サウンドハウス

lenheyvan’s music

ギター、エフェクター製作、オーディオなど、大好きな音楽の話をしていきます。

【耳で比較してみよう】導電塗料は有りか?無しか?

どうも、lenheyvanです。

 

恒例になってきました「耳で比較してみよう」企画シリーズ、第3回目です。

 

今回は導電塗料+Full-Upボリュームです。

導電塗料のメリットは「ノイズを減らす」、デメリットは「ハイ落ち」と言われてますが、実際のところどうなのか試してみました。(音源あり)


あと、単に導電塗料を塗ってサウンド比較するだけではなく、私にはやりたいことがありました。

それは、ハイ落ちした部分を、SONICのFull-Upボリュームでカバーできないか?です。
Full-Upボリュームをそのまま使うと、ギターによってはちょっと音が固いんですよね。

導電塗料でハイ落ちしたギターに使えば、「ノイズが少ない」「ハイ落ち」しない、が実現できるのでは、という淡い期待です。


他の「耳で比較してみよう」シリーズ記事はこちら↓↓↓

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導電塗料とは


その名の通り、電気を通す塗料です。

エレキギターはコイル(ピックアップ)の上を弦が振動することでコイルに電流を発生させ、それをエレキギター内の回路を通ってアウトプットジャックから出力します。

コイルで発生した電流がアウトプットジャックに辿り着くまで、外来ノイズにさらされていますので、ここでノイズが混入され、それが「サー」「ジー」というノイズになります。

ギター信号に外来ノイズが飛び込んできても、入り込む前にグラウンド(アース)へ落ちてくれれば、ノイズ成分は捨てられるのでノイズが小さくなります。

これを導電塗料をピックアップや内部回路部分のキャビティ内に塗ることで、外来ノイズをキャッチして、グラウンド(アース)へ捨ててしまおうというのが、導電塗料の狙いです。

当然、ノイズを捨てるには、導電塗料で塗った部分がグラウンド(アース)へ接地されている必要があります。(弦アースと同じ仕組みです)

ここまでが導電塗料のメリットです。

しかしデメリットもあって、導電塗料は極小さなコンデンサ容量を持ちますので、僅かなローパスフィルター(意味的にはハイカットフィルターのほうが分かりやすいかも知れません)を生成するので、ハイ落ちします。

これをデメリットと捉えるか、メリットと捉えるかは人によって違いますが。


ノイズはどのくらい減るもんなんだろう?

ハイ落ちはどのくらいするんだろう?

が気になったので、実際に試してみました。

 

アイテム準備


今回実験台に使うのは、わたくしお手製の、元YAMAHA MG-MⅢのEVH Frankensteinギターです。


製作過程はコチラ

↓↓↓

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何故これにしたかと言うと、単純に、私が持っているギターの中でノイズが少し大きめだったからです。


今回必要なアイテムは3つです。


1.導電塗料


今回、使用したのはサウンドハウスさんで評判が良く、かつ、お手頃価格のSONICの「SP-01」です。

SONICさんて、Full-Upボリュームと言い、良い製品作ってますよね。


2.頭大きめのネジとワッシャー

ホームセンターで15個入りで150-200円くらいで売っています。
これは、導電塗料をグラウンドに落とすために必要です。

 

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こんな感じにして使います。

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3.小さめのハケ

これは、百均で十分です。

 

導電塗料を塗る

 

さて、では、早速塗っていきましょう。

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横着して弦張ったままやってますが、弦を外して行うことをお勧めします。
弦に塗料がつくと、取るが面倒だからです。

また、ボディの際部分はマスキングテープで保護したほうが良いです。
そうすれば、ギリギリまで攻めてボディ部に塗料がつく心配がありません。


↓ではシールドケーブルにも塗料がついてしまいました・・・
こういうのもマスキングテープで保護してからやりましょう。

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2度塗りするよう書いてあるので、全体的に塗ったら乾かします。
2-3時間くらいで乾くと思います。



これくらいになると二度塗りしてOKです。

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もう一回塗って乾いたら塗布作業は完了です。

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グラウンドに落とす

準備していたネジ・ワッシャーを使って、導電塗料がキャッチしたノイズをグラウンドに落とします。

ネジの頭とワッシャーの間に導線を巻いて、これをグラウンドに落とします。

なんてことはなく、ピックアップのマイナス側(以下のような二芯タイプだと導線を覆っているシールド線)やアウトプットジャックのマイナス側がグラウンドに落としてあると思いますので、そこに、今回追加した導線もハンダつけしてあげれば良いです。

 

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テスターを持っている方は、ここまでやったら、ちゃんと導通するかを確認しましょう。


サウンド比較

さて、いよいよサウンド比較です。


3パターンで音源を録りました。
もちろん、どれもギター・アンプのセッティングは全く同じです。

音源1(Gain高め)

①導電塗料なし+通常の500kΩポット

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

②導電塗料あり+通常の500kΩポット

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

③導電塗料あり+Full-Upボリューム(FV-12)

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

音源2(Gain低め)

①導電塗料なし+通常の500kΩポット

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

②導電塗料あり+通常の500kΩポット

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

③導電塗料あり+Full-Upボリューム(FV-12)

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

 

 

比較結果

 

Gain高めの冒頭部分を聴いてもらえば分かるとおり、導電塗料を塗布することで、ノイズは結構減りましたね。大きめの「ジー」から、小さめの「スー」に変わりました。

ノイズ削減効果は大きいです。

気になるハイ落ちですが、やはりハイは少し落ちますね。
少し柔らかめの印象です。超高域部分が丸くなったように感じます。


そして、Full-Upボリュームにすると、超高域が復活します。
ただ、予想はしてましたが、導電塗料を塗布する前と同じではないですね。

Gain低めのほうが分かりやすいですが、何というか、超高域の出ている量は同じなのですが、倍音の色気がほんの少し減った気がします。

①超高域が多めの信号 → 通常のボリュームポットでハイ落ち(※1)
②超高域が少なめの信号 → Full-Upボリュームでハイ落ちさせない

 

では、サウンドが異なるようです。

 


※1 「ボリュームポットでハイ落ち?」という方はコチラの記事をご参照ください。
↓↓↓

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つまり、一度落とした高域成分・倍音成分は元には戻せないということですね。

ただ、これ微妙な差です。
ノイズを減らしたいけど、高域が元気なサウンドが好きという方には良いと思います。

導電塗料でハイ落ちした後に、ボリュームポットをFull-Upボリュームに変えると、明らかにサウンドが元気になりました。(良い悪いではなく、サウンド傾向として)


私の結論としては、こんな使い分けかなと思いました。

①導電塗料なし+通常の500kΩポット
  ⇒ノイズはあまり気にならない。高域の出方にも不満は無い。

②導電塗料あり+通常の500kΩポット
  ⇒ノイズが気になるので落としたい。
   高域を少し抑えた落ち着いて太いサウンドが好み。

③導電塗料あり+Full-Upボリューム(FV-12)
  ⇒ノイズが気になるので落としたい。
   でも高域が元気で派手なサウンドが好み。


私のEVH Frankensteinギターは、当然VANHALEN用なので、Gain高めのセッティングで弾くのでノイズが気になる(落としたい)、かつ、高域が元気で派手に歪むサウンドがピッタリなので、③で落ち着きました。

 

これのあと、TeleGibもノイズが大きめだったので、導電塗料でノイズ対策しました。
TeleGibはもちろんJeffBeck用なので、太めで落ち着いたサウンドを狙って、②の状態(通常のボリュームポットのまま)にしました。

 

 

みなさんも、導電塗料とボリュームポットで、サウンド調整いかがでしょうか。

 

 

ではまた!