どうも、lenheyvanです。
「耳で比較してみよう」企画の記念すべき第1回目です。
今回は前々から一度やってみたかったエフェクターへの昇圧回路の組み込みをやってみます。
主観だけ書いてもイマイチ説得感が出ないので、音源を用意しました。
みなさんの耳で比較してみてください。
他の「耳で比較してみよう」シリーズ記事はこちら↓↓↓
でも、ただ組み込むだけだと昇圧による効果がよく分からないので、トグルスイッチで切り替えできるようにしてサウンド比較したいと思います。
昇圧回路の作製
昇圧回路自体は割と簡単で、ネットで色々な方の作成例を参考にさせて頂いて、最終的にはCRAFTS MANさんのサイトを参考にこんな感じで作ってみました。
一番右のダイオードは本当はショットキーバイアダイオードが良いのですが(なので”ショットキー”と手書きしてますが)、手持ちが無かったので1N4001で代用しました。
切り替え速度が遅いので、スイッチでパチっと切り替えても昇圧まで若干タイムラグがありますが、今回はお試し実験なので気にしません。
あと、IC(チャージポンプ)は型番書き忘れてますが、TC1044SCPAを採用しています。
MAX1044PAだと耐圧が危なかしい(耐圧10.5v)、LT1054CPは高い(耐圧18v)、ということで、割とお手頃価格で購入できて必要十分な耐圧であるTC1044SCPA(耐圧13v)にしました。
完成した回路はこんな感じです。
これをトグルスイッチに取り付けました。
今回のテスト機
今回テスト機として使ったのが、以前の記事で紹介したこちらです。
上部のスイッチが、以前はクリッピング有無を切り替えるようになっていたのですが、これを取っ払いクリッピング無し(いわゆるダンブルモード)にして、スイッチ左が9v、右が17vにしました。
余談ですが、何年か振りに基板を見てみたら、まあ配線が汚いこと。
恥ずかしくて他人に見せられません・・・
まだ自作はじめて数ヶ月の頃だったので、継ぎ接ぎだらけでした。
ちょっといじったらすぐに音が出なくなって、直ったと思ったらまたすぐ出なくなって、の繰り返しでイライラしていたのを思い出しました 笑
サウンド比較
違いが分かりやすいと思いますので、是非、ヘッドフォン・イヤホンでお聴きください。耳を痛めない程度に、少し大きめの音で聴いていただいたほうが良いと思います。
自分の記録も兼ねてハイゲインからローゲインまで6本録ってみました。
ではいってみましょう!
サウンドCLIP① Unchained-Intro
9V
※再生できない場合はこちらから。
17v
※再生できない場合はこちらから。
サウンドCLIP② Panama-Intro
9V
※再生できない場合はこちらから。
17v
※再生できない場合はこちらから。
サウンドCLIP③ Panama-Bridge
9V
※再生できない場合はこちらから。
17V
※再生できない場合はこちらから。
サウンドCLIP④ Cause We've Ended As Lovers-Intro
9V
※再生できない場合はこちらから。
17V
※再生できない場合はこちらから。
サウンドCLIP⑤ Cause We've Ended As Lovers-Bridge
9V
※再生できない場合はこちらから。
17V
※再生できない場合はこちらから。
インプレッション
みなさんはどう感じられましたでしょうか?
劇的に変わる、というわけではないので音源なので伝わりづらいかも知れませんが、実際に弾いていると違いは結構感じました。
昇圧により変化は私はこう感じました。
- ダイナミックレンジが広くなった
- コンプ感が弱くなった
- 大人しいサウンドになった(派手さが弱まった)
- ハリ・艶感の変化は若干増した(予想した程ではなかった)
嬉しい変化ポイント
まず一番変わったなと思ったのはダイナミックレンジですね。
ハイゲインで弾いていると分かりづらいのですが、ローゲインだと如実に変わります。
③の音源のようにボリューム絞って弾くと、9vだとピッキングへの追従が悪く平坦でショボい感じになりがちなのですが、17vだとそこが改善されて立体的な音像に変わります。
ローゲインで繊細なプレイをする場合には、かなり良い効果を発揮します。
悩ましい変化ポイント
一方、ROCK色が少し落ちる点が歪みエフェクターとしては悩ましいところです。
歪みの派手さが無くなって落ち着いたサウンドになるのとコンプ感が弱くなります。
コンプ感がなくなるので、音の前に張り出す感・迫力が少し弱まります。
ダイナミックレンジとコンプ感はトレードオフですので、プレイスタイルに合わせて、どっちを取るかになるかと思います。
歪みの派手さと言っているのは、ミドル~ハイミッドの盛り上がり部分が少し奥にいく感じなんですよね。それによって、スイッチを変えた瞬間に、派手→大人しいに変わるように感じました。
ゲインが落ちているのかなと思いましたが、スイッチを切り替えてもゲイン自体は変わりありませんでした。
ダイナミックレンジが広がることで低域と超高域が増えているので、歪みは減っているけど出力されているパワー感は同程度、という感じです。
最後に
いかがでしたでしょうか。
歪みエフェクター特有のコンプ感+強い歪みでガンガンいきたい方は9vが好みかも知れませんし、繊細なプレイをしたい方には17vが良い選択肢になるかも知れません。
もっと昇圧してやると違いがより明確になるかも知れませんね。
私の愛器はオリジナルで作製した2段歪み回路のディストーションなのですが、これは、前段が歪みを作る部分(プリ部)、後段が増幅部(パワー部)となっています。
ビールが好きなもので、サウンドイメージに合うビールの種類をそのまま命名しました。
- 炭酸とホップの苦みがガツンと効いているGolden PILSNER
※マーシャル系サウンドなので、1959のようなプレキシ系を模したデザインにしています。 - 炭酸弱めで柔らかく芳醇なBrown ALE
※Golden PILSNERより少しFender寄りの味付けにしています。
今回の実験結果から、これのパワー部のみ昇圧しようかと考えています。
ガッツリ歪ませたい場合はプリ部を強めにして、繊細なプレイをしたい場合はパワー部を強めにすれば、ジェフベックからホワイトスネイクまでできるのではないかと考えています。(その腕があるかどうかはさておき・・・)
ではまた!
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