サウンドハウス

lenheyvan’s music

ギター、エフェクター製作、オーディオなど、大好きな音楽の話をしていきます。

ギターの配線材に同軸ケーブルを使ったらノイズが激減するのか!?

どうも、lenheyvanです。

前回から引き続きOrvilleレスポールのグレードアップです。

前々から気になっていたことがありまして、私のOrville君の配線材のHOT線がすごく細い(撚り線の数が少ない)ので、ポテンシャルを発揮できてないのでは?です。

どれくらい細いかと言うと、こんな感じです。


気になるとすぐ試してみたくなる性分でして、早速、配線材は何が良いのか調べてみました。

色々見た結果、候補として挙がったのはこれらです。

1.Belden 8503 22AWG Wire 
2.22AWG クロスレプリカ <撚り線/はんだめっき>
3.Cloth Replica <シ-ルド>
4.Cloth Replica <Solid>
5.SONIC/ HW-02 HOOKUP WIRE
6.4N純銀単線
7.4N純銀撚り線

どっかで見たラインナップだなと思ったアナタ。
鋭いです!

そうです。
デジマート実験室のコラムを読んで・聴いて、かなり参考にさせて頂きました。
毎回面白い企画でギタリスト必見ですよね。

www.digimart.net



候補の内、デジマートの音源聴いたりYouTubeで色々な動画を見ると、単線は派手にギャリンギャリンするようなので、もうちょっとギターの美味しいミドル帯域が強めがいいかなーと思い撚り線にすることにしました。

あと、SONICのHW-02(デジマートの記事ではHW-01でしたが、今はHW-02しかヒットしなかったので後継の線材かと思います)も良さそうだったのですが、ちょっとお高めなので、候補から外しました。

というわけで、取り寄せたのは以下3つです。

「3.Cloth Replica <シ-ルド>」は、ピックアップの一芯タイプの網網のやつとほぼ同じです。Garrettaudioさんで全て揃いました。

1.Belden 8503 22AWG Wire 


2.22AWG クロスレプリカ <撚り線/はんだめっき>


3.Cloth Replica <シ-ルド>


あと、もう1つ。
やってみたかったのが、私のアンプに採用した同軸ケーブルの「RG188A/U」を使ったらどうなるかです。

アンプの話については解説本を出版してますので、興味のある方はどうぞ。
KIndle Unlimitedに入っている方は無料で読めます。

--------------------------------------------------------------
真空管ギターアンプの仕組み(前編)
~回路図の解説~
https://www.amazon.co.jp/dp/B09TX9N7HX

真空管ギターアンプの仕組み(後編)
~モディファイの実践方法~
https://www.amazon.co.jp/dp/B09TXB4NFZ
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前は「RG-174/U」を使っていたのですが、オヤイデ電気さんのサイトにある特性表見ると、「RG188A/U」のほうが良さそうだったのと、ネットフリマで安く手に入ったので、これを使ってます。

shop.oyaide.com



というわけで、まずやってみるのは、Orville君の配線を全て「RG188A/U」に交換です。

交換前の状態を見ていきます。

トグルスイッチ部

キャビティ内


ピックアップ下の配線



では、既存配線を全部外していきます。



全部外しました。
う~ん、やはり細いなー


では、「RG188A/U」を用意して、これで配線していきます。


緑の線が見えますが、これはグラウンド用の太い線です。
グラウンド線は一般的に太いほうが良いと言われるので使ってみました。


配線完了です。


では、試してで音出ししてみます。


ん!?

太い!
そして歪みづらい!

ローミッドがガッツリ出る分、ハイが弱めになり、いつものゲイン量でも歪みが少ないというか大人しいというか、歪み過ぎない感じです。

シールド線て、中央にHOT線があって、それをシールド線が囲むことでHOT線へのノイズの飛び込みを防ぐのですが、シールド線があることでハイが若干落ちるんですよね。一番ハイ落ち影響の少ないものを選んではいますが、全部はやり過ぎだったようです。

いや、このサウンドが好きな人もいると思うので、悪いというわけではなく、私の好みには合わなかったというだけなんですが。

例えば、duncanのANTIQUITYを乗せて、クラシックな70'sロックサウンドツェッペリンやるぜー的な方には、ピッタリかも知れません。

私はEVHサウンドが好きなので、ちょっとやり過ぎたかなと思い、1本だけ汎用の線に変えてみました。

P.U.→(①)→キャビティ(Volume等)→(②)→トグルスイッチ→(③)→OUTPUTジャック
※①はP.U.にデフォルトでついているシールド線

という配線になってますが、最後の③の線をいつもエフェクターの配線に使っているものに暫定で変えてみました。


オレンジの線がそれです。



もう一度音出し。


う~ん、、、あまり変わらない・・・
何でだろう?「RG188A/U」が合わないのか??

※後でこのオレンジの線が合ってなかっただけということが判明しますが。。。

元々ついていたシールド線は敢えてシールド効果を弱くすることで、ギターに適したサウンドに調整していたのだろうか、と思い、それであればシールド線やめて、全部以下の線材にしたらどうだろう?

1.Belden 8503 22AWG Wire 
2.22AWG クロスレプリカ <撚り線/はんだめっき>

ということで、今度は全て「Belden 8503」に配線し直してみました。

※もはやこの辺から疲れ過ぎて写真撮るの忘れてました。というか撮ってません。


再び音出し。


ざーーーー


ノイズめっちゃ入るー。。。
やっぱシールド線の効果は大きかった。


よし、ちょっと冷静になろう。
落ち着けオレ。


P.U.→(①)→キャビティ(Volume等)→(②)→トグルスイッチ→(③)→OUTPUTジャック

②の線は、フロントピックアップとリアピックアップの信号がキャビティ側からトグルスイッチへ流れている(2本)。③はその逆向きで、トグルスイッチからOUTPUTジャックへ信号が流れている(1本)。

この3本が同じルートを通すように配線されているので、少なくとも、前述の2本と後述の1本のどちらかはシールド線にしたほうが良いだろう。

じゃあどっちが優先かと言うと、上流でノイズが入らないようにするほうが良いだろうから、前述の2本をシールド線にして、後述の1本を通常のワイヤーにするのはどうだろう?

ということで、再び「RG188A/U」登場。
②部分は「RG188A/U」で配線し、③は「Belden 8503」にしました。

③は「22AWG クロスレプリカ」と迷ったのですが、Beldenは中高域が強め、クロスレプリカは中音域が強めの印象だったので、HM専用機にしているこのレスポールにはBeldenがBESTチョイスという考えです。

P.U.がゲイン高いものを採用しているので、高音域が引っ込みがちというのも一因です。

これで改めて配線し直して、もう一度音出し。


おーーー、、いい音!
ノイズも乗らないし、低音が変に削れるわけでもなく、中高域がスパンと抜けてくる感じ、好印象です。


というわけで配線材はこれで決まりました。

このあと、他にギターも同じ手法で、③の部分だけ「Belden 8503」と「22AWG クロスレプリカ」を使い分けながら配線し直して、なんかグレードアップした気分です。

音源録って比較すれば違い分かるんでしょうけど、そんな気力は無いのでやってません。ブラインドテストしても違い分かるか分かりませんが、少なくともサウンド面・ノイズ面ともに悪い方向にはいってないので大満足です。

自分が気持ち良いと思えばいいんですよねー、こういうのは。

というわけで、今回はだいぶ疲れましたが、最後は気分よく終わりました。
ギター君たちが喜んでくれているような気がします!

ではまた!

 

Orvilleレスポールのナット交換

どうも、lenheyvanです。

 

今やJAPANヴィンテージとなっている私のOrville君ですが、1997年くらい(約25年前)に新品購入してからナットは一度も変えてないので、そろそろ交換してあげようかと思います。



現状のナットはこんな感じです。
牛骨のオイルナットなんでしょうかね?



これを、以前TeleGibにも使ったTUSQに交換しようと思います。

真っ白なのでオイルナットのVintage感はなくなりますが、このレスポールはHM専用機として使っているので、私的には逆にOKです。

 

ピックアップは、
 フロント:duncan SH-11(Custom Custom)
 リア  :WolfeTone Timbre
とパワーのあるものを搭載してます。

え?WolfeToneというメーカーは聞いたこと無い?

ですよね。日本ではマイナーなメーカーですが、中々良いです。
Jim Wargner(WCR)なんかは最高だし、海外のピックアップメーカーの層は厚いですね。

過去記事でレビューしてますので気になる方はコチラをご参照ください
↓↓↓

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TeleGibでやったときは初めてでドキドキでしたが、今回は2回目なので少し自信がついてきました。

※TeleGibの交換作業はコチラ↓↓↓

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1.ナットを外す

当て木をして、軽くコンコンと叩いて接着剤と分離してあげます。
※ナット部の木材が剥がれてしまうのでくれぐれも強く叩かないように。


ポロっと簡単に取れました。


だいぶ前にやったのですっかり忘れてましたが、薄い金属をシム代わりに入れてました。

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さあここから新しいナットを整形していきます。


並べてみると、横幅はそのままでいけそうですが、高さは結構削る必要ありますね。


紙やすりで削っていきます。
↓の画像は400番のものです。



20-30分くらい、削っては元のナットとサイズ比較を繰り返して、いい感じになりました。元々入れていたシムの上に旧ナットを乗せても新ナットのほうが高いですが、これからやる溝切りで弦高が低くなり過ぎるリスクがあるので、それを考慮してこの辺で削る作業は一旦やめます。



ここで溝切り工具の登場です。

エクストラライトゲージを張るので、それと同じくちょっと広めの溝サイズでやります。



仮で挟んでみると、なんだか下部の角度が合ってないですね。


作業に夢中になり写真取れてませんでしたが、下部をいい角度になるように削って整形した後、溝切りしていきます・・・

写真撮れてなかったので、イメージだけ↓↓↓


削っては当ててみて、


また、削っては当ててみて、


おしっ、いい感じ!ナット加工完了です。


旧ナットつけていたときの接着剤が残っているので、軽くヤスリで除去します。


瞬間接着剤をほんの少しだけ、三か所くらいつけます。


弦を張って少し弾いてみて。うん、OK!


自分でやれば費用は最小限で済むし、自分好みに微調整もできちゃうのでオススメです。

ではまた!

【耳で比較してみよう】導電塗料は有りか?無しか?

どうも、lenheyvanです。

 

恒例になってきました「耳で比較してみよう」企画シリーズ、第3回目です。

 

今回は導電塗料+Full-Upボリュームです。

導電塗料のメリットは「ノイズを減らす」、デメリットは「ハイ落ち」と言われてますが、実際のところどうなのか試してみました。(音源あり)


あと、単に導電塗料を塗ってサウンド比較するだけではなく、私にはやりたいことがありました。

それは、ハイ落ちした部分を、SONICのFull-Upボリュームでカバーできないか?です。
Full-Upボリュームをそのまま使うと、ギターによってはちょっと音が固いんですよね。

導電塗料でハイ落ちしたギターに使えば、「ノイズが少ない」「ハイ落ち」しない、が実現できるのでは、という淡い期待です。


他の「耳で比較してみよう」シリーズ記事はこちら↓↓↓

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導電塗料とは


その名の通り、電気を通す塗料です。

エレキギターはコイル(ピックアップ)の上を弦が振動することでコイルに電流を発生させ、それをエレキギター内の回路を通ってアウトプットジャックから出力します。

コイルで発生した電流がアウトプットジャックに辿り着くまで、外来ノイズにさらされていますので、ここでノイズが混入され、それが「サー」「ジー」というノイズになります。

ギター信号に外来ノイズが飛び込んできても、入り込む前にグラウンド(アース)へ落ちてくれれば、ノイズ成分は捨てられるのでノイズが小さくなります。

これを導電塗料をピックアップや内部回路部分のキャビティ内に塗ることで、外来ノイズをキャッチして、グラウンド(アース)へ捨ててしまおうというのが、導電塗料の狙いです。

当然、ノイズを捨てるには、導電塗料で塗った部分がグラウンド(アース)へ接地されている必要があります。(弦アースと同じ仕組みです)

ここまでが導電塗料のメリットです。

しかしデメリットもあって、導電塗料は極小さなコンデンサ容量を持ちますので、僅かなローパスフィルター(意味的にはハイカットフィルターのほうが分かりやすいかも知れません)を生成するので、ハイ落ちします。

これをデメリットと捉えるか、メリットと捉えるかは人によって違いますが。


ノイズはどのくらい減るもんなんだろう?

ハイ落ちはどのくらいするんだろう?

が気になったので、実際に試してみました。

 

アイテム準備


今回実験台に使うのは、わたくしお手製の、元YAMAHA MG-MⅢのEVH Frankensteinギターです。


製作過程はコチラ

↓↓↓

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何故これにしたかと言うと、単純に、私が持っているギターの中でノイズが少し大きめだったからです。


今回必要なアイテムは3つです。


1.導電塗料


今回、使用したのはサウンドハウスさんで評判が良く、かつ、お手頃価格のSONICの「SP-01」です。

SONICさんて、Full-Upボリュームと言い、良い製品作ってますよね。


2.頭大きめのネジとワッシャー

ホームセンターで15個入りで150-200円くらいで売っています。
これは、導電塗料をグラウンドに落とすために必要です。

 

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こんな感じにして使います。

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3.小さめのハケ

これは、百均で十分です。

 

導電塗料を塗る

 

さて、では、早速塗っていきましょう。

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横着して弦張ったままやってますが、弦を外して行うことをお勧めします。
弦に塗料がつくと、取るが面倒だからです。

また、ボディの際部分はマスキングテープで保護したほうが良いです。
そうすれば、ギリギリまで攻めてボディ部に塗料がつく心配がありません。


↓ではシールドケーブルにも塗料がついてしまいました・・・
こういうのもマスキングテープで保護してからやりましょう。

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2度塗りするよう書いてあるので、全体的に塗ったら乾かします。
2-3時間くらいで乾くと思います。



これくらいになると二度塗りしてOKです。

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もう一回塗って乾いたら塗布作業は完了です。

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グラウンドに落とす

準備していたネジ・ワッシャーを使って、導電塗料がキャッチしたノイズをグラウンドに落とします。

ネジの頭とワッシャーの間に導線を巻いて、これをグラウンドに落とします。

なんてことはなく、ピックアップのマイナス側(以下のような二芯タイプだと導線を覆っているシールド線)やアウトプットジャックのマイナス側がグラウンドに落としてあると思いますので、そこに、今回追加した導線もハンダつけしてあげれば良いです。

 

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テスターを持っている方は、ここまでやったら、ちゃんと導通するかを確認しましょう。


サウンド比較

さて、いよいよサウンド比較です。


3パターンで音源を録りました。
もちろん、どれもギター・アンプのセッティングは全く同じです。

音源1(Gain高め)

①導電塗料なし+通常の500kΩポット

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

②導電塗料あり+通常の500kΩポット

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

③導電塗料あり+Full-Upボリューム(FV-12)

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

音源2(Gain低め)

①導電塗料なし+通常の500kΩポット

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

②導電塗料あり+通常の500kΩポット

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

③導電塗料あり+Full-Upボリューム(FV-12)

 

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

 

 

比較結果

 

Gain高めの冒頭部分を聴いてもらえば分かるとおり、導電塗料を塗布することで、ノイズは結構減りましたね。大きめの「ジー」から、小さめの「スー」に変わりました。

ノイズ削減効果は大きいです。

気になるハイ落ちですが、やはりハイは少し落ちますね。
少し柔らかめの印象です。超高域部分が丸くなったように感じます。


そして、Full-Upボリュームにすると、超高域が復活します。
ただ、予想はしてましたが、導電塗料を塗布する前と同じではないですね。

Gain低めのほうが分かりやすいですが、何というか、超高域の出ている量は同じなのですが、倍音の色気がほんの少し減った気がします。

①超高域が多めの信号 → 通常のボリュームポットでハイ落ち(※1)
②超高域が少なめの信号 → Full-Upボリュームでハイ落ちさせない

 

では、サウンドが異なるようです。

 


※1 「ボリュームポットでハイ落ち?」という方はコチラの記事をご参照ください。
↓↓↓

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つまり、一度落とした高域成分・倍音成分は元には戻せないということですね。

ただ、これ微妙な差です。
ノイズを減らしたいけど、高域が元気なサウンドが好きという方には良いと思います。

導電塗料でハイ落ちした後に、ボリュームポットをFull-Upボリュームに変えると、明らかにサウンドが元気になりました。(良い悪いではなく、サウンド傾向として)


私の結論としては、こんな使い分けかなと思いました。

①導電塗料なし+通常の500kΩポット
  ⇒ノイズはあまり気にならない。高域の出方にも不満は無い。

②導電塗料あり+通常の500kΩポット
  ⇒ノイズが気になるので落としたい。
   高域を少し抑えた落ち着いて太いサウンドが好み。

③導電塗料あり+Full-Upボリューム(FV-12)
  ⇒ノイズが気になるので落としたい。
   でも高域が元気で派手なサウンドが好み。


私のEVH Frankensteinギターは、当然VANHALEN用なので、Gain高めのセッティングで弾くのでノイズが気になる(落としたい)、かつ、高域が元気で派手に歪むサウンドがピッタリなので、③で落ち着きました。

 

これのあと、TeleGibもノイズが大きめだったので、導電塗料でノイズ対策しました。
TeleGibはもちろんJeffBeck用なので、太めで落ち着いたサウンドを狙って、②の状態(通常のボリュームポットのまま)にしました。

 

 

みなさんも、導電塗料とボリュームポットで、サウンド調整いかがでしょうか。

 

 

ではまた!

ギターボリュームをMAXにしてもハイ落ちする!?

どうも、lenheyvanです。

 

今回はギターのボリュームポットの話をしたいと思います。

 

ボリュームポットを選ぶ際にはメーカー(CTSが有名)、抵抗値(250k/500k/1M等)、カーブ(A/B/C)がありますが、抵抗値についてのお話です。

 

はじめに

 

よく、ストラトは250kΩ、レスポールは500kΩ、テレキャスは1MΩとか言われますが、何故でしょうか?(ビンテージのレスポールなんかでは300kΩが使われたりします)

 

結論から言うと、これは程よくハイ落ちさせることで、耳に痛い金属的な響きを除去してサウンドに柔らかさをもたらしたり、ギターサウンドの美味しいミドル帯域を強調したりしています。

 

何が良いサウンドかは百人十色なので、ハイ落ちを全くさせない音が好きという方もいると思うので、ハイ落ちさせるのが正解という意味ではないです。

 

この辺はギター自体やピックアップの特性を踏まえて、選択するのが良いと思います。
また、ボリュームポットを積極的に音作りに利用するという手もあります。

 

例えば、レスポール+ハムバッカー、ボリュームポットは500kΩの組み合わせなんかは定番だと思いますが、もっと高音域を抑えて、ぶっとい音にしたいとう場合があるとします。

 

その場合は抵抗値を下げて、250kΩや300kΩにするという選択肢が生まれます。
抵抗値を下げる分、ハイが落ちて少しモコモコするのでザクザクした歪みサウンドは出しにくくなります。

私の感覚からするとリズムギターというよりリードギターですね。

HR/HM向きではなくて、Jazzやフュージョン、もしくは70年台のオールドRock向きな気がします。

 

では、何故ハイ落ちするかのメカニズムについて解説していきます。

 

何故ハイ落ちするのか!?

 

以下の絵を見てください。

こんな信号の流れになっています。

 

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ピックアップから出力された信号は、ボリュームポットを通って、OUTPUTジャックから外に出ていきます。


ボリュームポットを小さくしていくと(反時計回り)、こんな信号の流れになります。

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回していくとグラウンドへ捨てられる信号が多くなっていき、ボリュームが小さくなっていきます。
最後はグラウンド(一番下の部分)に接地することで、ボリュームが全部捨てられて音が出なくなります。これがボリュームゼロの状態です。






逆にボリュームポットを大きくしていくと(時計回り)、こんな信号の流れになります。

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回していくとグラウンドへ捨てられる信号が少なくなっていき、ボリュームが大きくなっていきます。(正確に言うと「信号が捨てられなくなる」=ボリュームが大きくなる)



そして、ボリュームをMAXにしたときはこうなっています。

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ピックアップからOUTPUTジャックへ一直線に信号が流れています。
ただ、よく見てください、グラウンドに向かって微量の信号が流れています。


これがハイ落ちの原因です。


ギター信号とグラウンドの間に500kΩの抵抗が入っていても、「抵抗-グラウンド」の部分が接続されている限り、捨てられる信号はゼロにはならないです。

ただ、ピックアップからの信号ってそのままOUTPUTするとキンキンしがちなので、敢えてハイ落ちさせて、それを音作りに使っているということです。

上の絵ではボリュームポットの抵抗値が500kΩになってますが、これを下げるとハイ落ちの度合いが大きくなります。上げると逆にハイ落ちがしづらくなります。

シングルピックアップの場合は高音域が強い特性がありますよね。
だから250kΩを採用することによって、多めにハイを落とすことでサウンドのバランスを取ってます。

ハムバッカーはその逆の特性があるので、ハイはそこまで落とさないように500kΩがよく使われます。

テレキャスはジャキジャキしたキレを重視したギターなので、1MΩにすることでハイ落ちを微量にしています。



ここは、ギター自体の特性も合わせて選択すると良いと思います。

例えばメイプル材は高音がよく出ますし、逆にマホガニー材やコリアン材なんかは中低音が強めですよね。

今の自分のギターサウンドの高音域が強い/弱いを基準に調整してみると良いと思います。

 

ハイ落ちさせないという選択


高音がめちゃめちゃ強いサウンドが好きだ、という人にはハイ落ちさせないという選択肢もあります。

でも先程お話ししたように、

「抵抗-グラウンド」の部分が接続されている限り、捨てられる信号はゼロにはならない

です。

ではどうするかと言うと、方法は2つあります。

---------------------------
①ボリュームMAXで「抵抗-グラウンドの部分が接続されない」ボリュームポットを使用する

②スイッチを増設して、スイッチONでボリュームポットを通さないようにする
---------------------------


①はこんな製品があります。

SONICのフルアップボリュームというものです。


ボリューム下げたときは通常のボリュームポットと同じように使えるので、「ボリュームMAX時にハイ落ちさせたくない」という人にはピッタリです。

気に入らなかったら、元のボリュームポットに戻せばいいだけ、というのも利点ですよね。

トーン回路があるギターを使っている人は、トーンもセットで交換してください。そういうギターの場合、ボリュームだけ変えても効果が薄くなります。(と言うかあまり意味がありません・・・)

 


②は「ハイが強調されたサウンドと、通常のサウンドを切り替えながら使いたい」という人にピッタリです。

スイッチを1つ増設して、OFF時は通常とおりボリュームポットを通すようにして、ON時はボリュームポットを通過させずに、ピックアップからの信号を直接OUTPUTジャックに接続されるようにします。

使ってないトーンポットがあれば、その部分をスイッチ化するのもありますですし、そういうのが無ければ小さな穴あけ加工して、取り付けることになります。

手間はかかりますが、自分のオリジナリティ溢れるギターにしたい人には楽しい作業と思います。


私はレスポールだけ、SONICのFV-22を使っています。

以前はハイがガッツリ出るサウンドにすることで歪み方が派手になるのが気に入って、全ギターに採用していましたが、やっぱりちょっと音が固いな(細いな)と思うようになり、最終的にレスポールだけに絞りました。

500kΩだとちょっと私には柔らかすぎたので、F-22を使うことでちょうど良いバランスになりました。(歪ませたときの倍音感、歪みの深みが好きです)

以前紹介したWolfetoneのピックアップは高音が強く過ぎて手放してしまいましたが、今にして思えば、当時、SONICのFV-22を採用していたので、通常の500kΩポットだったら、もしかしたら好みのサウンドだったかも。

うーん、時すでに遅し・・・

lenheyvan.hateblo.jp

 

終わりに

 

ボリュームポットって地味ですが、サウンド影響はかなり大きいです。

試しに、自分のボリュームポットを250kΩ⇔500kΩを交換してみてください。
かなり高音域の感じ方が変わります。

私も実際、ハムバッカーに250kΩに交換してみたことがありますが、ぶっとくモコモコしたサウンドに変わりました。

私のやりたい音楽だともっとザクっとした歪みが欲しかったので元に戻しましたが、好きな人は好きなサウンドだと思います。


今の自分のギターサウンドに満足できてない人は是非試してみてください。

 


ではまた!

TeleGibのナット交換

どうも、lenheyvanです。

 

以前、ご紹介しましたが、TeleGibの塗装をリフィニッシュして廃材っぽくしまして、

デザインは私的に最高の仕上りになりました。

↓↓↓

lenheyvan.hateblo.jp

 

ただですね、サウンド的には不満がありました。

 

元がそんなに高いギターではなかったといのもあるかも知れませんが、どうも弦を弾いたときの響きが明瞭じゃないというか曇っているというか、どうもピンとこなかったんですよね。

 

でも、ボディの鳴りはすごくいいんです。

それだけにそこが残念で・・・

 

そして私の仮説は、ナットが弦の響きをスポイルしているのではないかと。

何故なら、ペグとブリッジはそこそこいいやつに交換済だったからです。

 

ブリッジサドルはコレです。

↓↓↓

 

そしてペグも同じくGotoh社製です。

 

 

 

 

1.ナットを外す

まずナットを外しますので弦を外します。

 

今回使うナットはTUSQという人工象牙です。f:id:lenheyvan:20220306185943j:plain



(TUSQのメーカー説明)

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TUSQ/タスクは、最も効果的にサウンドを向上させることが出きることで、世界中のトップ・ルシアーやギターメーカーが挙って採用しています。

TUSQのナットやサドルは骨や合成素材では得られない、さらに象牙にも勝るとも劣らないクリアーでリッチなサウンドとサスティーンが得られます。

TUSQのナットとサドルは、絃振動を最も効率的にボディーに伝達するようにデザインされています。

結果的に、弾けるような高音から豊かな低音まで、アコースティックな鳴りをロスなく引き出します。

倍音成分も骨に比べて遥かに優れ、部品によって失われていた素晴らしいサウンドを取り戻すことが出来ます。

アコースティックギターの場合は、ナット、サドル、ブリッジピン、この3つの部品を取りそろえることで最大の効果が得られます。
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そんな魅力的な説明をされちゃうと買わずにいられないですね。

「絃振動を最も効率的にボディーに伝達」「倍音成分が遥かに優れ」は殺し文句です。

しかもお手頃価格。

 

ストラト用(カーブボトム/以外)、レスポール用、溝有り/無し(有ると言ってもガイド用ですが)など種類があるので、しっかり自分のギターの仕様を確認してから購入しましょう。


ではナットを外していきます。

 

通常、微量の瞬間接着剤でつけてありますので、カッターやデザインナイフとかで、軽く切れ目を入れて取れやすくします。無理にやると木が剥がれちゃいますからね。

f:id:lenheyvan:20220306190314j:plainf:id:lenheyvan:20220306190329j:plainf:id:lenheyvan:20220306190346j:plain

 

そして、当て木をして、ハンマーで軽くトントンしてやります。

本当に軽くです。力はほとんど要りません。

 

 

横からトントンf:id:lenheyvan:20220306191042j:plain

 

 


下からトントンf:id:lenheyvan:20220306190853j:plain

 

上からトントンf:id:lenheyvan:20220306190934j:plain


 

撮り忘れましたが、逆の横からもトントン。

 

ポロっと取れました。 f:id:lenheyvan:20220306190747j:plain

 

 

 

 溝部分には少し接着剤が残っていますので、軽く紙やすりでキレイにしておきます。

(溝を削らないよう、やり過ぎ厳禁!!)f:id:lenheyvan:20220306191315j:plain

 

 

2.ナット加工

さて、TUSQ君の出番です。


当たり前ですが、加工前の状態では溝に入りません。f:id:lenheyvan:20220306191630j:plain

 

800番の紙やすりで削っていきます。
f:id:lenheyvan:20220306191840j:plain

 

 

コンマ数ミリくらいの作業なので、慎重に削っていきます。削り過ぎると元に戻せないので・・・


ゴシゴシやっては、当ててみて、またゴシゴシやるの繰り返しです。溝にギリギリ入るくらいで、縦幅はいったんOKとします。


横幅は結構削られないとダメですね。f:id:lenheyvan:20220306192216j:plain

 

 

高さも結構削らないと、弦高が高すぎます。


ちなみに、ナットは少しスラント(傾斜)していて、高いほうをボディ側に向けます。高いところで点で弦を支えるような感じです。
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溝幅はそれほど削らなくても入りそうだったので800番でやりましたが、ここからは結構削らないといけないので400番で目指すサイズの120%くらいまで削ります。


そこから、800番に戻して、細かな調整をしていきます。


元からついていたナットをガイド代わりに使うとやりやすいと思います。左が新、右が旧です。
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まだ、幅、高さともに削らないといけないですね。
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さらに800番で頑張って削っていった結果がコチラです。
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うーん、いい感じになりました。


難しかったのは底面です。


平面に削る必要があり固いもののうえで上から均等な力をかけているつもりだったのですが、端の部分が多めに削れてしまい、真ん中が甘めになり、軽くカーブ上になってしまいました。


最後に、やすりに斜めに当てることで真ん中部分だけやすりにかかるように削って補正しました。この辺は経験値勝負ですね・・・


初めての作業なので致し方なしです。ただ、何とか補正はできました。(いや、若干、まだ中央が丸いかな・・・)

 

 

3.溝切り

 

さあここが一番の難関である溝切りです。

 

HOSCOというメーカーで溝切り工具を出していて、失敗したくないので一番高いやつ(最安のサウンドハウスさんで1万くらい)にしました。


まあでも楽器店に出してやってもらうと、普通に1万くらいはいくので回収可能な投資です。

 

何より、ナット自体は安いので好きなときにお手軽にナット交換を自分でできちゃうメリットはでかいですね。ブラスナットも興味あります。

 


私が購入した溝切り工具はコチラ。

↓↓↓

 

【第二弾】塗装剥がし&オイルフィニッシュのやり方(後編)

どうも、lenheyvanです。

 

オイルフィニッシュの続きです。

前回記事はこちらです。

↓↓↓

 

lenheyvan.hateblo.jp

 

 

オイルフィニッシュ2回目が失敗しましたが、めげずに三度目の正直を祈ってもう1回やります。

 

ここまでの反省点

1回目やったときの反省点はサンディングの甘さでした。

そのため、ヤスリをよく粗いもので深くまでサンディングしました。

 

ただ、それでも一部がオイル浸透しなかったのと、色合いがどうも赤味がかっていて、イメージしている廃材っぽい感じが出ませんでした。

 

よく考えると、2回目にサンディングしたときは手で気になる部分だけゴシゴシやすりがけしたのですが、ちょっと中途半端だった気がします。ちゃんとオービルサンダーで全体的に真っ白になるまで元に戻してからやるべきだったのでは、というのが反省点の1つです。

 

そしてもう1つ。色合いですが、やっぱりミディアムウォールナットでは薄いし、エボニーを混ぜて濃い色合いにしても、やっぱりウォールナットの赤味は残るんですよね。

 

一方私が求めているのは廃材っぽい感じなので、赤味が無く、くすんだような灰色がかった黒です。

 

やっぱり色のチョイスが良くなかった気がします。

ファーストインプレッションに従って、ドリフトウッドでやり直ししてみようと思います。

レコーディングでもそうなんですけど、ソロ部分は何度パターンか録りますが、大抵1回目のソロが一番いいんですよね。そんなもんかも知れません。

 

というわけで、ドリフトウッドを近くにホームセンターに問い合わせたら在庫があるということなので、早速取り置きしてもらって、買ってきました。

 

 サンディング3回目

80番の紙ヤスリで全部キレイに剥がします。

今度こそは!なのでかなり念入りにやりました。

 

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ここまでやれば文句なしでしょう。

 

横に何かありますね。

はい、そうです。バーナーです。

 

木目をキレイに出したいので、バーナーフィニッシュなるものをやってみようと思いまして、用意してみました。

 

以前、フランケンギター作ったときに、ヘッドのたばこの焦げ跡を再現するために入手してあったので、試してみようかなと。

 

フランケンギターで使ったときの記事はこちらです。

↓↓↓

 

lenheyvan.hateblo.jp

 

バーナーフィニッシュ

ESPのギターでは結構バーナーフィニッシュしているものがあるようですね。

今回初めての挑戦なので、ちょっとビビってます。

 

一気に焼きあげると補正が難しそうなので、軽く炙りながら、色合いを見て慎重に進めていきました。

 

近づけすぎると、全体的に焦げになってしまうので、ある程度の距離(10cmくらい)を保ちつつ、一か所に長時間当たらないように並行にバーナーを移動させながらやっていきました。

 

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我ながら、中々うまくできました。

いい感じの風合いが出せたと思います。

 

木目がよく出ているギターをオイルフィニッシュされる方にはお勧めしたい加工です。

加工と言ってもバーナーで炙るだけなので、割と簡単です。

 

炙り過ぎには要注意です。少しずつ加減を見ながらやると良い感じです。

 

オイル塗布3回目

ここまで来たら失敗はできません。三度目の正直でオイル塗布していきます。

 

写真撮れませんが、ミディアムウォールナットやエボニーのオイルは黒っぽい色をしているのに対して、ドリフトウッドは泥水のような少し灰色がかった色をしています。

 

この時点で何かうまくいきそうな予感がしてました。

 

で、塗った結果がこちらです。

 

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まさにイメージ通りです。

ムラもなく渋い感じになり、いかにも廃材という感じに仕上がりました。

 

いや~、ホっとしました。

諦めなくて良かったです。

 

数日放置してオイルを乾かします。

 

ワックス塗布

最後にワトコワックスで仕上げていきます。

 

 

 

玄関でやっているので、照明の加減で今までの写真より黄色味がかって見えますが、先程の木が濡れたような感じになります。

 

全体に程よく塗って15分待って、もう一回薄めに塗って、浸透するようにウエスで塗りこんでいきます。

 

Before

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作業開始

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After

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このまま12時間放置して乾かします。

 

ついでに、以前オイルフィニッシュしたN2もメンテナンスとして塗っておきました。

N2の作業工程の記事はこちらです。

↓↓↓

 lenheyvan.hateblo.jp

 

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パーツ組み上げ

パーツは用意済だったのでこれで組み上げていきます。

元々のブリッジはテレキャス昔ながらのもので、オクターブチューニングをあまり詰められないので、左右で長短が少しついているものを購入してありました。

 

また、ボリュームはVolumeをMAXにしたときにOUTPUTと直結になる特殊なものを使います。SONICのフルアップボリュームというものです。

 

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通常のボリュームポットだとMAXにしても、ボリュームポットのGNDへ繋がっているルートからハイがGNDへ若干逃げてしまいます。ボリュームポットの抵抗値を高くすればするほど逃げにくくなりますが、ゼロにはなりません。

 

250KΩのポットはMAXでも結構ハイが落ちます。シングルコイルはハイが強いのでこれでバランスを取っていますね。

テレキャスはチャキチャキした音を狙って、1MΩを採用されることが多いですが、これでも若干ハイ落ちします。

 

そのサウンドを良しとするかどうかはプレイヤーの求めるサウンド次第です。

敢えてハイ落ちさせて太いトーンを求める方もいると思います。

 

私は高域がしっかり出て、ハーモニクスが出やすく歪みも乗りやすいサウンドが好きなので、持っているギターは全部これを採用しています。

有るものを抑えることはできるけれども、無いものを出すことはできない、が私の持論です。 耳に痛ければボリューム、エフェクター、アンプで調整します。

 

また、ピックアップカバーは、以前、N2に合わせようと、ブラックをブラウンにスプレーしたものを作っていたのですが、N2には合わなかったので引き出しで眠っていたのですが、Telegibに合わせてみるといい感じだったので、採用しました。

日の目を見れて良かった。

 

 

そして組み上げたのがこちらです。

 

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ピックアップは、フロントはProtoType JB、リアは35th Anniversary JBにしました。これで気分はジェフベックです。
ProtoType JBはフロントでどうなるかちょっと心配だったのですが、クリームかつJBらしくハーモニクスがキュッと出て、いい感じです。フロント全然いけますね。
 
リアのAnniversary JBはProtoType JBよりもワイルドなJBって感じです。
少し派手めの味付けになっていて、荒めの歪みに、アタック時に鋭いハーモニクスが出ます。ただ、鋭いと言ってもJBはピークの周波数が低め(高めのハイミッドではなく低めのハイミッド)なので、耳に痛い感じではないです。
 
どちらもアルニコ2なので、ゴンゴンギャリギャリという感じではなく、クリスピーでやさしく、でも、高出力でHOTな歪みです。
 
 
 

 

ようやくこれでTelegibリフィニッシュプロジェクトは終了です。

満足いく形に仕上がって良かったです。

 

最後に

オイルフィニッシュ2回目でしたが色々勉強になりました。

 

学んだノウハウを整理します。

 

・オイル塗布の前にはしっかりサンディングして、オイルが浸透する状態にすること。

やり過ぎは要注意だが紙やすりは80番くらいがお勧め。

色が違う部分があったら、まだ前の塗装が残っている可能性大。全部同じ色になるまでサンディングする。

 

・ワトコオイルはエボニーは黒系ウォールナットナチュラルな木色より少し赤味がかった色ドリフトウッドは灰色がかった黒で廃材ぽい色。

 

・オイルは最初一気に染み込むので、べちゃべちゃにはしないこと。刷毛にはオイルをつけ過ぎず、ボディの表面が湿る程度の薄さで塗っていく。(結局200ml缶の1割使ったかどうかくらいだと思う)

 

木目をしっかり出した渋い感じを狙うなら、サンディング後のバーナーフィニッシュはお勧め。ただ、一箇所に長く当てると焦げが出てくるので、10cmくらいの距離から並行に動かしながら浅く火を入れていく。弱いようなら距離を近づけるかバーナーを強くして少しずつ濃くしていく。くれぐれも一気に仕上げようとしないこと。

 

・失敗してもサンディングし直せば何度でもやり直せるので、満足しくまで諦めないこと。ただし、オービルサンダーが無いと心が折れるので入手しておくこと。

 

 

 

こんなところでしょうか。

 

最後の諦めないが一番大事です。

 

みなさんのご参考になると幸いです。

 

 

 

【第二弾】塗装剥がし&オイルフィニッシュのやり方(前編)

どうも、lenheyvanです。

 

以前、Washburn N2でやったのですが、今回はBacchusのTeleGibです。

 

前回の記事はこちら

↓↓↓

 

lenheyvan.hateblo.jp

 

はじめに

 

ジェフベックは昔から好きで、特に Cause weʼve ended as lovers の表現力なんかは最高です。

学生のときにはじめて聞いたときは、つまらなく感じてそれからそのCDは10年くらい眠っていたのですが、その後久々聞いたときに、ジェフベックの凄さがようやく分かりました。ギターが唄っているとはまさにこういうことですね。

 

 

 

日本のギタリストだとB'zの松本さんの表現力もすごいですね。

96年に洋楽のカバーアルバムとして出した「ROCK'N ROLL STANDARD CLUB BAND」は凄かったです。

 本当に松本さんは泣きのギターがうまいです。後ノリ気味で敢えてタイミングを若干ズラしたり(ブラインメイもすごく上手ですよね)、同じメロディでもスライド、ベンド、スタッカート、フレージングを微妙に変えて感情を表現していくという、速弾きよりもよっぽど難しい技術だと思います。

 

B'zだと7th BluesのLove is deadという曲のギターソロが一番好きですね。ジャジーな感じでオシャレに入って、途中からロックな感じで盛り上げるという構成の作り方のセンスも素晴らしいです。Strings of my soulもゲイリームーアに通じるような素晴らしい名曲だと思います。

 

聞いたこと無い方は是非一度聞いてみることをお勧めします。

 

話は逸れましたが、そんなこんなで、センシティブなジャンル用にTeleGibは一本欲しかったので作ろうか、既製品買おうか迷ったのですが、ザグリ加工など機材をこれだけのために揃えるのはコスパが悪いので既製品にすることにしました。

 

調べたところ、BacchusとEdwardsで出していることが分かりました。

Edwardsのほうは12万円くらいでコピー度はかなり高そう。

Bacchusのほうは8万円くらいで、若干甘い部分はあるもののこれも良さそう。

 

ということで、この2本でヤフオク、メルカリをチェックしていたのですが、Bacchusが3.5万円くらいで出ているのを見つけて、それにしました。

 

ただ、クリーム色があまり好みではなかったので、リフィニッシュをする前提での購入です。オイルフィニッシュによって、廃材で作ったような風合いを出す構想です。

 

リアPUは1年くらい探してようやく見つかった、Seymore Duncanの35th Anniversary JBです。フロントは何にしようかちょっと迷ってます。

 

 

では、作業工程のほう行きます。

 

塗装はがし

 

アイロンでギター表面の塗装を温めて、テロンテロンになったところをスクレーパーで剥がしていきます。これは前回のN2でやったので手慣れたものです。

 

元の状態

 

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パーツを全部外します。

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では、アイロンを用意して、

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アイロンで温めてはそこを剥がし、を繰り返していきます。

 

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アイロンの形状上、ボディ側面は難しいですので、できるとこまでやって、取り切れなかったところは、ヤスリのサンディングで頑張るしかないです。

 

 まあ、これくらいまでいけば良いでしょう。

 

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オイルフィニッシュ

色選び

前回も使ったワトコオイルでいきますが、色はかなり迷いました。

ファーストインプレッションはドリフトウッドなのですが、最終的にはミディアムウォールナットにしました。

 

何故かと言うと、家にあるウォールナットのダイニングテーブルを見ながら、こんな風合いも良いなぁと思い、もし薄いなと思ったら、エボニーが手元にあるので、これとブレンドすることで濃い色合いを出せば良いと思ったからです。

 

エボニーは前回のN2で真っ黒になってしまい、かなり強い色であることは知っていたので、調整可能という判断です。(これが後になって後悔することになります)

 

 

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写真撮り忘れましたが、ここでオービルサンダーの登場です。

手作業でサンディングなんかしていると日が暮れるのと心が折れるので、ここは文明の力を借りましょう。

ちなみにこれ、専用の紙やすり専用ではなく、百均とかの汎用的な紙やすりも使えるやつにしたほうが良いです。コスパがかなり変わります。

あと、吸塵式のほうが健康面、お掃除面ともに良いと思います。数千円かける意味はあると思います。

 

 

スクレイパーでガタガタにしか塗装が取れてなかったところをキレイに平らにしました。

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そして、 いよいよオイルを塗っていきます。

 

オイル塗布

まずはそのままミディアムウォールナットを刷毛で塗っていきます。

ワクワクする作業ですね。

 

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何故か、オイルが染み込んでいない部分ができています。

色が薄かったんですかね?

 

薄い部分には、百均で買った靴墨で少し汚れをつけて、アクセントにしてみます。

そのうえで、二度塗り時にエボニーを少し足して塗ってみました。

 

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ちょっとかなり思い描いていたイメージとは違いました。

まだら過ぎて、いかにも失敗しましたーって感じです。

 

ドラクエ風にいくと、選択肢はこんな感じです。

 

*逃げる

 ⇒オリジナリティのあるデザインだと自分に言い聞かせて終わりにする。

*もう一度戦う

 ⇒サンディングでオイルを全部剥がしてやり直し。

 

悪魔が選択肢①でいいじゃないかと囁きますが、最終的に、天使がお勧めする選択肢②の茨の道を選びました。

 

というわけでサンディング2回目です。

 

サンディング2回目

ところで、何が悪かったのでしょう?

 

塗り足りなかったのでは?

 ⇒いえ。薄いところはかなり厚めに塗ったのでそんなことありません。

日の当たり具合でムラができたのでは?

 ⇒いえ。全体に日の光が当たるところでやっていました。

日頃の行いが悪いのでは?

 ⇒ええ。そうかも知れません。

 

 

答えはオイル塗布前の写真を見直したときに分かりました。

以下の赤丸のところを見てください。

 

少し色が黄色味がかっていると思いますが、ここが元の塗装が取り切れていないところです。最初に240番でサンディングしましたが、それでは足りていなくて、オイルが浸透せず、まだらになったようです。

240番では浅すぎてダメということですね。

 

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ちょっと気が重いですが、一度オイルを剥がします。

このとき、紙やすりは80番まで落とすことで深くサンディングすることにしました。

赤丸のところが浸透しなかったところなのでここを重点的にやります。

 

全体をオービルサンダーで落とした後、最後は手で赤丸部分を丁寧に削りました。

気力を失いかけていたので、ゴミを残したままです・・・

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オイル塗布2回目

改めてオイル塗布していきます。

前回は厚塗り過ぎた気もしたので、今度は薄く塗っていきます。

 

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あれー?

結構削ったはずなので左下と右下が浸透してません。

どうもまだ足りなかったようです。かなりショックです。

 

なら、全体的に少しサンディングして薄めの色で仕上げる、かつ、縦線を入れたり少し装飾すれば、まだらも目立たない、かつ、オシャレな感じになるのでは。

 

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はい、ダメですね。

 

これはこれでアリかも知れないですが、当初イメージしていたものとは大きくかけ離れてます。

 

さっきのは完全に失敗しましたーって感じでしたが、

今度のは、本人はオシャレだと思ってるみたいだけどかなりダサイよね、って言われそうな感じです。

 

ここでまたドラクエのコマンド選択です。

 

*逃げる

 ⇒オリジナリティのあるデザインだと自分に言い聞かせて終わりにする。

*もう一度戦う

 ⇒サンディングでオイルを全部剥がしてやり直し。

 

 

もうここまで来たら、戦うしかないでしょう。

 

というわけで次回は3度目の正直になるか、2度あることは3度あるになるか、です。

 

続きはこちらです。

↓↓↓

 

 

lenheyvan.hateblo.jp

 

 

【裏技】ギターのナット底上げ調整

どうもlenheyvanです。

 

最近、ナットのすり減りが気になる年頃になってきました。

低すぎるのがイヤなんですよね。

 

というわけで、お手軽かつ材料費はほぼかからずに対処してみたので、どなたかのご参考になれば。

 

気になって仕方ない

最近気になっていたことがあって、このオービルのレスポール君ですが、ナット付近は弦高がかなり低いんですが、ブリッジにいくに従って、高くなっていって、どうも弾きにくいんですよね。

 

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かと言って、弦高下げると低くなりすぎて、詰まりが出るところが出てきますし、何より弦高がガッツリ下げられているのは好みではないんです。

ある程度の高さがあって、弦がちゃんと響くようにしておくのが好きなんです。

 

ランディのDeeのような指弾きしても、コードをストロークしてもキレイに鳴るような感じです。

強めにピッキングしてもフレットとぶつかり過ぎず、ボディがしっかり鳴ると言うか。分かりますかね、この感じ。

 

 

で、最初はネックのトラスロッドを回して、ほんの僅か順ソリを、もうちょっとソラしみようかなと思ったのですが、昔クルクル回し過ぎたのか、トラスロッドがもう余裕なしです。

 

そしてナットを見てみると、結構弦が食い込んでます。

 

97年購入の24年前のモノですから、まあそうなって当然ですよね。

バイトしてお金貯めて買ったのが懐かしいです。当時8万5千円で購入しました。

こいつ4kg近くありかなり重いのですが、その分、想いも人一倍です。 

 

ランディローズが大好きで、でもGibsonシグネチャーモデルは買う金ないしで、オービルのカスタム仕様のを購入しました。

 

5,6年前にパーツを全入れ替えして、ゴールドからGotohのクロームに替えて、大人なカスタム仕様にしてみました。

 

私のはオービルですが、特にオービルbyギブソンなんかはかなり高額で中古市場では取引されてますよね。国産Gibson直系の最高峰という感じなのでしょうか。

 

ピックアップはリアにWofetoneのTimbre、フロントにGibson 500Tというメタル専用機にしています。

 

ナットが低すぎなのが問題ではないんだろうか?

私は考えました。

 

ナットが低いからブリッジ側の弦が上がってきちゃうのであって、ナット側にもう少しだけ高さがあれば、ネックと並行に弦を張ることができるのではないだろうか?

 

モノは試しです。やってみよう!

 

いくつか案を考えました。

 

①リペアショップに持ち込んで、ナット交換する

②自前でナット交換&溝切りする

③もっと楽な方法を探してみる

 

案① リペアショップ

まず①ですが、大体ナット込みで1.5万円~になりますが、そんな金無いです。

即刻却下です。

 

案② 自前でナット交換

次に②。どうやら、ナット溝切り用のヤスリが必要なようです。

 

有名なのはHOSCOのこちら。

最安でも7,500円くらいはします。

 

 

買いたい衝動がありましたが、これを買って、利用するのは何回だろうと自問自答。
せいぜい2回くらいでしょうね。


これ買って失敗するくらいならリペアに出したほうがいいんじゃないかと思い、これも却下。
 
色々調べると、ナットの溝切りはかなり難易度が高く作業精度でかなり変わるようです。高いお金出して失敗したら、(と言うかその確率のほうが高い)ショックが大きそうなので断念です。


案③ 自前でナット交換

最後に③。色々ネットで調べてみると、ナットの底面にシムをかます(モノを挟んで底上げする)という技もあるようです。

確かにこれならナット自体は手を入れないので、安全そうです。

 

何をかまそうかと考え、思いついたのが木と金属です。

 

木は加工しやすいし弦の振動も殺さずに済みそうです。

でも、底上げと言ってもコンマ何mmとかそういう世界なので、薄いのを買ってきてもヤスリで削って薄くする必要がありますが、そこそこの強度があって、削りやすいって何だろう、っていうか圧力で潰れて調整狂うかな、とか考えていくうちに面倒になってしまいました。

 

なので金属でいくことにします。

 

早速、ホームセンターへ行って、一番薄くいのを見つけて買ってきました。

 

では行ってみます。

 

1.ナット外し

まずナットを外さないと何も始まらないので、外しますが、YouTubeで予習しました。

Fender系は結構厄介な場合があるようですが、LesPaul系はあて木をしてあげて優しく叩くと簡単に取れそうだという予備知識です。 

 

早速やってみます。

 

念のため、ナット横の接着部分はデザインナイフで軽く切り込みを入れます。木材部が割れないための予防策です。(LesPaul系はそこまでしなくて大丈夫みたいですが念のため)

 

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あて木をして、トンカチでかる~く、トントンします。

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数回たたくと、簡単にポロっと取れました。

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2.次に底にかませる金属の加工

ホームセンターで薄い金属版を買ってきました。L字型しかありませんでしたが、半分に切れば大丈夫です。

厚さは0.8mmくらいあります。ちょっと厚いかなと思いつつこのまま続行です。万が一厚ければ、ナットの底面を削って調整するつもりです。

 

薄いので、センターにマイナスドライバーの先でガイド線を入れて、そこに金属製の平型ヤスリを斜めの角度で当ててこすります。

 

百均のもので十分です。

 

いつも失敗しようのないところで失敗するのに、今日は順調♪ 

 

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3.ナットの裏面に張り付け

ナットには瞬間接着剤が薄く数箇所ついています。私のギターの場合は、底面に2箇所、ナット横とネック側に2箇所ついてました。

 

これを軽くヤスリがけして取って、平らにします。600番でやりました。

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はい、平らのツルツルになりました。

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次に、先程加工した金属を底面に瞬間接着剤を少量だけつけて接着します。

2枚合わせるとちょうどジャストサイズになりました。

 

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4.ナットの取り付け

取り付けの前に、ナットが刺さっていたところのギター側の底面にも付着してガタガタになっているので、先程の平型ヤスリで軽くサンディングして平らにしておきます。

 

そして、元の状態と同じように、ほんの少量の瞬間接着材を、底面とナット横(ネック側)につけて、ナットを差し込みます。

※いっぱいつけすぎると、将来また交換するときに外すのに苦労することになるので、チョンチョンくらいがBESTと思います。

 

ここで弦を張って、正規の位置に上から弦の圧力でプッシュします。

手でも軽く押して抑えてみました。

 

1分くらい抑えて、もう動かなそうかなと思ったので、そこからチューニングしていきますが、オクターブチューニングもズレた(元からズレていた?)ので、調整していきます。

 

最終形はこれです。

 

少し高くなりました。(Beforeの写真を撮り忘れてました・・・)

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4弦を抑えて、ちょうど紙1枚が1~3弦を通せる高さです。

(これくらいが良いらしいです)

ナットの底面に金属プレートが入っているのが見えるでしょうか。

これがさっきのです。

 

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最後に

チューニングして弾いてみると、うん、弾きやすい。

ブリッジ側で弦高を下げると、ネックと並行くらいの状態に調整でき、我ながら今日はうなくいきました。

 

音色は若干ハイが出るようになったような。

 

いやプラシーボだな、きっと。

 

ナットが削れて弦高が下がりビビる、でもリペアに出すお金はかけたくないしナットの質には不満は特に無いし、という方には良いかも知れません。

※すみませんが自己責任でお願いいたします。

 

金属プレート 68円、平型ヤスリ 100円の税込でも計200円でできました。

将来リペアに出すときにはちょっと恥ずかしい思いをしそうですが、十分に満足な仕上りです。

 

いずれTUSQか象牙に替えてみたいな~

 

ではまた!

 

(2022/03/12 追記)

このあと実際にTUSQにナット交換してみましたので、ご覧ください。

↓↓↓

lenheyvan.hateblo.jp

 

 

 

塗装剥がし&オイルフィニッシュ&レリック加工のやり方

どうもlenheyvanです。

 

以前、フランケンギター作成についてお話ししましたが、次にやってみたのでオイルフィニッシュです。こっちのほうが楽にできましたので、木の質感を活かした仕上げがすき方にはお勧めです。

 

lenheyvan.hateblo.jp

 

では、工程を説明していきますね。

 

メルカリでWashburn N2を3万くらいで購入して、こいつをNunoのようなレリック加工してやろう企画です。オイルフィニッシュは初挑戦です。

初挑戦にはつきものの、ハプニングも途中ありましたが、何とか乗り切りました。

 

では、どうぞ。

 

1.サンディング

フランケンギターのときは、塗装剥がしをしてからサンディングしたのですが、このギターはオイルフィニッシュなので、いきなりサンディングして、表面のオイルフィニッシュを取り除いていきます。

作業前の状態はこんな感じ。前のオーナーさんが多少のレリック加工をしていたようですが、かなり薄く、黄色っぽい塗装がどうも好みに合いませんでした。

 

 

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では躊躇なくサンディングしていきます。

サンディングには、BOSCHのGSS23AEというオービルサンダーをフリマで入手して使っています。吸塵機能があるので、使いやすいし、中々パワーもあるので重宝しています。

 

 Before

After

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 元が塗装していないので分かりづらいかも知れませんが、サンディングしたことで表面が白っぽくなっています。

 

2.レリック

色々ネットで情報を集めると、革靴に塗る靴墨がレリック加工に向いているという情報が複数あり、用意してました。これは百均で十分です。

 

失敗したら、また削ればいいやと思い、心を無にして、エイッ・エイッ・エイッっとやってみました。

 

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すごい雑ですが、最後に手で細かくサンディングで整えていけばいい感じになる予感がします。

 

3.オイルフィニッシュ

オイルフィニッシュは定番っぽい、ワトコオイルをチョイスです。

色は、ちょい濃いめの廃材的な感じを狙って、エボニーを選択しました。

 

量は200mlあれば十分です。

あと、ハケを用意します。こちらは使い捨てするので百均で用意しました。

 

 レリック加工に(と言っても靴墨塗っただけですが・・・)このオイルを塗ると、靴墨部分が濃く浮き上がって、他の部分は廃材的な風合いが出るはずです。

 

 

 

 

 

 

 

 

オゥ!

 

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マイッ!

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ガーーー!!!

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真っ黒じゃんこれー

 

靴墨なんて完全に隠れてるしーーー

 

完全に色のチョイスを間違えました・・・

 

 

でもやっちゃったもんはショーガないです。

最後にサンディングで調整するとして、気を取り直して、このまま続行します。

 

ワトコオイルさんのHPにも書いてありますが、要約するとこんな工程で進めていきます。

作戦としては、7番目の工程で、厚めに表面に塗られたオイルを薄めに削っていっていきます。

 

1.サンディングして木地調整(240番くらい)
2.全体的にオイルを塗布(多過ぎると拭き取りが大変なので適度に)
3.15~30分程乾かす
4.ウエス(布)で表面に残っている浸透しきれない塗料を拭き取り
5.1時間程乾かす
6.再度全体に塗布(塗布量は一回目の1/3~1/4程度で薄く)
7.必要に応じ、240~400番の耐水ペーパーで表面が塗れた状態で研磨 ←ここで挽回
8.表面の塗料を完全に拭き取り
9.乾燥するまで24時間以上放置

 

で、7番目までやった結果はこれです。

 

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だいぶ薄くなりました。

オービルサンダーで全体をサンディングしながら、濃いところを残すように縦に手でやすりがかけていきました。たぶん、1時間はやっていたと思います。疲れました・・・

 

もはや靴墨なんて跡形も無いです。

その後30分くらいやって仕上げました。

 

何とか形になりました。

 

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4.ワックス掛け

木材に湿気が入らないようにするのと、表面保護のために、最後はワックスで仕上げをします。

 

これまた定番と思われるワトコワックスでいきます。

色はナチュラルを用意しました。

 

エス(布)で塗布し20分程放置し余分なワトコワックスを拭き取り、を2回繰り返します。

 

 

5.組み上げ

 最後に電装系を組み上げて完成です。

 

 

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何とかいい感じになりました。

すったもんだありましたが、結果良ければ全て良しです。

 

みなさん、色選びは慎重に。私の場合は、予想以上に濃くでちゃいました。

 

ただ、濃い部分はレリック加工の汚れっぽい感じで使ったので、結果この色で正解だったのかも知れません。

 

今度は、冬が明けたら、春に、TeleGib仕様の安物テレキャスをオイルフィニッシュしようと思っているので、そのときにまたアップしようと思います。

 

今度は全体を廃材っぽくしようと思っているので、もう少し薄い色をチョイスします。。

 

2021/5/7追記

次はテレギブでやってみました。

落とし穴が色々ありましたので、こちらも参考になると思います。ご覧ください。

 ↓↓↓

 

lenheyvan.hateblo.jp

 

ではまた!

ピックアップのポッティング手順 GIBSON BurstBucker

どうも、lenheyvanです。

 

ギターのピックアップは昔から色々試すのが好きで、当時大好きだったジェイク.E.リーがSeymore Duncan の JBを愛用しているというのを知って、交換してみたのが最初だったと思います。

  

それからと言うもの、Gibson、ビルローレンス、VanZandt、SUHRと色々とっかえひっかえしてきました。

 

ディマジオは何故か一度も使ったことが無いですが、ピックアップ本のサンプル音源を聴く限り、PAF Proは試してみたいです。

 

昔はハイパワー系に興味があって、DuncanだとJBから始まり、Duncan Distortion( SH-6 )、Duncan Custom ( SH-5 )、 Custom Custom ( SH-11 )、SUHR Aldrich、Gibson 500T、ビルローレンス L-500辺りを使ってました。

 

最近は歳なのかPAF系が気に入ってて、その中で最近自分の中でヒットしたのが、Gibson BurstBucker Type1です。

 

ネックにマウントしたところ、これが最高で、、

単音だとピックが弦にヒットしたときのクッ、とか、カッというアタック音が出て、ピッキングニュアンスがすごく出ます。

複音(特に2・3弦)だと、哀愁のあるむせび泣くような感情が入り込むような発音をします。

 

BurstBuckerの中で一番低出力なので、迫力のある音色ではないですが、繊細な表現をするには最高の部類に入るんじゃないかと思います。(そういう腕があるかは置いておいて・・・)

 

ただですね、大きな不満があります。

それがハウリングです。

 

これ系のピックアップでゲイン上げちゃダメよ、と言われそうですが、そこそこ歪んだ音でも弾きたい時がありますよね。

 

そうすると、すぐハウっちゃうんです。

 

それも当然、BurstBuckerはPAFに近づけるためにポッティングしていないですから。

 

ならばポッティングを自分でしちゃおうじゃないかと思ったわけです。

ポッティングしないことによるメリットを失うのは分かっていますが、多少そこを削ってでも実戦で使える状態にするほうが自分にとっては重要だったので、Tryしてみました。

 

ポッティングはこんな手順でやりました。

 

1.道具を用意

・容器

パラフィンワックス300g ステアリン酸配合

 

容器は百均でいいです。本当は真空にできるもののほうがワックスの浸透が早く確実にできるようですが、そういうの探しても中々無いのと、あってもえらい高いんですよね。ちゃんと丁寧にやれば大丈夫です。

 

次のパラフィンワックスですが、ステアリン酸を混ぜてやるか、配合されているもののほうが固まったときの硬度が高くなって良いみたいです。ちょうどフリマで安く出している方がいらっしゃったので600円くらいで購入しました。

融点は60度くらいのものが良いようです。

 

300gもあれば十分です。1回使いましたが、まだまだ結構残っているのでそのまま容器に入れて閉まってあります。もちろんロウソクのように固まるので保管も楽です。

 

 

 

2.湯煎

さあここから作業していきます。

適当な鍋にお湯をはって、湯煎していきます。

 

70度くらいになるよう一応温度計で計りながらやりました。

最初は固形のパラフィンワックスが30分くらいで完全に溶けます。

 

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3.ピックアップを投入

次にピックアップをドボンします。

コード部分がロウまみれになると取るのが面倒かなと思い、マスキングテープで巻いてやってみました。

 

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ちょっとコワイですが思い切って投入です。

最初は空気の細かい泡がプクプクと出てきます。ワックスが浸透している証拠です。

 

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4.ワックスを浸透させる(1回目)

このあとは、70度くらいをキープしながら、ピックアップを色々な方向に傾けたり転がしたりしながら、内部の空気を出して、ワックスを浸透させていきます。

 

ここは成否に大きく関わる工程なので丁寧にやっていきます。

空気の泡がほとんど出ないようになったら1回引き揚げます。

 

ここで終わりじゃありません。

 

5.ワックスを浸透させる(2回目)

引き揚げたピックアップは一度冷まします。

私の場合は15-20分くらい放置しました。

 

そしてもう1回、ワックスを70度まで上げて、もう1回ドボンです。

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また空気の泡がほんの少し出てきますが、1回目のようにプクプクというレベルではないです。どうやらちゃんと浸透しているようです。

 

ここでプクプクいっぱい出るようなら、まだまだ浸透が足りないということです。

 

1回目同様に色々な方向に傾けたり転がしたりしながら、内部の空気を出して、ワックスを浸透させていきます。

 

6.冷ます

空気の泡が出なくなったところで引き揚げて、冷まします。

数時間おけばいいんでしょうけど、念のため半日くらい置きました。

 

 

これでポッティング作業完了です。

 

さて、効果の程は!?

 

 

 

 

ハウリングがしなくなった!!

 

成功です。

 

音色の変化としては、ちょっとレンジが狭くなったように感じました。

 

それと、なんて言うんでしょう?

空気感というか、複音で鳴らしたときの音と音の間に間スペースみたいなものが詰まったような感じがしました。

 

ただ、その程度はと言うと、聞いている人には分からないんじゃないですかね。

弾く人にしか分からない程度の変化です。

 

というわけで、私の中では成功です。

これで、そこそこのGAINでも使えるようになりました。

 

ではまた!

 

エディのフランケンギター製作日記(5/5) 工程④ 〜完成編〜

どうも、lenheyvan です。

 

前回はショッキングな出来事がありましたが、何とか形にはなりました。

 

ここから、最後の仕上げをしていきます。

ピックガードと25セント硬貨の取り付け

まず、このギター、元がヤマハのMG-MIIIですので、ストラトのピックガード的なものはついてませんでしたので、単品で入手しました。

 

利用する部分は右下の部分だけなので、S-S-Sでも構いません。
右下部分をアクリルカッターで切ります。

 

このアクリルカッター、私はエフェクター自作するときに表面にアクリル板を載せて仕上げることが多いのですが、そのようなときに重宝しています。
普通のカッターだとアクリル板切るのはかなり無理がありますので。

今回はカットする部分を普通のカッターでガイド線のように引いた後、アクリルカッターで削るようにカットしていきました。

 

アクリルカッターは少し太め切る(というか削っていく)ので、1mmくらい幅は広めにとってカットすると良いと思います。

切った後は切り口が鋭利になっていてキケンなので、紙やすりでスリスリして滑らかに仕上げていきます。

このとき凸凹に削れないよう、平らな面に当てて削るのがポイントです。
当て木をしてもいいですし、テーブルの上にヤスリを置いてそこに擦り付けるようにやっても良いですし、とにかく、平らな面でやるのが重要です。

 

 

 

また、エディのギターには25セント硬貨がついてます。
外貨両替しても良いのですがこれのために両替するのは割に合わないですし、フリマとかで普通に出品されているのでそっちのほうがお手軽です。

ちなみに、日本では硬貨に穴を空けるのは違法になりますのでご注意を。
Japaneseバージョンということで100円硬貨に穴空けちゃうとマズイので。

ここは素直にエディと同じく25セント高価を入手して穴あけしましょう。

電動ドリルで穴あけするのですが、ここでも注意点が。
結構厚みがあるので、穴が開くまでちょっと時間かかります。
ドリルを回していると摩擦熱で硬貨がめっちゃ熱くなりますので、ヤケドに注意です。

私は、ドリル回して熱くなってきたら一回休憩、冷めたらまたドリル回す、を繰り返し行って空けました。あと、硬貨が小さいので、ぴょ~んと飛んでいかないようしっかり押さえる必要があります。飛んでいくとケガや物を壊すキケンがありますので。

万力(クランプ)で固定するなり、してドリルを当てるようにしましょう。

 

ピックガード、25セント硬貨の二つを取り付けるとこんな感じです。

雰囲気が出てきました♪

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そして、最後に、ネックのYAMAHAのロゴを消して、フランケンギターのようにタバコ痕をつけます。

ロゴはヤスリで削って落としていきます。YAMAHAさんゴメンナサイ。YAMAHAのギターは大好きなのですがフランケンにしたいのでお許しを・・・)

塗装が結構乗っているので、それなりに削る必要があるため、オービルサンダーでサンディングしたほうが良いです。ちょっとなめていまして、私は手でやったのでかなり時間かかりました。(そして塗装が落ちきっていない。。。)

そしてタバコ痕をつけていきますが、私は喫煙者ではないのと、タバコでうまく焦げ跡つく気がしなかったので、ガスバーナーで炙ってみました。

ちょっとやり過ぎた感が否めないですが、(得意の)オリジナリティとポジティブに捉えて、これでヨシとします。


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組み上げ

ではネックとボディを組み上げて完成させます。


じゃん!

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素人作業にしては、いい感じです。
何より自分で作ったという充実感がいっぱいです。 


ブリッジは塗装剥がしてニッケルっぽい味わいにしようと思いましたが、中々削れてくれないのと、細かいところに黒が残ってマダラになるとかっこ悪いので、アームだけヤスリがけしてニッケルっぽい感じにしました。

 

これにて長かった、フランケンギター製作は終わりです。

 

大変でしたが、自分で作ったものなので、愛着が湧きます。一度はどうしても欲しいものがあって手離そうかと思ったのですが、思い留まって良かったです。

 

出来としては粗いですが、そのお手製感がまたエディぽいかもなとも思うので、私の中では大成功です。

 
細かい部分では、ジャックがストラトタイプじゃないので違うとかポジションマークが、ブリッジがフロイドローズじゃないとか色々あるのですが、このギターでは高校生のときからのお付き合いなので、そんなことはどうでもいいです。

そのギターをフランケンに改装できたことが何より嬉しいです。


それなりに工具を揃えたりや手間がかかったりしますが、意外と作れちゃうものですのでエディフリークの方は、安いギターを中古で購入して、やってみてはいかがでしょうか。

30万とか40万とか出さないと手に入らないフランケンが、数万で作製できちゃいますよ。

何より自分で作ったものなので、愛着も一塩だと思います。
是非おすすめします。

私の失敗の屍を踏み越えて、もっと完成度の高いものを作製されることを祈っています!


ではまた!

エディのフランケンギター製作日記(4/5) 工程③ 〜号泣編〜

どうも、lenheyvan です。

 

前回は気分良く塗装が終わったところまでお話しました。

 

最後にクリアを吹くかは迷ったのですが(テカテカになったら雰囲気半減なので)、塗装が剥がれていくと困るのと、湿気対策しておかないと鳴りが日によって変わっちゃうかなと思い、艶消しクリアで仕上げることにしました。

 

 

これも塗装時と同様に3回吹き付けていきます。

前回の塗装編でも同じようにやりましたが、はじめは全体的にしっかりと、2回目以降は薄くやっていきます。


1回目をやって30分乾かして、2回目をやろうと思ったところで雨がパラついてきました。

いったん、雨が止むまで待って、止んだところで作業開始します。

どうやら雨が止んだようなので2回目の塗装を全体的にしていきます。

 

 

あれ?

 

 

ん?

 

 

ウソでしょ!

 

 

何と塗装が溶け出しました。
ちょっと意味が分かりませんでした。

 

元々、こんな感じにエディストライプ入ってたボディが、


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塗装がドロドロに溶けて、キレイだったストライプもぐちゃぐちゃ。
(ショック過ぎてここから写真撮ってません)


雪国の人なら分かると思いますが、雪まつりの期間中に気温があがって雨が降ったりすると、ドラえもんが怪物のようになるのですが、まさにそんな感じ。。

これじゃあ、フランケンギターじゃなくて、ゾンビギターじゃん。。

 

原因は、湿気のある状態で塗装は厳禁らしいのですが、湿気ムンムンの状態でクリアを吹いて、かつ、木の下でやっていたので、雨の水滴が何かの拍子にババっとかかったことで、塗装が溶けちゃったようです。

 

そして、経験上、クリアは厚くやっちゃうと塗装を溶かすようで、薄くサラっとを丹念に何回もやるべきだったようです。

それにしてもショック過ぎます。
さあ、どうしたものか。。

 

案1:もう一回塗装を全部剥がしてやり直し

案2:この上からまたブラックから始める

案3:ゾンビギターとしてこれにてフィニッシュ

 

もちろん、案3はナシです。
ただ、案1はメンタル的にハードル高すぎです。

ということで、案2で行くことにしました。

ここから、同じ工程をやり直しとなります。

次の週末まで1週間、ゾンビギターのまま部屋に置いておくのが何とも歯がゆかったです。ようやく週末が来て、幸運にも晴れです。

さあ、今度は絶対成功させます!

オールブラック

 →マスキングテープ貼る

オールホワイト

 →マスキングテープ剥がす&貼る

オールレッド

 →マスキングテープ剥がす

 
しっかり乾かす時間もとらなきゃいけないので(また焦って失敗するのだけは避けた方ので)、2週に渡って作業しました。

もちろん、1回目とはストライプの入り方は違いますし、レリック加工の具合も違います。2回目だから慣れたこともあり、1回目より逆にうまくいったかも知れません。


さあ、ここまで終わったら、リベンジのアレです。
クリア塗装です。

今度はしっかり晴天の日を選んで、慎重にクリアを少しずつ吹いていきます。
全体にまんべんなく、かつ、少量ずつを、溶けないかを確認しながらやっていきます。


今度は何とか成功したようです。

ふぅ、一安心です。

ただ、艶なしクリアとは言っても、ツヤはそこそこ出ます。
光をあてるとキラッと反射します。私が求めているのはもっとマットな感じです。

他に作られている方のブログを拝見させていただいたところ、ステンレスたわし(丸くてステンレスの脳みそみたいなやつです)で軽くこすると、いい感じにマットになるとあったので、早速百均でGETしてきて、やってみました。


おぉ、これは確かに素晴らしいですね。
塗装にはダメージを与えずに、テリ感だけを取ってくれます。


これをボディ全体的にやりました。


その結果がこちらです。
↓↓↓

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さっきの、画像と見比べてもらえれば分かると思いますが、お話ししたとおりストライプの入り方が違います。

 

また、画像だと見にくいのですが、赤の塗装のしたにうっすらと、一回目の黒ストライプや白ストライプが見えます。ホントにうっすらですけど。

これが逆に立体感を出していて、個人的にはいい感じです。

雨降って地固まる、です。

まあ、自作ですし、初めてですし、オリジナリティ出てますし、これでいいんだと自分に言い聞かせて、クリアまで完了です。

 
ちなみに、上の写真のあと、どうもフロントピックアップ辺りが寂しいかなーなんて思って、さらにレリック入れちゃいました。ちょっとやり過ぎかなと思いましたが、それで良しとしています。

なんで寂しく見えるんだろうと思ったら、本物フランケンてS-S-Hのギターを1ハムにしているのですが、私の場合、フロントは埋めちゃったのでS-Sの部分が無いんですよね。完全なレプリカではなくオリジナルレプリカということで納得しています。

最後はボディに装飾を加えて、ネックを少し加工して仕上げていきます。

 

次回はこちら

 ↓↓↓  

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エディのフランケンギター製作日記(3/5) 工程② 〜塗装編〜

どうも、lenheyvanです。

 

前回、塗装剥がししたところまでお話しました。ここからが楽しく、そして、重要な塗装フェーズです。

 

塗装はアサヒペンのラッカースプレーを使います。


何故これにしたかと言うと、他のフランケンギターを製作している方で使っている方が多かったというだけです。


高耐久/普通と製品ランナップがありますが、気分で良いと思います。
(違いはあまり分かりませんでした。後々分かるかも知れませんが。)

 

 

 

おおまかな塗装順としては、黒→マスキングテープ→白→マスキングテープ→赤です。
白までやったところで終えると黒白のフランケンです。
赤までやると黒白赤のフランケンになります。

 

ではまず最初に無塗装のギターをオールブラックにします。
(Ozzyのことを思い浮かべながら作業しました)

 

スプレー缶をかなり振ってるのですが、粒子が粗く、雨粒みたいな感じです。

本当は細かい霧のように塗料を出せるエアブラシとか使えば良いのでしょうが、メンテナンスも面倒そうだし、今後頻繁にやるわけでもないし、フランケンギターだからちょっと粗いくらいのほうがという気持ちもあるし、なによりそんな高価な工具は買えないのでそのままいきます。

 

外に行って家の裏で人がいない時間を見計らって、慎重に30分おきに3回ほどスプレーしました。
結構シンナー臭いので、風でこの臭いや塗料が飛んでいくとクレームになりかねないので、作業場所はちゃんと考えたほうが良いです。

 

初めてなのでうまくいったのか、いってないのか良く分からないですが、とにかく真っ黒になったので、ここから、ググって出てくるエディの本物デザインを見ながら、マスキングテープを貼っていきます。


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背面も忘れずに。

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マスキングテープ貼ってくと、ボディがFenderサイズではないので、こっちを立たせるとあっちが立たないみたいな感じになりました。
 

この線とこの線がココでクロスする予定だったのにズレてる。。。

でも、まあ、それも自分だけのオリジナリティだし、とポジティブに捉えて良しとします。

  

 

そして、今度はオールホワイトにします。
マスキングテープを貼っている部分は黒として残り、それ以外の部分が白になる予定です。


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もう、真っ白けで、今のところ、フランケンのフの字もありません。

ドキドキしながら、マスキングテープを剥がしていくと、、、

 

 

おおっ!

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出てきましたよ

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ストライプが!

 

1stアルバムでエディが持ってるやつです。

マスキングテープを剥がしていく毎に出てくる、このエディストライプに興奮してしまいました。何より、こんなにマスキングテープを剥がす作業が楽しいとは思いませんでした。

 

もう、うまくいく気しかしません♪

 

勢いに乗って、ここから最後のマスキングテープを貼っていきます。


先程と同じで、マスキングテープを貼るところは黒白が残り、それ以外が赤になるので、赤にしたくないところにマスキングテープを貼っていきます。

結構、細い線とか、微妙なうねうねのラインとかあって中々難しく、もはやオリジナルのデザインとはだいぶかけ離れてきますが、こんなライン入れたらカッコイイかなーなんて考えながら貼っていく作業は楽しいです。


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そして、今度はこれをオールレッドにします。

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さあ、いきますよ!

楽しいマスキング剥がしタイム、ラストです。
これを剥がしていくと、かの有名なエディストライプになる算段です。

 

 

きたっ!
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これこれ!
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フランケン登場!

 

そしてここからもう1つ重要な作業があります。
レリック加工です。

紙やすりで手で、感性にまかせて削って塗装を剥がしていくことで、使い込んで塗装が剥がれちゃった感をだしていきます。

 

これがあるかないかで雰囲気が全然変わりますよね。

ジーンズが好きな人がわざと色落ちさせて、ダメージ与えるのと同じです。
ピカピカでキレイな状態よりも、レリック加工したほうが風合いというか、独特の質感が出てカッコイイんですよね。

ティービーレイボーンストラトなんかも、めちゃくちゃカッコイイですよね。
あれは自然なのか敢えてのレリック加工なのか分からないですが、あの風格のギターを持っているだけで絵になると思います。

 

 

フランケンの話に戻りますが、これも本物のフランケンギターの画像を見ながら、レリック加工が入っているところに入れていきます。この作業も楽しくて、ついつい本物よりハードにレリックを入れちゃいました。

 

その姿がこちら。
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できた。雰囲気出てません?

 

いやー、おれって、天才。
あとは、クリアを吹いて完成だなーって感じです。

 

 

と、このときは思っていました。

  

このあと、悲劇が訪れるとは知らずに。。

 

次回はこちら

 ↓↓↓ lenheyvan.hateblo.jp

 

エディのフランケンギター製作日記(2/5) 工程① 〜塗装剥がし編〜

どうも、lenheyvanです。

 

前回、製作大変でした、とお話ししていたエディのフランケンギター製作の話をしようと思います。

 

前回の記事はこちら

↓↓↓

 

lenheyvan.hateblo.jp

 

 

 

いや、まあ、最初はいい感じだったんですけどね、途中ハプニングが色々あり、前回の完成形になったわけです。

 

1.塗装剥がし

まず最初にやらなきゃいけないのは塗装剥がしです。

ただ、通常、エレキギターってガッチリ塗装されていますよね。
このYAMAHA MG-MⅢも多分に漏れず、結構しっかり塗装されています。

今まで高校生から大事にしてきて、ちょっとでも汚れたら磨いてきたこのボディーの塗装を剥がしていくのはちょっと心理的に勇気のいる作業です。

ガツンと硬いところにぶつけたりしない限り、そうそう剥がれませんが、これをどうやて剥がしていくのか興味津々でしたが、なんと、みなさん、アイロンとスクレイパーを使ってるじゃないですか。

 

これにはちょっとビックリしましたね。

 

 

 

ただ普通に考えるとアイロンなんか直接つけちゃうと溶けた塗装がべたべたくっつきそうですよね。

 

そんなことになったら怒られてしまうので、ちょっと慎重にやりました。

 お菓子作りの時に使う耐熱ペーパー(クッキー作るときにオーブンに敷くあれです)とか、を挟めば熱はちゃんと伝わる、かつ、くっつかないんじゃないか、とかと思い、まずはその戦法でやってみました。

 

でも耐熱ペーパー敷くとなんかうまくいかず、思い切って直接アイロンをつけてみました。

 

これが不思議なもので、耐熱ペーパーなんか敷かなくても、くっつくこと無く1-2分くらいあたためて(というか激熱)にすると、うまくいきました。

 

熱を与えると塗装が柔らかくなるんです。ゴムのようにグニュってなるので(かと言ってベタベタくっつきはしないです)、冷めるまえにそれをスクレイパーで剥がしていきます。

 

ただ、このギターは強力に塗装されていたのか、ベロッと剥がれはせず、最終的には表面をスクレイパーで削りながら取りました。

 

結構、ガサツにやったので、表面の木が繊維に沿って割れたり剥がれたりしましたが、このあとサンディングする予定なのと、なんせフランケンですから、逆にいいかなくらいのノリでいきました。

 

2.表面を研磨

スクレイパーガリガリやったお陰で表面がガタガタになったので、オービルサンダーで表面を滑らかにサンディングしていきます。

これ手でやるのは無理ですね。いや、1,2日かければ無理ではないですが、腕が持たないのと、何よりそれだけの気力を出すのがキツイので、文明の力を借りました。

 

5000円もあればそこそこいいものが買えるので、それで手でや労力が不要になるなら全然いいかなと思います。ちなみに私はフリマで中古で3000円くらいで割と状態のいいものを購入しました。

 

これがあると、例えば自作エフェクターを作るときにアルミダイキャストケースの鏡面磨きしたり、広範囲だったり時間をしっかりかけてサンディングしなきゃいけない作業が一瞬で終わるのでめちゃくちゃ便利です。

 

 

ちなみにフランケンギターなので1ハムです。

なので、フロントピックアップ部は、適当な木をホームセンターで買ってきて埋めました。キレイに穴にピッタリ埋まるようには手作業では中々難しいので、少し小さめにざっくり切ったら、隙間には爪楊枝を詰めて、そこに木工用接着剤としてはDIY界隈では有名なこいつを使いました。

爪楊枝を突っ込んで上をちょん切るのですが、当然ガタガタになるのと、埋め木も完全ピッタリの高さではなく若干高くなっていたので、ここもオービルサンダーでガッツリサンディングしていて、平面に仕上げました。

 

土日大工でちょこちょこやって、ここまで手作業なもんで、1ヶ月くらいかかりました。

 

そこまでやった状態が、こちらです。
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よく見ると、月のクレーターのようになっている部分があったり、かなり雑なのですが、初心者の第一作なので自分で合格を出しました。

 

ネックには、これまたホームセンターで買ってきた適当な木をネジ留めして、塗装に備えます。こうしておくと、塗装するときに楽なのと、乾かすときにもギターハンガーにそのままかけることができるので、使い終わったあとも、いずれまた他のギターでリフィニッシュ作業をするとき用にとっておきます。

 

次はいよいよ塗装になります。

 

次回はこちら

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エディのフランケンギター製作日記(1/5) ~イントロダクション~

去年ですが、かねてから欲しいなぁ、でも金ないしなー、と思っていたあの、エディのフランケンギターを作ってみました。

 

ちゃんとした製品として販売されているものは30万とか普通にしますからね、全然手が出せないのと、その金額かけるならアンプにかけたいです。

 

というわけで、ギターを始めようと思った高校生のときに年賀状配達のバイトをして初めて購入したけど、最近はちょっと弾かなくなっちゃったギターを使うことにしました。

 

元のギターはこれです。

はい、そうです。みなさんご存じ(?)のB'zの松本孝弘モデル、Yamaha MG-MⅢです。

 

Before
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出典:Amazon YAMAHA MG-MⅢ 【B'z松本孝弘モデル】 ゼブラ

 

このギターは最初に手に入れたギターだけあって、かなりの愛着があります。

購入して3年間くらいは、弾いたあとに必ずクロスでキレイに拭いて、本当に大事に大事にしていたギターです。20年以上かなり弾きこんでましたので、ボディの鳴りがすごく良くて、気に入っていたギターです。

 

ただこの歳になるとデザインがちょっと照れてしまうので、あまり外では弾けないかなと思っていたところで、フランケン作りたい衝動が来たので、これを使うことにしました。

 

次回、詳しくお話ししますが、どういう工程でリフィニッシュすれば良いか分からなかったので、ネットでフランケンを作っている方のブログをしらみつぶしに見ていって(結構作っている方いますよね)、何となく流れは掴みました。

 

塗装を剥がして、サンディング(やすりがけ)して、ラッカースプレーで仕上げていくわけですが、初めてなので、試行錯誤。。半年ほど四苦八苦しながら仕上げました。

 

Afterはこんな感じです。

レリック加工はエディのより派手めに入ってます(入っちゃいました・・・)

After

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試行錯誤しながら作る過程で分かった注意点がいくつかありましたので、どんな、行程で作っていったかは次回お話しします。

 

次回はこちら

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