サウンドハウス

lenheyvan’s music

ギター、エフェクター製作、オーディオなど、大好きな音楽の話をしていきます。

古いエフェクターへのDCジャック・LED増設 & トゥルーバイパス化

どうもlenheyvanです。

エディに憧れるギタリストは絶対持っていなければならない、と中学校でも習ったMXRのPhase90とFlanger(M117R)ですが、今回はPhase90の痒いところに手を届かせる改造についてです。

 

もちろん、ビンテージエフェクターについても同様の方法で改造が可能です。


Phase90は今も現役(2021/8現在)で販売されていますが、通常版と復刻版があります。主な違いは次のとおりです。

 

 

 

  • 現行版(M101)

 ・スクリプトロゴ
 ・LEDあり
 ・DCジャックあり
 ・エフェクトONにするとゲインが少し上がり、かかり方がエグい

 

  • 復刻版(CSP026 '74 Vintage Phase 90)

 ・筆記体ロゴ
 ・LEDなし
 ・DCジャックなし
 ・エフェクトONにしてもゲインは変わらず、かかり方が爽やか


現行版で一番嬉しいような嬉しくないようなところはゲインが上がるところです。
ゲインが上がるので音量も少し上がります。

 

バッキングで特定のパートのみかける、なんて場合は急に音量が大きくなるので勝手が悪いんですよね。


逆にギターソロで目立たせたい、なんて場合はこっちのほうが嬉しいかも知れません。
これがイヤで、かの有名なR28 Modでビンテージ・復刻版同様のシュワシュワ爽やかフェイザーにしている方も多いかと思います。

 

エディは結構、前者の使い方があったりするのでVANHALENやるなら復刻版かなと思い、購入しました。

 

現行版がぎゅわわ~ん だとすると
復刻版はしゅわわ~ん です。

 

復刻版は守備範囲が広く感じます。
クランチ気味でカッティングなんかすると、ちょっとオシャレな雰囲気を演出できます。


そしてもう1点悩ましいのが復刻版はDCジャックがついてないところです。


ノイズ除去の観点からは電池最強なのですが、切れるかも知れないというところに神経を使いたくないので、歪み系も何でも、私はもっぱらACアダプタ派です。

 

あと、LEDがついてないのでON/OFFが分からないところも実践ではちょっと使いにくいところです。意図しないところでONになったりOFFになったらイヤなので。

 

というわけで、DCジャック増設&LED追加プロジェクトです。
ついでにフットスイッチも3PDTスイッチに交換してTrueBypassにしちゃいます。


作業工程は以下のとおりです。

  1. 位置決め
  2. ケース穴あけ
  3. 既存配線の確認&把握
  4. パーツ取り付け(DCジャック、LEDホルダー、3PDTスイッチ)
  5. 配線

1.位置決め

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3PDTスイッチは既存のSPDTスイッチ(フットスイッチ)と径が同じだったので加工無しで取り付け可能でした。
なので、穴あけはDCジャックとLEDホルダーの2箇所です。

 

まずは内部キャビティ内のスペース的に問題なさそうな場所を探します。
LEDは割と狭い場所でも取り付け可能ですが、DCジャックは少し内部にスペースが必要です。

 

スペース的に余裕ありそうなのは、IN/OUTジャックの下のほうです。

DCジャックはOUTジャックのすぐ下が使いやすくて好きなのでそこにします。

 

LEDは現行品や一般的なエフェクターではど真ん中が多いですが、オリジナリティ出したいのとそこじゃないほうがバランス的にカッコ良さそうなので違う場所にします。あまり迷うこともなく直感で右上にしました。

 

2.ケース穴あけ

穴あけ加工はTAKACHIやHAMMONDで散々やってきましたが、MXR製ケースの加工は初です。

 

まずはいつも通り場所を決めたら、ドリルがズレないようにセンターポンチで小さな窪みを作ります。

 

では、電動ドリルで穴あけしていきます。

 

最近はステップドリル(タケノコみたいに段々になっているやつ)が楽なので、これで一発で空けます。


ちゃんと抑えてないとケースごと回ってしまい、ドリルが持っていかれて最悪ドリルが折れて飛んできてキケンなので、しっかりケースを抑えます。

 

 

あれ?入っていかない

 

 

 

っていうか熱ッ!

 

 

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ステップドリルが入っていかず、クルクル回っている内に摩擦熱でケースがゲキ熱になりました・・・

 

MXR製ケース(と言うか他メーカーの市販品も同じ?)はちょっと厚めで、1000円程度の安いドリルではダメなようです。
TAKACHIやHAMMONDでは普通に空けれたんですけどね。


そこで、ホームセンターで購入した普通のドリルに替えて、小さい穴を空けます。

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今度はすんなりいきました。
ちょっと汚いですが・・・

 

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ここからまたステップドリルに替えて穴あけします。


おう、いけるいける。

 

 

ガコッ!

 

 

あぶねー

 

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慎重にやっていたつもるなのですが、危なく大きすぎる穴を空けてしまうところでした。

 

ステップドリルは上から圧をかけすぎると、一気に大きな穴が空いてしまうので要注意。適度な圧で、一段づつあけていきましょう。。

 

DCジャック、LEDホルダーを通してみて、ぴったりの穴ができたので、ちょっと汚いですがこれにて穴あけは終わりです。

 

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3.既存配線の確認&把握

パーツ取り付け&配線の前に、既存配線を確認しておきます。

見たところこんな感じになっているようです。

 

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①電池ホルダーから繋がっている赤の線が基板の電源プラスへ
②電池ホルダーから繋がっている黒の線がINジャックのマイナス(スリーブ)へ
③INジャックのプラス(つまりギター信号)がSPDTスイッチのINへ
④SPDTスイッチのINから基板INへ
⑤基板OUTからSPDTスイッチの端子1へ
⑥SPDTスイッチの端子2からOUTジャックのプラスへ
⑦基板のGND線はOUTジャックのマイナスへ
⑧INジャックのGNDとOUTジャックのマイナスを結線

 

シンプルな配線だけど、字で書くと分かりにくい・・・

 

絵で書くとこんな感じです。

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割と分かりやすい配線なのですが、意外だったのが「INジャックのGNDとOUTジャックのマイナスを結線」の部分。

 

これGNDループになっちゃんじゃないのかな??

ついでなので一点アースにしちゃいましょう。


これで設計フェーズは完了です。

4.パーツ取り付け(DCジャック、LEDホルダー、3PDTスイッチ)

最初にスペース的に問題ないか確認したものの、いざ取り付けると予期せぬ問題が出ることも度々ありますが、今回は大丈夫なようです。

 

DCジャックは十分余裕ありです。
六角ネジもモンキーレンチでしっかり締めれます。

 

たまに、モンキーレンチが入るスペース無くてラジオペンチで締めることもあるけど、ちゃんとガッチリ締めれないのとネジがなめってくるのがイヤなんですよ。その点今回は問題ありません。

 

LEDホルダーはちょっとスペース小さい目なのでさすがにモンキーレンチは入らないのでラジオペンチで締めます。

 

ガッチリではないけど十分締めれましたのと、後でホットボンドで固定するのでこれでOK。

 

3PDTスイッチは、ケースにスリットが入っているのでそれに合わせて取り付けます。

 

 

あれ!?縦になっちゃった。

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いつも横にして取り付けしているのでちょっと違和感。

まあ、外からの見た目は変わらないし、配線上も問題はないのでこれでOK。

 

5.配線

作業後の配線図はこんな感じになります。

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では項番1に記載した既存配線からの変更ポイントを赤字で記載します。

 

①電池ホルダーから繋がっている赤の線が基板の電源プラスへ
 →基板の電源プラス箇所にもう1本線を追加して、DCジャックへ接続します(電池もそのまま使用できるように電池ホルダーの線はそのままにしておきます)

 

②電池ホルダーから繋がっている黒の線がINジャックのマイナス(スリーブ)へ
 →INジャックのマイナスにもう1本線を追加して、3PDTスイッチの5番(GND)へ結線します。(黒の線はこのままにしておきます。理由は①と同じです。)

 

③INジャックのプラス(つまりギター信号)がSPDTスイッチのINへ
 →SPDTスイッチから外して3PDTスイッチの4番(IN)へ結線します。

 

④SPDTスイッチのINから基板INへ
 →SPDTスイッチから外して3PDTスイッチの1番(基板IN)へ結線します。

 

⑤基板OUTからSPDTスイッチの端子1へ
 →SPDTスイッチから外して3PDTスイッチの3番(基板OUT)へ結線します。

 

⑥SPDTスイッチの端子2からOUTジャックのプラスへ
 →SPDTスイッチから外して3PDTスイッチの6番(OUT)へ結線します。

 

⑦基板のGND線はOUTジャックのマイナスへ
 →OUTジャックから外して3PDTスイッチの5番(GND)へ結線します。

 

⑧INジャックのGNDとOUTジャックのマイナスを結線
 →この線を切断します。そして、INジャックのGNDとDCジャックのマイナスを結線します。(これでGNDループを断ち切って一点アースになります)

 

----- ↓↓↓追加作業ここから↓↓↓ -----

⑨LEDを取り付けます。筐体がオレンジ色なので同系統の色にしようと在庫を見ていたら、桜色が余っていたのでこれを採用します。LEDのプラスはDCジャックのプラスへ結線、LEDのマイナスは3PDTスイッチの2番(ON時のGND。LED切り替え用。)へ結線します。LEDは下に抜けてこないようにホットボンドで固定します。

 

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⑩3PDTスイッチの7番(OFF時のIN)と9番(OFF時のOUT)を結線します。これでスイッチOFF時にTrueBypassされます。

 

⑪最後に、1番(基板IN)と8番(OFF時のGND)を結線します。これはスイッチOFF時に基板INをGNDへ落とすことでポップノイズを防ぐためです。

----- ↑↑↑追加作業ここまで↑↑↑ -----

 


ハンダ取り・ハンダづけ作業のちょっとした注意点と言うかコツです。

 

基板のハンダを除去して新たに配線する際ですが、そのままハンダごてで温めても中々溶けない(吸い取り線が吸ってくれない)場合がよくあります。

 

抵抗ならまだしも、オペアンプダイオードなどは熱に弱いので温めすぎると熱で壊れてしまいます。

 

私がよくやるのは、除去したい箇所に敢えてハンダを盛ってから吸い取り線で吸い取るとキレイに短時間で除去できます。

 

例えば、①の基板の電源プラス箇所のハンダを除去してもう1本追加するところですが、最初はこんな状態になっています。

 

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ここにハンダを盛ります。

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そして吸い取り線で吸い取ると、こんな感じにキレイに除去できます。

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あとは普通にハンダづけすればOKです。

 

あと、ハンダづけするときに本来の使い方ではないですがヒートクリップが意外と役立ちます。

 

こんな感じで固定してハンダづけすると両手が使えて楽ちんだし確実に取り付けできます。

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最後に


これで完成です。

 

組み上げるとときに気づいたのですが、基板に半固定抵抗(トリマー)がついていました。

 

左に回すとシュワシュワが弱くなり、右に回すとやっぱりシュワシュワが弱くなり、デフォルトのセンターが一番シュワシュワが強めです。なんじゃこりゃ・・・

よく分からんけど、センターが一番好みだったのでデフォルトの状態に戻しました。

 

何を調整する抵抗か分かりませんが、自分が一番気持ち良いところがセンターだったのでこれでOKです。

音出しして問題ないことを確認。

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現行版とモディファイ復刻版の2ショット写真です。

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復刻版の筆記体ロゴが好きです。

 

LEDはもう少し右隅に寄せても良かったかも知れませんが、やり過ぎるとネジを回せなくなるので、これで良しとします。

 

このモディファイはPhase90以外にも適用できると思います。

 


ではまた!

 

 

GOTOH マグナムロック ペグへ換装

どうも、lenheyvanです。

 

私のお気に入りのMyFavoriteギターであるTelegibですが、世界に誇るGOTOH社のマグナムロックに換装しました。

 

純正で取り付けてあったのはクラシカルなクルーソンタイプのペグです。

製品の選び方、取り付けの仕方など注意点がありますので記事にしておきます。

 

 

 

どの型番を選べばいいのか?

 GOTOHのマグナムロックは大好きで、Orvilleレスポールにも取り付けています。

弦交換が楽なところも好きですが、なんと言ってもチューニングが安定するところが良いですね。

 

ロック式トレモロのギターはある程度安定するので取り付けてませんが、通常のギターには全部つけています。(と言っても、レスポールと今回のTelegibの2本だけですが)

 

ただ、興味ある方は結構いると思いますが、製品の種類やオプションが色々あって、迷っちゃうんですよね。

 

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出展:GOTOH カタログ 2021 

 

そこそこの値段なので、間違って購入しちゃったらショックです。

 というわけで、整理してみました。

 

型番が種類・オプションを表している

GOTOHの型番は法則性があるので、これで種類・オプションが分かります。

 

例えば、今回私が購入した商品の型番はこれです。

SD91-HAPM-05M-L6-Nickel

     -        -    --   

 

それぞれ以下を示しています。

 

①:ペグの種類
②:オプション
③:ボタン
④:ペグの方向
⑤:仕上げ

 

では、カタログを見ながら、ペグの選び方を解説していきます。

 

2021年のカタログはこちら。

https://www.g-gotoh.com/dl/files/Catalog2021-Ja.pdf

 

GOTOHペグの選び方

選択①:ペグの種類

まず、あなたのギターのペグの種類に適合するものを選んでください。

 

エレキギター用だとペグの種類はおおまかに以下のように分類されています。

 

・SG510、SGシリーズ :スタンダードタイプ

・SX510、SEシリーズ  :オープンギアタイプ

・SD510、SDシリーズ :クルーソンタイプ

 

私のOrvilleレスポールにはSG301を取り付けています。

 

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出展:GOTOH カタログ 2021  

 

Telegibですと、私が選択したクルーソンタイプだとSD510、SDシリーズが選択肢になります。

 

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 出展:GOTOH カタログ 2021  

 

それぞれ2ラインナップあって、高級グレードと通常グレードのような感じです。

 

例えばクルーソンタイプだと、

・SD510シリーズ :C・A・R・D標準搭載、ロックソリッドポスト採用

・SDシリーズ    : 上記2つは無し。それ以外は同じ。

となっています。

 

C・A・R・Dとは、この黒いカーボン素材のプレートのようなやつで、ペグ穴にハメてからペグを取り付けることでペグが裏から見たときに一直線にするものです。

 

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 出展:GOTOH カタログ 2021  

 

クルーソンタイプって、ペグ1つ1つにネジ穴がついているわけではなく、ペグとペグの間にネジがあって、そのネジで左のペグと右のペグを固定する作りになっているので、若干不安定なんですよね。

 

それを安定させてセンターずれを起こさないようにするものです。

 

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ただし、カタログに書いてあるように、このプレートは直径8.7mmです。

一方、一般的なクルーソンタイプのペグ穴は6mmなので、ドリルで穴を広げるような加工が必要になります。

ぴったり8.7mmのドリルが手持ちで無かったのと、失敗のリスクを鑑みて、私はやめておきました。

 

ちなみにSDシリーズにも専用のC・A・R・Dがありますが別売りです。
サウンドハウスさんで1,100円程度。

C・A・R・Dを使いたいなら、SDS510シリーズを選択すると良いと思います。

(価格的に言って、SDシリーズにC・A・R・Dをオプションでつける意味はあまり無いので)

 

また、ロックソリッドポストとはアーミングやチョーキングなどで弦が引っ張られても軸がブレないように工夫されたものです。

チューニングの安定性がさらに上がるというものですね。

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 出展:GOTOH カタログ 2021  

 

 

選択②:オプション

ここも大事なポイントです。

 

 選択肢としては以下4つあります。

・MG    :通常のマグナムロック機構のみ搭載 ※ペグを回してロック

・MG-T   :フィンガータイプのマグナムロック機構のみ搭載 ※ダイヤルでロック

・H.A.P   :弦の高さを調整できる機能のみ搭載 ※ロック機能はついてません。

・H.A.P-M :H.A.P+マグナムロック

 

マグナムロックはみなさん必須と思いますので、H.A.Pは選択肢から外れると思いますので実質3つかと思います。

 

ロックだけで良い人はMGかMG-Tになります。

※MG-Tは以下のようにロックするためのダイヤルがあります。

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 出展:GOTOH カタログ 2021  

 

テンションも調整したい方はH.A.P-Mになります。

当然、H.A.P-Mが一番高価です。

 

各ペグがどのオプションを選択可能かは以下の赤丸部分を見てください。

また、機能については青丸に記載しています。

 

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 出展:GOTOH カタログ 2021  

 

私のOvilleレスポールには「SG301-MG-04-L3+R3-C」を取り付けていますので、マグナムロックのみになります。
ただし、青丸に記載されているようにSG301にはロックソリッドポストが標準搭載されています。

 

 

選択③:ボタン

ボタンは豊富な種類の中から選ぶことができます。

例えば、クルーソンタイプだとこれだけあります。

ここに記載の記号(05Mなど)が型番になっています。

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 出展:GOTOH カタログ 2021  

 

 

ちょっとお高いSG510シリーズだとWood素材のものまであります。

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 出展:GOTOH カタログ 2021  

 

 

ギターの雰囲気にあったルックス、耐久性などを考慮して選ぶことになります。

それを考えるだけでも楽しいですね♪ 

 

選択④:ペグの方向

これは単純にペグの形状に合わせて選択することになります。

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 出展:GOTOH カタログ 2021  

 

 

左がレスポールに代表されるようなヘッド形状のもので、型番はL3+R3となります。

真ん中はストラトキャスターに代表されるようなヘッド形状のもので、型番はL6となります。

右はリバースヘッドにもので、型番はR6となります。

 

選択⑤:仕上げ

標準的な仕上げとしてはChrome、Black、Cosmo Black、Goldの4つです。

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 出展:GOTOH カタログ 2021  

 

 

高級グレードのSG510シリーズだとサテンフィニッシュもあります。

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出展:GOTOH カタログ 2021  


 

ここまででGOTOHのペグの選び方は分かりましたでしょうか?

 

それでは次に、Telegibへ取り付けします。

 

Telegibのペグ交換

取り付け前の純正の状態がこちらです。

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そして、今回取り付ける商品「SD91-HAPM-05M-L6-Nickel」がこちらです。

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作業①:ペグの取り外し

では弦を外して、ペグも外します。

 

このとき、1,2弦のテンションを稼ぐためのガイドも一緒に外します。

何故ならば、今回購入した商品はH.A.P.Mだからです。

 

弦の高さ(ポストの高さ)を調整できるので、ガイドは不要になります。

ガイドがあることによるチューニングの狂いも排除したいという考えです。

 

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金具(ブッシュと言います)が残ってますが、これはこのまま使います。

 

ブッシュは、「SD91-HAPM-05M-L6-Nickel」にも同梱されていますが、これは元々のペグ穴が広い場合(この製品のシャフト径が6mm)に、使用します。

 

以下のとおりブッシュ(一番右)は8.8mm径となっていますので、私のギター(6mm径)には必要ありません。

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出展:GOTOH カタログ 2021  

 

そのままでは径が合わないという場合はブッシュを使うことになります。
このとき、元々ついているブッシュを外すために、真ん中の棒が付属しています。
これで裏から叩いて取ることになりますが無理にやるとネック割れのキケンがあるのでDIYでやられる方はご注意ください。

付属のブッシュでも合わないという場合は(あまり無いとは思いますが)、頑張ってサイズの合うブッシュを探すことになると思います。

もしくは穴を一回埋めてから、穴を空け直すかですね。
慣れていない人は素直にショップに持っていったほうが良さそうです。

 

いずれにせよ、自分のギターのペグ穴に適合しているかは、事前にカタログの公式情報でしっかり確認しておく必要があります。


ここで、純正品とマグナムロックのツーショット記念写真です。
サイズ、構造はほぼ同じですね。

違いは、純正はポストの真ん中に穴が開いていて、ここに弦を挿入してから巻くようになっています。

一方、マグナムロックは穴はありません。

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作業②:ポスト長の調整

H.A.P.-Mなので、取り付け前にポスト長を調整します。
通常のペグだと3巻きくらいすると思うのですが、マグナムロックって弦をロックしてくれるので極端な話、1巻きもせずに取り付けることができます。

 

巻きすぎるとその分遊びができてチューニングの不安定に繋がってしまうので、マグナムロックを導入したらあまり巻かないようになると思うのですが、巻かない分、ポストの弦からナットへ向かう角度は緩くなります。

 

そのためテンションは弱くなる傾向になります。
なので、大体同じくらいのテンションになるように取り付けてみます。

 

左がマグナムロック、右が純正です。

3巻きくらいすると純正の下のほうに弦が来ていたので、これに合わせてポスト長を調整してみます。

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では、調整の手順です。

 

作業②-1:ポストのロックを外す

裏に小さい穴が開いていて、ここでポスト長を固定できるようになっています。
※弦のロックではなく、あくまでもポスト長の調整用のロックです。

 

このロックを六角レンチを回して外します。軽く回すだけで緩みます。

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作業②-2:ロックナットと可動軸を外す

一番上のロックナットをくるくる回して外します。

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次にその下にある可動軸を外します。

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こんな姿になりました。

この先端の黒い部分がポスト長を調整するための固定ビスと呼ばれる部分です。

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作業②-3:固定ビスを回してポスト長を決める

手でくるくると回すことができるので、少し下げてみました。
このあとは逆の手順で、可動軸をつけて、ロックナットをつけて、裏から六角レンチで軽く締めて、ポスト長を固定します。

※最初、以下写真の状態で裏から六角レンチで締めようとしたら、この固定ビスも回ってしまいうまくいきませんでした。この状態だと抑えが効いてないので、ちゃんと可動軸、ロックナットをつけてから締めるのが正しいようです。

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作業③:ペグが動かないようスペーサで調整

これは説明書に書いているものではなく、我流のやり方です。
本商品を購入する前にペグ穴径を調べようとTelegibのペグを外したのですが、そこでペグの根元に少し遊びがあることに気づきました。

 

先端のほうはブッシュでしっかり固定されているのですが、根元が少し左右にガタガタと動きます。これはチューニング的にも鳴り的にもよろしく無さそうです。

 

というわけで、何かいいもの無いかなと工具箱とかを漁っていたのですが、ちょうどいいものがありました。

銀泊テープです。これをシャフトの高さにカットして巻いてみます。

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巻き終わった状態がこちらです。

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これをペグにつけると、いい感じでした。
左右にガタガタしていた遊びがなくなり、しっかりHOLDされています。

 

ではペグをつけていきます。
 

 

作業④:ペグの取り付け

ペグをつけていきますが、どうもネジ穴が微妙にズレているようです。

純正ペグと若干の差異があるようでした。

ネジ穴を一回埋めて、新たにネジ穴を作らないとダメかも知れないと思いならが一旦つけてみたところ、ちゃんと固定されているので、このままいくことにしました。

また、ネジですが、どうもマグナムロックに同梱されているネジは折れやすいという口コミが多いようで、敢えてリスクを冒して変える必要性も無かったので、純正のものをそのまま使いました。

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作業⑤:弦を張ってテンションの確認

上端のロックナットは下がっている状態だと、弦を通す穴が塞がっていて弦が通らないので、少し回してあげて、穴に通るようにしてあげます。

 

そうすると弦が通ります。ロックするので先端は短めで良いです。

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これをくるくると回していきます。

これ、結構な回数を回さないとロックが中々かかりません。

昔はじめてマグナムロックを取り付けたときは壊れているのかと焦りましたが、こういうものです。

 

ちなみに、高級グレードのものはロックナットが早く締まるDSLという機構が導入されているようです。

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出展:GOTOH カタログ 2021  

 

 

ペグを回していくと、あるタイミングでロックがかかります。

その瞬間がこんな感じです。

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この2弦です。

ロックがかかっているので、このままペグを回していくと弦がペグに巻かれていきます。

ちなみに外すときは、先端のくぼみにコインや太めのマイナスドライバーを入れて、反時計周りにクッと回すとロックが解除されます。

 

 

これでペグ交換&弦張りまで一通り完了です。

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最後に

 

いかがでしたでしょうか?

 

種類がいっぱいあって選ぶの大変そう、、、

取り付け方が分からない・・・

まどで敬遠していた方も多いかも知れませんが、そんなに難しくないです。

 

慣れちゃうと弦交換はかなり早くできます。

 

また、Ovilleレスポールのほうは数年前にマグナムロック化したのですが、弦が全然切れないんですよね。変な負担がかかっていないのかも知れません。

チューニングも安定しますし、大変お勧めです。

(GOTOHさんの回し者ではありません 笑)

 

それではまた!

ポタアン放浪記(4/4) ~2018-2021年~

どうも、lenheyvanです。

 

今回は久々にオーディオ関連の記事になります。

ポタアン放浪記の最終回です。

前回の記事はこちらです。

 

lenheyvan.hateblo.jp

 

 

大きな不満


前回お話した、OPPO HA-2SEの不安定さに我慢できなくなった私は、これを売って次なる製品を探し始めました。(音質は満足していただけに残念・・・)

条件はこの3つです。

  • 安定していること
  • HA-2SEより高音質であること
  • お財布にそこまでダメージが無い

 次の相棒探しへ

条件1:安定稼働


まず安定していること、という条件は簡単にクリアです。
何故ならば、不安定さはHA-2SE特有のものだったからです。
Bluetooth接続の不安定さとかはどの製品もあまり変わらないですが、HA-2SEはそういう類の不安定ではなかったので)

なので、そこはあまり気にする必要はありませんでした。

条件2:高音質

次にHA-2SEより高音質であること、ですが、どうせお金かけて変えるなら今と同等かそれ以上にしたいものです。
探すと色々高音質であろうものはあって、まさにポタアンは青天井。数十万するものさえあります。

さすがにそれは中古でも無理なので(あ、ちなみに最初から中古で探すつもりです)、定価10万以下で探します。

まあ色々な製品があって口コミを丹念に確認していって、全然悪い口コミがなかったのが、SONYのPHA-3という製品でした。

  


メーカーの売り文句としては、

といったところです。

また、バランス接続可能なので、ここはやはりバランス対応ケーブルにしようということで、大好きなメーカーのBeatAudioのPHA-3に対応しているケーブルを探すと、なんとズバリPHA-3用のものがあるではないですか。

もうこれしか無いです。

BeatAudio社のケーブルはシリーズが色々あるのですが、ダイナミクスのある音像表現が好きなので、Vermilionという高純度無酸素銅(OCC OFC)を採用したシリーズのものを選択しました。(HA-2SEでも、Vermilionを使っていて良かったので)

「BEA-2518」というもので、“Balanced Vermilion for Shure - SONY PHA-3”とあるだけあって、PHA-3用です。

イヤホンはJVC HA-FX1100なのでMMCX仕様のこちらに狙いを定めます。

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出展:philiweb AUDIO


条件3:予算範囲内

次に「お財布にそこまでダメージが無い」ですが、これが一番のネックになりました。まず、PHA-3は2014年発売の製品と少し古いですで、発売時の価格はなんと9万3千円。SONYのポタアンのフラグシップモデルです。

また、BeatAudioのBEA-2518はこれもかなり高価で、発売時の価格は5万2千円です。
中古で探しても、PHA-3は4万超え、BEA-2518は3万超えです。

このときは仕事で頻繁に飛行機に乗っていたので、移動中の時間を最高の音質で音楽が聴けるなら、奮発して4-5万くらいはと考えていましたが、さすがに7万も出せません。

意気消沈して1つ下のグレードに下げようかなと思っていたところ、神が降臨しました。

PHA-3+BEA-2518をセットで4万5千円で出品している方がいたのです。
これでもかなり高額ではありますが、私は飛びつきました。

今まで使っていた「HA-2SE+BEA-2679」も結構モノは良いので、そこそこの値段で売れるであろうことを見越して、即購入です。

「HA-2SE+BEA-2679」で3万くらいで売れたので、実質1万5千円でアップグレードできた計算です。

 

 

使ってみた感想

音質は最高です。

HA-2SEと比較すると、セパレーション(分離感)はかなり向上。
細かな音が聴こえます。

あ、この音源てこんな音も録音されていたんだって感じです。
それくらい、音が分離されてキレイに聴こえます。

ライブアルバムなんか聴くと、歓声がリアル過ぎて、後ろのほうで誰かキャーキャー言っているのかなと思うくらいでした。

また、ダイナミクスも大きくなりました。
低音はすごく多いというわけではないのですが、かなり低いところが出ますし、高音はかなり上まで伸びています。

アンプがいいのかケーブルがいいのかは比較しようがないですが、どちらもいいんでしょう。

疑いようもなく、今まで一番の高音質です。

これで私は多分、この先長い付き合いになるであろう相棒を手に入れたのでした。


とこの時は思ってました。

 

また不満が・・・

手に入れて1年半くらい使っていたのですが、ちょっとしんどくなってきました。
何がしんどいかと言うと、大きさと重さと熱さです。

まず大きさは液晶画面が大きめのスマホと同じかもうちょっと大きいかくらいあります。そして厚さはスマホ2.5台分くらいです。かなりゴツイです。

重さは300gあり、スマホと重ねて持つと結構な重量感です。

これを最初はスーツの上着のポケットに入れていたのですが、まあ重い。
横には入らないので縦に入れますが、体半分出てます。

しんどいので、今度はカバンの常時オープンのポケット部に差し込む形で持ち運ぶことにしました。

これは中々しっくり来ました。ポケットより全然いいです。
さっと取り出せますし。

ただ、雨の日なんかは壊れそうなので、手で持つかポケットかです。

なんかいいケース・ポーチが無いかなーと探していたのですが、中々ポタアン用なんてものは無く、スマホ用にものはあるのですが厚みが全然合いません。

じゃあもう作るか、ということで、百均でフェイクレザーと釣り下げ用のフックつきの細いベルトを買ってきて、作ってみました。

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これにPHA-3とスマホを重ねてバンドで留めて、持ち歩くことにしました。

腰のベルト部分に引っ掛けて、カラビナで留めて使います。
これで結構快適になりました。

カバンの常時オープンのポケットのときは、何かの拍子に縦が横向きになっちゃって、ケーブルが引っ張られてイヤホンが耳から抜けるということが度々ありましたが、今度はそういうことはありません。安定してます。

ただ、今度はこのカラビナ(フック)が面倒になってきました。
外に出る前に、カラビナをベルトにクルっとやって留めて、会社に着いたら、またカラビナを外してベルトからクルっとやって外して、このケースごとカバンにしまう、という作業が面倒なのです・・・

また、PHA-3は結構熱を発生するので、冬は良いのですが、夏に使っていると心配になっちゃう熱さです。
ケースから取り出すときには手が熱くて、夏の外はただでさえ熱いのに、熱い物体を持ち歩くのが苦になってきました。

曲を飛ばしたいときは、当然ケースから本体を取り出して、スマホを操作して、曲を飛ばして、またケースに戻すという作業が発生しますが、それが面倒なのと、熱い。

音質は良いけど、普段使いにはしんどい、という葛藤です。
家で据え置きで使う分には問題ないと思うんですが、持ち歩き派には中々しんどいです。

というわけで、この問題を解決すべく、また色々探します。

 

 

次なる製品探しへ

持ち歩きするには、大きめポタアンはしんどい。
かと言って、AirPodsのように無線イヤホンなんかじゃ音質的に満足できない。

かなりの葛藤です・・・

ただ、もう私の心は既に、「しんどい思いをしてまで音楽を聴くのはストレス。音楽を楽しみたいのにストレスになるようでは本末転倒。そこそこの音質でいいからもっと手軽に音楽を楽しみたい」という方向にシフトチェンジしてました。

そこで色々探して見つけたのがこれです。

 

はい。Bluetoothのイヤホンです。

もはや、ポタアン放浪記でも何でもなくなってきました。

またまた口コミを丹念に調べると、音質はそこそこ良さそうなのと、ノイズキャンセリング機能が優秀なので、音楽への没入感がかなり満足度が高いとのこと。

これの後継機でWI-1000XM2という製品もあったのですが、ノイズキャンセリング機能が良くなっているけど、音質自体はほぼ変わりないという情報があったので、こちらにしました。

中古で9千円で購入し、元々使っていた「HA-2SE+BEA-2679」はセット価格で購入時と同じ4万5千円で売却しました。

これで、かなりお小遣いが潤いました。
(ギター関連のものを色々買っちゃったのですぐ無くなりましたが・・・)

 
 

最後に

 

一番最後はポタアンの話ではなくなりましたが、

  • 家で据え置きで高音質のポタアンを使いたい場合

    ⇒PHA-3+BEA-2518

  • 外でそこそこ良い音で音楽を聴きたい場合

    ⇒WI-1000X

が私の個人的な結論です。

 

ただ、私の場合、家では

 

プリメインアンプ   :PMA-2000IV
スピーカー      :JBL 4312D
Bluetoothレシーバー:オラソニックNA-BTR1B
サブウーファー    :FOSTEX CW200A

 

が稼働中しており、これで満足しているので、ポタアンという選択肢は無かったのでPHA-3は手放しました。

 

本当は、Bluetoothレシーバーではなく有線で繋ぎたいので

 スマホ→(bluetooth)→ファイルサーバ→(有線)→アンプ

という構成にしたいですが、こっちを高音質化するより、ギターのほうで欲しいものがいっぱいあるので、そっちにお金を使うと思います。

 

というわけで、私の音楽鑑賞の環境は今のところ、大きな不満なし、という状況にようやくなりました。

 

めでたし、めでたし、ということでポタアン放浪記は以上で終了です。

 

ではまた!

 

【耳で比較してみよう】歪み系エフェクターの昇圧は有りか?無しか?

どうも、lenheyvanです。

 

「耳で比較してみよう」企画の記念すべき第1回目です。


今回は前々から一度やってみたかったエフェクターへの昇圧回路の組み込みをやってみます。

 

主観だけ書いてもイマイチ説得感が出ないので、音源を用意しました。

みなさんの耳で比較してみてください。

 

他の「耳で比較してみよう」シリーズ記事はこちら↓↓↓

 

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でも、ただ組み込むだけだと昇圧による効果がよく分からないので、トグルスイッチで切り替えできるようにしてサウンド比較したいと思います。

 

昇圧回路の作製

昇圧回路自体は割と簡単で、ネットで色々な方の作成例を参考にさせて頂いて、最終的にはCRAFTS MANさんのサイトを参考にこんな感じで作ってみました。

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一番右のダイオードは本当はショットキーバイアダイオードが良いのですが(なので”ショットキー”と手書きしてますが)、手持ちが無かったので1N4001で代用しました。

 

切り替え速度が遅いので、スイッチでパチっと切り替えても昇圧まで若干タイムラグがありますが、今回はお試し実験なので気にしません。

 

あと、IC(チャージポンプ)は型番書き忘れてますが、TC1044SCPAを採用しています。

MAX1044PAだと耐圧が危なかしい(耐圧10.5v)、LT1054CPは高い(耐圧18v)、ということで、割とお手頃価格で購入できて必要十分な耐圧であるTC1044SCPA(耐圧13v)にしました。

 

完成した回路はこんな感じです。

これをトグルスイッチに取り付けました。

 

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今回のテスト機

今回テスト機として使ったのが、以前の記事で紹介したこちらです。

  

lenheyvan.hateblo.jp

 

 

上部のスイッチが、以前はクリッピング有無を切り替えるようになっていたのですが、これを取っ払いクリッピング無し(いわゆるダンブルモード)にして、スイッチ左が9v、右が17vにしました。

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余談ですが、何年か振りに基板を見てみたら、まあ配線が汚いこと。

恥ずかしくて他人に見せられません・・・

まだ自作はじめて数ヶ月の頃だったので、継ぎ接ぎだらけでした。

 

ちょっといじったらすぐに音が出なくなって、直ったと思ったらまたすぐ出なくなって、の繰り返しでイライラしていたのを思い出しました 笑

 

サウンド比較

違いが分かりやすいと思いますので、是非、ヘッドフォン・イヤホンでお聴きください。耳を痛めない程度に、少し大きめの音で聴いていただいたほうが良いと思います。

 

自分の記録も兼ねてハイゲインからローゲインまで6本録ってみました。

 

ではいってみましょう!

 

 

サウンドCLIP① Unchained-Intro

9V

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

17v

 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

 

サウンドCLIP② Panama-Intro

9V

  ※再生できない場合はこちらから。

 

17v 

  ※再生できない場合はこちらから。

 

 

サウンドCLIP③ Panama-Bridge

9V

  ※再生できない場合はこちらから。

 

17V

  ※再生できない場合はこちらから。

 

 

サウンドCLIP④ Cause We've Ended As Lovers-Intro

9V

  ※再生できない場合はこちらから。

 

17V

  ※再生できない場合はこちらから。

 

 

サウンドCLIP⑤ Cause We've Ended As Lovers-Bridge

9V

  ※再生できない場合はこちらから。

 

17V

  ※再生できない場合はこちらから。

 

 

 

インプレッション

みなさんはどう感じられましたでしょうか?

 

劇的に変わる、というわけではないので音源なので伝わりづらいかも知れませんが、実際に弾いていると違いは結構感じました。

 

昇圧により変化は私はこう感じました。

  • ダイナミックレンジが広くなった
  • コンプ感が弱くなった
  • 大人しいサウンドになった(派手さが弱まった)
  • ハリ・艶感の変化は若干増した(予想した程ではなかった)

 

嬉しい変化ポイント

まず一番変わったなと思ったのはダイナミックレンジですね。

ハイゲインで弾いていると分かりづらいのですが、ローゲインだと如実に変わります。

 

③の音源のようにボリューム絞って弾くと、9vだとピッキングへの追従が悪く平坦でショボい感じになりがちなのですが、17vだとそこが改善されて立体的な音像に変わります。

 

ローゲインで繊細なプレイをする場合には、かなり良い効果を発揮します。

 

悩ましい変化ポイント

一方、ROCK色が少し落ちる点が歪みエフェクターとしては悩ましいところです。

歪みの派手さが無くなって落ち着いたサウンドになるのとコンプ感が弱くなります。

 

コンプ感がなくなるので、音の前に張り出す感・迫力が少し弱まります。

 

ダイナミックレンジとコンプ感はトレードオフですので、プレイスタイルに合わせて、どっちを取るかになるかと思います。

 

歪みの派手さと言っているのは、ミドル~ハイミッドの盛り上がり部分が少し奥にいく感じなんですよね。それによって、スイッチを変えた瞬間に、派手→大人しいに変わるように感じました。

 

ゲインが落ちているのかなと思いましたが、スイッチを切り替えてもゲイン自体は変わりありませんでした。

 

ダイナミックレンジが広がることで低域と超高域が増えているので、歪みは減っているけど出力されているパワー感は同程度、という感じです。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。

 

歪みエフェクター特有のコンプ感+強い歪みでガンガンいきたい方は9vが好みかも知れませんし、繊細なプレイをしたい方には17vが良い選択肢になるかも知れません。

 

もっと昇圧してやると違いがより明確になるかも知れませんね。

 

私の愛器はオリジナルで作製した2段歪み回路のディストーションなのですが、これは、前段が歪みを作る部分(プリ部)、後段が増幅部(パワー部)となっています。

 

ビールが好きなもので、サウンドイメージに合うビールの種類をそのまま命名しました。

  • 炭酸とホップの苦みがガツンと効いているGolden PILSNER
    ※マーシャル系サウンドなので、1959のようなプレキシ系を模したデザインにしています。
  • 炭酸弱めで柔らかく芳醇なBrown ALE
    ※Golden PILSNERより少しFender寄りの味付けにしています。

 

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今回の実験結果から、これのパワー部のみ昇圧しようかと考えています。

 

ガッツリ歪ませたい場合はプリ部を強めにして、繊細なプレイをしたい場合はパワー部を強めにすれば、ジェフベックからホワイトスネイクまでできるのではないかと考えています。(その腕があるかどうかはさておき・・・)



ではまた!



他の「耳で比較してみよう」企画はコチラです。
↓↓↓

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歪みエフェクターのクリッピングダイオードのレビュー

(2022/9/4追記)
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kindleエフェクター自作本を出版しました。

丁寧に分かりやすい構成を意識して書いていますので、素人の方でも体系的に一から理解できる入門書になっています。

これからエフェクター自作を始めたい方は是非どうぞ。
クローンやオリジナルエフェクター製作ができるところまでをカバーした内容となっています。

世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(前編) ~電子回路の解説~

世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(後編) ~配線レイアウトの解説~

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どうも、lenheyvanです。

 

今回はみんな大好きなクリッピングダイオードです。

 

エフェクター自作しているとクリッピングダイオードを色々試したくなりますよね。

私が今まで試したみたダイオードの感想を書いてみようと思います。

 

そもそもクリッピングダイオードって何?という方はこちらをどうぞ。

↓↓↓

 

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今まで試したクリッピングダイオードの所感

ゲルマニウムダイオード

順方向電圧が0.2-0.4vくらいと低いので歪みやすいです。

その分、アウトプットボリュームは小さくなります。

歪みの質としては柔らかい歪み方ですね。古き良き時代の歪み方というか、トゲが無くミドルを気持ちよく歪ませてくれる気がします。

ダイオードは一定電圧(順方向電圧)以上になると電流が流れますが、ゲルマニウムダイオードはその電圧より低くても微量に流れることで、ハードクリッピングではなくソフトクリッピングになると言われています。

 

1N34a
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ケンタウロス で採用されているので有名ですね。

初期MXR Distortion+もこれだったと思います。

 

1N系の中では一番ハイが出るダイオードだと思います。

ピッキングアタック時にキュッという倍音がよく出ます。

粘りよりキレを重視したい方には良い選択肢だと思います。

 

1N60
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ミドル寄りの歪みで、歪の質は粗めです。

 

暖かい感じの柔らかさがあるけど、歪みの粒が粗めなので暴れる特徴ももっており、ブリッジミュートすると気持ちいいです。

 

1N34aほどのキレは無いですが、粘りと太さはこっちのほうがありますね。

個人的にはブラウンサウンド感を感じられ、一番好きなダイオードです。

 

1N270
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こちらもミドル寄りですが、1N60と違うのは歪みの粒です。

こちらは細かめで、上品な歪み方をします。

私の感覚ではSlashの歪みに近い気がします。

 

1N60がワイルドだとすると、こっちはジェントルな感じがします。

コード感もキレイに出るので使いやすいと思います。

粘りは1N34aと1N60の中間くらいでしょうか。

 

シリコンダイオード

順方向電圧は0.4-0.6vでゲルマニウムダイオードの2倍くらいです。

ゲルマニウムダイオードが木材だとすると、こっちは石材ですね。

暖かみは少なく、クールな歪み方をします。

 

1N4001
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まず特筆すべきはミッドローです。

太く重めのサウンドが持ち味のダイオードです。

ロー寄りの歪みが好きな方にはピッタリ、ハイ寄りの歪みが好きな方にはキレが無いと感じると思います。

ギターで言うとレスポールという感じです。

ストラトに合いそう気がします。

 

1N400x系は下1ケタが大きくなるに従ってミッドローが強くなります。

ギターやピックアップがかなりハイ寄りなのであれば、1N4007なんかもアリかも知れません。

 

1N4148
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シリコンダイオードの中ではミドル寄りで暖かみがあります。

(あくまでもシリコンの中ではという意味です)

 

ただ、ゲルマニウムダイオードのように密度の濃いミドルではなく、割と歪みの粒と粒の間にスペースのある歪みなので、クールな感じがします。

 

歪みの粒は粗めなのでワイルド系なのですが、「1N60だとちょっと濃いな~、もうちょっとスッキリ系にしたいんだよなー」という方にはピッタリかと思います。

 

LED

マーシャルのガバナーで有名なLEDです。

クリッピングした時にピカッと光るのが楽しいです。

通常はケースに入れてしまうので見えませんが、穴をあけてこれを見せるようなディストーションを作っている方はたまに見かけます。カッコイイですよね。

 

サウンドについては、シリコンが石材だとすると、こちらは分厚い氷ですね。

ローとハイが良く出るので、ダイオード界のマーシャルです。

ローが出ているので分厚さを感じる一方で、ハイはトゲのある歪み方をするので、ブリッジミュートすると、ザクザクします。倍音も豊富です。

 

LED赤
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赤色が一番順方向電圧が低いと言われています。

とは言っても、1.0vは超えているはずです。

赤で低めのもので1.2-1.5v程度ではないかなと思います。

 

これくらいの順方向電圧だと、ピッキング時に結構明るくピカッと光ります。

これだけ順方向電圧が大きいと、アウトプットボリュームも大きくなりますので、アンプを強くプッシュしたい方には良い選択肢になると思います。

 

クリッピング用は赤の3mm(小さいやつ)を選ぶと良いと思います。

 

LED青など
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青や紫のような寒色系は順方向電圧がかなり高めです。

そのため歪みにくい、良く言えばヘッドルームが大きいのでダイナミクスが出やすいです。

あまり歪ませたくないけど、ノンクリッピング(俗に言うダンブルモード)だと物足りないので、少し味付けしたいという方には良いかも知れません。

 

MOSFET

ちょっと変わり種のMOSFETです。

トランジスタの一種なのでダイオードではないのですが、クリッピングに使える素材なので取り上げてみました。

 

Zendriveで有名ですね。

音色としては一言でいうと、分厚くサウンドです。

人に寄っては暑苦しいと感じる方もいるかも知れません。

コンプ感も強めなので、独特の感触があります。

 

2N7000
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私的にはB'z松本サウンドに感じました。

太くコンプ感が強いサウンドで、音の芯がしっかりしている感じです。

それでいて、ピッキングしたときのニュアンスはちゃんと出ます。

ただ、音の芯がしっかりしているので歪みを上げていっても潰れることはありません。

理性を保ったままHOTになる感じですね。

 

 最後に

歪みエフェクターに一番影響するのはオペアンプクリッピングダイオードだと思ってますが、各製品、色が全然違っていて、すごく面白いです。

ソケット化してしまえばお手軽に試すことができるので、自分の歪みを追及したい方にはすごく楽しい作業かと思います。

 

オペアンプ沼、クリッピング沼にみなさんハマってみなされ!

 

オペアンプの記事はこちらです。

↓↓↓

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そして、エフェクターではなくアンプで歪みサウンドを確立したい方はコチラが参考になると思います。

↓↓↓

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超初心者向け徹底解説 〜【配線編】トゥルーバイパス仕様のMXR Distortion+

(2022/9/4追記)
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kindleエフェクター自作本を出版しました。

丁寧に分かりやすい構成を意識して書いていますので、素人の方でも体系的に一から理解できる入門書になっています。

これからエフェクター自作を始めたい方は是非どうぞ。
クローンやオリジナルエフェクター製作ができるところまでをカバーした内容となっています。

世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(前編) ~電子回路の解説~

世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(後編) ~配線レイアウトの解説~

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どうも、lenheyvanです。

 

電子回路編に引き続き、配線編になります。

 

私はエフェクターを作るときに、回路設計したら、全体の配線図を書いてます。

エフェクターケース裏側方向から見た絵になります。

 

例えば、トゥルーバイパス仕様のMXR Distortion+だと次のような感じになります。

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作るときに間違えると基板が汚くなってしまいますし(何より心が折れます)、基板の部品数が多い場合などは効率良くスペースを活用しないといざ組み込むときに入らなかったりしますし、急がば回れではないですが、事前に配線図を書いてから作業に取り掛かったほうが良いと思います。

 

基板部は電子回路編で解説していた回路図と同じですので、こちらも合わせてみて頂けると分かりやすいと思います。

 

lenheyvan.hateblo.jp

 

全体概要の解説

おおまかな全体の流れは次のとおりとなります。

・3PDTスイッチがOFFの場合、バイパスされます。

 信号は、入力ジャック→3PDTスイッチ→出力ジャックと流れます。

・3PDTスイッチがONの場合、基板を通った信号が出力が出力されます。

 信号は、入力ジャック→3PDTスイッチ→基板→出力ジャックと流れます。

 

では次はトゥルーバイパス配線の仕組みについて説明します。

 

トゥルーバイパス配線

配線の仕方は今回説明する配線とは違うやり方もありますので、一例と捉えてもらえればと思います。

 

3PDTスイッチの仕組みから説明しますが、全部で9ピンあります。

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出展:Garrettaudio

 

次の絵のようにスイッチを踏むたびに接続が変わり、上半分が縦に導通⇔下半分が縦に導通が切り替わります。

 

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これを踏まえて、 私は次のように配線しています。

赤字が信号の流れです。

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左:エフェクトOFF(バイパス)

INから入ってきた信号は、下段の左→右ピンの結線を通ってOUTへ抜けていきます。

 

このとき、基板IN・OUTは通っていませんのでエフェクトはかかりません。

また、上段中央ピンのLEDマイナスはGNDへ落ちていませんので、LEDに電圧はかかりません。そのためLEDはOFFになります。(LEDプラス側は常に9V電源に接続されています。マイナス側をGNDへ落とす/落とさないでON/OFFを切り替える仕組みです)

 

上段左ピンから下段中央ピンへ結線されていますが、これはポップノイズを防ぐためのものです。これが無いと、3PDTスイッチ切り替え時にボッというノイズが出る場合があります。バイパス時に基板INはGNDへ落としておくことでこれを防いでいます。

 

右:エフェクトON(基板を通す)

INから入ってきた信号は、上段左ピンから基板へ流れます。

基板と通ってエフェクトされた信号が上段右ピンから戻ってきますので、これが中段右ピンへ流れて、OUTへ抜けていきます。

 

LEDマイナスは上段中央ピンから中段中央ピンに接続されますのでGNDへ落ちます。

そのため電圧がかかりLEDはONになります。

 

配線の仕方は今回説明した配線方法ではないのですが、私は、この配線方法が分かりやすくて好きです。(左半分がIN、中央がGND、右半分がOUT)

 

以前、基板INと基板OUTの線の距離が近い配線で作ったときに、クロストーク(近接しているケーブルを流れている信号が干渉してしまう現象)が発生してしまいノイズが酷いことになったことがあります。そのときに、配線を見直しして、隣り合わせにならないようにこの配線方法を採用することにしました。

 

入力ジャック・出力ジャックの配線

エフェクターで使われるのは1/4フォンコネクタというものです。

SwitchCraft製のものが品質的には評価されています。が、少し高いです。

 

ギターでも例えばレスポールタイプのトグルスイッチ(ピックアップセレクタースイッチ)なんかはSwitchCraft製が人気ありますね。

ちょっと高いですが、私もレスポールやWashburnN2・N4のスイッチは、SwitchCraft製にしています。ノブをクローズにすると渋くてカッコイイです。

(注)インチサイズとミリサイズの2種類あるので要注意です。国産のトグルスイッチはミリサイズですが、SwitchCraftはインチサイズだったはずです。ノブがミリサイズだと合わないです。(一回やりました・・・)

 

 

 

話は戻りますが、1/4フォンコネクタには種類があって、オープンタイプ/ボックスタイプ、モノラルタイプ/ステレオタイプがあります。

 

まず、オープンタイプですが、こんな形をしています。

 

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出展:Garrettaudio

 

一方、ボックスタイプはこんな形をしています。

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出展:Garrettaudio

 

どちらもお目にかかったことはある方は多いのではないでしょうか。

どちらにするかは好みで決めれば良いと思います。

 

私は意図しない導通が起きてしまうことに気を遣うのがイヤなのでボックス型をいつも使ってます。(配線の仕方が上手だったらそもそもそんなリスクは無いんでしょうけど・・・)

 

 

 

次にモノラル/ステレオですが、よく見てください。

ピンの数が違います。1本多いですよね。

 

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出展:Garrettaudio

 

 

何が1本多いかと言うと、シールドケーブルが挿入されたときだけGNDが有効になる端子です。

 

モノラルジャックはプラス端子とマイナス端子(GND)があります。

ステレオジャックはこれに「シールドケーブルが挿入されたときだけGND」端子を追加したものです。

 

入力側はステレオを使うことで、ジャック挿入したときにだけ電源がONになる仕組みを実現しています。

 

これがモノラルだと、ずっと電源ジャックが接続された状態になるので、エフェクターをOFFにしている間もずっと通電状態になってしまいます。

DCジャックならまだいいですが、電池だと困りますよね。

 

対して、出力側はこういう制御が不要なのでモノラルジャックで良いです。

ステレオジャックでも良いのですが、使わない端子があっても邪魔なだけなのと、ステレオのほうが若干価格が高いので、メリットはありません。

 

それがこの部分です。

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INのGNDと書いている端子が「シールドケーブルが挿入されたときだけGND」端子です。これを電源ジャックのマイナス端子と接続しています。

 

INのマイナス端子ではなく「シールドケーブルが挿入されたときだけGND」端子と接続しているのがミソで、こうすることでシールドケーブルを挿入しているときだけ電源ジャックのマイナス端子がGNDへ落ちて、電圧がかかります。

 

LEDのON/OFFの仕掛けと同じですね。

 

INのマイナス端子へ接続しても問題はないですが、エフェクトOFF時も常に電力を消費することになります。

 

 

 

ポット(可変抵抗)の配線

可変抵抗ですが、今回は2つとも、左に回し切ると抵抗がMAXにかかる状態、右に回し切るとGNDに落ちるようにしたいので、端子aに結線します。

残り2つの端子はポットの背中にハンダつけしますが、ポット自体がケースと導通しているのでGNDに落としていることになります。

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 可変抵抗はどこに何を結線そればいいんだっけ?となってしまいがちですが、左に回していくと中央の端子が右の端子とショート(抵抗値MAX)、右に回していくと左の端子へショート(抵抗値ゼロ)という感じで覚えておくと良いと思います。

(裏から見ているのでノブを回す方向と、ショートする端子が逆方向になります)

 

ギターの配線だと、右の端子がGND(ピックアップのコールド)、中央の端子がアウトプット、左の端子がインプット(ピックアップのホット)になりますよね。

 

左へ回していくと右の端子に近づいていくので、抵抗が減少していき信号がどんどんGNDへ落ちていきます。(ボリュームが小さくなっていく)

 

反対に、右へ回していくと左の端子に近づいていくので、抵抗が増大していきGNDへ落ちる信号が少なくなっていきます(ボリュームが大きくなっていく)

 

ただ、右へ回し切っても、ピックアップ(HOT)は可変抵抗と通じてGNDへ繋がっているため、微量ながらGNDへ信号が落ちています。

可変抵抗は抵抗を大きくすればするほど高域寄りになっていくことはよく知られていますが(通常ハムバッカーだと500Kですがテレキャスだと1Mがつけられたりしますよね)、1Mでも微妙はGNDへ落ちていることで、若干ハイ落ちしています。

 

これをポジティブに太さと捉えるのか、ネガティブにハイ落ちと捉えるのかは人に寄って違うと思います。

 

これをハイ落ちと捉える人向けにSONICというメーカーからフルアップボリュームなるものが出ています。

 

この製品は、2連可変抵抗を使って、ボリュームMAXの場合に抵抗と接続しないようにすることで、ピックアップが出力している高域を全てアウトプットできるようになっています。

 

これについてはこちらの記事で紹介していますので気になる方はご参照ください。

↓↓↓

lenheyvan.hateblo.jp

 

 

ではまた!

 

 

 

【第二弾】塗装剥がし&オイルフィニッシュのやり方(後編)

どうも、lenheyvanです。

 

オイルフィニッシュの続きです。

前回記事はこちらです。

↓↓↓

 

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オイルフィニッシュ2回目が失敗しましたが、めげずに三度目の正直を祈ってもう1回やります。

 

ここまでの反省点

1回目やったときの反省点はサンディングの甘さでした。

そのため、ヤスリをよく粗いもので深くまでサンディングしました。

 

ただ、それでも一部がオイル浸透しなかったのと、色合いがどうも赤味がかっていて、イメージしている廃材っぽい感じが出ませんでした。

 

よく考えると、2回目にサンディングしたときは手で気になる部分だけゴシゴシやすりがけしたのですが、ちょっと中途半端だった気がします。ちゃんとオービルサンダーで全体的に真っ白になるまで元に戻してからやるべきだったのでは、というのが反省点の1つです。

 

そしてもう1つ。色合いですが、やっぱりミディアムウォールナットでは薄いし、エボニーを混ぜて濃い色合いにしても、やっぱりウォールナットの赤味は残るんですよね。

 

一方私が求めているのは廃材っぽい感じなので、赤味が無く、くすんだような灰色がかった黒です。

 

やっぱり色のチョイスが良くなかった気がします。

ファーストインプレッションに従って、ドリフトウッドでやり直ししてみようと思います。

レコーディングでもそうなんですけど、ソロ部分は何度パターンか録りますが、大抵1回目のソロが一番いいんですよね。そんなもんかも知れません。

 

というわけで、ドリフトウッドを近くにホームセンターに問い合わせたら在庫があるということなので、早速取り置きしてもらって、買ってきました。

 

 サンディング3回目

80番の紙ヤスリで全部キレイに剥がします。

今度こそは!なのでかなり念入りにやりました。

 

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ここまでやれば文句なしでしょう。

 

横に何かありますね。

はい、そうです。バーナーです。

 

木目をキレイに出したいので、バーナーフィニッシュなるものをやってみようと思いまして、用意してみました。

 

以前、フランケンギター作ったときに、ヘッドのたばこの焦げ跡を再現するために入手してあったので、試してみようかなと。

 

フランケンギターで使ったときの記事はこちらです。

↓↓↓

 

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バーナーフィニッシュ

ESPのギターでは結構バーナーフィニッシュしているものがあるようですね。

今回初めての挑戦なので、ちょっとビビってます。

 

一気に焼きあげると補正が難しそうなので、軽く炙りながら、色合いを見て慎重に進めていきました。

 

近づけすぎると、全体的に焦げになってしまうので、ある程度の距離(10cmくらい)を保ちつつ、一か所に長時間当たらないように並行にバーナーを移動させながらやっていきました。

 

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我ながら、中々うまくできました。

いい感じの風合いが出せたと思います。

 

木目がよく出ているギターをオイルフィニッシュされる方にはお勧めしたい加工です。

加工と言ってもバーナーで炙るだけなので、割と簡単です。

 

炙り過ぎには要注意です。少しずつ加減を見ながらやると良い感じです。

 

オイル塗布3回目

ここまで来たら失敗はできません。三度目の正直でオイル塗布していきます。

 

写真撮れませんが、ミディアムウォールナットやエボニーのオイルは黒っぽい色をしているのに対して、ドリフトウッドは泥水のような少し灰色がかった色をしています。

 

この時点で何かうまくいきそうな予感がしてました。

 

で、塗った結果がこちらです。

 

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まさにイメージ通りです。

ムラもなく渋い感じになり、いかにも廃材という感じに仕上がりました。

 

いや~、ホっとしました。

諦めなくて良かったです。

 

数日放置してオイルを乾かします。

 

ワックス塗布

最後にワトコワックスで仕上げていきます。

 

 

 

玄関でやっているので、照明の加減で今までの写真より黄色味がかって見えますが、先程の木が濡れたような感じになります。

 

全体に程よく塗って15分待って、もう一回薄めに塗って、浸透するようにウエスで塗りこんでいきます。

 

Before

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作業開始

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After

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このまま12時間放置して乾かします。

 

ついでに、以前オイルフィニッシュしたN2もメンテナンスとして塗っておきました。

N2の作業工程の記事はこちらです。

↓↓↓

 lenheyvan.hateblo.jp

 

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パーツ組み上げ

パーツは用意済だったのでこれで組み上げていきます。

元々のブリッジはテレキャス昔ながらのもので、オクターブチューニングをあまり詰められないので、左右で長短が少しついているものを購入してありました。

 

また、ボリュームはVolumeをMAXにしたときにOUTPUTと直結になる特殊なものを使います。SONICのフルアップボリュームというものです。

 

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通常のボリュームポットだとMAXにしても、ボリュームポットのGNDへ繋がっているルートからハイがGNDへ若干逃げてしまいます。ボリュームポットの抵抗値を高くすればするほど逃げにくくなりますが、ゼロにはなりません。

 

250KΩのポットはMAXでも結構ハイが落ちます。シングルコイルはハイが強いのでこれでバランスを取っていますね。

テレキャスはチャキチャキした音を狙って、1MΩを採用されることが多いですが、これでも若干ハイ落ちします。

 

そのサウンドを良しとするかどうかはプレイヤーの求めるサウンド次第です。

敢えてハイ落ちさせて太いトーンを求める方もいると思います。

 

私は高域がしっかり出て、ハーモニクスが出やすく歪みも乗りやすいサウンドが好きなので、持っているギターは全部これを採用しています。

有るものを抑えることはできるけれども、無いものを出すことはできない、が私の持論です。 耳に痛ければボリューム、エフェクター、アンプで調整します。

 

また、ピックアップカバーは、以前、N2に合わせようと、ブラックをブラウンにスプレーしたものを作っていたのですが、N2には合わなかったので引き出しで眠っていたのですが、Telegibに合わせてみるといい感じだったので、採用しました。

日の目を見れて良かった。

 

 

そして組み上げたのがこちらです。

 

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ピックアップは、フロントはProtoType JB、リアは35th Anniversary JBにしました。これで気分はジェフベックです。
ProtoType JBはフロントでどうなるかちょっと心配だったのですが、クリームかつJBらしくハーモニクスがキュッと出て、いい感じです。フロント全然いけますね。
 
リアのAnniversary JBはProtoType JBよりもワイルドなJBって感じです。
少し派手めの味付けになっていて、荒めの歪みに、アタック時に鋭いハーモニクスが出ます。ただ、鋭いと言ってもJBはピークの周波数が低め(高めのハイミッドではなく低めのハイミッド)なので、耳に痛い感じではないです。
 
どちらもアルニコ2なので、ゴンゴンギャリギャリという感じではなく、クリスピーでやさしく、でも、高出力でHOTな歪みです。
 
 
 

 

ようやくこれでTelegibリフィニッシュプロジェクトは終了です。

満足いく形に仕上がって良かったです。

 

最後に

オイルフィニッシュ2回目でしたが色々勉強になりました。

 

学んだノウハウを整理します。

 

・オイル塗布の前にはしっかりサンディングして、オイルが浸透する状態にすること。

やり過ぎは要注意だが紙やすりは80番くらいがお勧め。

色が違う部分があったら、まだ前の塗装が残っている可能性大。全部同じ色になるまでサンディングする。

 

・ワトコオイルはエボニーは黒系ウォールナットナチュラルな木色より少し赤味がかった色ドリフトウッドは灰色がかった黒で廃材ぽい色。

 

・オイルは最初一気に染み込むので、べちゃべちゃにはしないこと。刷毛にはオイルをつけ過ぎず、ボディの表面が湿る程度の薄さで塗っていく。(結局200ml缶の1割使ったかどうかくらいだと思う)

 

木目をしっかり出した渋い感じを狙うなら、サンディング後のバーナーフィニッシュはお勧め。ただ、一箇所に長く当てると焦げが出てくるので、10cmくらいの距離から並行に動かしながら浅く火を入れていく。弱いようなら距離を近づけるかバーナーを強くして少しずつ濃くしていく。くれぐれも一気に仕上げようとしないこと。

 

・失敗してもサンディングし直せば何度でもやり直せるので、満足しくまで諦めないこと。ただし、オービルサンダーが無いと心が折れるので入手しておくこと。

 

 

 

こんなところでしょうか。

 

最後の諦めないが一番大事です。

 

みなさんのご参考になると幸いです。

 

 

 

【第二弾】塗装剥がし&オイルフィニッシュのやり方(前編)

どうも、lenheyvanです。

 

以前、Washburn N2でやったのですが、今回はBacchusのTeleGibです。

 

前回の記事はこちら

↓↓↓

 

lenheyvan.hateblo.jp

 

はじめに

 

ジェフベックは昔から好きで、特に Cause weʼve ended as lovers の表現力なんかは最高です。

学生のときにはじめて聞いたときは、つまらなく感じてそれからそのCDは10年くらい眠っていたのですが、その後久々聞いたときに、ジェフベックの凄さがようやく分かりました。ギターが唄っているとはまさにこういうことですね。

 

 

 

日本のギタリストだとB'zの松本さんの表現力もすごいですね。

96年に洋楽のカバーアルバムとして出した「ROCK'N ROLL STANDARD CLUB BAND」は凄かったです。

 本当に松本さんは泣きのギターがうまいです。後ノリ気味で敢えてタイミングを若干ズラしたり(ブラインメイもすごく上手ですよね)、同じメロディでもスライド、ベンド、スタッカート、フレージングを微妙に変えて感情を表現していくという、速弾きよりもよっぽど難しい技術だと思います。

 

B'zだと7th BluesのLove is deadという曲のギターソロが一番好きですね。ジャジーな感じでオシャレに入って、途中からロックな感じで盛り上げるという構成の作り方のセンスも素晴らしいです。Strings of my soulもゲイリームーアに通じるような素晴らしい名曲だと思います。

 

聞いたこと無い方は是非一度聞いてみることをお勧めします。

 

話は逸れましたが、そんなこんなで、センシティブなジャンル用にTeleGibは一本欲しかったので作ろうか、既製品買おうか迷ったのですが、ザグリ加工など機材をこれだけのために揃えるのはコスパが悪いので既製品にすることにしました。

 

調べたところ、BacchusとEdwardsで出していることが分かりました。

Edwardsのほうは12万円くらいでコピー度はかなり高そう。

Bacchusのほうは8万円くらいで、若干甘い部分はあるもののこれも良さそう。

 

ということで、この2本でヤフオク、メルカリをチェックしていたのですが、Bacchusが3.5万円くらいで出ているのを見つけて、それにしました。

 

ただ、クリーム色があまり好みではなかったので、リフィニッシュをする前提での購入です。オイルフィニッシュによって、廃材で作ったような風合いを出す構想です。

 

リアPUは1年くらい探してようやく見つかった、Seymore Duncanの35th Anniversary JBです。フロントは何にしようかちょっと迷ってます。

 

 

では、作業工程のほう行きます。

 

塗装はがし

 

アイロンでギター表面の塗装を温めて、テロンテロンになったところをスクレーパーで剥がしていきます。これは前回のN2でやったので手慣れたものです。

 

元の状態

 

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パーツを全部外します。

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では、アイロンを用意して、

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アイロンで温めてはそこを剥がし、を繰り返していきます。

 

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アイロンの形状上、ボディ側面は難しいですので、できるとこまでやって、取り切れなかったところは、ヤスリのサンディングで頑張るしかないです。

 

 まあ、これくらいまでいけば良いでしょう。

 

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オイルフィニッシュ

色選び

前回も使ったワトコオイルでいきますが、色はかなり迷いました。

ファーストインプレッションはドリフトウッドなのですが、最終的にはミディアムウォールナットにしました。

 

何故かと言うと、家にあるウォールナットのダイニングテーブルを見ながら、こんな風合いも良いなぁと思い、もし薄いなと思ったら、エボニーが手元にあるので、これとブレンドすることで濃い色合いを出せば良いと思ったからです。

 

エボニーは前回のN2で真っ黒になってしまい、かなり強い色であることは知っていたので、調整可能という判断です。(これが後になって後悔することになります)

 

 

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写真撮り忘れましたが、ここでオービルサンダーの登場です。

手作業でサンディングなんかしていると日が暮れるのと心が折れるので、ここは文明の力を借りましょう。

ちなみにこれ、専用の紙やすり専用ではなく、百均とかの汎用的な紙やすりも使えるやつにしたほうが良いです。コスパがかなり変わります。

あと、吸塵式のほうが健康面、お掃除面ともに良いと思います。数千円かける意味はあると思います。

 

 

スクレイパーでガタガタにしか塗装が取れてなかったところをキレイに平らにしました。

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そして、 いよいよオイルを塗っていきます。

 

オイル塗布

まずはそのままミディアムウォールナットを刷毛で塗っていきます。

ワクワクする作業ですね。

 

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何故か、オイルが染み込んでいない部分ができています。

色が薄かったんですかね?

 

薄い部分には、百均で買った靴墨で少し汚れをつけて、アクセントにしてみます。

そのうえで、二度塗り時にエボニーを少し足して塗ってみました。

 

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ちょっとかなり思い描いていたイメージとは違いました。

まだら過ぎて、いかにも失敗しましたーって感じです。

 

ドラクエ風にいくと、選択肢はこんな感じです。

 

*逃げる

 ⇒オリジナリティのあるデザインだと自分に言い聞かせて終わりにする。

*もう一度戦う

 ⇒サンディングでオイルを全部剥がしてやり直し。

 

悪魔が選択肢①でいいじゃないかと囁きますが、最終的に、天使がお勧めする選択肢②の茨の道を選びました。

 

というわけでサンディング2回目です。

 

サンディング2回目

ところで、何が悪かったのでしょう?

 

塗り足りなかったのでは?

 ⇒いえ。薄いところはかなり厚めに塗ったのでそんなことありません。

日の当たり具合でムラができたのでは?

 ⇒いえ。全体に日の光が当たるところでやっていました。

日頃の行いが悪いのでは?

 ⇒ええ。そうかも知れません。

 

 

答えはオイル塗布前の写真を見直したときに分かりました。

以下の赤丸のところを見てください。

 

少し色が黄色味がかっていると思いますが、ここが元の塗装が取り切れていないところです。最初に240番でサンディングしましたが、それでは足りていなくて、オイルが浸透せず、まだらになったようです。

240番では浅すぎてダメということですね。

 

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ちょっと気が重いですが、一度オイルを剥がします。

このとき、紙やすりは80番まで落とすことで深くサンディングすることにしました。

赤丸のところが浸透しなかったところなのでここを重点的にやります。

 

全体をオービルサンダーで落とした後、最後は手で赤丸部分を丁寧に削りました。

気力を失いかけていたので、ゴミを残したままです・・・

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オイル塗布2回目

改めてオイル塗布していきます。

前回は厚塗り過ぎた気もしたので、今度は薄く塗っていきます。

 

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あれー?

結構削ったはずなので左下と右下が浸透してません。

どうもまだ足りなかったようです。かなりショックです。

 

なら、全体的に少しサンディングして薄めの色で仕上げる、かつ、縦線を入れたり少し装飾すれば、まだらも目立たない、かつ、オシャレな感じになるのでは。

 

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はい、ダメですね。

 

これはこれでアリかも知れないですが、当初イメージしていたものとは大きくかけ離れてます。

 

さっきのは完全に失敗しましたーって感じでしたが、

今度のは、本人はオシャレだと思ってるみたいだけどかなりダサイよね、って言われそうな感じです。

 

ここでまたドラクエのコマンド選択です。

 

*逃げる

 ⇒オリジナリティのあるデザインだと自分に言い聞かせて終わりにする。

*もう一度戦う

 ⇒サンディングでオイルを全部剥がしてやり直し。

 

 

もうここまで来たら、戦うしかないでしょう。

 

というわけで次回は3度目の正直になるか、2度あることは3度あるになるか、です。

 

続きはこちらです。

↓↓↓

 

 

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【裏技】ギターのナット底上げ調整

どうもlenheyvanです。

 

最近、ナットのすり減りが気になる年頃になってきました。

低すぎるのがイヤなんですよね。

 

というわけで、お手軽かつ材料費はほぼかからずに対処してみたので、どなたかのご参考になれば。

 

気になって仕方ない

最近気になっていたことがあって、このオービルのレスポール君ですが、ナット付近は弦高がかなり低いんですが、ブリッジにいくに従って、高くなっていって、どうも弾きにくいんですよね。

 

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かと言って、弦高下げると低くなりすぎて、詰まりが出るところが出てきますし、何より弦高がガッツリ下げられているのは好みではないんです。

ある程度の高さがあって、弦がちゃんと響くようにしておくのが好きなんです。

 

ランディのDeeのような指弾きしても、コードをストロークしてもキレイに鳴るような感じです。

強めにピッキングしてもフレットとぶつかり過ぎず、ボディがしっかり鳴ると言うか。分かりますかね、この感じ。

 

 

で、最初はネックのトラスロッドを回して、ほんの僅か順ソリを、もうちょっとソラしみようかなと思ったのですが、昔クルクル回し過ぎたのか、トラスロッドがもう余裕なしです。

 

そしてナットを見てみると、結構弦が食い込んでます。

 

97年購入の24年前のモノですから、まあそうなって当然ですよね。

バイトしてお金貯めて買ったのが懐かしいです。当時8万5千円で購入しました。

こいつ4kg近くありかなり重いのですが、その分、想いも人一倍です。 

 

ランディローズが大好きで、でもGibsonシグネチャーモデルは買う金ないしで、オービルのカスタム仕様のを購入しました。

 

5,6年前にパーツを全入れ替えして、ゴールドからGotohのクロームに替えて、大人なカスタム仕様にしてみました。

 

私のはオービルですが、特にオービルbyギブソンなんかはかなり高額で中古市場では取引されてますよね。国産Gibson直系の最高峰という感じなのでしょうか。

 

ピックアップはリアにWofetoneのTimbre、フロントにGibson 500Tというメタル専用機にしています。

 

ナットが低すぎなのが問題ではないんだろうか?

私は考えました。

 

ナットが低いからブリッジ側の弦が上がってきちゃうのであって、ナット側にもう少しだけ高さがあれば、ネックと並行に弦を張ることができるのではないだろうか?

 

モノは試しです。やってみよう!

 

いくつか案を考えました。

 

①リペアショップに持ち込んで、ナット交換する

②自前でナット交換&溝切りする

③もっと楽な方法を探してみる

 

案① リペアショップ

まず①ですが、大体ナット込みで1.5万円~になりますが、そんな金無いです。

即刻却下です。

 

案② 自前でナット交換

次に②。どうやら、ナット溝切り用のヤスリが必要なようです。

 

有名なのはHOSCOのこちら。

最安でも7,500円くらいはします。

 

 

買いたい衝動がありましたが、これを買って、利用するのは何回だろうと自問自答。
せいぜい2回くらいでしょうね。


これ買って失敗するくらいならリペアに出したほうがいいんじゃないかと思い、これも却下。
 
色々調べると、ナットの溝切りはかなり難易度が高く作業精度でかなり変わるようです。高いお金出して失敗したら、(と言うかその確率のほうが高い)ショックが大きそうなので断念です。


案③ 自前でナット交換

最後に③。色々ネットで調べてみると、ナットの底面にシムをかます(モノを挟んで底上げする)という技もあるようです。

確かにこれならナット自体は手を入れないので、安全そうです。

 

何をかまそうかと考え、思いついたのが木と金属です。

 

木は加工しやすいし弦の振動も殺さずに済みそうです。

でも、底上げと言ってもコンマ何mmとかそういう世界なので、薄いのを買ってきてもヤスリで削って薄くする必要がありますが、そこそこの強度があって、削りやすいって何だろう、っていうか圧力で潰れて調整狂うかな、とか考えていくうちに面倒になってしまいました。

 

なので金属でいくことにします。

 

早速、ホームセンターへ行って、一番薄くいのを見つけて買ってきました。

 

では行ってみます。

 

1.ナット外し

まずナットを外さないと何も始まらないので、外しますが、YouTubeで予習しました。

Fender系は結構厄介な場合があるようですが、LesPaul系はあて木をしてあげて優しく叩くと簡単に取れそうだという予備知識です。 

 

早速やってみます。

 

念のため、ナット横の接着部分はデザインナイフで軽く切り込みを入れます。木材部が割れないための予防策です。(LesPaul系はそこまでしなくて大丈夫みたいですが念のため)

 

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あて木をして、トンカチでかる~く、トントンします。

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数回たたくと、簡単にポロっと取れました。

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2.次に底にかませる金属の加工

ホームセンターで薄い金属版を買ってきました。L字型しかありませんでしたが、半分に切れば大丈夫です。

厚さは0.8mmくらいあります。ちょっと厚いかなと思いつつこのまま続行です。万が一厚ければ、ナットの底面を削って調整するつもりです。

 

薄いので、センターにマイナスドライバーの先でガイド線を入れて、そこに金属製の平型ヤスリを斜めの角度で当ててこすります。

 

百均のもので十分です。

 

いつも失敗しようのないところで失敗するのに、今日は順調♪ 

 

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3.ナットの裏面に張り付け

ナットには瞬間接着剤が薄く数箇所ついています。私のギターの場合は、底面に2箇所、ナット横とネック側に2箇所ついてました。

 

これを軽くヤスリがけして取って、平らにします。600番でやりました。

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はい、平らのツルツルになりました。

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次に、先程加工した金属を底面に瞬間接着剤を少量だけつけて接着します。

2枚合わせるとちょうどジャストサイズになりました。

 

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4.ナットの取り付け

取り付けの前に、ナットが刺さっていたところのギター側の底面にも付着してガタガタになっているので、先程の平型ヤスリで軽くサンディングして平らにしておきます。

 

そして、元の状態と同じように、ほんの少量の瞬間接着材を、底面とナット横(ネック側)につけて、ナットを差し込みます。

※いっぱいつけすぎると、将来また交換するときに外すのに苦労することになるので、チョンチョンくらいがBESTと思います。

 

ここで弦を張って、正規の位置に上から弦の圧力でプッシュします。

手でも軽く押して抑えてみました。

 

1分くらい抑えて、もう動かなそうかなと思ったので、そこからチューニングしていきますが、オクターブチューニングもズレた(元からズレていた?)ので、調整していきます。

 

最終形はこれです。

 

少し高くなりました。(Beforeの写真を撮り忘れてました・・・)

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4弦を抑えて、ちょうど紙1枚が1~3弦を通せる高さです。

(これくらいが良いらしいです)

ナットの底面に金属プレートが入っているのが見えるでしょうか。

これがさっきのです。

 

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最後に

チューニングして弾いてみると、うん、弾きやすい。

ブリッジ側で弦高を下げると、ネックと並行くらいの状態に調整でき、我ながら今日はうなくいきました。

 

音色は若干ハイが出るようになったような。

 

いやプラシーボだな、きっと。

 

ナットが削れて弦高が下がりビビる、でもリペアに出すお金はかけたくないしナットの質には不満は特に無いし、という方には良いかも知れません。

※すみませんが自己責任でお願いいたします。

 

金属プレート 68円、平型ヤスリ 100円の税込でも計200円でできました。

将来リペアに出すときにはちょっと恥ずかしい思いをしそうですが、十分に満足な仕上りです。

 

いずれTUSQか象牙に替えてみたいな~

 

ではまた!

 

(2022/03/12 追記)

このあと実際にTUSQにナット交換してみましたので、ご覧ください。

↓↓↓

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オペアンプのサウンドレビュー ~デュアル編~

(2022/9/4追記)
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kindleエフェクター自作本を出版しました。

丁寧に分かりやすい構成を意識して書いていますので、素人の方でも体系的に一から理解できる入門書になっています。

これからエフェクター自作を始めたい方は是非どうぞ。
クローンやオリジナルエフェクター製作ができるところまでをカバーした内容となっています。

世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(前編) ~電子回路の解説~

世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(後編) ~配線レイアウトの解説~

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どうもlenheyvanです。

 

前回はシングルオペアンプのレビューをしましたが、今日はデュアルオペアンプのレビューです。

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MXR Distortion+に載せての評価です。

自作ソケットを使ってデュアルをシングルへ変換して載せてます。

 

感じ方は人に寄りけりなので、あくまで個人的な主観としてお読みください。

 

JRC4558DD

[総評]
よく目にするオペアンプ。薄膜がかかったような感じでモコモコする。キレはあまり無い。歪みは弱め。ごく普通のオペアンプという感じ。自分のエフェクターには採用しないと思う。


・歪みの深さ:少し弱め
・歪みの粒感:少し細かい
・音質   :ミドル寄りでモコモコ系

・レンジ  :狭い
倍音   :普通
・ノイズ  :少し多い

 

RC4558P

[総評]
優等生タイプ。4558系の中ではノイズは少ない方。 RC4558DDを力強くしてノイズを消した感じ。ハイミッドの倍音が出るのでウェットな印象。ただ、 ゲイン落とすと、若干ショボくなるのが残念。

 

[項目別評価]
・歪みの深さ:深い
・歪みの粒感:細かい
・音質傾向 :ハイミッド寄りでウェット

・レンジ  :普通
倍音   :少し強め
・ノイズ  :少ない

 

RC4559P

[総評]
4558系ではカラッとした乾いた音で気持ちいい。ゲインを落としてもショボくならないのがGood。コスト抑えつつ音質も妥協しないなら最良の選択肢になる。


・歪みの深さ:深い
・歪みの粒感:細かめ
・音質傾向 :ドライ。カラッとしている。

・レンジ  :普通
倍音   :ハイミッドが良く出る
・ノイズ  :少ない

TL4558P

[総評]

4558系の中では一番粗め。ノイズは少ない。 歪みは強くはない。粗めでワイルドな歪みが好きならお勧めできる。ただ、ゲイン落とすと若干ショボくなるのが残念。


・歪みの深さ:普通
・歪みの粒感:少し粗め
・音質   :ドライとウェットの中間

・レンジ  :普通
倍音   :普通
・ノイズ  :少ない

 

NJM4558DD 艶あり

[総評]

4558系の中では一番細かく深い歪み。ミドルが出過ぎてないので、レンジが広く聴こえ、コード感が聴き取りやすい。全体的にカラッとした気持ちの良いサウンド。人気があるのは納得。


・歪みの深さ:深い
・歪みの粒感:細かい
・音質傾向 :ドライ

・レンジ  :少し広め
倍音   :ミドルからハイまで良く出る
・ノイズ  :少ない

 

RC4558 MALAYSIA

[総評]

価格的には4558系で最高峰だが納得のサウンド。まず第一印象は太い。深い歪み、ノイズの少なさ、ワイルドでミドル強めでロック色が強い。太くよく歪むサウンドが好きな人にはピッタリ。ミドルが暑苦しいのが苦手な人は艶ありをお薦めする。


・歪みの深さ:深い
・歪みの粒感:少し粗め
・音質傾向 :ミドル強めで太い

・レンジ  :少し狭め
倍音   :ハイミッドが良く出る
・ノイズ  :少ない

 

TL072CP

[総評]

倍音が良く出て元気なサウンド。歪み過ぎず、レンジも狭過ぎず広過ぎず、バランスが良いサウンドピッキング時のキャッというハーモニクスはduncan JBぽい。優等生タイプなので人によっては物足りなく感じるかも知れない。


・歪みの深さ:少し強め
・歪みの粒感:普通
・音質傾向 :ドライとウェットの中間

・レンジ  :普通
倍音   :強い
・ノイズ  :少し少なめ

 

TL082CP

[総評]

元気はあまりなく、倍音も少なめで、歪みも弱め。ピックアップで言うとduncan antiquityのような枯れた感じ。兄弟分のTL072CPとは全然違うキャラクター。おとなしいお兄ちゃんという感じ。


・歪みの深さ:弱い
・歪みの粒感:少し粗め
・音質傾向 :実音強め

・レンジ  :普通
倍音   :弱い
・ノイズ  :少し少なめ

 

LT1498

[総評]

一言でいうとハイファイでキレイ。アンプで言うと、ヒュース&ケトナー、ピックアップで言うとEMG。クリーミーかつパワーのある音で、ノイズの少なさは今まで試した中でイチバン。クセの無いサウンドなので人によっては無機質、物足りないと感じるかも知れない。


・歪みの深さ:押し出し(パワー感)が強い
・歪みの粒感:クリーミー
・音質傾向 :サラッとしてクセが無くハイファイ

・レンジ  :広い
倍音   :実音と一緒によく出る感じ
・ノイズ  :かなり少ない

 

LME49860NA

[総評]

粗めでハイファイ。741系をハイファイにしてレンジを広くした感じ。ノイズも少なく優等生なサウンドなのに、粗くワイルドな味付けなところが面白い。実際のパワー感は強めだと思うが、ローがあまり強くはないのでそこまで押し出し感はない。


・歪みの深さ:深い
・歪みの粒感:粗い
・音質傾向 :ドライ寄りでハイファイ

・レンジ  :少し広め
倍音   :普通
・ノイズ  :かなり少ない

 

OPA2604AP

OPA2132PA

 前回のシングル編を参照。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?

 

4558系だと私は艶ありが一番好みでした。

ハイファイ系だとLME49860NAです。

 

マレーシア製の4558は私には少し暑苦しく感じて、艶ありくらいのカラッとした感じが好きです。

 

また、シングルも含め、色々試してレビューできるものが増えたら、追記してアップします。

 

 

また、クリッピングダイオードの所感についてはこちらになります。

こちらも合わせてご覧ください。

↓↓↓

 

lenheyvan.hateblo.jp

 

 

また、9v電源を18v昇圧することで、サウンドがどう変わるかはコチラをご参照ください。(音源あり)

↓↓↓

 

lenheyvan.hateblo.jp

 

 

オペアンプのサウンドレビュー ~シングル編~

(2022/9/4追記)
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kindleエフェクター自作本を出版しました。

丁寧に分かりやすい構成を意識して書いていますので、素人の方でも体系的に一から理解できる入門書になっています。

これからエフェクター自作を始めたい方は是非どうぞ。
クローンやオリジナルエフェクター製作ができるところまでをカバーした内容となっています。

世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(前編) ~電子回路の解説~

世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(後編) ~配線レイアウトの解説~

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どうもlenheyvanです。

 

今日はシングルオペアンプを今まで色々試してきたので、音質評価を整理したいと思います。

 

f:id:lenheyvan:20220312120312j:plain

 

MXR Distortion+に載せての評価です。

 

感じ方は人に寄りけりなので、あくまで個人的な主観としてお読みください。

 

LM741CN

[総評]
ロウファイ。質感は良いが、パワー感は弱め。ハイミッドのきらびやかさは無い。

 

[項目別評価]
・歪みの深さ :若干弱め
・歪みの粒感 :粗い
・音質傾向  :高音弱め
倍音    :普通
・ノイズ   :普通

 

UA741CN

[総評]
ロウファイ。ドライで粗めの質感。もうちょいパワー感は欲しいところ。
きらびやかさは良いがUA741CPには一歩譲る。

 

[項目別評価]

・歪みの深さ :普通
・歪みの粒感 :粗い
・音質    :ミドルのおいしい部分がキレイ出る
倍音    :ハイミッドが良く出る
・ノイズ   :普通

 

UA741CP

[総評]
ロウファイ。ドライで粗めの質感に、パワー感もあって、高音のきらびやかさも良い。

 

[項目別評価]
・歪みの深さ :少し深い
・歪みの粒感 :粗い
・音質    :おいしい部分キレイ出る
倍音    :ハイミッドが良く出る
・ノイズ   :普通

UA741CP MALAYSIA

[総評]
UA741CPをさらにパワー感を加えた感じ。それ以外の特性は同じ。
741系の中では一番好きな感じ。 

 

[項目別評価]
・歪みの深さ :少し深い
・歪みの粒感 :粗い
・音質    :おいしい部分キレイ出る
倍音    :ハイミッドが良く出る
・ノイズ   :普通

 

LM308AN

[総評]

RATで有名過ぎるオペアンプ。低音が強めで高音が弱め。そのため、色気は無い。
一方、パワー感はすごい。RATに搭載されてるだけあって、メタル系なオペアンプ
きらびやかさはシングルタイプでは一番無い。

 

[項目別評価]

・歪みの深さ :深い
・歪みの粒感 :普通
・音質    :低音強め、高音弱め
倍音    :普通
・ノイズ   :普通

 

OPA604AP

[総評]
高級オーディオに使われるだけあってハイファイ。ノイズは少ない。ドライブ感は強い。
中域に盛り上がりがあり、ハイファイながらも温かみがある。上品な印象。

 

[項目別評価]
・歪みの深さ :少し深い
・歪みの粒感 :普通
・音質    :レンジ広め。中域に盛り上がりがある。
倍音    :普通
・ノイズ   :少ない

 

OPA134PA

[総評]
OPA604APの兄弟機。同じくハイファイでノイズ少な目でドライブ感は強い。
歪みは細かめで全帯域に渡ってレンジが広い。高音域が強く金属的な響きがある。HR/HM向き。ダグアルドリッヂのような音。

 

[項目別評価]
・歪みの深さ :深い
・歪みの粒感 :細かい
・音質    :レンジ広く、ドンシャリ系。
倍音    :普通
・ノイズ   :少ない

 

2021/4/11追記

NE5334P

[総評]
良くも悪くも個性やクセはあまり無く、ハイファイと言われつつも、ハイファイ過ぎない。

面白みがあると言われると面白みは無いが、クセの強いオペアンプをもっと素直なサウンドにしたいならあり。オペアンプで積極的に音作りしていく人には向かない気がする。

 

[項目別評価]
・歪みの深さ :普通
・歪みの粒感 :普通
・音質    :フラット
倍音    :普通
・ノイズ   :普通

 

OPA627AP

[総評]

ポタアンなどのオーディオ界隈ではかなり高評価の2,500円ほどする高級オペアンプ

Burr-Brown社に共通するハイファイさは素晴らしい。

ただ、エフェクターではどうかと言うと、全帯域強すぎて、ローはドンドン、ミドルはモコモコ、ハイはキンキン。オーディオなら、迫力と明瞭さが良い方向に行くと思うが、こと、エフェクターとなると合わないのが面白いところ。エレキギターはミドルが大事な楽器なので、そこがフィットしないと思われる。

 

[項目別評価]
・歪みの深さ :普通
・歪みの粒感 :普通
・音質    :ドンドン、モコモコ、キンキン
倍音    :普通
・ノイズ   :少ない

 

UA741HC メタルカン

[総評]
希少なメタルカンのUA741。良くメタルカンは安定していると聞くので、クリアでハイファイな音を予想していたが、通常版と同じくローファイ。

タルカンのほうが古いせいか若干、泥臭い感じ。

このダーティさはハマる人はハマると思う。

ハイファイで分離感を求める人には向かない。

 

[項目別評価]
・歪みの深さ :普通
・歪みの粒感 :粗い
・音質    :ローミッドが強めでダーティ
倍音    :少し少ない
・ノイズ   :少し多い

 

最後に

いかがでしたでしょうか?

オペアンプで音質はかなり変わります。

 

741系は総じてローファイですが、これにしか出せない、良い意味で古臭いサウンドがあります。

立ち上がりが遅いので、その分粘りを感じるように思えます。

レンジは狭めでローとハイは強くなく、ミッドが強調されます。

 

一方、OPA系はBurr-Brown社製ですが、ハイファイでキレイな歪み方をします。

OPA604APが暖系だとすると、OPA134PAは寒系です。

 

これ以外にも沢山ありますので、オペアンプはソケット式にして、色々載せ替えてサウンドの違いを楽しむと良いと思います。

 

次回はデュアル編にいきます。

 ↓↓↓

lenheyvan.hateblo.jp

 

また、クリッピングダイオードの所感についてはこちらになります。

こちらも合わせてご覧ください。

↓↓↓

 

lenheyvan.hateblo.jp

 

 

超初心者向け徹底解説 〜【電子回路編(4/4)】distortion+の回路図解説「④クリッピング部」〜

(2022/9/4追記)

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丁寧に分かりやすい構成を意識して書いていますので、素人の方でも体系的に一から理解できる入門書になっています。

これからエフェクター自作を始めたい方は是非どうぞ。
クローンやオリジナルエフェクター製作ができるところまでをカバーした内容となっています。


世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(前編)
~電子回路の解説~

世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(後編)
~配線レイアウトの解説~


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どうも、lenheyvan です。

前回は「③電源部」をやりました。
lenheyvan.hateblo.jp


今回は、「④クリッピング部」をやりたいと思います。

電子回路編の最終回です。

いつものように、こらを別タブで開いてください。この図を見ながら読んでもらえると理解しやすいと思います。

この部分は一番モディファイで楽しめる、自分のオリジナリティを出せるところかも知れません。

どんな質感の歪みにするのか、歪みはグシャとするのかナチュラルにいくのか、ハイ寄りかミドル寄りか、アウトプットボリュームはどの程度にするのか、ハーモニクス多めか実音強めか、etc...

では、いってみましょう!

「④クリッピング部」の解説

直流成分を除去(C5)

これは「カップリングコンデンサ」というやつです。

回路間を繋げるときに直流成分を除去することで信号を扱いやすくしています。
カップリングという名前の通り「組み合わせる」ということですね。

入力部で、オペアンプを動作させるために4.5vのバイアス電圧をかけたと思いますが、これを除去してあげるようなイメージで捉えてもらえれば良いです。

ここは容量によって除去する周波数帯域を変わるところなので、敢えて狭めたり広げたりすることで、積極的に音作りに利用することができます。
それは後述のモディファイネタ帳にて。

オペアンプを保護(R8)

入力部のR1でオペアンプ保護を行っているとご説明しましたが、こちらは出力部のオペアンプ保護です。
R1同様にお作法としてつけておく、という理解で良いと思います。

クリッピング(D1,D2)

さて、今回の肝であるクリッピング部です。

これは前回の電源部で少し触れましたが、波形の頭を潰す(切り取る)と音が歪むと言いましたが、
まさにそれを行う部分になります。


では、クリッピングの仕組みの説明にいきましょう。
まず、D1,D2はダイオードです。

ダイオードは一定電圧以上になってはじめて電流を流すという特性があります。

電流を水に置き換えると、土嚢を置いて水の流れを堰き止めている状況をイメージしてみてください。
こんな感じです。

水の流れ=電流、土嚢=ダイオード です。

水の勢いが弱いときには土嚢に阻まれて水は流れません。
つまり、電流は流れないわけです。

しかし、水の勢いが強くなってくると土嚢を乗り越えて水が流れます。

土嚢を乗り越えた部分は水の勢いが強く(=電圧が高い)、
土嚢を乗り越えられていない部分は水の勢いが弱い(=電圧が低い)、と思ってください。

土嚢=ダイオードと説明しましたが、土嚢の高さ=ダイオードの順方向電圧 と言います。

順方向電圧とは、これ以上の電圧になると電流が流れちゃうよ、という閾値のことです。


では、ちょっと回路図に戻ってみましょう。

D1,D2の先はGNDに繋がってますよね。
ということは、D1,D2を通過した電流は捨てられるわけです。

D1,D2を通過する電流とは何でしょうか?

そうです!

土嚢の高さを超えた水、つまり、順方向電圧を超えた電流です。

例えば、このdistortion+で使わている1N60(初期は1N34aかな?)はゲルマニウムダイオードという種類のダイオードですが、順方向電圧は低めで0.2v程度です。
そのため、オペアンプから出力された信号の内、0.2vを超えた信号のみダイオードを通過してGNDへ捨てられます。

その結果、こういう波形になります。

こうすることで、歪みを生み出しているわけです。

高周波ノイズを除去(R8,C6)

ここでもR8が出てきますが、はい、ご推察のとおり、ここはR8とC6でローパスフィルターを形成しています。

例のごとくElectricdocで計算してみるとこの通り。
超高域の15.9kHz以上をフィルタリングしています。これによって、高周波ノイズを除去しています。

出力ボリュームを調整(R9)

最後のR9は可変抵抗になっており、OUTPUTノブにあたります。

ここは単純で、OUTPUTをMAX(右に回し切る)にすると0Ωになるようになっており、信号がそのまま出力されます。
MIN(左に回し切る)にするとGNDに直結され、信号は全てGNDに落ちます。よって、音が出なくなります。
中間くらいだと、半分捨てて、半分出力という感じです。

ギターのボリューム回路と同じですね。

モディファイのネタ帳

音を太くする/シャープにする(C5)

ここはカップリングコンデンサと説明しましたが、コンデンサなので容量を大きくすると通過する周波数帯域が低域方向に広がります。
逆に容量を小さくすると狭まります。

サウンドへの影響としては、容量が大きいと低音が強くなり太くなります。
容量が小さいと、切れの良いサウンドになります。

ただ、どちらもやり過ぎは良くなくて、大き過ぎると重くもたつくサウンドになりますし、
小さ過ぎると細くてショボイサウンドになります。

個人的にはデフォルトの0.5~1.5uFくらいが良いバランスだと思います。

クリッピングの効きを調整(R8)

オペアンプの保護の役目もありますが、実はこれクリッピングの効きに影響します。

抵抗値を小さくすると、勢いよくOUTPUTへ向かって出力されていくのでスッキリしたサウンドになりますが、クリッピングがあまり効かなくなります。

D1,D2へかかる電圧が弱くなりクリッピングされなくなるんですね。
(勢いが良すぎるためD1,D2に流れず、真っすぐOUTPUTへ行っちゃう感じですね)

逆に抵抗値を大きくすると、入力部のR1と同じように若干泥臭さが出てきます。
(良い悪いではなく。それを良しとするかどうかは自分の耳で判断です。)

10kくらいだとしっかりクリッピングもされますね。

色々試してみましたが、100kくらいにしてもクリッピング感(歪み感)は変わらずに
泥臭さが強くなったので、しっかりクリッピングさせるためには10kあれば十分でしょう。

歪みの質感を変える(D1,D2)

ここは一番お手軽に、かつ、音色を変えることができるので楽しいところです。

デフォルトではゲルマニウムダイオードと説明しましたが、これは割と粗めで、かつ、暖かいサウンドです。
バリバリと歪むけど耳に痛い成分はそこまで出ない
、という感じでしょうか。

順方向電圧はかなり小さく0.2vなので、0.2v以上は捨てられます。
これがdistorton+の出力が低めである所以ですね。

例えばここをLEDに変えると、順方向電圧は2.0~3.5vになります。(種類によって異なります。赤は低め、青・白は高めです)
そうするとアウトプットされるボリュームが大きくなります。これは劇的に違いますね。

また、LEDは割と冷たい感じのザクザクしたマーシャル風の歪み方になります。
これはダイオードの特性によるものです。

順方向電圧を超えると電流が流れます、という説明をしましたが、実際は超える前にも少しチョロチョロ流れています。

LEDだと順方向電圧を超えるまではほぼ流れず、超えた瞬間一気に流れます。そのため波形は鋭くなります。
一方、ゲルマニウムダイオード順方向電圧に達していなくてもチョロチョロ流れるので、波形は緩やかになります。

このようにダイオードにも種類が色々あって、紹介したゲルマニウムダイオード、LEDのほかにも、
シリコンダイオード、ツェナーダイオード、などあり、それぞれ歪み方、太さなど色々なファクターが違います。


もう1つ説明しておくべきことがあって、それは対称クリッピングか非対称クリッピングかです。

デフォルトでは1N60の対称クリッピングになっています。
何が対称かと言うと、順方向電圧です。順方向電圧が同じということは交流成分のプラス側もマイナス側も同じようにクリッピングすることになります。
一方非対称ではクリッピングでプラス側とマイナス側で文字通り非対称になります。


対称クリッピングだと、奇数次倍音が多く、偶数次倍音は少ないです。

奇数次倍音が多いとおとなめで音の輪郭がハッキリしたサウンドになります。
実音をベースに置いた男らしいストレートサウンドです。

一方、偶数次倍音が多いと派手でキラキラしたサウンドになります。
実音よりもハーモニクスが目立ち、ピッキングしたときのアタック感なんかも強くなります。
また、ダイナミックレンジが広くなるのでボリュームも大きくなります。

デフォルトは1N60を2つ使った対称クリッピングですが、片側を2つにして、非対称クリッピングにするだけでもサウンドが大きく変わります。

また、大胆にこのD1,D2を外してしまうという選択肢もあります。
これは俗に言うダンブルモードというものです。
この場合、クリッピングしないので、アウトプットボリュームは最大限に大きくすることができます。

スイッチでクリッピング有無を切り替える改造なんかも良くありますね(ディストーションモード⇔ダンブルモード)

ただ、クリッピングしないと言っても、実際はオペアンプ側で多少頭打ちになるのでそこでソフトにクリッピングはされます。

音色の硬さを調整(C6)

デフォルトでは15.9kHz以上をフィルタリングしていますが、これを取っ払うと、もっと固めのサウンドになります。

MXR初期のビンテージ物を持っていますが、現行品より硬めでクッキリしたサウンドなので、取っ払うと近づけるかも知れません。
ただ、その分ノイズも少し多めになると思います。
現行品に近づけるという意味では、信号ラインのコンデンサをフィルムコンデンサではなくセラミックコンデンサを多用するのもアリだと思います。

逆に容量を大きめにすると角の取れたマイルドなサウンドになります。
やり過ぎるとモコモコしてキレの無いサウンドになってしまいますが、0.05uFくらいまでは使えるサウンドです。(このときのカットオフ周波数は約3kHzです)
下げれば下げるほどノイズは減ります。

モタつきを改善

これは回路の追加になりますが、お勧めのモディファイです。

以下を赤丸部分を追加します。

C5とR10でハイパスフィルター形成していて、通過した低音域をGNDへ捨てています。

ただ、やり過ぎると、低音がスカスカになってしまいます。
上の図では159Hz以下をカットしています。

エディのブラウンサウンドって低音は出過ぎてないんですが、100-200Hz辺りをカットするとかなり近づきます。
こうすることでミッドをしっかり歪ませることができるんですね。

最後に

これで電子回路編は最終回です。

ここまで読んだあなたはもう自分でモディファイすることができるようになっているはずです。

各パーツの意味、仕組みをもう理解していますからね。

distortion+好きなんだけど、もうちょっと太さが欲しい、ノイズを減らしたい、アウトプットボリュームを大きくしたい。
これに対してどうアプローチすれば良いかはもう分かったと思いますので、是非、色々試して楽しんで欲しいと思います。
※自己責任でお願いいたします。m(_ _)m

また、distortion+に限らず、非反転入力回路を使ったディストーションエフェクターはこの知識が適用できると思います。

みなさんの求める歪みサウンドの追及に少しでも役に立てていたら嬉しいです。



ただこれで終わりではありません。

オリジナルのエフェクターを自作したいけれども、
 ・ケース加工ってどうやるの?
 ・ケースにオリジナルのデザインしたいんだけど
 ・ケースの上にアクリル板載せてカッコよく作りたい
 ・トゥルーバイパスの配線分からないんだけど
 ・スイッチ使って音色の切り替えしたいんだけど配線分からん
 ・可変抵抗(ポット)でゲイン調整したいんだけど
 etc...
という方向けに【ケース加工・配線編】の連載を予定しています。


また、音色への影響がかなり大きい、オペアンプダイオードについては比較評価したネタがあるので、それもアップしようかと思っています。


それでは、ここで電子回路編は以上となります。

長々と読んでくださり、ありがとうございました。


超初心者向け徹底解説 〜【電子回路編(3/4)】distortion+の回路図解説「③電源部」〜

(2022/9/4追記)

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丁寧に分かりやすい構成を意識して書いていますので、素人の方でも体系的に一から理解できる入門書になっています。

これからエフェクター自作を始めたい方は是非どうぞ。
クローンやオリジナルエフェクター製作ができるところまでをカバーした内容となっています。

世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(前編)
~電子回路の解説~

世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(後編)
~配線レイアウトの解説~


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どうも、lenheyvan です。

前回は「②増幅部」をやりました。
lenheyvan.hateblo.jp


今回は、「③電源部」をやりたいと思います。

いつものように、これを別タブで開いてください。この図を見ながら読んでもらえると理解しやすいと思います。


「電源部かー、どうせ電源をオペアンプに供給したりLED光らせたりするくらいでしょ」と思ったあなた。

ちょっと待ったです!

確かに地味なんですが、かなり重要なパートです。
ここの出来次第でノイズを抑えたり、レスポンスの良い安定したサウンドを下支えしたり、エフェクターの品質にもろに表れるところです。

では、いってみましょう!


「③電源部」の解説

電源をオペアンプへ供給

はい。文字通りそのままです。

以前説明したとおり、シングルオペアンプだと7番端子が電源なので、ここに繋ぎます。

以上。


9V電源を分圧(R5、R7)

抵抗2本を直列に繋げると分圧と言って、電圧をその抵抗比率によって分けることができるんです。

例えば、次のように、9v電源の先に抵抗が1MΩと500kΩの2本が繋がっているとしましょう。
9vの電圧の2/3が1MΩの抵抗に、1/3が500kオームの抵抗にかかります。


これは単純に、抵抗の比率=電圧の比率となっています。

じゃあ、R5とR7はどうかと言うと、同じ抵抗値なので、4.5vずつに分圧されます。

「で?それが何か?」

ってなりますよね。

ただですね、これがかなり重要なんです。
この分圧がないとギターの信号はちゃんと歪んでくれません。

次の絵を見てください。

入力されたギターの信号はこうなってます。
基準電位が0vになっていて、0v〜9vの間を行ったり来たりします。

歪ませるには、これじゃ、ダメなんです。

何故ダメかと言うと、この状態だとプラス側にしか振れていません。
オペアンプで増幅するためにはプラスとマイナスの両方に振れる必要があります。

ではどうすれば良いかと言うと、基準電位を0から中点である4.5vへ引き上げるんです。


どうでしょう。分かりましたか?

整理すると、オペアンプは正電源(+)と負電源(-)で動作します。
一方、ギターの信号は0-9vなので、4.5vを与えることで、仮想的に正電源(+4.5v)と負電源(-4.5v)を作り出します。

これを、バイアス電圧と言います。


ここまでで理屈は分かったので、では次にこれを電子回路上どうするかを説明します。
やり方は簡単です。単純にオペアンプへの入力信号にこの電圧を与えるだけです。

R6の上に繋がっているのはどこですか?

そうです、非反転回路の入力部の信号です。

このように4.5vを入力信号に加えてやることで基準電位が0→4.5vに変わります。
これで上図の状態になりました。

そして、これを次の絵のように潰すと歪みサウンドの出来上がりです。
潰し方は次回の「④クリッピング部」で説明します。


【補足】
ーーーーーーーーーー
波形の頭が潰れると歪むと言うのは、イメージしずらいかも知れませんので、身近な例を考えてみました。

運動会で先生たちが使う拡声器を思い出してみてください。

「は〜い、こっち並んでね〜」

これはクリアな音です。



「コラァッ!そこの後ろふたりぃ!!いつまでしゃべってんだぁー!!」

これはどうでしょう?

はい、そうです。過大入力によって音が潰れます。

つまり、拡声器が許容している入力レベルを超えてるのですが、拡声器はそれ以上大きな音は出せませんから、頭が潰れるんです。この結果、

「ゴガー!ボボブブダギィ!!ヴィズバべジャブボッベンバーッ!!」

となるわけです。

素晴らしい!
まさに、ディストーションサウンド


これはギターアンプでも同じです。
昔のアンプはサックスに負けないように、単純に音を大きくするだけでした。
それが、過大入力することで音が潰れ、そのサウンドがカッコイイことに気づいた先人達は積極的にそのサウンドを使っていったわけです。

これが歪みサウンドの始まりです。

このように真空管は過大入力で潰れて歪みますが、これを電子回路で行うものが歪み系エフェクターです。
ーーーーーーーーーー

ノイズ除去(C4)

ここは、電源のノイズを捨てる場所です。
C4の先がGNDになっていて、通過した信号を捨てています。
コンデンサを通すことで高周波ノイズを捨てています。

ノイズ対策という意味では電池が最強ではあるのですが、電池切れの心配しながらステージに立つのって余計な心配が増えてしまいますよね。
なので、ACアダプターを使う人が多いと思いますので、ここを疎かにしていると電源ノイズに悩まされることになります。

モディファイのネタ帳

電源部はモディファイネタはあまり無いのですが、少し紹介しておきます。

バイアス電圧をズラす(R5、R7)

4.5vは中間点ですが、この中間点を微妙にズラすことで、上と下の波形の中央点がズレます。
すると何が起こるかと言うと、上の波形(プラス側)と下の波形(マイナス側)の潰れ方が非対称になります。

これを非対称クリッピングと言います。

実は真空管で生じる歪みは、上下の対称ではなく、非対称なんですね。これをいち早く取り入れたのが、BOSS OD-1、SD-1です。
※ OD-1、SD-1はあくまでクリッピング部でこれをやっているわけで、バイアス電圧をズラしているわけではないです。(念のため)

非対称だとハーモニクスが出やすくなり色気のある音色になります。対称だと実音強めのストレートな男らしい歪みになります。
これはどっちが良い/悪いではなく、完全に好みです。

レールスプリッターを使う

抵抗での分圧の話をしましたが、これを勝手にやってくれるレールスプリッターなるものがあります。

これを使いつつ、ガッツリ低音域以外を捨てる(つまり交流成分を捨てる)と電源が安定します。

ACアダプターは電池と比べると不安定なので、電圧が急に下がったりします。
例えば、電子レンジを回し始めたら一瞬電気が暗くなったりしますよね。あれは瞬間的に電圧が下がってます。

これをコンデンサでうまく電圧変化の波を吸収してやって、安定化させます。
そうすると、歪みサウンドの土台がしっかりすることになるので、出音がブレないんですよね。

私はこんな感じにしてます。

33Ωの抵抗の先に、220uFのコンデンサが並列にあります。並列なので440uFになります。

これはローパスフィルターを形成しています。
例のごとく、Electricdocで計算すると、10.9Hzです。

10.9Hz以上をGNDに捨てるわけですから、もうこれはほぼ直流です。信号ラインでは無いので、これくらい大胆にいっちゃって大丈夫です。

交流の帯域を捨てることで、電圧変化に強くしているわけです。

最後に

サクッと終わるかなと思ったら、意外とそれなりの量になりました。

バイアス電圧の仕組みは理解できましたでしょうか?

よく分からんけど4.5v与えとけばいいんでしょ、くらいの理解でも大丈夫です。ちゃんと動きますから。

次回は電子回路編の最後である、「④クリッピング部」をやります。

ここは、モディファイの選択肢が多く面白いところですので、お楽しみに♪


超初心者向け徹底解説 〜【電子回路編(2/4)】distortion+の回路図解説「②増幅部」〜

(2022/9/4追記)

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丁寧に分かりやすい構成を意識して書いていますので、素人の方でも体系的に一から理解できる入門書になっています。

これからエフェクター自作を始めたい方は是非どうぞ。
クローンやオリジナルエフェクター製作ができるところまでをカバーした内容となっています。

世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(前編)
~電子回路の解説~

世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(後編)
~配線レイアウトの解説~


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どうも、lenheyvanです。

前回は「①入力部」の解説をしました。
lenheyvan.hateblo.jp


今回は「②増幅部」にいきたいと思います。
いつのように、これを別タブで開いてください。この図を見ながら読んでもらえると理解しやすいと思います。


増幅部は非反転増幅回路になっていて、負帰還部で入力信号を増幅しています。

以前に説明した記事はこちらです。忘れてしまった方は、こちらから復習しましょう。
↓↓↓

lenheyvan.hateblo.jp



「②増幅部」の解説

オペアンプの7番端子に抵抗(R5)から繋がっている線がありますが、これは「③電源部」で解説します。

信号を増幅(R2、R3+R4)

以前の記事に書いたとおり、抵抗の比率で増幅率が決まります

この回路ですと、R4という1個多く抵抗がついてますね。

R4には矢印が書いてありますが、これは可変抵抗を表していてDISTORTIONノブになります。
0~470kΩの間で調整可能です。

R4は左に絞り切ると470k(抵抗MAX)、右に絞り切ると0(抵抗MIN)となるように配線されていますので、MIN→MAXは470kΩ→0Ωということになります。

増幅率は(1+R2/(R3+R4))倍ですので、
R4がMIN(470k)の場合は(1+1M/(4.7k+470k))≒3.1倍、
R4がMAX(0)の場合は(1+1M/(4.7k+0))≒213.8倍です。


MAXで213.8倍という増幅率は、一般的なディストーションエフェクターとしては、あまり大きいな数字ではありません。

ただ、distortion+の場合はこれくらいの増幅率で十分なんです。
何故かは「④クリッピング部」で解説します。

周波数特性を決める(R3+R4、C3)

ここはdistortion+の肝となる重要な部分です。

またここでR3,R4が出てきます。
そうなんです。R3,R4は2つの役割を持っています。

増幅率を決める役割と周波数特性を決める役割です。


では、周波数特性とは何でしょうか。

純化のため、R4は一旦、ここから少しの間、無いものと考えてください。
 つまり、0Ω(DISTORTIONノブを右に絞り切った状態)です。


「周波数特性」を学問的に説明してもわかりにくいので、簡単に説明します。

誤解を恐れずに言うと「増幅する周波数帯域」と思ってください。
そして先に言ってしまうと、この回路では周波数特性は720Hzです。

つまりこういうことです。

増幅率は周波数帯域が720Hzまではゆっくりあがっていきます。この帯域では増幅率は高くありません。
そして720Hz以上の帯域では増幅率が高い状態になっています。

簡潔に言うと、720Hz以上を増幅する、と言えます。


ちなみに、BOSS SD-1も同じ周波数特性になっており、割と定番の定数です。



ではこれの仕組みの解説にいきます。

まず、C3、R3+R4でハイパスフィルターを形成しています。

AndroidアプリのElectricdocで計算させてみましょう。

R4はここでは無視するのでC3とR3の定数を突っ込んでみます。
※抵抗を直接に接続した場合の合成抵抗値は、単純に加算するだけです。



オペアンプの解説をしたときに、3番端子(非反転入力)と2番端子(反転入力)の電位差はゼロになるように動作するとお話しました。

つまり、ハイパスフィルターで信号がGNDへ逃げていくので、その分、オペアンプは電位差をゼロにするために増幅します。

言葉だけだとわかりにくいので絵を描いてみました。

周波数 a < b < c とすると、

周波数 a は少しだけ増幅(小)、
周波数 b はまあまあ増幅(中)、
周波数 c はめっちゃホリデー増幅(大)、

となります。


というわけで、DISTORTIONノブを上げていくと、派手でバリバリした歪みが出てくるのは、高音域がブーストされているからなんですね。


では、ここでR4も加えて話をしましょう。

R4は0~470kΩまでの可変抵抗です。
R4が大きくなればなるほど、周波数特性は下がっていきます。

例のごとく、Electricdocで計算させてみましょう。

R4がMIN(470k)の場合は7.1Hz、
R4がMAX(0)の場合は720Hzです。


そして、先程お話したように、R4は増幅率にも影響を与えます

R3,R4,C3の関係性をまとめると次のようになります。
R4によって増幅度と周波数特性が変わります。

R4がMAX(0)の場合が一番上の線、
R4がMIN(470k)の場合が一番下の線、
真ん中の線はその中間点です。

MAX :増幅率 213.8倍 周波数特性 720Hz
真ん中:増幅率 70.9倍 周波数特性 360Hz
MIN :増幅率 3.1倍 周波数特性 7.1Hz

となります。


いかがでしょうか?
非反転回路を使った増幅回路の仕組みは理解できましたでしょうか。

  • 増幅率はR2とR3+R4の比率で決まる。
  • 周波数特性はC3とR3+R4で決まる。

これだけです。
最初は一見難しそうに見える回路図も、理解すると意外に単純な構造だと思いませんか?

モディファイのネタ帳

ここまで来ると、メラメラと改造したい衝動が出てきませんか?

もっとゲインを上げたい、
もっと図太い歪みサウンドにしたい、
オペアンプを交換して自分好みのサウンドを探したい

なんて思うようになったら、あなたは既にエフェクターDIYの沼に片足はまっています。
いや、腰まで浸かっていると言って良いでしょう。

この沼にハマると楽しいですよ。
自分のアイデアを自分の手で具現化できるんですからね。

オペアンプ交換(各オペアンプの音色)については長くなるのでまた別途やるとして、
ゲインUpと図太いサウンドについてはここで紹介します。

ゲインUp(R2,R3,C3)

R2を大きく、R3を小さくすると、ゲインUpすることができます。
そりゃそうですよね。だって、R3とR2の比率がそのまま増幅率になるわけですから。

ただ、「そうすると周波数特性が変わってしまうんじゃないの?」と思われたあなたは賢いです。
そのとおり、周波数特性が崩れてしまいます。

なので、増幅率には関係しませんがC3も書いてあるのです。

周波数特性を変えずにゲインUpするためにはR2,R3と合わせて、C3も調整する必要があります。

例えば、よくモディファイするときに使われる定数として、R3を4.7k→1.0kにします。
そうすると増幅率は(1+1M/1k)=1000倍になります。

「213.8倍という増幅率は大きくないがdistortion+ではこれで十分」とお話ししましたが、
これはあくまでもオリジナルの場合の話であって、ダイオードをLEDに変えた場合なんかはこれくらいのゲインが欲しくなります。

周波数特性の話に戻りますが、このままだとR3が1.0k、C3が0.047uFなので、周波数特性は3.4kHzになります。
※例によってElectricdocで計算しました。

これだと、かなり高い周波数を高い増幅率でゲインUpするので、
線の細いキンキンした音になって、ゲインをちょっと上げると発振してピーピー鳴っちゃうと思います。

周波数特性を720Hzのままにするためには、C3を0.22uFにします。

R3が1.0k、C3が0.22uFだとちょうど周波数特性は720Hzになります。

これで、周波数特性は変えないまま、ゲインは213.8倍→1000倍へ上げることができました。

また、よくやるのが、R2を可変抵抗にしてしまうモディファイです。(GAINノブ)

DISTORTIONノブを上げたトレブリーなサウンドは好きなんだけど発振してしまって、そこまで上げられないというときに、GAINノブを下げることで、トレブリーなクランチサウンドを作ることができます。

ちなみにゲインは上げればあげるほど良いというものではなく、あまり上げ過ぎると、潰れて解像度の悪いモゴモゴしたサウンドになります。

ただ、音楽にルールなんてありませんので、そのサウンドをカッコイイと思えるなら、それは完全にアリです。

歪みの太さ(C3,R3)

オリジナルは主に720Hzから上を増幅しますが、この周波数特性を下げる方向に変えてやると太さがでてきます
ただ、その代わりに高音域の煌びやかさは減少します。

例えば、C3の定数を2倍にすると、周波数特性は720Hzの半分の360Hzになります。
C3の定数を2倍ということは0.44uFですので、0.22uFを並列にもう1つ付けます。

並列につけることで、スイッチで周波数を瞬時に切り替えするなんてこともできます。

コンデンサ並列に接続した場合の合成容量は、単純に加算するだけです。
 抵抗とは反対ですね。抵抗は直列の場合に加算するので。
 コンデンサの直列接続、抵抗の並列接続の合成値は数式がちょっと違って減少する方向にいきますが、ここでは必要ないので割愛します。

周波数特性が720→360Hzに下がるということは、歪ませる帯域が下がるということなので、
トレブリーなサウンドから、ファットなサウンドへ変化します。

最後に

負帰還回り(オペアンプ、ゲイン、周波数特性)と、
次々回に解説するクリッピング部の2か所は、出力されるサウンドに大きな影響を与えます。

モディファイするなら、まずはこの2か所から攻めるのが良いと思います。

では今回はここまでです。

次回は、地味ではありますがかなり重要なパートである「③電源部」にいきたいと思います。


超初心者向け徹底解説 〜【電子回路編(1/4)】distortion+の回路図解説「①入力部」〜

(2022/9/4追記)

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丁寧に分かりやすい構成を意識して書いていますので、素人の方でも体系的に一から理解できる入門書になっています。

これからエフェクター自作を始めたい方は是非どうぞ。
クローンやオリジナルエフェクター製作ができるところまでをカバーした内容となっています。

世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(前編)
~電子回路の解説~

世界一分かりやすい歪みエフェクターの仕組み(後編)
~配線レイアウトの解説~


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どうも、lenheyvanです。

これまで、抵抗・コンデンサ、フィルター回路、オペアンプの解説をしてきました。
lenheyvan.hateblo.jp
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一応これでdistortion+のような、原始的な回路図は読める準備ができました。

さあ、いってみましょう。

まず、全体の回路図はこのようになっています。
これを別タブで開いてください。この図を見ながら読んでもらえると理解しやすいと思います。


おおまかには、赤枠の各パートに分かれていて、最終的に信号を増幅&クリッピングすることでディストーションをかけています。

今回から何回かに分けて、各パートを解説していきますね。

「①入力部」の解説

超高音域をカット(C1)

一番最初に小容量のコンデンサC1がGNDに繋がっていて、ローパスフィルターになっています。
ここで超高音域をGNDに落として捨てることで、ノイズを軽減してします。

※ノイズを軽減する代わりに、煌びやかさは失うわけで、そこはトレードオフになります。



でも、「あれ?おかしい」と思いませんでしたか?


そうなんです。フィルター回路ぽいけど抵抗が無いんです。実はこうなっている回路はよくあります。

カットオフ周波数はちゃんと計算できますが、インピーダンスという初心者にはちょっと取っ付きにくい話が出てきます。
私の記事は素人の方がディストーションを自作できることを目標にしているので、ここでは話しません。
(というか、私自身もプロの方に最近教えて頂いたくらいなので、適切に解説できるか自信が無いです。。)



【興味が無い方は読み飛ばしてください】
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少しだけ説明すると、一言で言うと、直流回路における抵抗が「抵抗」、交流回路における抵抗が「インピーダンス」です。


抵抗はRで表現し、V=IRと説明しましたが、
インピーダンスはZで表現し、V=IZです。


コンデンサの説明の時に交流を通し直流を通さないとお話ししましたよね。
これを言い換えると、高周波(より交流に近い)はインピーダンスが低く、低周波(より直流に近い)はインピーダンスが高い、ということになります。


まあ、この辺の小難しい話は知らなくてもディストーションは作れますので、気にしなくて大丈夫です。

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低音域をカット(C2)

次にC2が、中音域~高音域だけ通すハイパスフィルターになっています。
これも先程と同じく、抵抗の無いハイパスフィルターです。

ここまでで、超高域と低音域をカットして、オペアンプに入る前段でサウンドを整えてます。

オペアンプ保護(R1)

10kの抵抗になってますが、これはオペアンプ保護用です。
大きな電流がオペアンプに入力されるとオペアンプが壊れるので、通常1~10k程度の抵抗をここに入れます。

※R1からオペアンプへ入力する途中、R6から線が繋がっていますが、これは「③電源部」で説明します。

モディファイのネタ帳

歪ませる帯域調整-高音域(C1)

容量でカットする周波数を変えることができます。
小さくすると煌びやかだけどノイジー(煌びやかさMAXにしたいなら外してください)、
大きくするとノイズをより抑えられるけど煌びやかさが失われていきます。


歪ませる帯域調整-低音域、コンプレッションの調整(C2)

容量を小さくするとキレがよくなるけど薄くなる、
大きくすると太くなるけど低音域がモタつきます。

また、良くも悪くも、低音域が多めだとコンプレッション感も上がります。

歪みの質感の調整(R1)

ここはサウンドへの影響はあまり大きくないです。
抵抗が大きい方が若干Dirty(良い意味で泥臭い)、小さい方がClear(スッキリ)かなという印象です。

Keeleyモディファイではここの抵抗や、R8を4.7kにしていたはずです。

最後に

私はそれぞれのパーツの役割を耳でも確認したかったので、ボロボロのdistortion+を中古で入手し全パーツを外してソケットをつけました

出展:Garrettaudio

↑これを各パーツの足の部分に半田付けして、抵抗やコンデンサを差し替えるだけでサウンドチェックできるようにしたのです。

こんな感じです。

ソケットつけるのは中々大変ですが、一回やってしまえば後はめちゃくちゃ楽ですよ。

やっぱり理屈より最後は自分の耳ですからね。


ここで作業について、ひとつアドバイス

モノによりますが、市販品の半田はガンガン温めても、半田吸い取り線が吸ってくれない場合があります。
(特にオペアンプは難儀します。。)

そういうときは、取り外したい足の半田に上からさらに半田を盛ってから、吸い取ってみてください。

そうすると、自分がつけた半田を吸い取るときに元々の半田も一緒に吸ってくれるのでキレイに取れます

オペアンプダイオードのような熱に弱い部品は熱を与えすぎると壊れてしまうので、かなり有効な手段です。

このやり方を知らずに、何台の基板を壊したことか。。



では、今回はここまでです。

次回はこのエフェクターの心臓部である、「②増幅部」にいきたいと思います。