された信号は青線を通って下(CN102の左から1番目の端子)に行って、Point4へいきます。

Point4はトーン回路になっていて、ここは伝統的な回路構成になっています。
トーン調整後、VR105(TREBLEノブ)の出力から青線を通って、また上に戻ります。(CN102の左から3番目の端子)
この後、Point5のカップリングコンデンサを通って、V2Bへいきます。
まだ次段増幅部なのでここのコンデンサは22nFくらいが良いかなと思います。
タイト目なサウンドが好きなら2.2nFで。
トーン回路がここに入っているのはちょっと変わってますね。
一般的な回路では、
・初段(増幅)→二段目(増幅)→カソードフォロワ(バッファ)→トーン回路
という構成なのですが、本アンプでは
・初段(増幅)→二段目(増幅)→トーン回路→カソードフォロワ(バッファ)
となっていて、バッファとトーン回路が逆になっています。
上述の回路の後ろに、FX Loop(センドリターン)に入るときに信号を減衰させる設計になっているので、それの直前でバッファかけたほうが良いという判断でこういう設計になっているのかも知れません。
V2B~V2A
前述のとおり、Point6の部分は自己バイアス方式のカソードフォロワーになっています。そういうものだと思ってもらえれば良いと思います。

Point7はカソードフォロワーでバッファした後の信号を減衰させています。
R76(47k)、R57(4.7k)となっていて、10:1で分圧しているので信号を1/10にしています。
下図のようにバッファされた信号はR76、R57で減衰したうえで、CN23→CN203を通って、SEND端子へ入ります。センドリターン間に接続したエフェクターを通った信号はRETURN端子へ戻ってきて、CN203→CN23を通って次段へいきます。
Point7で信号を減衰させている理由は、FX Loopに接続したエフェクターに信号が過大入力されて歪んでしまわないようにだと思います。

ただし、FX Loopは常に通るわけではなく、下図のRL4がリレースイッチになっていてOFFの場合はセンドリターン端子は通らずに、直接、C50に流れてきます。
ONの場合のみセンドリターン端子を通ってからC50に辿り着きます。

FX Loop機能(センドリターン)が不要であればPoint7で信号減衰させる必要は無いのでハイゲインサウンドを作りやすいと思います。
しかし、FX Loop機能(センドリターン)は特に空間系エフェクターを使用する場合なんかは有用なのでこれを活かしたまま、ハイゲインサウンドを実現する方法を模索していきます。
次回のPart2はV2Aから見ていきます。
Marshall Haze15 回路解説 -Part2-
どうも、lenheyvanです。
Marshall Haze15の回路解説のPart2です。
Part1はコチラ
↓↓↓
回路解説
V1Bで増幅された後の信号の流れをみていきます。
V1B~V2A
下図はV1B以降の回路図です。

V1Bで増幅された信号は例によってプレート側から出力され、C31を通ってR19/R60のほうへ流れていきます。
C31(Point9)のカップリングコンデンサは4.7nFになっていますので割と小さ目の定数ですね。Part1で書きましたが、V1A出力後のカップリングコンデンサ(C34)を小さ目の定数にしているなら、ここはもう少し上げて22uFくらいでも良いと思います。
やってみて、もっとタイトなサウンドにしたいなと思ったら2.2uF~4.7uFでも良いです。
次にPoint10、11はパっと見何をしているのか少し分かりづらいかもですが、ここはブライトスイッチでのサウンド変化をつけている箇所です。
下図の状態はブライトスイッチがOFFの状態です。

まず、C31から赤線を通って信号が上から流れてきて、R59とR60の分岐に入ります。
R59のほうはスイッチ端子の6が行き止まりなのでR58のほうに流れようとしますが、2.2MΩというかなり大きい定数の抵抗が入っているのでここで信号(緑線の部分)がほぼ堰き止められます。(ちょっとは右に流れますが)
そのためほとんどの信号はR60を通って下へ流れることになります。
次に、C49とR61の分岐に入りますが、ここで重要なポイントとして、スイッチ端子の4-5番が短絡しているので、並行に接続されているR5は無いに等しいという点です(という意味で×と書きました)
左側(C49側)はブライトキャップのように高音域を迂回させますが、行き着く先はグラウンドなので、高音域がバッサリと捨てられます。
これによって、丸くモコモコしたサウンドを作っています。
C49を大きくすればするほどモコモコ感は強くなります。
次に下図はブライトスイッチがONの状態です。

OFFの場合と同じように、C31から赤線を通って信号が上から流れてきて、R59とR60の分岐に入ります。
今度はスイッチ端子5-6が短絡しているので左側(R59側)、右側(R60側)ともに信号は流れます。ただし、先程と同じ原理で、今度はR58が無いものと考えられます。(×と書きました)
スイッチ端子5の部分では、R60の信号とブライトキャップC51を通過した高音域が辿り着くことになります。ここで高音域が追加されるわけです。
R59があるのでブライトキャップ側へ流れ込む信号量が制限されていますが、これは広域量の調整の役割を果たしています。
R59を小さくすればするほど、C51を大きくすればするほど、ハイが強調されたサウンドになります。ハイが足りないのであればR59は除去&JUMPしてしまっても良いです。
次に下部分ですが、スイッチ端子4-5は接続されていないので、4には流れ込まずにR61側へ信号は流れます。
途中R5がありますが、OFFの場合と同じように、2.2MΩというかなり大きい定数の抵抗が入っているのでここで信号(緑線)がほぼ堰き止められます。
そのためほとんどの信号はR61側へ流れることになります。
R61は470kとそこそこ大きい定数値なので、グラウンドにガッツリ落ちるということはありません。C71が少し高音域を迂回させてグラウンドに落としているので、あまり丸くしたくない場合はこれを除去してしまっても良いと思います。
これがOVERDRIVEチャネルのブライトスイッチの仕組みです。
OFF/ONどちらの場合も、R60(470k)とR61(470k)で分圧されているので、スイッチ端子5から右の次段へ流れていく信号は半分くらいに落とされています。
(可変ではなく固定のボリューム回路のような感じです)
ゲインが足りない場合はR60とR61の比率を変えることで信号量をコントロールできます。大きくしたいならR60<R61に、小さくしたいならR60>R61に、です。
V2A~V2B
OVERDRIVEチャンネルのブライトスイッチ回路を通ったら、前回のPart1で解説しましたが、下図左のRL1Bのチャンネルスイッチを通ってV2Aへ入力されます。

Point12にR31(グリッド抵抗)を通ってV2Aのグリッドへ入力されます。
オリジナルでは先程のブライトスイッチ回路でゲインは落としてあるので470Ωでも良いかも知れませんが、ブライトスイッチ回路でゲインUpする場合は470k程度に上げておくのが良いかと思います。
その際、トーンが暗いようでしたら、R31と並列に470pF程度のコンデンサを追加すると良いと思います。
V2Aのカソード部はR17のみ(Point13)のみなので、全体的のゲインを持ち上げるような形になっていますが、多分これだとMarshallっぽさは出ないので、1uF以下のコンデンサを追加したほうが良いです。
そして、プレート側からV2Bへいくのですが、ここは今までと様子がちょっと違っていてV2Bのグリッドへ直結されています。
この回路は伝統的なもので、V2Bでは増幅はせずに、バッファ(増幅度1)のみ行ってトーン回路へ繋ぐという部分になっています。
V2B~トーン回路
バッファになっているのはPoint14の部分です。

この回路、プレート側に抵抗が入ってませんよね。そして、出力はカソード側から取っています。
これはカソードフォロワーと言って、バッファリングが目的なので増幅度1です。
カソードフォロワー回路の組み方はいくつかパータンがあるのですが、これは前段からの直結パターンで、Marshallは(ギターアンプは?)このパターンがよく採用されます。
R32の100kという定数は伝統的な定数で1959SLPの時代からこの定数です。
Point14はギターアンプでは必ずと言ってよいほど出てくる回路で、この構成を見たら、「あーEQ部分ね」と思ってもらえれば良いです。
ちなみに、コンデンサや抵抗値を変更するとEQカーブを変更することができます。
以下のサイトで、定数を変えたり、ノブ(可変抵抗値)をいじるとカーブが変わるので視覚的に理解することができるので便利です。
EVHこと、エディはMiddleノブのポット(可変抵抗)の値をデフォルトの25k→50kにすることで中音域をブーストしていたとか(Joseが勝手にやっていた説もあり)
TSC in the web

最後にPoint15ですが、これもCHスイッチになっていて、上図の状態は右側に接続されているのでNORMALチャンネルです。OVERDRIVEチャンネルは左側に接続され、OVERDRIVE MASTER VOLUMEと書いている部分でボリューム調整するようになっています。
NORMALチャンネルのボリューム調整は?と言うと、下図の左側にあるNORMAL VOLUMEという部分です。
NORMALチャンネルとOVERDRIVEチャンネルでボリュームの箇所が、回路上離れていて分かりづらいですが、信号の経路を見ると理解できると思います。

最後に
Marshall Haze15の回路解説でした。
マニアックな内容なのでどこまで有益な内容かは微妙なところですが、どなたかのお役に立てれば。
最後に、モディファイの際にせっかく確認したので、スイッチ仕様だけ共有して終わりにしたいと思います。
左のスイッチは押しボタン式のスイッチの仕様で、ブライト切り替えとチャンネル切り替えができるようになっています。
右のスイッチはリレースイッチと言って、フットスイッチで切り替え信号を送ったときに切り替わるものです。
下の画像のとおり、フロントパネルの右側に上下に2つボタンが並んでいますが、上がチャンネル切り替え、下がブライト切り替えです。
チャンネル切り替えは押しボタン式スイッチとフットスイッチの両方で切り替えができます(逆にブライトON/OFFは押しボタンでの切り替えのみです)
Marshallアンプを題材として真空管アンプの解説本を出版してますので
、もっと詳しく理解したいという方は読んでみてください。
※kindle unlimitedに入っている方は「読み放題」に入ってますので無料で読めます。
真空管ギターアンプの仕組み(後編)
~モディファイの実践方法~
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ではまた!
Marshall Haze15 回路解説 -Part1-
どうも、lenheyvanです。
先日、Marshall Haze15のモディファイを行いましたので、回路解説とモディファイポイントを解説しようと思います。

あと、昔はあったのかもですが、日本語マニュアルがオンラインで見つからないので、私の備忘の意味も含め、英語版になりますがリンクを載せておきます。
https://www.fullcompass.com/common/files/12328-MarshallHazeSeriesManual.pdf
他アンプのモディファイ記事リンクも載せておきます。
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Marshall Class5
Marshall Origin50
Marshall 1987X
はじめに
Marshall Hazeって何故かあまりメジャーではないと言うか、市場にも球数的にはあまり出回ってないんですよね。
サウンド的にあまりMarshallっぽくないところが、Marshallファンにはあまり受け入れられなかったのでしょうか。
Marshallって高音域が遠慮なくガシャーンと出るところが特徴だったりするわけですが、Hazeって割とミドル寄りのモコモコしたサウンドで、全然Marshallっぽくないんですよね。回路を見ていくと、あーなるほどねーと思うところが所々にあり、モディファイのし甲斐があります。HazeもちゃんとMarshallになれます。
モディファイ前後のサウンドは動画にしてあります。
オリジナルで用意されていたスイッチを利用して、JCM800モードとIce-Crashモードの2つを切り替えできるようにしましたので、動画も2つ作成しました。
回路解説
では、入力部から順に回路を追っていきましょう。
入力~V1A

回路図上、ちょっと端折って書いてあって分かりにくいですが、INPUT端子から入力されたギター信号はP102→P2に来て、それからR29(グリッド抵抗)を通ってV1Aのグリッド(Gと書いてある端子)に入ります。
【補足1】
V1は1つ目の真空管という意味(つまり1本目のプリ管)で、A,Bというのは1本の真空管に増幅回路が2つ入っているのでそれをA,Bと呼んでいます。
プリ管で言うと、本アンプは3本あるので、V1A,V1B,V2A,V2B,V3A,V3Bと増幅回路が6つあります。
【補足2】
グリッドは入力、プレートはプラス側になっていて出力信号を取り出す部分、カソードはマイナス側になっていて増幅度・増幅周波数を決めるところです。
プレート(プラス)とカソード(マイナス)の電位差が大きいほど増幅度が高くなります。つまりプレートの抵抗を大きくすればするほど、カソードの抵抗を小さくすればするほど増幅度が上がっていきます。
まず、改善したいのがPoint1です。(Marshallサウンドを求めている人にとってはという意味ですが)
いきなり入力信号を100nのコンデンサ(C101)と100Ωの抵抗(R101)でグラウンドに落としているので、高音域がガッツリ落ちてしまいます。
こういう部分は除去してしまいましょう。
高音域を落とすことで耳に痛い成分を除去するということ自体は有効な手段ですが、歪みを作る前に落とし過ぎると、高音域の美味しい倍音は二度と戻ってきません。
ギターと同じで、信号は前段ほどサウンド全体に与える影響が大きいです。(ワウをかける位置をギター直後か歪みエフェクター後かで全然サウンドが違うのと同じです)
倍音を極端に落とさずに美味しい歪みのベースを作っておいて、後半で耳に痛い成分等を料理(調整)したほうが良い結果になりやすいです。
次に、Point2がカソード部分(Kと書いている端子)になりますが、ここは増幅度合と増幅する帯域を決める箇所です。
ざっくり、抵抗が増幅度合(低いほど増幅度が高い)、コンデンサが増幅する周波数(ある周波数より上を増幅)と理解しておけば良いです。
820Ω(R15)と22uF(C12)となっていて、抵抗値はよく見る定数ですが、コンデンサの22uFは結構大きいです。
820Ωは小さいので増幅度が高く低音域から高音域までかなり底上げしています。
これくらいの抵抗値の場合、コンデンサは0.68uFくらいが多いのですが、22uFなのでかなり低音域から増幅することになるので、V1Aではかなりファットな味付けになっています。
1959SLPやJCM800では2.7k/0.68uFくらいが定番の定数値なので、それくらいを目安に調整するのが良いと思います。
V1A~V1B(NORMALチャンネル)
増幅された信号はプレート側(Aと書いている端子)から出力されます。
そしてC34を通って、次段の増幅回路へ、という流れです。
Point3の22uF(C34)はカップリングコンデンサと言って、ある回路とある回路を切り離す(影響を与え合わない)という目的のものです。その際、コンデンサの値によって、どのくらい直流(=低音域)をカットするかもサウンドメイクするうえで要設計ポイントです。
22uFという定数は1959SLPのような昔のアンプでは一般的ではあるものの、このアンプはプリ管全部を使って増幅していくので(※)、初段では増幅後に低域をある程度カットして、タイトなサウンドにしたほうが、ハイゲインサウンドとしては良いと思います。おすすめは1/10の2.2uFです。
※1959SLPや1987のような四つ穴マーシャルでは、実は初段のプリ管の2つの増幅回路を、NormalチャンネルとBrightチャンネルでそれぞれ使います。
つまり、V1の片方(A or B)→V2A→V2B(バッファ的に使うので増幅度1)→V3(フェーズインバーターなので歪みが目的ではない)→パワー管という流れになっていて、JCM800以降と比べると歪み段が1つ少ないのです。
通常はV1Aで増幅された信号は右に流れていくのですが、C34から下に回路が伸びています。

ここは、下に「NORMAL VOLUME」とある通り、NORMALチャンネルのサウンドを調整する部分になります。
これを説明するには、NORMALチャンネルとOVERDRIVEチャンネルの切り替えがどうなっているかを解説する必要があります。
下図はNORMALチャンネルの場合の信号の流れを書いています。
基本的に信号は赤色を通っていきます。基本的にと言ったのは、実際はC34から右にも流れてV1Bを通りますが最後、右の黒丸部分で行き止まりになるのでV2Aには流れません。なので、生きた信号として通るのは赤線になります。
緑線・オレンジ線も信号として通りのですがここは高音域だけ通すルートと考えてください。
右の黒丸部分がRL1Bと書いてありますが、ここがスイッチになっていてチャンネル切り替えする部分になっています。
左の黒丸部分は本アンプのもう1つのスイッチであるブライトスイッチになっていて、OFFの場合は緑線を、ONの場合は緑線からオレンジ線を通ります。
そして、赤線に合流して後段(V2A)へ、という流れです。
では、再度、V1A増幅後の回路に戻ります。
ブライトスイッチの部分はOFFで左下のC44(47pF)、ONで右下のC46(150pF)を通ります。
C44、C46はボリューム(VR1)の上部の入力部分と中央の出力部分(ワイパー)の間に取り付けられていますが、これは「ブライトキャップ」と言って、ボリュームを落としたときでも高音だけは通してあげる回路です。Marshall系アンプには必ずと言っていい程ついています。
ギターのボリュームポットにコンデンサをつけて、小音量時に高音域をある程度維持できるように改造する場合があると思いますが、それと同じ原理です。
C44は47pFと小容量なので超超高域のみ通す、C46は150pFともう少し大きい容量なのでもうちょい下の帯域も通す、ということで、C46のほうが高域を幅広く通すのでハイが際立つ(=ブライトになる)という仕組みになっています。
V1Aのカソードを調整した結果、そこまでブライトにしなくてもいいという場合は、C44<C46は保ちつつも全体的に値を上げると良いと思います。
場合によってはC44は外してしまって、C46も上げるというのもアリです。
逆にもっとブライトにしたい場合は値を下げましょう。
V1A~V1B(OVERDRIVEチャンネル)
OVERDRIVEチャンネルの場合は下図のような信号経路になります。
ただし、V1B→V2Aの部分は次回細かく解説するので少し端折って書いています。
ざっくりこういう経路で流れると理解してもらえればOKです。

OVERDRIVEチャンネルの場合の信号の流れを見ていきましょう。

C34から右に流れてきたら信号はGAINノブに入る前に、Point5の部分に来ます。R84(470k)の大きめの抵抗で電流を抑えつつ、C53で高音域を迂回させてハイが落ちないようにしていますが、通常これはV1Bに入る前に行います。
ここに持ってきている意図が良くわかりませんが、ここは除去&JUMPして、直接GAINノブへ流しても良いと思います。
GAINノブについているC58はブライトキャップです。
47pFはかなり小さい値なので、ザクっとした抜けの良いサウンドにするにはもっと上げたほうが良いですね。470pF~4700pF辺りで調整するのが良いと思います。
Point6の前段のV1Aで増幅した信号を受け止めるのは心許ないので(Point5の部分を除去してなければこれでOKですが)、除去したPoint5のR84、C53を移植したうえで、C53を好みの値に変えるのが良いと思います。
470pFが定番の定数です。
Point7はカソード部ですが、C37はNot Fittedになっているので実装されていなかったと思います(忘れちゃいました)。1.5kの抵抗のみなのでタイトだけどダークなサウンドになります。コンデンサを追加したうえで、抵抗値をもう少し上げると良いと思います。
JCM800はこの部分が10k抵抗のみになっていて、あまり増幅はできないけど、抵抗値が高いことで真空管の特性からクリップが起きて独特の歪みが生成されます(cold clipperと呼ばれます)
80'sっぽい感じのザクっとした歪み感です。
私は、10k抵抗⇔抵抗+コンデンサをスイッチ切り替えにして、JCM800モード/Ice-Crashモードを切り替え可能な仕様にしました。
最後にPoint8ですが、横のR20はプレート抵抗と言って、真空管の増幅度に関係する抵抗で、高いほど増幅値が上がるのですが、Point8のコンデンサは高音域のみ通します。つまり高音域のになればなるほど抵抗値がゼロに近づいていくので、増幅度が下がります。よって、C20があることで高音域の増幅度を抑えています。(丸いサウンドになります)
Marshallライクなサウンドを目指す場合はこれは除去しましょう。
最後に
V1Bまででも結構なボリュームになりましたね。
次回は、V1Bで増幅された信号が流れていく部分から解説していきたいと思います。
Part2はコチラ
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コイルタップ時だけボリュームポットの抵抗値を変える
どうも、lenheyvanです。
私のWashburnのN2君ですが、購入時はボリュームポットがPUSH-PULLタイプになっていて、PULLするとコイルタップされる仕様になってました。
ですが、コイルタップはあまり好きではなかったので、ピックアップ交換と同時にCTSのボリュームポットに交換してコイルタップは無効化してました。
コイルタップが好きじゃなかった理由は、やっぱりシングルとは異なるサウンドになってしまうからです。
ハムバッカーの片方なのでシングル用として作られたわけではないので、という気持ち的な部分と(おまけ機能と考えれば良いのですが)、シングルはボリュームポットは250kΩにしてキンキンした高音を抑えますが、ハムバッカー専用ギターのおまけ機能みたいなものなので500kΩで使用することになるのでキンキンしちゃうんですよね。
※ボリュームポットの抵抗値によって高音の出方が変わる点については以下記事参照
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ただ、最近、一本くらいシングルのサウンドが出るギターもあっても良いのでは、と思い始め、コイルタップ切替用のスイッチでボリュームポットの抵抗値も変えられないかなーと思い、ちょっと考えてみました。
ボリュームポットの抵抗値を変える
これは前からアイデアとしてあったのですが、ボリュームポットの1番と3番(端と端)に抵抗を取り付けると、並列になるので抵抗値を下げることができます。
例えば、500kΩのボリュームポットに500kΩのボリュームポットを取り付けると、ボリュームMAX時の抵抗は、半分の250kΩになります。
※色々なサイトに載っているので計算式まで載せませんが、「合成抵抗値」でググると簡単に計算してくれるサイトが沢山ありますので色々な値を入れて試してみてください。
回路図で書くとこんな感じです。

実際にそうなるかテスターで測ってみます。
1.通常の状態
500kを少し下回って475kΩですね。

2.500kΩの抵抗を取り付け
こんな感じで取り付けます。

3.抵抗値を測定
約半分くらいの237kに下がりました。
つまり、500kΩのボリュームポットを250kに近い値で使用することができます。
昔のレスポール(P90を載せていたもの?)は300kが採用されていたという話がありますが、300kのボリュームポットってあまり売ってないので、こういう方法で作り出しちゃうというのも1つの手だと思います。
800kΩ程度の抵抗と並列にすると、ちょうど300kくらいになります。
コイルタップに応用する
ということは、つまり、コイルタップ時にこの抵抗を接続する/しないを切り替えすることができれば、コイルタップOFF時は500kΩ、コイルタップON時は250kΩということが実現できるわけです。
単純にコイルタップをON/OFFするだけなら2点3ピンのスイッチで事足りますが、抵抗の接続する/しないも切り替えするので2点6ピンのスイッチを使えば実現できることになります。
まずはコイルタップのみの場合の配線を見てみましょう。
コイルタップの方法はいくつか方法があるのですが、私はこんな配線にしています。
コイルタップのみの配線
①コイルタップOFFの場合
コイル1とコイル2のタップ線を接続するとコイル1・2が直列に接続されます。
あとは、コイル1のHOTとコイルのアースをボリュームポットに配線します。

このとき、信号の流れはこんな感じになります。
ハムバッカーとして機能しますね。

②コイルタップONの場合
コイル1のタップ線をアースに接続してしまえば、コイル2は利用されなくなり、コイル1のみ機能します。
コイル2はホット側(赤のタップ線)がどこにも接続されていないので信号は出力されません。

このとき、信号の流れはこんな感じになります。
コイル1がシングルピックアップとして機能しますね。

では、次はここにボリュームポットの抵抗値を変化させる抵抗の接続切り替えを追加します。
コイルタップ+ボリュームポット抵抗値切り替えの配線
①コイルタップOFFの場合
スイッチを6ピンにしたことで、もう1つの回路を切り替えることができます。
500kの抵抗の片足をボリュームポットの3番目に接続しておいて、もう片方はスイッチ(一番上)に接続します。
ボリュームポットの1番目はスイッチの真中に接続しておき、スイッチONのときにボリュームポットの1番目と3番目の間に抵抗が接続されるようにします。
上図では抵抗は接続されていない状態になるので、ボリュームポットは500kのままです。
②コイルタップONの場合

このときは抵抗が接続されることになるので、ボリュームポットは250kになります。
つまり、コイルタップした場合(=シングルピックアップ)の場合のみ、ボリュームポットを250kにすることができます。
結果は同じですが、私の場合は、余計な配線をしたくなかったので以下のような感じに配線しました。ボリュームポットの1番上のピンはGNDなので、それと同電位の緑線に導通させています。(結果はどちらでも同じなので好みの問題です)

スイッチ穴を開けるのがイヤだったので、N2入手当初に外したPUSH-PULLスイッチ付きのボリュームポットを掘り出して使用しました。
これでコイルタップを実現するとともに、コイルタップ時にキンキンしていた高音は抑えられ、良い感じになりました。
ただ、ハムバッカーとサウンドキャラクターに差は少しつけたかったので、1MΩの抵抗を使用して、320kくらいにしました。
コイルタップ時のキンキンに不満をお持ちの方はお試しあれ!
ではまた!
電源ケーブルによるサウンド変化はどれほどか?(後編:サウンド比較)
どうも、lenheyvanです。
Beldenの配線材を使用してギターアンプ用の電源ケーブルを製作しましたが、通常の付属ケーブルとサウンドにどれだけ差が出るだけかをサウンド比較して検証してみました。
前回記事はコチラ
↓↓↓
それでは早速いってみましょう!
サウンド比較
付属ケーブル(Stock)は左チャンネルに、Belden19364は右チャンネルに軽く振ってますのでイヤホン・ヘッドホンで聴いてみてください。
サウンドインプレッション
違いは感じましたでしょうか?
動画だと分かりにくいかも知れませんが、実際に弾いている側としては、結構な違いを感じました。
一言で言うと「元気なサウンドに変化した」です。
まず感じたのは音圧の違いです。
Beldenは押し出し感があって、音量自体は同じなのですが音が大きくなったような感触を受けました。
付属ケーブルはちょっとその辺のパワー感が物足りなく感じます。
Beldenだと低音弦のブリッジミュート時にローミッド帯域のパワー感が響いてきます。
かと言って、重たい/鈍い、キレがなくなったという感じは全然無く、あくまでもローミッド帯域(150Hz~300Hz辺り)だからのような気がします。
変にレンジ感を広げるわけではなく、元々のレンジ感を保ったまま、元気にしてくれるところが好印象です。
また、ミッド帯域の倍音もよく出るようになりました。
ブリッジミュートで弦にピックを当てたときに、付属ケーブルだと グッグッグッ と鳴っていたところが、Beldenだと ギュッギュッギュッ という音の出方になって、色気と太さが出てきました。
全体的に、Beldenにしたからサウンドの解像度が上がったということは無く、もっと自然にアップグレードした感じです。ギターの美味しい帯域の音圧/迫力、倍音/色気を引き出してくれるような印象です。
アコリバ(アコースティックリバーブ)なんかは解像度が上がるんでしょうけど、そこまでHi-Fiを求めてない方にはBeldenが良いと思います。
電源ケーブルのアップグレードはコスパが良いので気になる方はお試しあれ。

ではまた!
L500サウンド比較(Bill Lawrence U.S.A. L500L vs L500XL vs Wilde U.S.A. L500XL)
(2024/9/22追記)
Bill Lawrence U.S.A.のL500XLも入手したので、
Bill Lawrence U.S.A.のL500、L500XL、Wilde U.S.A. L500XLの3製品の比較ということで、動画および本記事を再構成しました。
どうも、lenheyvanです。
ビルローレンスのL500は2社から販売されているのを以下記事で書きましたが、サウンド比較して動画にしてみました。
過去記事はコチラ
↓↓↓
サウンド比較
では早速、サウンド比較した動画です。
Bill Lawrence U.S.A.のL500LとL500XL、
Wilde U.S.A.のL500XL です。
L500LとXLでは出力が違うので(XLのほうが少し高い)、太さと鋭さがトレードオフの関係になっている予想。XLについてはBill Lawrence U.S.A.とWilde U.S.A.ではどのように違うものかが注目です。
前半はリフ、後半は単音(ソロ)で比較してみました。
概要欄に時間リンクを貼ってありますので、同じフレーズを比較すると分かりやすいと思います。
サウンドインプレッション
どうでしたでしょうか?
LよりXLのほうがローミッドに太さを感じる歪み方をしますね。
その代わり、Lにあった高音域の鋭さ・攻撃性は少し控えめです。
これは予想通りでした。
動画のリフの冒頭(コードじゃら~んのパート)を聴くと、L500Lはバリバリと言ったサウンドで、一方、L500XLは壁が迫ってくるようなズゴーっといった音圧を感じます。
選択する際の基準としては、ザクザクとした攻撃性を優先するのか、ローミッドのズッシリした迫力を優先するのか、だと思います。
次に、Bill Lawrence U.S.A.とWilde U.S.A.の違いはどうでしょう?
まず一番印象深かったのが、サウンド全体の発音の仕方が異なる部分です。
Bill Lawrence U.S.A.は素直・オープンで聴き慣れた感じがする一方で、Wilde U.S.A.はモダンなメタルっぽい味付けがされているように聴こえました。
Bill Lawrence U.S.A.がズジャー・スギャーだとすると、箱鳴りするようなズゴー・ガゴーっというような発音の仕方で、ミドルの出方が結構違います。
Wilde U.S.A.は鼻詰まり感のあるような独特のミドルです。
アンプで言うと、前者がMarshall、後者がMesaBoogieって感じがしました。
昔、Marshall ValveStateを愛用していたのですが、Contourというミドルの出方を調整するノブがあったのですが、これを回したときのサウンドに似ています。
Bill Lawrence U.S.A.はセラミックマグネット、Wilde U.S.A.はAlnico5だったはずなので、それに起因している部分も大きいと思います。
また、レンジ感も違います。
Bill Lawrence U.S.A.はワイドレンジな感じで下から上まで満遍なくでますが、Wilde U.S.A.はローミッドの密度が濃く、分厚いサウンドになっている分、その分、相対的にハイが少し引っ込んでいるように聴こえます。
レコードディング後にサウンドを比較して、Wilde U.S.A.を録ったときにマイキングの位置がズレちゃったかなと思ったくらいです。
あと、倍音の出方の違いも特徴的です。
ピッキングハーモニクスなんかは、Wilde U.S.A.はハイミッドの密度の高い倍音を感じます。色気があって、この倍音の出方はかなり好みでした。単音を弾いても太さがあるし、リードサウンドはすごく良いですね。
パッシブピックアップなのにEMG81みたいに感じました。
また、ブリッジミュートしたときのWilde U.S.A.の低音域の迫力・音圧はスゴイものがあります。直流抵抗値はWilde U.S.A.のほうがかなり高めなので、それによる部分でしょうかね(直流抵抗値を指標に持ち出すとBillさんに怒られそうですが・・・)。
最近のNunoのサウンドというような印象です。
海外ではWilde U.S.A.が絶賛されていて、こっちが本物であってBill Lawrence U.S.A.はフェイクだとか言っている人もいるくらいです。
私の個人的な意見としては、どっちが優れているとかではなくて作り方が違う別製品であって、好みで選択すれば良いのではないかなと思います。
私は抜けの良いハイが好きなので、Wilde U.S.A.よりもBill Lawrence U.S.A.のほうが好みでした。
ExtreamのPornograffitti時代のNunoサウンドを再現する場合は、Bill Lawrence U.S.A.のほうがシックリ来るように思いました。
最後に私の独断と偏見で違いをまとめると、こんな感じです。
※ 「>>」 は差が大きいという意味です
攻撃性 : Bill L500L > Bill L500XL >> Wilde L500XL
太さ : Wilde L500XL > Bill L500XL >> Bill L500L
倍音の色気 : Wilde L500XL >> Bill L500XL > Bill L500L
レンジの広さ: Bill L500L > Bill L500XL >> Wilde L500XL
みなさんはどれが好みでしたでしょうか?
私は、ローミッドの太さ、攻撃性のバランスの良さが気に入ったので、Bill Lawrence U.S.A. L500XLを選びました。

NunoやDimebagが好きな方、L500のサウンドが好きな方のお役に立てれば幸いです。
ではまた!
フロントピックアップの抜けが悪いときの対処法
どうも、lenheyvanです。
今回はショートネタです。
昔から思っていた不満なのですが、フロントピックアップって籠り過ぎませんか?
マイルドでクリーミーなトーンは魅力なのですが、リアピックアップから切り替えると落差が大きくて、もうちょい高音域が出てほしいなーと思ってました。
かと言って、ピックアップの高さを上げて出力を強くしちゃうと、フロントに切り替えた途端、低音域が強く出て音量差が大きいんですよね。
出力はリアと同じくらいにしたいけどトーン的には高音域がもう少し出て欲しいみたいな。
どうしたらいいかなーと考えてみたのですが、フロントピックアップが拾う弦位置をリア側にしてみたらどうだろうか、と思いこんなことを試してみました。
リア側に変えるといっても、移動はできないので、ピックアップの向きを180度変えて、かつ、ポールピースを上げるというやり方です。
通常は、フロントピックアップはアジャスター側をネック方向に、
リアピックアップはアジャスター側をブリッジ方向にすると思います。
これを、フロントピックアップを180度向きを変えて、アジャスター側をブリッジ側にします。
Before
↓↓↓

After
↓↓↓

こんな感じにポールピースを上げています。上げ具合はお好みで。


これにしたら、少しサウンドが高音よりになって、抜けがよくなりました。これは好みなので好き嫌いあると思いますが、もうちょいキレが欲しいなーという場合は試してみる価値ありです。
スラッグ側(ポールピースがついてない方)のほうが磁力は強いそうですが、それよりもポールピースが上げて弦に近づける効果の方が大きいです。
磁石の上下を逆さまにするわけではないので位相も変わりません。
ブリッジピックアップがキンキンし過ぎる場合もこの手がつかえそうですね。
向きを変えるだけで結構サウンドが変わるので、ピックアップに不満をお持ちの方は試してみてください。
ではまた!
マイケルシェンカーは実はワウをそれほど使っていない!?
どうも、lenheyvanです。
今回はトレブルブースターのお話です。
トレブルブースターと言えば、DallasのRangeMasterが有名ですよね。
ブライアンメイ、ロリーギャラガー、マークボラン、トニーアイオミが使用していたことはよく知られています。
他には意外にも(?)、ゲイリームーアやリッチーブラックモアも使用していたとか。私もあの独特なサウンドは大好きなので、RangeMasterをベースに改良したペダルを作製しました。
RangeMasterはゴッソリと低音域を削られるので、もう少しローミッドを残して太めのサウンドにしたのと、オリジナルと同じくハイミッドを強調したサウンドに加えて、ミッドを強調したサウンドも出せるようにモード切替機能を追加しています。
メルカリSHOPで販売中なので良かったらどうぞ。
こちらはオリジナルと同じ方向性のTrebleモードです。ブライアンメイと同じく6ペンスコインをピック代わりにして弾いてみましたが、思ったようにピック(コイン)が弦に当たらず苦労しました・・・
こちらはMidモードで、音を出した瞬間、マイケルシェンカーの半ワウサウンドじゃん、ということで、UFOを弾いてみました。
Midモードで演奏してみると、ふと気づきました。
これまるでマイケルシェンカーの半ワウサウンドだなと。

RangeMaster自体が鼻づまり感のあるサウンド特性があるのですが、Midモードだと特にその特徴が顕著に出るんですよね。
そこで、MarshallAmpForumで海外のメンバーに見解を聞いてみたところ、興味深い話を聞くことができました。
それは、マイケルシェンカーは半ワウで有名だが、実は言われているほどワウは使ってないと思うよ、という話でした。
それについてディスカッションされていたスレッドがコチラです。
↓↓↓
https://www.marshallforum.com/threads/truly-nailing-schenkers-70s-tone.136948/#post-2457301

ここから、ブラウザの自動翻訳を使って訳した内容を抜粋します。
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ギター内部の配線やシールドケーブルは多少の静電容量を持っているので、コンデンサのような役割を果たすことで共振周波数に影響することを言っています。
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この方は、シールドケーブル長と共鳴周波数を測定した結果をグラフ化しています。
一番下の赤線(ワウ無しの500kポット)と中央の緑線(Q係数を下げたワウをOFFの状態で接続)は、全体的に平坦な感じでピークはあまり無いですね。
一方、一番上の線(ワウをOFFの状態で接続)はピークが出ていますね。
「これはワウサウンドだ!」と思ったと言っているので、いわゆる、鼻づまりのあのサウンドが得られたということでしょう。

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こちらはT-TOPをRangeMasterと同じ回路に通したもの(上の線)と、Q係数を下げたワウをOFFの状態で接続したもの(下の線)ですが、中音域が自然に盛り上がっています。
これは半ワウサウンドが得られそうなグラフになってます。

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昔はバッファードバイパスされるペダルが多く、常にそれらを通した状態で演奏していたことから、ペダル達がOFFであってもギターサウンドを変えていて、それがたまたま良い感じの帯域にピークを持っていた場合、それを意図的に使っていたのでは?、ということでしょうかね。

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マイケルシェンカーのサウンドを研究しているTone Slingerさんという方も、「スタジオではある程度使っていたけど、ライブでは言われているほど使ってないはずだ」と言っているようです。

↑↑↑
この方も同じ意見のようです。
フライングVとT-TOP、250kポットが肝なんじゃないか、という主張ですね。


↑↑↑
500kポットでも、ボリュームを7くらいに下げると、250kポットと同じくらいの共鳴ポイントが得られると言っています。
また、500kポットに抵抗を並行に追加することで、抵抗値を下げて、250kポットと同等にすることができるというのも、ポット交換しなくて良いのでお手軽に試せますね。
ボリュームポットの仕組みについてはこちらをご参照ください。
というわけで、真偽のほどは分かりませんが、マイケルシェンカーの半ワウサウンドは、ワウを使わずに出している可能性がある、という興味深い議論についてのご紹介でした。
興味がある方は、色々試してみると楽しいと思います。
ではまた!!

