どうも、lenheyvanです。
またまた、「耳で比較してみよう」企画シリーズの第4回目です。
他の「耳で比較してみよう」シリーズ記事はこちら↓↓↓
はじめに
今回は最近よく話題にあがるバッファについてです。
「バッファとは何か?」については色々サイトで既に解説されているので、詳細は割愛しますが、一言で言うと、
ピックアップから出力される信号は弱くて劣化しやすくノイズも混入しやすいので(=ハイインピーダンス)、バッファで信号を強くする(=ローインピーダンス)ことで対策しましょう
というものです。
そのため、バッファはピックアップから出力された信号から一番近いところに置くのが定石です。プロビデンスのVITALIZERなんかはギターに内蔵してしまうタイプも販売してますね。
これならピックアップから信号出力後に最短距離でバッファをかけれます。
「劣化しやすい」「ノイズ乗りやすい」と言っても、耳で聞いて分かるの?と思う方もいるかも知れませんが、結構顕著にサウンドに出ます。
例えば、スタジオやスライブで弾く場合、ギターから5mのシールドケーブルでエフェクターボードへ、そこからまた5mのシールドケーブルでアンプへ、なんて感じですよね。
つまり、10mのシールドケーブルの中を弱い信号が通っていくので、信号が劣化していって、サウンド的には高音域が落ちてモコモコしてきます。(そのサウンドが好きという方はバッファ不要ですが)
また、話をややこしくするのが、トゥルーバイパスではないエフェクターのバッファです。BOSSのエフェクターなんかはOFF時でもバッファ回路を通るようになっているので、多少の味付けがされます。
これが好きな人はそのままで良いですが、好きではない場合はちょっと困っちゃいます。かと言って全部トゥルーバイパス仕様のエフェクターだけで構成すると、信号が弱いままという課題は残ります。
そこでバッファの出番です。
「いやいや、最初にバッファ通しても、後段のエフェクターでバッファ通ったら意味ないでしょ」と思うかも知れませんが、性質上、バッファは最初にかけたものの効果が支配的になるので、好きなバッファを初段でかけておけば、後段はそこまで気にしなくても大丈夫です。
「じゃあバッファをボードに組みこもう!」となった時に気になるのは、元のサウンドを好きじゃない方向に変化させてしまわないか?です。
単純に信号を強くするだけ、とは言っても、電子パーツを通してインピーダンス変換するので、サウンド的に全くの無変化とはいきません。
というわけで、前置きが長くなりましたが、手持ちのバッファペダルでサウンド変化の検証をしてみようという企画です。
出場選手紹介
では、出場選手紹介です。
手持ちのバッファ(バッファ専用ではないものもありますが)は3つあったので、それで検証を行います。
エントリーNo.1:PROVIDENCE / VZW-1 VITALIZER WV
バッファとして有名な、プロビデンスのバイタライザーです。
冒頭で出てきたもののペダル版です。
スイッチはありませんので、(ダジャレではないですが)常時ONで使用する仕様です。
デジマート実験室でも効果の程を検証していたので、知っている方は多いかも知れません。
エントリーNo.2:Ex-pro / 32volt CLEAN BOOSTER
高品質なクリーンブースターとして有名なEx-proの32voltです。名前の通り、内部で32voltに昇圧しているためヘッドルームが広く、歪み無しでクリーンにブーストしてくれます。今回はバッファとして使用するので、ON/OFFでゲイン量が変化が無い状態(9時方向くらい)で、BASSとTREBLEはフラットにして検証します。
エントリーNo.3:TC ELECTRONIC / Polytune3
高精度かつ使いやすいインターフェースで、最近、チューナーと言えばコレを使っている方が多いと思いますが、実は高品質なバッファが内蔵されています。ただ、工場出荷時はOFFになっています。
ONにするには裏蓋空けて、内部のdipスイッチをONにする必要があります。
内蔵のバッファはBONAFIDEというもので、実はこれ単品でペダルとして販売されています。チューナー機能もバッファ機能も気にいっているという方はPolyTuneで、チューナーは他の製品を使っているという方はペダルがいいかもです。
サウンド比較
ギター
→(5mのシールドケーブル)
→バッファ
→(5mのシールドケーブル)
アンプ
という環境で録音してます。
動画を作ってみましたので、まずは観て聴いてみてください。
微小な差異なので音源だと分かりにくいかも知れませんが、実際弾き比べてみると、私はこんな印象を受けました。
■原音(direct)
いつも聴いている馴染みのサウンドなので、特にコメントはありません。
これが基準です。
自分でアンプを改造して作りあげたサウンド(Ice-Crashサウンド)だけあって、私的にすごく弾いて楽しいサウンドです。
※真空管ギターアンプの仕組みについて書籍出してますので、興味がある方は是非
■エントリーNo.1:PROVIDENCE / VZW-1 VITALIZER WV
若干、高音~超高音が落ちて、落ち着きがあるサウンド。
メーカー説明で
「敢えてHi-Fiになりすぎないようにしたプロビデンス独自の工夫が施されているActive Impedance Converterです。いわゆる"アクティブ臭さ"を極小に抑えた自然で、楽器ならではの原音にできるだけ忠実な信号を出力」
とある通りですね。
バッファって一般的にHi-Fiになる傾向があって高音が不自然にキラキラし過ぎる場合があるんですよね。それをうまく抑えて、自然なサウンドに仕上げている印象です。
■エントリーNo.2:Ex-pro / 32volt CLEAN BOOSTER
これはほとんど変わらないですね。
敢えて言うならば、ほんのちょっとだけミドルにパワー感があるというか、味付け程度に筋肉がついたように感じます。ただ、ほんの僅かな差異です。
これは全く変化なしです。
32voltが3mmくらい変わったとすると、これは0.5mmも変わってないんじゃないかというくらい変わらないですね。
動画では録ってないですが、クリーントーンでON/OFFもやってみましたが、全然違いが分かりませんでした。
ということはバッファの効果が弱いのか?と一瞬思いましたが、そんなことも全然無く、ノイズがしっかり落ちています。
私的にはこれが一番好きですね。
「何も足さない、何も引かない」という某ウィスキーのようです。
音源フルバージョン
YouTube動画では、4パターン録ったものを切り貼りして、切り替えしながら聴かせるようにしましたが、フルバージョンもココに載せておきますので、ご参考になさってください。
ノイズについて先程述べましたが、バッファ通すと、ノイズが減りますので、それも録ってみました。録音したときの環境(家族が電子レンジ使ってたりするとノイズ乗ったりしますし・・・)もあるのでノイズについてはこの音源だけを頼りにしないほうが良いと思いますが、実際にやってみた結果から言うと、総じてバッファを通すとノイズが減ります。
そのため、アンプ側のゲインを上げていくとどこかの位置でタイミングでピーっとハウリングしますが、その位置が後ろになります。つまり、より強力に歪ませられるという利点もあります。
■ノイズ
※再生できない場合はこちらから。
②PROVIDENCE / VZW-1 VITALIZER WV
※再生できない場合はこちらから。
③Ex-pro / 32volt CLEAN BOOSTER
※再生できない場合はこちらから。
④TC ELECTRONIC / Polytune3
※再生できない場合はこちらから。
■デモ演奏
①原音(direct)
※再生できない場合はこちらから。
②PROVIDENCE / VZW-1 VITALIZER WV
※再生できない場合はこちらから。
③Ex-pro / 32volt CLEAN BOOSTER
※再生できない場合はこちらから。
④TC ELECTRONIC / Polytune3
※再生できない場合はこちらから。