どうもlenheyvanです。
エディに憧れるギタリストは絶対持っていなければならない、と中学校でも習ったMXRのPhase90とFlanger(M117R)ですが、今回はPhase90の痒いところに手を届かせる改造についてです。
もちろん、ビンテージエフェクターについても同様の方法で改造が可能です。
Phase90は今も現役(2021/8現在)で販売されていますが、通常版と復刻版があります。主な違いは次のとおりです。
・スクリプトロゴ
・LEDあり
・DCジャックあり
・エフェクトONにするとゲインが少し上がり、かかり方がエグい
- 復刻版(CSP026 '74 Vintage Phase 90)
・筆記体ロゴ
・LEDなし
・DCジャックなし
・エフェクトONにしてもゲインは変わらず、かかり方が爽やか
現行版で一番嬉しいような嬉しくないようなところはゲインが上がるところです。
ゲインが上がるので音量も少し上がります。
バッキングで特定のパートのみかける、なんて場合は急に音量が大きくなるので勝手が悪いんですよね。
逆にギターソロで目立たせたい、なんて場合はこっちのほうが嬉しいかも知れません。
これがイヤで、かの有名なR28 Modでビンテージ・復刻版同様のシュワシュワ爽やかフェイザーにしている方も多いかと思います。
エディは結構、前者の使い方があったりするのでVANHALENやるなら復刻版かなと思い、購入しました。
現行版がぎゅわわ~ん だとすると
復刻版はしゅわわ~ん です。
復刻版は守備範囲が広く感じます。
クランチ気味でカッティングなんかすると、ちょっとオシャレな雰囲気を演出できます。
そしてもう1点悩ましいのが復刻版はDCジャックがついてないところです。
ノイズ除去の観点からは電池最強なのですが、切れるかも知れないというところに神経を使いたくないので、歪み系も何でも、私はもっぱらACアダプタ派です。
あと、LEDがついてないのでON/OFFが分からないところも実践ではちょっと使いにくいところです。意図しないところでONになったりOFFになったらイヤなので。
というわけで、DCジャック増設&LED追加プロジェクトです。
ついでにフットスイッチも3PDTスイッチに交換してTrueBypassにしちゃいます。
作業工程は以下のとおりです。
- 位置決め
- ケース穴あけ
- 既存配線の確認&把握
- パーツ取り付け(DCジャック、LEDホルダー、3PDTスイッチ)
- 配線
1.位置決め
3PDTスイッチは既存のSPDTスイッチ(フットスイッチ)と径が同じだったので加工無しで取り付け可能でした。
なので、穴あけはDCジャックとLEDホルダーの2箇所です。
まずは内部キャビティ内のスペース的に問題なさそうな場所を探します。
LEDは割と狭い場所でも取り付け可能ですが、DCジャックは少し内部にスペースが必要です。
スペース的に余裕ありそうなのは、IN/OUTジャックの下のほうです。
DCジャックはOUTジャックのすぐ下が使いやすくて好きなのでそこにします。
LEDは現行品や一般的なエフェクターではど真ん中が多いですが、オリジナリティ出したいのとそこじゃないほうがバランス的にカッコ良さそうなので違う場所にします。あまり迷うこともなく直感で右上にしました。
2.ケース穴あけ
穴あけ加工はTAKACHIやHAMMONDで散々やってきましたが、MXR製ケースの加工は初です。
まずはいつも通り場所を決めたら、ドリルがズレないようにセンターポンチで小さな窪みを作ります。
では、電動ドリルで穴あけしていきます。
最近はステップドリル(タケノコみたいに段々になっているやつ)が楽なので、これで一発で空けます。
ちゃんと抑えてないとケースごと回ってしまい、ドリルが持っていかれて最悪ドリルが折れて飛んできてキケンなので、しっかりケースを抑えます。
あれ?入っていかない
っていうか熱ッ!
ステップドリルが入っていかず、クルクル回っている内に摩擦熱でケースがゲキ熱になりました・・・
MXR製ケース(と言うか他メーカーの市販品も同じ?)はちょっと厚めで、1000円程度の安いドリルではダメなようです。
TAKACHIやHAMMONDでは普通に空けれたんですけどね。
そこで、ホームセンターで購入した普通のドリルに替えて、小さい穴を空けます。
今度はすんなりいきました。
ちょっと汚いですが・・・
ここからまたステップドリルに替えて穴あけします。
おう、いけるいける。
ガコッ!
あぶねー
慎重にやっていたつもるなのですが、危なく大きすぎる穴を空けてしまうところでした。
ステップドリルは上から圧をかけすぎると、一気に大きな穴が空いてしまうので要注意。適度な圧で、一段づつあけていきましょう。。
DCジャック、LEDホルダーを通してみて、ぴったりの穴ができたので、ちょっと汚いですがこれにて穴あけは終わりです。
3.既存配線の確認&把握
パーツ取り付け&配線の前に、既存配線を確認しておきます。
見たところこんな感じになっているようです。
①電池ホルダーから繋がっている赤の線が基板の電源プラスへ
②電池ホルダーから繋がっている黒の線がINジャックのマイナス(スリーブ)へ
③INジャックのプラス(つまりギター信号)がSPDTスイッチのINへ
④SPDTスイッチのINから基板INへ
⑤基板OUTからSPDTスイッチの端子1へ
⑥SPDTスイッチの端子2からOUTジャックのプラスへ
⑦基板のGND線はOUTジャックのマイナスへ
⑧INジャックのGNDとOUTジャックのマイナスを結線
シンプルな配線だけど、字で書くと分かりにくい・・・
絵で書くとこんな感じです。
割と分かりやすい配線なのですが、意外だったのが「INジャックのGNDとOUTジャックのマイナスを結線」の部分。
これGNDループになっちゃんじゃないのかな??
ついでなので一点アースにしちゃいましょう。
これで設計フェーズは完了です。
4.パーツ取り付け(DCジャック、LEDホルダー、3PDTスイッチ)
最初にスペース的に問題ないか確認したものの、いざ取り付けると予期せぬ問題が出ることも度々ありますが、今回は大丈夫なようです。
DCジャックは十分余裕ありです。
六角ネジもモンキーレンチでしっかり締めれます。
たまに、モンキーレンチが入るスペース無くてラジオペンチで締めることもあるけど、ちゃんとガッチリ締めれないのとネジがなめってくるのがイヤなんですよ。その点今回は問題ありません。
LEDホルダーはちょっとスペース小さい目なのでさすがにモンキーレンチは入らないのでラジオペンチで締めます。
ガッチリではないけど十分締めれましたのと、後でホットボンドで固定するのでこれでOK。
3PDTスイッチは、ケースにスリットが入っているのでそれに合わせて取り付けます。
あれ!?縦になっちゃった。
いつも横にして取り付けしているのでちょっと違和感。
まあ、外からの見た目は変わらないし、配線上も問題はないのでこれでOK。
5.配線
作業後の配線図はこんな感じになります。
では項番1に記載した既存配線からの変更ポイントを赤字で記載します。
①電池ホルダーから繋がっている赤の線が基板の電源プラスへ
→基板の電源プラス箇所にもう1本線を追加して、DCジャックへ接続します(電池もそのまま使用できるように電池ホルダーの線はそのままにしておきます)
②電池ホルダーから繋がっている黒の線がINジャックのマイナス(スリーブ)へ
→INジャックのマイナスにもう1本線を追加して、3PDTスイッチの5番(GND)へ結線します。(黒の線はこのままにしておきます。理由は①と同じです。)
③INジャックのプラス(つまりギター信号)がSPDTスイッチのINへ
→SPDTスイッチから外して3PDTスイッチの4番(IN)へ結線します。
④SPDTスイッチのINから基板INへ
→SPDTスイッチから外して3PDTスイッチの1番(基板IN)へ結線します。
⑤基板OUTからSPDTスイッチの端子1へ
→SPDTスイッチから外して3PDTスイッチの3番(基板OUT)へ結線します。
⑥SPDTスイッチの端子2からOUTジャックのプラスへ
→SPDTスイッチから外して3PDTスイッチの6番(OUT)へ結線します。
⑦基板のGND線はOUTジャックのマイナスへ
→OUTジャックから外して3PDTスイッチの5番(GND)へ結線します。
⑧INジャックのGNDとOUTジャックのマイナスを結線
→この線を切断します。そして、INジャックのGNDとDCジャックのマイナスを結線します。(これでGNDループを断ち切って一点アースになります)
----- ↓↓↓追加作業ここから↓↓↓ -----
⑨LEDを取り付けます。筐体がオレンジ色なので同系統の色にしようと在庫を見ていたら、桜色が余っていたのでこれを採用します。LEDのプラスはDCジャックのプラスへ結線、LEDのマイナスは3PDTスイッチの2番(ON時のGND。LED切り替え用。)へ結線します。LEDは下に抜けてこないようにホットボンドで固定します。
⑩3PDTスイッチの7番(OFF時のIN)と9番(OFF時のOUT)を結線します。これでスイッチOFF時にTrueBypassされます。
⑪最後に、1番(基板IN)と8番(OFF時のGND)を結線します。これはスイッチOFF時に基板INをGNDへ落とすことでポップノイズを防ぐためです。
----- ↑↑↑追加作業ここまで↑↑↑ -----
ハンダ取り・ハンダづけ作業のちょっとした注意点と言うかコツです。
基板のハンダを除去して新たに配線する際ですが、そのままハンダごてで温めても中々溶けない(吸い取り線が吸ってくれない)場合がよくあります。
抵抗ならまだしも、オペアンプやダイオードなどは熱に弱いので温めすぎると熱で壊れてしまいます。
私がよくやるのは、除去したい箇所に敢えてハンダを盛ってから吸い取り線で吸い取るとキレイに短時間で除去できます。
例えば、①の基板の電源プラス箇所のハンダを除去してもう1本追加するところですが、最初はこんな状態になっています。
ここにハンダを盛ります。
そして吸い取り線で吸い取ると、こんな感じにキレイに除去できます。
あとは普通にハンダづけすればOKです。
あと、ハンダづけするときに本来の使い方ではないですがヒートクリップが意外と役立ちます。
こんな感じで固定してハンダづけすると両手が使えて楽ちんだし確実に取り付けできます。
最後に
これで完成です。
組み上げるとときに気づいたのですが、基板に半固定抵抗(トリマー)がついていました。
左に回すとシュワシュワが弱くなり、右に回すとやっぱりシュワシュワが弱くなり、デフォルトのセンターが一番シュワシュワが強めです。なんじゃこりゃ・・・
よく分からんけど、センターが一番好みだったのでデフォルトの状態に戻しました。
何を調整する抵抗か分かりませんが、自分が一番気持ち良いところがセンターだったのでこれでOKです。
音出しして問題ないことを確認。
現行版とモディファイ復刻版の2ショット写真です。
復刻版の筆記体ロゴが好きです。
LEDはもう少し右隅に寄せても良かったかも知れませんが、やり過ぎるとネジを回せなくなるので、これで良しとします。
このモディファイはPhase90以外にも適用できると思います。
ではまた!