サウンドハウス

lenheyvan’s music

ギター、エフェクター製作、オーディオなど、大好きな音楽の話をしていきます。

バイアス調整の方法

どうも、lenheyvanです。

 

アンプいじりが高じて最近、バイアス調整を自分でやるようになりました。

 

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最初はおっかなびっくりでしたが、やってみると非常に簡単なもので、「こんなんで業者に高いお金を払っていたのかー」と思いました。

 

ま、そういう知識を持ってることに価値があるので、作業自体は簡単でもそれくらいのお金を取るのは当然ではあります。

 

なので、その知識を身に着けてみました。

 

バイアス調整くらい自分でやれるようになりたい、という方は是非やってみて欲しいと思います。

 

本記事ではざっくり概要だけ説明しています。

 

ある程度知識がある方であればこの程度で十分かと思いますが、回路をあまりいじったことない方は「ちょっと無理かな」と思うかも知れません。

 

でも大丈夫です。

 

実際の作業をどのように行うかは、書籍化しており、実際に回路をヘッドから引き出すところから、手順に沿ってバイアス調整を写真付きで実演しながら解説していますので、これが一冊読めば、あなたもバイアス調整を自分で気軽に行うことができちゃいます。

↓↓↓

バイアス調整は自分でできる!: もう真空管アンプに悩まされない。

 

はじめに

堅苦しいことを言って申し訳ありませんが、これは大事なことなので必ず読んでください。


真空管アンプには場所によっては400-500vという高電圧がかかっています。

たとえ電源を切ったとしても、大容量コンデンサには高電圧が蓄積されています。

 

そのため、不用意のこれらを触ってしまうと感電し、場合によっては感電死のリスクもあります。

バイアス調整、真空管交換の作業においては、万全の注意のうえ、ご自身の責任で行ってください。



少し怖がらせてしまいましたが、ちゃんとルールを守ってやれば、必要以上に怖がる必要はありません。

 


私は次のことを守って作業しており、いつも楽しくバイアス調整、真空管交換しています。

  • アンプ内部をいじる場合は必ず電源(スタンバイスイッチだけでなく)を切ってから行う
  • 厚手の軍手かゴム手袋を着用する(直接コンデンサ等に触れないようする)

  • 必ず片手で作業する
    (両手で触って万が一感電した場合、アンプ→片手→心臓→片手→アンプというループができてしまい、心臓に電流が流れて非常に危険)

 

バイアス調整の手順

 

それではバイアス調整の手順を解説していきます。

0.アッテネーター経由でキャビネット接続

スパイクノイズでスピーカーを痛める可能性があるので、アッテネーター経由でキャビネットに接続する。
 
  アンプ→アッテネーター→キャビネット

 

 

1.コントロールグリッドのバイアス電圧を深くしておく

以下のとおりテスターを挿す。電源ONで-45V程度のマイナス電圧がかかる。ここで半固定抵抗を回して、この数値を小さくしておき、バイアス調整時に突然大きな電流がかからないようにする(-50Vとか)
 

 プラス側  :5番ピン(コントロールグリッド)
 マイナス側 :8番ピン(カソード)

 

 

2.プレート電圧(Ep0)の測定

以下のとおりテスターを挿す。電源ONではまだ電圧がかからない。スタンバイONにすると電圧がかかる。

 

この電圧から5~10V引いた値がEp0になる。
 
 プラス側  :3番ピン(アノード(plate))
 マイナス側 :8番ピン(カソード)

 

 

3.適正電流値の計算

以下数式で計算する。

 (PD/Ep0)*0.7=Ip0

 

これに3~4mA足した値が適正電流値(Ip0)になります。

 

 PD :プレート損失(W) ※EL34は25W
 Ep0 :プレート電圧(V)
 Ip0 :アイドリング電流(プレート電流)(mA)

 

 

4.バイアス調整

以下のとおりテスターを挿す。

 

スタンバイONにて電流が流れるので、半固定抵抗を調整して、目的の数値まで上げる。

 プラス側  :1Ω抵抗(※1)の1番ピン側
 マイナス側 :1Ω抵抗(※1)のGND側

 ※1 1番ピンとGNDの間に1Ω抵抗を事前に取り付けておきます。

 

はい、以上終了です。

 

慣れるとここまでで30分あれば十分です。

 

私はプリ管と同じ感覚でパワー管を交換し、ささっとバイアス調整して、サウンドの変化を楽しんでいます。(いわゆる球ころがし)

 

おわりに

 

アンプ内部の回路は少し知識が無いとキケンなので、専門業者の聖域であり素人は触っちゃいけないというような風潮があります。


ただ、海外では自由にアンプをD.I.Yしたりモディファイしています。


そういうところはすごく皆自由に、かつ、活発に行っています。

 

YouTubeでも回路図を見せながら、

「ここの抵抗をこっちに付け替えてみよう。さあ、どんなサウンドになるか楽しみだ。」

とか言いながらハンダごてでいじりながら、最後にBefore/Afterを実際に聴き比べてみる、なんて動画もごろごろ転がっています。

 

「ちゃんと安全に配慮したうえで思いっきり楽しむ!」という文化が日本にもできると、もっと楽しくてHAPPYな世界が待っていると私は本気で思っています。

 

ではまた!

 

(2022/3/12 追記)

さらにアンプいじりが高じ過ぎて、真空管アンプの回路解説、モディファイ方法についての電子書籍を出版しました。

kindle unlimitedに入っている方は「読み放題」に入ってますので無料で読めますので是非どうぞ!

 

真空管ギターアンプの仕組み(前編)
~回路図の解説~



真空管ギターアンプの仕組み(後編)
~モディファイの実践方法~



そして、辿り着いた私なりのブランドサウンドがコチラです。

↓↓↓

lenheyvan.hateblo.jp